背中の広がりが欲しいならこれをやれ!広背筋最強種目と筋トレ法を科学的に徹底解説!
誰しもあこがれる逆三角形の体を作るためには背中の広がりを作ることが必要不可欠です。そして背中の筋肉はあなたの後ろから見た外見を大きく変えます。しかし、一生懸命トレーニングしてもこの筋肉が成長しない人もいれば、数か月で背中の広がりの成長を感じることができる人もいます。
この記事では背中の広がりを作るおすすめの鍛え方と最強種目について紹介します。
解剖学的な背中の広がり
背中の広がり3つの筋肉
背中の広がりは主に3つの筋肉から構成されています。ひとつ目は広背筋、そして大円筋、小円筋です。とはいっても小円筋はローテーターカフという非常に小さい筋肉であり、この部分のサイズとしてもほとんどの背中の広がりは広背筋から構成されています。
そして、解剖学的な運動としても大円筋は広背筋の運動とほとんど同じであり肩関節の内転、そして伸展、意外と知られていないのが腕を内側に回転させる内旋の3つです。そのため、この3つの運動で広背筋と大円筋の両方が収縮し活性化されるため背中の広がり=広背筋と考えても問題ありません。
逆に言うと解剖学的な運動が同じであるということは広背筋を隔離したり大円筋のみにウエイトの負荷を集中させることはできません。
広がりの筋肉は解剖学的には腕を上から下に引っ張る運動に深く関わっているため、スポーツサイエンティストのmike israetel博士は背中の広がりはロウなどの水平プルではなく、垂直プルで最も強く活性化されると話しています。背中の広がりを作るときは上から下に引っ張る種目が必要です。逆に前から後ろに引っ張るロウではそこまで広背筋は活性化されていません。
広背筋の下部と上部はある?
広背筋に関する質問で上部と下部についての鍛え方を聞かれることがあります。広背筋には下部と上部があり、よくある鍛え方としては下部はシーテッドロウや逆手でのロウなど脇を閉じて引っ張る運動で活性化される。確かに筋肉の解剖学的図を見ていても上部は横方向に筋繊維が流れていますが下部はやや上から下への流れがあります。
そのため、理論的には鍛え分けができる可能性はありますが、これを裏付ける科学的な文献や筋電図分析などはほとんどありません。筋繊維の向きとしてもそこまで大きな違いがあるようには見えません。逆手でのロウやプルは下部といわれることがありますがこれをすると一般的なロウよりも脇が閉じて肩関節の伸展に近くなるため広背筋の活動は強くなりますが、下部が強調されるわけではありません。
そもそも広背筋はわきの下からかなり広い範囲に広がっているため脇の下に筋繊維は密集していますが背骨付近の密度は非常に低いため上部よりも下部が成長しにくいのは大胸筋の内側と外側では外側のほうがはるかに成長しやすいように当たり前です。加えて下部のあたりは多くの脂肪があるためこのラインが出にくいのも全くおかしなことではありません。
2013年の広背筋についての科学的調査では横方向の屈曲で広背筋の上部と下部の両方が作用すると示されているようにどのような運動でもおそらく筋肉の活動には大きな差はないと思います。むしろ逆手のロウなど下部のトレーニングとされている種目の多くは広背筋の発達にとってあまり良くないため、下部はあまり意識せずに全体を発達する意識が結果的には最も効果的な下部のトレーニングにもなります。
下部が成長したと感じるときは、ほとんど広背筋全体のサイズが増加している可能性が高いです。広背筋下部は理論的には鍛え分けができる可能性はありますが、この部分のサイズは全体な広背筋のサイズや遺伝的なものにほとんど依存すると思います。
背中の広がりの鍛え方
マインドマッスルコネクションを使う
背中の筋肉を成長させるためには、背中の筋肉を働かせるようにすることが非常に重要です。背中は人間の背面にある筋肉であるため腕や脚の筋肉などとは違いトレーニング中にみながらトレーニングすることができません。
これによって背中の筋肉は特に筋肉が働いている感覚を感じにくいという人も少なくないため、筋肉の活動を高めるテクニックが必要になります。筋肉を意識的に働かせる、効かせるようにするマインドマッスルコネクションは背中の筋肉の収縮を感じられない人に特におすすめの方法です。
2018年の調査でもこのテクニックは長期的な筋肉の成長にとってメリットがある可能性が示されているように、特に筋肉に効かせられない初心者の人にとっては非常に効果的です。
ラットプルダウン中の広背筋の活性化について調べた研究では被験者のラットプルダウン中にコーチが背中を触ることで広背筋の活動が上昇したように触りながら行うとより背中が働きやすくなります。
一人でやる場合はシングルアームで行うと触りながら行うことができます。最初のウォーミングアップやこの部位になかなか効かせられない人は是非この種目をやってみてください。
肩を下す
広背筋を鍛えるときは単純に腕を下に下げるだけでは不十分です。必ず引っ張るのと同時に肩を下に下げましょう。上から下に引っ張るときは必ず肩甲骨の下制が必要です。バーを引っ張るのと同時にこれをしないと広背筋はほとんど収縮しません。
一度肩をすくませたままラットプルダウンをしてみてください。触ってみると広背筋に力はほとんど入っていないことがわかるはずです。
かなり多いミスは高重量のラットプルダウンできつくなったら肩がすくんでしまっていることです。これでは広背筋ではなく腕と肩に負荷のほとんどが逃げているため必ず引っ張るのと同時に肩を下に下げて広背筋を収縮させましょう。
伸展を使う
広背筋のトレーニングと聞くとほとんどの人がラットプルダウンや懸垂などの肩関節の内転を使った種目を上げます。しかし、最初にも話した通り広背筋は肩関節の内転と伸展によって強く働くため内転だけではなく伸展でも背中を鍛えるとより成長しやすくなります。
筋肉の成長とバリエーションについてのレビューペーパーではトレーニングではある程度のバリエーションがあると筋肉の成長が促進されることを示しているため、1種目だけではなく2~3種目で筋トレは構築することを推奨されています。
伸展は背中トレーニングのロウで使用されることがありますが、フィットネスの研究者であるmennno henselmans博士が言うように伸展範囲は逆手でやったりナローグリップでやったりしても最大で90度程度しかありません。これは先ほど話したようなストレッチがないことを意味するため広背筋の成長にとっては効果的ではありません。
広背筋を鍛えるときはマインドマッスルコネクションを使うこと。ただしこれは筋トレ経験が十分にあって背中を意識しなくても効かせられる人はやらなくてもいいです。そして、必ず肩を下に下げること。これができてないと背中にはほとんど負荷はかかってないといってもいいです。最後は内転だけじゃなくて伸展も入れること。この3つが非常に重要です。
背中の広がりおすすめ筋トレ種目
回内グリップの懸垂
広背筋を鍛えるおすすめ種目は2つです。まずひとつ目は回内グリップの懸垂。
回内グリップの懸垂は肩関節の内転を使うことで広背筋を刺激する種目です。この種目はラットプルダウンと非常に似ていますがパーカーフィットネスは懸垂をおすすめします。
まずこの種目は自重の懸垂ができるようになってからだと細かい重量設定ができます。マシンは基本的には決められたウエイトしか設定できませんが、懸垂は加重ベルトを使えば12.5kg加重や1.25kg加重というように細かく調節ができます。
そしてもうひとつはチートが非常に使いづらいこと。プログレッシブオーバーロードは筋肉の成長にとって非常に重要であるため高重量に挑戦することは非常に重要であるが故にチートも非常に使いやすいです。
ラットプルダウンは引っ張るのと同時に背中を45度下げると広背筋の活動が11%増えることが示されていますが、問題なのは高重量になるとこの背中を後ろに下げる運動によってウエイトを引っ張ってしまっている人がかなり多いことです。
しかし、懸垂はチートがかなり使いづらく単純に背中の力だけで体を持ち上げることができます。
2017年の研究では4つどのグリップでも広背筋の筋活動は変わらなかったことを示しているため、どのグリップを選択しても大きな差はないと思いますが、逆手で行うと手幅が狭くなるのでフィニッシュでやや背中の筋肉が収縮しづらい可能性があります。
「さらに最初にも話した通り広背筋は肩関節の内旋にも関わるため、回内グリップのほうがこの運動が強くなります。この運動の追加によって広背筋をより活性化できる可能性があります」
ワイドグリップは広背筋とよく言われますが実際のところ懸垂、そしてラットプルダウンの研究を見ても化学的な信頼性は高くなく、ほとんどの研究はワイドもナローも大きな差はみられないことが多いです。しかし極端なワイドにすることで可動域が無くなり、広背筋のストレッチ感もなくなります。広い可動域とストレッチは最新の研究データで筋肉の成長にとって非常に重要な要素であることが示されているため、極端なワイドグリップは避けることがおすすめです。
目安としては自分の肩幅よりもこぶしひとつ分くらい広い手幅を推奨します。そしてフィニッシュではやや背中を反らせて体を斜めにすることによってラットプルダウンで背中を反らせると同じテクニックが使えます。
必ずスタートで肘を伸ばして広背筋のストレッチを感じてから引っ張ります。そして、最低でも顎が手よりも上に来るまで引っ張りましょう。特にきつくなってくると顎を上に出そうとして肩がすくみやすいので注意してください。
ラットプレイヤー
ふたつ目はラットプレイヤー、これはmenno henlmans博士が推奨する伸展を使って広背筋を鍛える種目です。伸展で鍛えることは重要といいましたがこの種目は最強の伸展種目といっても過言ではありません。伸展はラットプルダウンのクローズグリップでも十分だと思うかもしれませんが、横方向の力がありません。例えばクローズグリップのストレッチポジションを見てみましょう。この時の力はどっちにかかっているでしょうか。
真上にかかっていますよね。しかし、肩関節の伸展というのは肩関節を軸にした円運動であるためむしろ頭のすぐ上にあるときは横向きに力がなければ広背筋はストレッチしません。ラットプレイヤーは膝立ちになりマシンから1m程離れます。スタートでは体を前に出しますが、この時ケーブルの力は体に対して横向きにかかっているため広背筋に非常に強いストレッチがかかります。
一度やってみると懸垂やラットプルダウンでは経験したことのないくらいのストレッチを広背筋に感じると思います。必ず中途半端な場所で止めずに水泳選手の飛び込みのように腕が頭の上まで来るようにしましょう。顔の前で止めてる人もかなり多いので注意してください。
グリップはニュートラルグリップで行うことで脇が閉じて肩関節の伸展がより強くなるため、ロープグリップを推奨します。ただしこれは最終的には個人的な好みで選ぶことをが最もおすすめです。
筋トレメニューとしては全身トレーニングで懸垂をやる日、ラットプレイヤーをやる日の交互で行うのがおすすめです。懸垂がまだ自重でできない人はアシストマシンを使用してください。セット数としてはこの2つの種目を1週間で10~15setをまずは目標にしてください。
必ず最初にストレッチを感じて、最後に収縮させます。1repごとにこの2つを必ず感じるようにしてください。無理に高重量のウエイトを扱う必要はありません。丁寧に広い可動域でトレーニングしましょう。そうすれば広背筋の成長は劇的に変わるはずです。
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