【全身法vs分割法】最短でデカくなる最強の筋トレ頻度とルーティンを科学的に徹底解説!
1日で全身の筋肉を鍛える全身トレーニング。押す筋肉など働きによって鍛える部位を分けるPushPullLegスプリット、いわゆるPPL分割。胸の日など1つまたは2つの筋肉を集中的に鍛えるBro-split。上半身、下半身の筋肉で分けるUperLower分割。
効率的に筋肉のサイズを増やす、成長させるためには最高のトレーニング頻度、ルーティンは無くてはなりませんが、それはいったいなんでしょうか。Youtubeをはじめとしたインターネット上には「全身法が最高」「いや、そこまでやる必要はない」「週に1回でもハードに鍛えられていれば十分」「週3回くらいがベスト」などかなり多くの意見があり、さすがに答えが欲しいという人は少なくないと思います。
特に実際に分割法をしている人は全身法を否定し、全身法をしている人は分割法を否定する傾向にあり、事実に基づくというよりも自分のトレーニングルーティンを肯定するための意見というのも一部存在しているため注意が必要です。
この動画ではベルギーで行われた最新データをはじめ大量のデータを基にすべてのルーティンを否定的、そして客観的に分析し、皆さんにトレーニングルーティンの答えについて徹底解説します。この動画がいいと思っていただけたら是非高評価をお願いします。
トレーニング頻度の歴史
多くのトレーニーは分割法が古くからあるルーティンで全身法が最近出てきたトレーニングであると考えていますが、実は違います。100年以上も前、1900年代から1950年代では驚くべきことに全身トレーニングが主流であったようです。
アーノルドシュワルツェネッガーのアイドルであったレッグパークが書いた1958年のコンテスト準備期間中のトレーニングについての記事には彼の全身トレーニングルーティンが記載されています。
そして、1950年代から60年代にかけていくつかの理由で鍛える部位を分割するトレーニングルーティンが始まりだしました。実はボディビルの歴史はそこまで長くなく、1900年代初頭までは視聴者の方が想像するようなボディビルコンテストというものはありませんでした。
この分割トレーニングが広まりだした頃に最初の大規模なボディビルコンテストが開かれ、一気にトレーニングというものに注目が集まったようです。これについて記載されている記事によると「その時まではボディビルについて大きな大会がなかったため、例えば上腕二頭筋のピークに焦点を当てることは無意味である」と考えられていたようです。このことからコンテストの開催によって特定の部位を集中的に鍛える分割法は非常に好意的にみられたようです。
そして分割トレーニングが流行した理由の一つにウイダー効果があります。ジョーウイダー、ベンウイダーはボディビル大会を運営する実業家で雑誌の執筆を通じて分割トレーニングを広めました。それは当時全身トレーニングが主流だった時代に分割法という考え方は非常に画期的でした。
そして最大の理由はアーノルドシュワルツェネッガーやフランクゼインのような伝説的なボディビルダーの登場です。分割法でボディビルの頂点にたったアーノルドの存在はこのルーティンを一気に広めました。彼のルーティンはブロスプリットのように腕の日などの分割ではなく、3~4部位を一日で鍛えて、各筋肉週に3回前後というものでした。
そして、今日に至るまで50年近くの間分割法は依然として人気です。ボディビルダーのトレーニングルーティンの調査によると現在でも85%程が分割トレーニングをしていることがわかっています。
しかし、注目するべき理由は分割トレーニングが流行した理由です。ウイダー兄弟が分割法を提唱した理由は「目立つため」このひとつに限られており、ボディビルダーに好意的に分割法が受け入れられたのもタイミングが良かった。というのがかなり大きく、これがいわゆるバズった理由として科学的データによって証明されたり、何か裏付けがあったわけではありません。
それでは今までに行われてきた研究はこのトレーニング法についてなんといってるのでしょうか。
科学的データ
筋肥大効果
2022年の調査では235人のボディビルダーのほとんどがブロスプリットトレーニング、いわゆる腕の日など最も細かく分割するトレーニング法でルーティンを組んでいることがわかりましが、ボディビルダーがやっているから絶対に正しいというわけではありませんし、調査した半分以上がステロイド等のパフォーマンス向上役を使っていると答えていることにも注目する必要があります。
2016年のブラッドシェーンフェルド博士による研究では頻度と筋肉の成長についての科学的データを分析した結果、頻度以外のトレーニング変数が等しい場合、週に1回よりも週に2回のほうが優れた筋肉の成長をもたらすことを示しています。
しかし、これはその時点でトレーニング頻度に関するすべての研究の結果を調べましたが分析した研究は7件しかありませんでした。分析したデータの少なさから研究者は各筋肉を週に3回以上トレーニングするとどうなるか、そして週に2回がなぜ優れているのかについての明確な理由すら発見できませんでした。
それではその後の研究ではトレーニング頻度やルーティンについてどのように示されているでしょうか。
2019年の研究ではベンチプレスのMAX平均が103kg、スクワットのMAXが132kgの被験者23人、1つのグループはブロスプリットトレーニングを採用し、2つ目のグループは各筋肉群鍛える全身法を採用し、両方のグループはトレーニングを週に5回行いました。
研究ではコンパウンド種目を腕の種目としてもカウントし、毎週15setトレーニングを行いました。結果として両グループの除脂肪体重の増加はほとんど同じでした。
2018年の越智らによって行われた研究ではトレーニング経験のない被験者はレッグエクステンションを行い、1日6set行うグループと、1日2setを週3回行うグループに分けたとこと、大腿四頭筋の成長は両グループほとんど同じでした。
実はこれは新しいレビューによっても証明されています。実はこの2つの研究は両グループのトレーニングVOLは等しくされていて、差があったのは筋トレ頻度のみでした。2019年の同じくブラッドシェーンフェルド博士による分析によるとトレーニング変数が等しい場合、トレーニング頻度は高頻度に有利でしたがそれはわずかであり大きな差ではないということです。
つまり、トレーニングボリュームが同じであるということは筋トレによって生み出される機械的な緊張、もっと簡単に言うと筋肉にかかる負荷が同じであるということを意味するため頻度の影響がほとんどないというのは理にかなっています。
2016年のメタ分析が発表されたころは週2回が優れている理由として筋肉の合成反応がずっと続くからであると考えられていましたが、先ほど紹介した2つのデータではそれは大きな影響を与えるものではないことがわかっています。
ただし、その後行われた研究ではこれとは違ったデータがいくつかあります。
2021年の研究では薬物使用をしていないと申告した21人の男性に10週間のブロスプリットルーティンとフルボディルーティンで比較をしたところ大胸筋の成長以外はブロスプリットルーティンのほうが優れいている結果となりました。
僧帽筋と外側広筋の厚みは明らかに分割トレーニンググループが高く効果的であることがわかります。
これは両グループトレーニングボリュームを同じにしていたにもかかわらずこのような結果となったため、volが同じなら筋トレ効果は変わらないってさっき言ったじゃん。結局どうなの。と思う人も多いでしょう。しかしこの差は「エフェクティブレップ」を基にすれば簡単に説明できます。
この研究で使用されたルーティンはセット数が全て同じでした。フルボディルーティン側はブロスプリットルーティンを単純に分解してバラバラにしただけであることが重要です。例えば皆さんが被験者だとします。まずはスクワットを限界までやってもらって1分休憩してから次のセットに行く視聴者と3分休憩してから次のセットに行く視聴者に分けたら、どっちが多くの回数をこなせますか。
間違いなく、3分の休憩をとったグループです。ただし、研究者も文献に書いてある通り両グループのレップ数は同じでした。ということは1分グループが5回しかスクワットができなかった場合、3分のグループは5回に抑えなければなりません。
つまり簡単に言うとボリュームを合わせるために手を抜く必要があります。エフェクティブレップというのは限界に近いレップは余裕のある最初のレップよりも筋繊維の多くが活動しているということです。そのため、筋肉の成長を最適化するためには潰れるまでやる必要はありませんが少なくともそれに近いレベルまで追い込む必要があることは多くの科学的データによって裏付けられていますが、3分グループは手を抜いていたため同じトレーニングボリュームでも限界に近いレベルまで追い込めていなかったため、筋肉の活動が低い可能性があります。
これを考えるとブロスプリットルーティンのほうが筋肉が成長している傾向にあるのは納得がいきます。
それでは同じセット数、同じ重量であるが両グループ限界までトレーニングを行った場合はどうでしょうか。
2019年のザローニらによって行われた研究では、ベンチプレスのMAXが平均99kgの筋トレ経験者はブロスプリットトレーニングとフルボディトレーニングで週に5回トレーニングを行いました。毎週のトレーニングボリュームは毎週30setとなりましたが、筋肉の成長効果は全身トレーニンググループのほうが有意に優れています。
別の2018年の研究では週3回、毎週18set各筋肉を鍛える分割法と全身法で筋肉の成長を測定したところ測定したすべての部位で筋肥大効果が2倍近くの差があることがわかります。
実際、同じ筋トレ時間やセット数でお互いの努力量を同じにすると高頻度で鍛えたほうが筋肉がより成長する傾向が極めて強いことがわかっています。この最大の原因はトレーニングボリュームが高いことです。
ほとんどの研究で高頻度で鍛えたほうが被験者が多くのトレーニングボリュームを確保できたことを示しています。これはメタ分析でもわかっている通りボリュームが高いということは筋肉の成長が高いことを意味します。
回復は?
高頻度の場合、回復は間に合うのか。と心配する人もいると思いますが、実際データではこのようになっているように回復できないということはほとんどないでしょう。2013年の研究では月火水と連続してトレーニングをさせても筋肉の成長に全く問題がないことを示しており、かなり強度の高い脚トレでも24時間でほとんど回復できることを示しています。
どれが最適?
トレーニング頻度やルーティンについてブラッドシェーンフェルド博士は次のように話しています。
実際、博士はトレーニングルーティンについて「筋肉の発達を最大化するための最適な分割についての議論は続いているが、それに答えはなく本質的に最善の分割はない」と答えています
最新のデータに示されているように、筋肉の成長にとって最も重要なのは機械的な緊張を当てて適応を促すことです。例えば腕立て伏せとバーベルベンチプレスでは大胸筋や上腕三頭筋の成長効果はほとんど同じであることが示されている通り筋繊維は機械的な緊張を受け取ったときにそれがバーベルから生み出されたものか、自重で生み出されたものかを検知するセンサーのようなものはありません。
これと同じで受け取った機械的な緊張が分割法から作られたものか、全身法で作られたものかは関係がありません。
事実としてトレーニングボリュームを等しくなるように設計されたほとんどの研究では高頻度も低頻度も筋肉の成長にとって影響を与えなかった、または研究にばらつきがあり、個人差が強いことを示しています。
最新のデータでは筋肉の成長にとって最も重要なのはトレーニングVOLであることが判明しているためトレーニングボリュームによって効果が左右されるのは理にかなっています。
ってことは筋トレの頻度やルーティンってどうでもいいの?実はそうでもありません。
確かにトレーニングボリュームが同じ場合、筋トレ頻度やルーティンは好きなやり方でいいでしょう。しかし、あなたが同じ努力量、同じ筋トレ時間で高い効果を出したい場合は高頻度で鍛えたほうが最善である可能性が高いです。
実際、筋トレのセット数や時間だけ同じにしてどれくらいの回数ができるかは被験者に任せた研究ではほとんどの場合高頻度のほうが筋肥大効果が高いことがわかります。これはブロスプリットのように1日で同じ部位を一気にやる場合はどんどん疲労によりトレーニングパフォーマンスが落ちていきますが、高頻度の全身トレーニングのように鍛える部位を変えていった方が疲労によるパフォーマンス低下がはるかに少ないためです。
事実として高頻度グループは低頻度グループよりも多くの回数をこなせ、トレーニングVOLが高いことを示しています。
ブラッドシェーンフェルド博士も本質的に最善の分割はないと主張しながらも「高い頻度は高いボリュームを生み出すというのは合理性がある」と認めています。BroSplitのように集中的に鍛えればパンプや疲労感などは強くなりますが、これは科学的に筋肉の成長に重要な役割を持つという可能性は低いため、影響力の高いトレーニングボリュームと影響力の低いパンプや疲労感、どちらを優先させるかは言わずともわかると思います。
そのため、「客観的に事実を見た場合」高頻度ほど筋肉がより成長する傾向にあるということは認めざるを得ません。少なくとも高頻度のほうが成長しないというように分割法が上という事実はありません。
加えてブロスプリットの様に集中的に鍛えるとパンプが強いため筋トレ直後の筋肉サイズが増えているように感じるため分割法のほうが成長してると誤解されることもあるため頻度やルーティンについて分割法を肯定する意見には注意が必要です。
2023年の6月に行われた最新データでも週2回よりも週3回のほうが速筋繊維、遅筋繊維ともに測定したすべての部位で高頻度の週3回のほうが優れていることがわかりました。
ただし、ブラッドシェーンフェルド博士も話している通りトレーニング頻度の効果向上には注意が必要です。週1よりも週2、週2よりも週3というのは真実ですが、その効果は徐々に薄まっていきます。例えば20setを週1回やるのと10setずつ週2回でやるのにはトレーニングボリュームに大きな差がありますが、20setを5setずつの週4と4setずつの週5ではそこまで差はありません。
つまりトレーニング頻度の筋肥大効果についてはこのようにその恩恵は少なくなります。したがって週6回と7回の差はほとんどないでしょう。とはいっても勘違いしないでほしいのは、あえて週6回でやる意味もなく、基本的には高頻度であればあるほど効果が高い可能性が高いです。
そのため、トレーニングの都合や好みによって鍛える部位を多少分割させる程度なら全く問題ありません。全身法のようにすべての部位を鍛えず、1日4部位5部位と分割して、鍛えない筋肉が存在してもいいですが各筋肉は3~4回は1週間で鍛えるルーティンにするのが最善です。
加えて必要なボリュームが少ない筋トレ初心者の場合、そもそも高頻度で鍛えて高いVOLを確保するメリットがあまりないので分割法でも全身法でも構いません。
しかし、間違いなく言えることは筋トレ経験者の場合ブロスプリットのように非常に細かく分割して週1回しか鍛えないのは筋肉の成長にとって効果的ではありません。最後の方のセットでは疲労が蓄積しているためパフォーマンスが極端に低く、いくつかのデータで筋肉が深く損傷することでトレーニング効果が停滞するジャンクボリュームが発生する可能性があることを示しています。
トレーニング頻度については距離と速度の関係に似ています。ブロスプリットは自転車、全身トレーニングは車です。走行距離が同じなら、車でも自転車でも同じようにボリュームを等しくすればブロスプリットが全身トレーニングには劣らないでしょう。しかし、時間効率を考えると車を使ったほうが明らかに良いことは誰でもわかります。
全身法、分割法、両方を否定的に、かつ客観的にみても筋トレ経験者にとってトレーニングを分割する正当な理由はないように思えます。特にブロスプリットは筋肉の成長にとって悪い可能性が極めて高く、上下分割のようなそれよりも高頻度の分割法の場合でもおそらく高頻度が低頻度に劣るということはなく最悪でも効果は同じでしょう。
ただし、1週間で8set以下しか鍛えない人は週に2回程度のトレーニング頻度でも問題なく、一般的な20set前後のセット数の場合でも週4回以上ならそこまでボリューム差はなくトレーニング効果も大きくは変わらない可能性が高いため、トレーニングセット度の分散がある程できていれば皆さんにとって好きなやり方、分割していても構いません。
筋トレ頻度やルーティンについて徹底的に分析しましたが、頻度やルーティンは結局のところVOLを稼ぐための方法であり、分割の方法やルーティンについては1週間で20set前後と平均的なトレーニングセット数であれば、週4回以上各筋肉を鍛えていれば分割法でも問題はないでしょう。
しかし、高頻度の全身法を避ける理由というのもないため分割法に強いこだわりがなく筋肉を最短で成長させたい場合はこのやり方がいいでしょう。この動画が参考になったら是非高評価をお願いします。
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