【2025年最新版】筋肉が一番成長する筋トレルーティンを科学的に徹底解説!分割法or全身法?
最新の科学的データではトレーニング頻度と筋肉の成長について67件の研究、2058人を対象に調査を行ったところ、○○であるほど筋肉は成長するということがわかりました。
筋肉を最も成長させるルーティンはなんですか。Bro-Split PushPullLeg UpperLower FullBodyと代表的なものはいくつかありますがルーティンは人によって様々です。
しかし、ほとんどの人はこのトレーニングルーティンについて「Youtubeであの人が言ってたから」「一緒に筋トレしてる先輩がこれやってるから」「トレーナーにおすすめされたから」とそこまで深く考えずに決めている人も少なくありません。
ただ、トレーニングルーティンは意外と重要で同じ時間ジムにいてもルーティンがいいものか悪いものかで大きな差が出ることを科学的なデータは示しています。
この記事では超最新データや専門家のアドバイスを基に筋肉を成長させるための最高のルーティンについて紹介します。
トレーニングルーティンについて
そもそもトレーニングルーティンについて初心者の人はBro-Split PPLと言われてもどういったルーティンかわからないと思います。まずは代表的なトレーニングルーティンについて紹介します。
トレーニングルーティンは分割法か非分割法かに分かれます。分割するというのは簡単に言うと月曜日は胸、火曜日は背中というようにその日に鍛える筋肉と全く鍛えない筋肉に分けます。
Bro-Splitルーティンは典型的な分割法です。特定の筋肉1~2つを集中的に鍛えます。月曜日胸、火曜日背中、水曜日脚、木曜日肩、金曜日腕というように最も細分化して鍛えます。ほとんどの場合各筋肉が鍛えられるのは週に1回です。
次はPPLルーティン。ある調査ではトレーニングルーティンについてアンケートを行ったところ、39%がPPL分割であることがわかりました。PPLというのはPushPullLegの略で性質に分けて鍛える筋肉を分割します。押す筋肉、つまり大胸筋や三角筋の前部、上腕三頭筋、そして引く筋肉である背中、三角筋の後部、上腕二頭筋、最後に脚の筋肉を鍛えるルーティンです。
このルーティンは3分割であるため週に1回各筋肉を鍛える人もいれば週に2回鍛える人もいます。
そして、上半身と下半身で分けるUpperLowerルーティン。これは上半身の日と下半身の日に分け、ほとんどの人の場合、各筋肉週に2~3回鍛えることになります。
そして最後にFullbodyルーティン。これは唯一の非分割法であり「成長させたい」と考えている筋肉すべてを毎回鍛えるルーティンです。つまり、ジムに行く頻度=筋肉を鍛える頻度であるため最も高頻度で筋肉を鍛えることができます。最低でも週に3回トレーニングすることが多く
この4つが最も代表的なルーティンであり、各筋肉を鍛える頻度としてはBro-Splitが最も低く、PPL、UpperLower、そして全身法が最も高いです。つまり、鍛える筋肉を細分化するほど筋肉を鍛える頻度が減り、その代わりに1日でその筋肉を鍛える量が増えます。
その他にもアーノルドシュワルツェネッガーが行っていたアーノルドスプリットなどあり、人によって様々な分割法やルーティンがあります。それではどのルーティンが筋肉の成長においてベストなのでしょうか。
分割法の歴史
その前に皆さん。こんなこと考えたことありませんか。
そもそもなぜ筋トレは分割しなければいけないのか。例えば部活の練習で、月曜日はシュートだけする日、火曜日はドリブルだけする日というスケジュールはあまりないと思います。しかし、筋トレにはこれがあります。鍛える日を日によって分けるという行為はなぜ生まれたのか。ここでトレーニングルーティンの歴史についてみてみましょう。
まず調査できる中で最も古い1900年~1950年代の資料で驚くべきことがわかりました。
1958年、アーノルドシュワルツェネッガーの憧れでもあったレッジパーク自身が書いた非常に昔の新聞記事ではミスターユニバースコンペティションに向けたトレーニングの準備について記載されています。画質が悪く見えない人もいるかもしれませんが筋トレメニューは12種目、ふくらはぎのトレーニングから始まり、スクワット、デッドリフト、懸垂など脚から背中のトレーニングに移りベンチプレス、ダンベルプレスと大胸筋、そして最後はアップライトロウで終わらせます。
その他にもボディビルの父と呼ばれるユージンサンダウトレーニングルーティンは全身トレーニングだったようです。
セット数としては3~5setであり、回数としてはふくらはぎは30rep、ベンチプレス、デッドリフトは2repしていますが基本的には5~10rep程でした。
実は昔のボディビルダーには分割法という概念はありませんでした。そのため、ほとんどのボディビルダーは分割せず成長させたい部位を毎日鍛えていました。
そこから1950年、60年代以降になるとBro-Splitや分割法がいくつかの理由で有名な筋トレ法になりました。今の言葉で言うとバズるという感じです。
なぜ部位を分ける筋トレ法が注目されたのか、これはサプリメントや雑誌、ボディビルの大会を持つビジネスマンであるウイダー兄弟が雑誌の執筆を通じてこの筋トレ法を広めたようです。ミスターオリンピアなど非常に有名なボディビルコンテストを作ったのもこの人たちです。
ジョーウイダーとベンウイダーはフィットネス業界に革命を起こそうとしていました。
そこで彼らは今までの常識であった全身トレーニングではなく鍛える部位をいくつかに分けた分割トレーニングを提唱しました。特にジョーは自身もボディビルダーであったことからこの分割トレーニングは注目されました。
しかし、この件について書かれた記事によると分割トレーニングは全身トレーニングよりも優れているという証拠があったわけでもなく、ウイダー兄弟が分割トレーニングを推奨するようになったのは他のビジネスマンとオリジナリティを出して当時全身トレーニングが主流であった社会で目立つための手段であったようです。つまり、何か科学的な根拠など正当な理由があったわけではなく、ただのビジネスマンのマーケティング戦略でした。
さらに、全身トレーニングではなく分割トレーニングを世界基準にしたのがボディビルの黄金期と呼ばれる時代にアーノルドシュワルツェネッガーやフランクゼインのような伝説的なボディビルダーたちがウイダー兄弟の提唱する鍛え方によく似た方法を取り入れたことです。これにより人々は筋肉をいくつかに分割するという選択肢を覚えました。
ここからアーノルド以降の多くのボディビルダーが部位を分けて鍛えはじめ、アーノルドのように1回の筋トレで3つの部位ではなく、1回の筋トレで1つの部位しかやらないのように今日に至るまで各筋肉をもっと細かく細分化してトレーニングすることに焦点を当てるいわゆるBro-Splitがボディビルダーの多くに取り入れられるようになりました。
それではどんなルーティンが筋肉の成長においてベストなのか。ここから科学的に解説していきます。
最強のルーティン
Bro-Split、PPL、UpperLower、Fullbodyなど様々なトレーニングルーティンがありますが、どれがベストなのでしょうか。
実はトレーニングルーティンについて科学的な答えは一致しています。どうでもいい。
これは筋肥大のメカニズムを考えると理にかなっています。筋肉はウエイトトレーニングの機械的な緊張に適応することで成長します。つまり、その機械的な緊張が分割法によって生み出されたものか。全身法で生み出されたものかは重要ではありません。
ひと昔前までは筋肉の成長はウエイトトレーニングによって筋肉にダメージを与えることで起こると考えられていましたが、これは間違いです。一切筋肉を傷つけなくてもウエイトを持ち上げることで機械的な緊張さえ筋肉にかかれば成長します。
この機械的な緊張というのはトレーニングボリュームと定義されます。これは一般的に重量、回数、セット数をかけたものでどれだけトレーニングしたかを表す数字です。
科学的なデータは一貫してこのトレーニングボリュームが同じである場合、どんなトレーニングルーティンだとしても筋肉の成長も等しくなることを示しています。つまり、本質的にトレーニングルーティンは重要ではありません。
全身法vs分割法
ルーティンはただ単純にトレーニングボリュームを稼ぐための手段でしかありません。
しかし、非常に重要なポイントがあります。これは絶対に抑えてください。トレーニングボリュームを稼ぐための手段でしかありませんが、その手段には効率という面で差があります。
例えばある場所に向かうときに歩いて行っても自転車で行っても、車で行っても到達すれば同じことですが、車のほうがはるかに早い時間で目的地に到達することができます。
ここで研究者のmilo wolf博士のBro-SplitとFullbodyルーティンの解説を見てもらいます。これを見ればなんとなくどんなルーティンが良いかはわかるはずです。
最近行われたメタ分析では大量の科学的なデータを分析し、2058人の頻度と筋肉の成長について調査を行ったところ大きな差ではありませんでしたがトレーニング頻度は高いほど筋肉が成長することを示しました。
これは疲労の分散が原因です。当たり前ですが1set目よりも2set目のほうが持ち上げられる重量や回数は落ちるはずです。これは1set目の疲労が2set目に引き継がれるためであるように、同じ筋肉を同じ日に集中的に鍛えれば鍛えるほどどんどん疲労によって持ち上げられる回数は落ちていきます。
つまりこれは筋トレ頻度は低いほど同じ日にセットが集中するということを裏付けています。先ほど紹介したようにルーティンはトレーニングボリュームを稼ぐための手段でしかないが、その稼ぎ方には効率という意味で差があります。
専門家のmenno henselmans博士もSNSでトレーニングルーティンについて別のメタ分析を基にこのように言及しています。「同じトレーニング量である場合、分割ルーティンと全身ルーティンでは有意差はなかったが、いくつかの研究では全身法のような高頻度トレーニングのほうが筋力や筋力が大きく向上することが明らかになった。しかし、一方で分割法のような低頻度のルーティンのメリットを報告した研究はひとつもなかった。分割法で余計なトレーニング時間がかかってもいいならトレーニングルーティンによって差はない」
この結果について分割法が否定されて腹が立つ人も少なくないでしょう。しかし、これはパーカーフィットネスや専門家の感情や希望的観測ではなく科学的に証明された真実です。
科学的には高頻度であるほど効率が良く、最低でもいえることは分割法から全身法に切り替えて損はないということです。
加えて高頻度の全身トレーニングにはメリットがあります。wolf博士も話していたようにすべての筋肉をバランスの良い疲労感に維持できます。例えばBro-Splitルーティンでは腕の日と脚の日では疲労が全く違います。特に脚の日というのは辛いトレーニングの代表的なもので脚の日はモチベーションが上がらない、ダメなのはわかってるんだけど脚トレサボっちゃうという人も少なくありません。
しかし、全身トレーニングでは下半身を集中的に鍛えることがないので疲労を最小限に抑えることができます。そしてすべての筋肉をバランスよく鍛えられるため、日によってトレーニングの辛さが全く違うということはありません。
そして、全身トレーニングはスプリットトレーニングよりもはるかに短い時間で筋トレが終わります。
例えばベンチプレスの後にダンベルフライをやる場合、同じ大胸筋に強い負荷がかかるため十分な休憩時間が必要ですが、ベンチプレスの後に懸垂なら背中の筋肉はベンチプレスでほとんど疲労していないため、息を整えるくらいの短い休憩時間ですぐ次の種目に行くことができます。
これによって筋トレの半分以上を占める休憩時間というものがカットされるため短時間で多くのトレーニングボリュームを確保でき、筋トレ効率というのが大幅に上昇します。
これらのことを踏まえてほとんどの専門家や科学者が高頻度の全身トレーニングを推奨しています。ただ、一切デメリットがないわけでもありません。次のチャプターではこの全身トレーニングの注意点を紹介していきます。
全身法の注意点
全身法はほとんどすべての人にとって最高のトレーニングであると自信を持って言えますが、注意点や抑えるべきポイントがあるのでわかりやすく解説していきます。
追い込みが少ない
wolf博士が話していたように一部の人にとっては分割法よりも楽しくはないかもしれません。筋肉を追い込んだり破壊する行為はトレーニングの達成感のひとつですが全身法はすべての筋肉を少しずつしか鍛えないためこの達成感や満足感がかなり少なくなる傾向にあります。
ただ、絶対に誤解しないでください。確かにこの感覚はトレーニングの楽しさのひとつですが、筋肉の成長を促進するものではありません。
どういうことか。例えば脚の日というのは辛いトレーニングの代名詞ですが一部の人は「こんなきつい思いをしないと筋肉は増えない」「脚の日から逃げる奴は筋トレしてることにならない」とキツイ、辛い=結果が出ると誤解しています。
しかし、大量の科学的なデータからわかってるようにこれは完全に間違いです。分割法のほうが筋肉が成長すると信じている人はこの追い込み感が強いから効果が高いという考えが刷り込まれていますが、これは迷信です。
仮にあなたが脚の日で脚を追い込みまくった後に行う100kgスクワットの10repと全身法で疲労が全くない状態で行うスクワット100kg10repでは筋肉の成長効果は同様です。そのため、この追い込み感が達成感のひとつであることは認めますが、これが筋肉の成長を促進させると信じるのは間違いです。
時間が足りない
そしてすべての筋肉を直接的に狙おうとすると間違いなく時間が足りなくなります。どういうことかというと上半身を例にしましょう。上半身ではほとんどの人が、大胸筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、背中、腹筋を狙いますがほとんどの場合、大胸筋はフライ、上腕三頭筋はプッシュダウンというように1種目で1つの部位を狙うと時間が足りなくなります。
Fullbodyルーティン、全身法で重要になるのはコンパウンドトレーニングです。例えばベンチプレスをすれば大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋を同時に鍛えることができるため効率化につながります。
全身法ではこういったたくさんの筋肉が鍛えられる種目を積極的に取り入れてください。
回復が間に合わない
トレーナーやYoutuberの中には高頻度で鍛えると筋肉が回復出来ないと主張しますが、実際これは全くの誤解であり、昔ながらの分割法を肯定したいだけの科学的根拠のない偏見といってもいいです。
高頻度トレーニングについての反対意見は99%これといってもいいです。筋肉の回復時間について調べると48~72時間、つまり2~3日かかるとすぐに出てくるため高頻度は筋肉が回復する前に鍛えてしまうから筋肉が成長しないとよく言われます。
2013年の研究では30人の男性を24時間グループと48~72時間グループに分けました。被験者はレッグプレス、ラットプルダウン、ショルダープレスなどの全身トレーニングを週3回実行しました。48~72時間グループは全身トレーニングを月水金で行い、24時間グループは全身トレーニングを月火水で行いました。被験者間の栄養摂取パターンは類似していたため、栄養摂取によって回復能力に差が出たという可能性はありません。
結果として筋力アップ効果はどの種目もほとんど同じであり、除脂肪体重の上がり方も休憩時間が24時間でも48時間以上でも変わらないことを示しています。
そして実は、客観的なデータでは分割法のほうが筋肉の損傷が強いことを示しています。
2019年の研究では各筋肉を週1回鍛えるBroSplitグループと週5回の全身トレーニンググループに分けたところ、筋肉の成長とベンチプレス、バックスクワットの筋力の向上効果は高頻度全身トレーニンググループのほうが有意に高いことを示していましたが、筋肉の損傷は低頻度BroSplitトレーニンググループのほうが有意に高く、被験者は強い筋肉痛を感じたことを示しています。
NoPainNoGainという言葉があるように筋肉の成長には痛みが必要と考えている人もいます。しかし、衝撃的なことに筋肉痛や筋肉の損傷は筋トレ効果を低下させ、筋肉サイズを減らす可能性があります。
全身トレーニングメニュー
ここまでの内容を見ると、ほとんどの人は全身トレーニングをやってみようと思ってもらえるはずです。確かに数多くのデータが出てるにもかかわらず今でも日本は分割法が主流ですが、どちらのほうが説得力があるかはわかっていただけると思います。
ただ、分割法をしていた人が全身法に変えてみようと思っても何をしたらいいかわからない人も多いと思います。でも大丈夫です。実はメチャクチャ簡単です。
単純に分散させるだけです。例えば胸の日にベンチプレス、ダンベルフライ、ケーブルクロスオーバーをやっていたのならこれをただ3日に分けるだけです。分割法でやっていた時と行う種目を変える必要はありません。
そしてもうひとつ。全身トレーニングは筋疲労の局所性、つまり筋肉は使った部位しか疲れないという性質を利用してトレーニングVOLを上げる方法ですが、トレーニング順序を間違えると全身法をしているのにVOLが上がらないこともあるので注意してください。
全身トレーニングをするときは順番を必ず意識しましょう。例えばベンチプレスの後にすぐトライセプスエクステンションをするとベンチプレスでも上腕三頭筋は使用されているのでベンチプレスの疲労を引き継いでしまいます。これは分割法のようにトレーニングパフォーマンスが低下、VOLも減少することになります。
ここでベンチプレスの後に懸垂やスクワットをしてからトライセプスエクステンションをすれば懸垂とスクワット中に上腕三頭筋は回復できるので高いパフォーマンスを発揮することができます。
トレーニングするときはPush Pull Leg分割のように鍛える筋肉の性質を分類しましょう。全身トレーニングではPush種目、Pull種目、Leg種目という同じような筋肉が連続しない順番で鍛えるとトレーニングをしながら他の部位を回復させることができるのでパフォーマンスが高い状態を維持できます。
トレーニングルーティンというのはただVOLを稼ぐ方法なだけです。ルーティンにはパンプや追い込み感を求める人もいますがこれは筋肉の成長にほとんど役に立ちません。Fullbodyルーティンが最強である理由はパーカーフィットネスの個人的な感想や今のトレーニング文化を否定したい、目立つためではなく正当な理由や根拠のあるものであることは納得してもらえたと思います。
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