筋トレで扱う重量を上げる方法,タイミングの目安
筋肉をつけるためには筋力を伸ばしていくことが何よりも大事ということをProgressive Overloadの記事で紹介しました。扱う重量が上がらない=筋肉がつかないと思ってもらってもいいくらい筋肥大には扱う重量を伸ばしていくことが必須です。
ベンチプレスの重量が思うように伸びない…
いつも同じ回数で終わってしまう
なかなか自分の扱ってる重量を伸ばせない人にこの記事では筋トレで扱う重量を上げる方法,タイミングの目安について紹介します。この記事では例としてベンチプレスを扱いますが、書いてあることはデッドリフト,スクワットなどのメイン種目にももちろん当てはまります。
重量を伸ばしたいならモーターユニットを意識しよう
モーターユニットはあなたの中にいる小さな人間
例えばあなたのベンチプレスのMAXが100kgだと考えてください。下の画像のようにあなたには小さなもう一人の自分が5人いてA~Eの5人それぞれ20kgを担当しています。100kgを上げるときは全員が20kgずつ力を出し合って自分のMAX100kgを上げることができます。
このA~Eのひとりひとりがモーターユニットです。
本気を出すモーターユニットもいればサボるモーターユニットもいる
このモーターユニットが筋力を伸ばすうえで大事になってきます。
A:ベンチプレス80kg5回2セットの人
B:ベンチプレス80kg5回,70kg5回,60kg5回,50kg限界回数。計4セットの人
Aのほうが筋力はアップします。というのはこのモーターユニットが本気を出すモーターユニットもいればサボるモーターユニットもいるためです。
ベンチプレスMAX100kgだった場合、60kgのベンチプレスを扱ったらモーターユニットはどういう状態だと思いますか?
実は上の画像のように60kg扱うときは5つのモーターユニットに60/5=12kgではなく、3つのモーターユニットが20kg本気を出して後の2つは完全にサボります。高重量のほうが重量アップに効果的というのはこちらの記事にある研究結果でも明らかです。
筋トレで扱う重量を上げる方法
重量が伸びない人、こんなメニュー組んでませんか?
まずはやったらNGなメニューを紹介します。きっと下のようなメニューを組んでいませんか?
重量が伸びない人に大体共通しているのはこんなメニューをやってる人です。
10回以上できる重量に設定している
10回3セットというのが筋トレの教科書になっていますが、10回という数字には科学的にも全く根拠がありません。逆にモーターユニットの説明で分かってもらえる通り、高重量のトレーニングの方が鍛えられるモーターユニットの数も多くなるので10回できるような軽い重量では筋力はあがりません。
潰れるまでトレーニングする
潰れるまでベンチプレスをやってる人、よく見かけます。しかし、そのトレーニングは自己満足的なもので重量は逆に伸びにくくなります。詳しくこの記事で書いていますがコンパウンド種目を限界までor潰れるまでやると神経系がかなり疲労します。その神経系の回復には1週間以上かかりますので次のベンチプレスの日ではまだ神経系が回復できてないことが多いので重量も上がりません。
だからパワーリフターの人もMAX重量を毎日やってるイメージですが実はMAX重量や限界までやることがあまりないのはこういった理由があるからです。毎回潰れるまでやっていたら神経系が傷ついてしまうので重量が伸びないですし、最悪ケガをします。
高重量で重量を落とさないことが筋力アップに重要
A:ベンチプレス80kg5回2セットの人
B:ベンチプレス80kg5回,70kg5回,60kg5回,50kg限界回数。計4セットの人
Aのほうが筋力が伸びる理由がもうわかってもらえたと思います。高重量で重量を落とさないことがモーターユニットを鍛えていくうえでとても重要になります。
キツさを求めてどんどん重量を下げて限界までやっても疲れはしますが、使われるモーターユニットはわずかなので筋力は伸びません。
パワーリフターがドロップセットをしないのはこのためです。彼らは同じ重量を扱うことを意識して多くのモーターユニットを鍛えます。高重量低回数のほうがいい理由についてはこちら
さらにインターバルはしっかりとってからトレーニングしましょう(理由)。
筋トレの重量を上げるタイミング目安
ベンチプレス50kgから重量を追加するときにどんなタイミングで追加したらいいのかって迷いますよね。追加するタイミングを見誤ると大幅に筋力アップが遅れますので重量を上げるタイミングも意識しましょう。
ビビらずクリアしたら次は重量を上げていくのがおすすめ
重量上げたときって未知の重量で怖いですよね。でもビビらずにどんどん重量は上げていきましょう。「体が慣れたら重量を上げる精神」だとほぼ伸びません。慣れなんて待つ必要ないです。
重量をどんどん上げていくためには、「目標が達成出来たらすぐ次のレベル!」という精神が重要です。例えばベンチプレス50kg5回2セットと決めていたのなら、50kgが5回2セット出来たらもう次のベンチプレスの日には重量を追加してしまいましょう。
重量を追加するのは2.5kgずつがいいです。それだと大体-2repくらいで最低でも1~2回は上げられるはずです。
重量を上げる回数,セット数,インターバル
大体メインセットは下のように目標を作ってください。
- Rep数(回数):3~8回
- Set数:1~3回
- インターバル:2~3分
ポイントは先ほど話した通り、重量と回数は変えずに2セット以上やるなら1,2セットは同じ重量と回数でやりましょう。同じ重量と回数でやるので2セットとも5回でやりきるなら、1セット目は7,8回できる回数を余裕をもって5回で終わらせましょう。そうすれば2セット目が同じ重量かつ、5回ギリギリを攻められます。
回数,重量を落とさないためにもできるだけインターバルは長めに取りましょう。おすすめは2~3分です。1分程度だと7~8回できる重量でも次のセットで5回上げ切るのはかなり難しいです。そうなったら重量を軽くするしかないので鍛えられるモーターユニットも少なくなってしまいます。
中級者以上の重量アップは計画的に!
毎回本気を出してると逆に重量が上がらなくなるかも
この記事にもある通りベンチプレスを週に2回やるとして毎回本気を出すと神経系が疲労して逆効果になります。中級者以上になってくると神経系への疲労もある程度大きくなってきますので愚直に「目標クリア→重量アップ」というのもいいのですがある程度計画性を持たないといけません。
「サボる日」と「本気を出す日」を作る
毎回本気を出していては逆効果になるので週に1回だけ高重量を扱って本気を出す日、そして追い込まず重量も軽めでRPE8くらいにする日という計画性が重要です。
例えば80kg10回できたら次のベンチプレスで82.5kgをやるのではなく、次の週の同じ曜日に82.5kgを扱うという目標なら神経系の回復も確保することができます。
停滞期になった時のメニューはこちら
重量を上げる方法,タイミングの目安のまとめ
扱う重量を伸ばしたいのならモーターユニットについて理解しましょう。モーターユニットは高重量になればなるほどたくさん鍛えられますので重量を伸ばしたいのなら高重量がいいです。
そして注意点は”10回以上できる軽い重量を扱わないこと”,”潰れるまでやらないこと”です。
重量を追加するタイミングについては目標を決めてクリアしたら次は重量追加というスタイルだとどんどん重量を上げていくことができます。
コメント
[…] 実験ではセット数は高重量グループと高回数グループとでは同じになっています。つまり、高重量グループはボリュームが低いにも関わらず筋肥大において高回数グループと同じ結果となったということです。 さらにこの研究では一貫して高重量グループのほうが筋力が成長しました。このことから、筋力に関しては重量が軽いと鍛えられるモーターユニットが少ないので筋力アップには不向きです。さらに筋力アップができないということは筋肥大に最も大切なProgressive Overloadが満たせなくなります。 […]
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