【全身法】最強の理由である科学的な5つのメリットと筋トレメニューの組み方
今回は科学的に最強のトレーニングである全身トレーニングについて科学的なメリット5つとおすすめのメニューの組み方について紹介します。この記事を見ることで全身トレーニングがなぜ最強なのかについて知ることができ、そしてそのメニューを作るうえで重要なポイントも知ることができます。
全身トレのメリット
筋肥大効果が高い
全身トレーニングメニューの最も大きな利点は筋肥大効果が高いことです。2018年の研究では週5回の全身トレーニングと大胸筋の日など1日で集中的に特定の部位を行うスプリットトレーニングで比較を行いました。
この研究はお互いのグループのセット数や種目、強度は全く同じでした。
研究結果を見ると青の全身トレーニンググループのほうが筋肥大効果がはるかに高いことがわかります。その差は測定した部位のすべてで2倍近くのものです。
この理由は全身トレーニンググループのほうが少ない疲労により多くの回数をこなせたことだと研究者たちは考えています。
2017年の筋トレのセット間のインターバルについて、系統的レビューでは筋トレ中の長いインターバルのほうが筋肥大,筋力アップ効果が高いことを示しています。なぜならインターバルが長いほうが筋肉が十分に回復し次のセットでのパフォーマンスが向上するからです。
そのため、5setを各セット間のインターバル3分かけて1日でやるよりも1setを1日ずつ、週5回やったほうがセット間のインターバルが24時間あるため全ての最高のパフォーマンスを発揮できます。フィットネスの研究者であるエリックヘルムズ博士によると全身トレーニングはセットの品質を高めて結果的にボリュームを大きく上げてくれることを紹介しています。
現在の科学は追い込みやパンプよりも圧倒的にボリュームのほうが重要であることを示しています。分割法をしていた人が全身トレーニングにすることで追い込み不足を感じるかもしれませんが筋肉の成長は間違いなく全身トレーニングのほうが高いです。
ちなみに休憩を長くとるなら短くして沢山やったほうが効果的なのではないかという意見もあるかもしれません。つまり,3分の長いインターバルで10setやるなら30秒の短いインターバルで20setやったほうが時間は同じでも結果的にボリュームは多いからより大きな筋肉の成長があるんじゃないかという考えです。
これは良い考察ですが科学的な文献を見ると短いインターバルで稼いだ10setと長いインターバルで稼いだ10setでは筋肥大効果が違うようです。ジェームスクリガー博士のボリュームバイブルによると短いインターバルはボリュームの筋肥大効果を損なう可能性があるため、同じ筋肥大効果を得ようと思ったら長いインターバルの2倍は必要になるようです。
短いインターバルで倍のボリュームをやっても筋肥大効果は変わらず必要なボリュームは2倍以上になるので疲労感が大きく出るため短いインターバルの利点はあまり無いようです。
多くの脂肪を燃焼させる
2016年の研究では最低2年の筋トレ経験のある男子ラグビー選手を対象に全身トレーニングとスプリットトレーニングを行わせました。結果として除脂肪体重はスプリットトレーニンググループは平均して+0.4%だったのに対し全身トレーニンググループは+1.1%で2倍以上の差がありました。そして体脂肪の量はスプリットトレーニンググループは-2.1%だったのに対し、全身トレーニンググループは-5.7%でこれも2倍以上の差がありました。
そのため、全身トレーニングは分割トレーニングよりも体脂肪を落としながら、かつ筋肉を構築する優れたトレーニングです。
柔軟にメニューに対応
全身トレーニングは忙しい人に特に機能します。このメニューの柔軟性は現代のビジネスマンにとって大きなメリットです。例えば月曜日胸、火曜日背中、水曜日肩、木曜日腕、金曜日脚のようなスプリットトレーニングをしている場合、月曜日が何かの予定で潰れてしまった場合、1週間でこなす大胸筋のボリュームは0setとなります。Push Pull Legの場合も一日潰れるだけで特定の部位のボリュームが半分になります。
ボリュームが極端に落ちると筋肉のサイズが減少する可能性があるため1日ジムに行けなくなるだけで1週間の筋トレメニューを大きく変える必要があります。
しかし、全身トレーニングメニューは1日いけなくなっても各筋肉のボリュームが全体的ちょっと落ちるだけでありボリュームを維持するためにメニューを変更させる必要がありません。月曜日から金曜日の全身トレーニングをやっている場合は月曜日がいけなくなっても火曜日から金曜日のトレーニングをいつも通り行うだけでいいからです。
短時間で終わる
全身トレーニングについての誤解で最も多いのが分割するよりも全身トレーニングのほうが時間がかかるというものです。分割法から全身トレーニングに変更してみようと考えている人は今やっている。例えば月曜日大胸筋の日だとしたら月曜日やっていたメニューを高頻度で分散させるだけです。そのため、結果的にセット数は同じであるため全身トレーニングにしたら筋トレ時間が長くなったということはありません。
加えて実際にやってみるとわかりますが全身トレーニングのほうが短い時間で筋トレが終わる可能性があります。例えばスプリットトレーニングで大胸筋を重点的にやっている場合、1種目のベンチプレスの後のダンベルフライの間にインターバルが必要になります。なぜなら同じ部位だからです。
1種目目のベンチプレスをやった後すぐにダンベルフライをやるのは同じ部位をインターバルなしで鍛えるためパフォーマンスが大きく低下します。そのため1種目目が終わっても2種目目との間に3分のインターバルをとります。
しかし、全身トレーニングだとベンチプレスをやった後にラットプルダウンであるため同じ部位を連続してやりません。これはみなさんの体感的にも分かると思いますが、科学的に疲労というのは局所性が強いことがわかっています。つまりベンチプレスの後すぐにダンベルフライをやるよりもベンチプレスが終わった後に懸垂をやったほうがはるかに疲労によるボリューム低下が少ないです。そのため、1種目目の2種目目のインターバルなど種目間での休憩時間がほとんど必要ないためスプリットトレーニングよりも短い時間でトレーニングが終わる可能性があります。
より少ない疲労と筋損傷
これも多くの人がしている偏見です。同じ部位を高頻度でやる全身トレーニングは分割法よりも回復できない。しかし、科学的な文献を見ると頻度が高いほど回復できないという証拠はありません。先ほど言った通り全身トレーニングは分割法でやっていたボリュームを分散させるだけでセット数自体は増えていません。
さらに、2003年の研究のように週に2回のトレーニンググループよりも全身トレーニングのほうが回復能力が高いことがわかっています。
加えて2019年の研究では全身トレーニングを行った被験者はスプリットトレーニングよりも筋肉痛を感じることなく研究期間を終わらせることができたことを示しています。
最新のレビュー研究で中枢神経の疲労は多くの人が思っているよりもはるかに短く数分で回復できることが示されている通り、神経、そして筋肉の回復には多くの時間はかかりません。特に全身トレーニングのように1日でちょっとずつやるようなトレーニングでは回復には1日もかかりません。
全身トレーニングに抵抗がある人の多くは回復について懸念していると思います。しかし、回復についてあなたが思うようなデメリットは全身トレーニングにはありません。
全身トレメニューの組み方
全身,各部位種目を作られなければならないわけではない
最後は全身トレーニングメニューの実際の組み方を紹介します。まず全身トレーニングで良くされる勘違いは全身を鍛えないといけないということです。例えば全身トレーニングで腕をスキップさせたらその他の部位でも筋肥大効果が大きく落ちるというものではありません。
つまり、胸、背中、肩、腕、脚など1日で全ての部位の種目を作らなければいけないわけではありません。ベンチプレスで胸と腕と肩はトレーニングできてると考えてその日は肩の前部や上腕三頭筋の種目は作らない、脚トレはこの曜日は大腿四頭筋はやらずにカーフだけやるというものでも構いません。
初心者のひとはまず、高頻度で鍛えるところから始めましょう。腕の種目、肩の種目などは作らずにBIG3などのコンパウンドトレーニングを1日3~5種目やって終了するのがおすすめです。
連続して同じ部位を鍛えない
そしてもう一つのポイントは連続して同じ部位を行わないことです。先ほど話した通り同じ部位の種目を連続して行うと筋肉が回復しきれません。おすすめとして大胸筋,背中,脚の順番で鍛えることです。大胸筋のベンチプレスをやって背中、そして足をやれば2種目の間トレーニングしながら大胸筋は回復することができます。
背中、脚もこれと同じ理論です。プレスの後に上腕三頭筋をやったり、プルの後に肩の後部や上腕二頭筋のトレーニングもやるべきではありません。干渉しない筋肉のトレーニングを出来るだけ挟みましょう。
同じ順番で鍛えるべきではない
最後のポイントとして全身トレーニングメニューを完全に固定させないでください。
例えばこんなコンパウンド全身トレーニングメニューがある場合、毎回この順番でトレーニングしないでください。問題はメイン種目です。筋トレにはプログレッシブオーバーロードという原則があります。効率的に筋肉をつけるためには自分の筋力を伸ばす必要があります。
このメイン種目は毎回何キロが上がったかを記録して次回はそれを超えるようにしましょう。そしてそれは正確に測るためにも最も自分の力が発揮できる1種目目にもっていくのがおすすめです。
つまり、毎回ベンチプレスからスタートさせているよりも懸垂やスクワットから始まる日を作る必要があります。週3の全身トレーニングをやる場合はベンチプレスから始まる日、懸垂から始まる日、スクワットから始まる日を作るのがおすすめです。ショルダープレス、それ以降の種目はムリに変更させる必要はありません。
・ベンチプレス
・懸垂
・スクワット
・ショルダープレス…
最も一般的なメニューはこのメニューですがスポーツサイエンティストのmike israetel博士が言うようにバランスの良い外見を作るためには大胸筋はベンチプレス以外にもフライとインクラインのプレスが、背中は懸垂などの広背筋を狙った種目に加えてロウイングが必要になるため
ベンチプレスは月曜日は1種目目にやって記録を測る。水曜は懸垂のあとにインクラインプレス、金曜はスクワットの後にフライという感じがおすすめです。
・ベンチプレス
・懸垂
・スクワット
・ショルダープレス
・リアレイズ
・レッグカール
・ケーブルプッシュダウン
・ダンベルカール
メニューの1例を紹介しましたが全身トレーニングの内容はやりたい部位などによってかなり個人差があります。自分に合わせて柔軟に組み替えることを強く推奨します。
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