スポンサーリンク

【最悪のアドバイス】絶対にやってはいけない筋トレ法5選!科学的根拠アリ!

【最悪のアドバイス】絶対にやってはいけない筋トレ法5選!科学的根拠アリ!


筋肉を成長させるためにやるべきことは?ボディビルダーのトレーニング法を真似したり、デカい人の筋トレ法を真似するのが一番の近道だといわれています。

しかし、menno henselmans博士が主張しているようにそれが正しいとは言えません。実際、ボディビルダーやYoutuberの動画を隅から隅まで見てルーティンをすべて真似をしても筋肉が成長しない、体が変わらないという人はたくさんいます。

というのも体が大きい人やボディビルダー、フィジーカーの言うことが必ずしも正しいとは限らないためです。

彼らのルーティンや言ってることを盲信するのはたった一つしかないデータサンプルに頼っているのと同じです。極端に言うとその筋肥大も個人差、ステロイドの要素が大きい可能性もあります。

間違ったアドバイスを真に受けるといつまでたっても筋肉が成長しなかったり、体が変わらなくなるため、トレーニングの成果を感じられず、筋トレをやめてしまったり無茶なトレーニングでケガをしてしまうことがあります。

この記事では常識ともなっているが実は絶対にやってはいけない最悪のトレーニングアドバイスについて紹介します。この動画が少しでも参考になったら是非高評価をお願いします。

スポンサーリンク

筋肉に効かせる

筋肉の成長を最大限高める最強種目はなんでしょうか。ほとんどの人はこう答えます。「一番筋肉に効く種目が最強」

ボディビルダーやトレーナー、Youtuberやインスタグラムほぼすべてのメディアでは当然のようにこっちのほうが効くからこのやり方がおすすめ、あの種目よりもこの種目のほうが効くからこの種目がおすすめと当然のようにアドバイスされます。

しかし、ハッキリ言います。これは超低レベルなアドバイスであり、menno henselmanse博士によるとこのやり方でトレーニング種目を選ぶと最大40%筋トレ効果が減ることを示すデータがあるようです。

効くっていう感覚は本当に筋肉に効いているのか。筋活動を意味し、より効く種目やテクニックは効果が高いということを意味するのか。おそらくほとんどの人はこれを常識的に考えて疑ったり改めてその裏付けを調べないでしょう。

最初はまずゴルジ腱器官、略してGTOと呼ばれるものについて言及します。この器官は筋肉の成長にとって非常に重要な機械的な緊張を感知する能力が備わっています。例えば真っ暗な場所でも自分の脚がどのような状態になっているか。この器官によって曲がっているか伸びているかを感じることができるため脚の状態が見えない環境でも歩くことが可能です。

ということは筋トレ中に効くということは筋肉の機械的な緊張を意味しているということになるのではないか。効くトレーニングが筋肥大効果が高いということは正しいじゃないか。実は違います。menno henselmans博士によるとゴルジ腱器官が受け取るウエイトトレーニングによる機械的な緊張についての情報は脳の意識部分ではなく、潜在意識領域におくられるようです。

簡単に言うとウエイトトレーニングのような緊張をゴルジ腱器官は感じることができますが、それは脳の潜在的な領域に入るためあなたがそれを感じることはほぼ不可能です。

理論はさておき、実際のデータは何を示しているでしょうか。

2023年の最近行われた研究ではトレーニング経験の豊富な男性ボディビルダーにレッグエクステンショントレーニングを行わせ、主観的な筋活動と実際の筋活動、簡単に言うと効いたという感覚は実際筋肉の活動を示すのかということを調査しました。

結果として経験豊富なボディビルダーであっても「主観的な筋収縮の感覚が客観的な筋活動と矛盾している」と結論付けました。

つまり、主観的な効いている感というのは実際、筋活動や機械的な緊張を表すわけではなく、効いてる感で種目を選んだりこうやったほうが効くからという感覚で何かしらのトレーニングテクニックを採用するのは意味がありません。

証拠は確かにまだ十分ではありませんが、効いてる感が筋肉の機械的な緊張を表すのか。この感覚を基にトレーニング種目を判断するのは正解なのか。これについては圧倒的に間違いという可能性のほうが高いです。

それは頭が痛くなる=頭を使ってるから勉強は頭が痛くなるまでやれというのとほとんど変わりません。これを聞くと効くという感覚でトレーニングを判断するのがいかにおかしいかがわかると思います。

それでは効くというのはどういった感覚なのか。ある程度のトレーニング経験がある人なら効く感覚というのはほぼ全員が体感したことがあると思いますが、menno henselmans博士はこれをパンプ感、つまり代謝ストレスだと答えています。

理論的にはパンプは筋肉の成長にとってメリットがあります。これは成長ホルモンの促進を促し筋肉の成長を助ける可能性がありますが、科学的な事実に基づくと成長ホルモンは筋肉の成長にあまり役に立たないようです。

博士は成長ホルモンは筋肉組織内で同化作用がなく、逆に重要な同化ホルモンであるテストステロンは休憩時間に影響を受けないことを示しています。

2014年、menno henselmans博士とBrad Shoenfeld博士が行ったレビューでは休憩時間とホルモンレベルについて、そして実際の筋肉の成長を調べた研究をまとめて調査をしたところ、昔からあるパンプアップの筋肥大理論について多くの問題があることがわかりました。

なぜパンプが筋肉の成長に役に立たないということをここで紹介したのか。それは効くという感覚を過大評価している人はほぼパンプアップという感覚を過大評価しているのとほとんど同じであるからです。

例えばプリチャーカールでヒジが伸びきる前にストップさせてずっとヒジが曲がっている状態でウエイトを持ち上げたり、ドロップセットのように非常に短い休憩時間、もしくは休憩なしで複数のセットを行えばいわゆる「効いてる感」というのは視聴者の皆さんの体感としても非常に強くなることからもわかる通り、代謝ストレス、つまりパンプを強く感じやすいトレーニングというのは効いてる感も比例して強くなります。

しかし、膨大な数のデータでこの効いてる感やパンプを求めるテクニックは筋肉の成長において逆効果です。これにはかなり強い化学的裏付けがあります。

理論、そして実際のデータにも示されている通り、人間はウエイトトレーニングの機械的な緊張を正確に感じることはできません。少なくとも「効く」でトレーニングを良い悪いと判断するのは明らかに間違っています。

筋トレ初心者の方から「バーベルベンチプレスが大胸筋に効きません」という相談を受けることがありますが、本人に効いてる感が無くても機械的な緊張は十分にかかっていることが多いです。特にバーベルベンチプレスは大胸筋が完全収縮しないため効く感覚が弱いのは当然です。むしろ効く追い込みなどこういった感覚を過大評価すると、パンプ感に集中したトレーニングをすることによって筋肉の成長効果が大幅に減少する可能性があります。

スポンサーリンク

オーバートレーニング

実はかなり多くの人が行っていることは自分で筋肉の成長を制限していることです。自分で筋肥大減らすわけがない、そんなことする人おかしいでしょと思う人もいるかもしれませんが、オーバートレーニングを警戒しすぎてトレーニングVOLを制限している人は自分で筋肉の成長を減らしているも同然です。

筋トレはやり過ぎると筋肉が傷つきすぎて回復できなくなって逆効果になる。日本だとオーバーワーク、海外だとオーバートレーニング、オーバーリーチングといいます。確かにトレーニングのやりすぎは逆効果になります。しかし、適切なトレーニングの場合、逆効果になるほど筋肉が損傷することはほとんどなく筋トレはやればやるほど筋肉が成長する可能性が高いです。20set、30set超えたらやりすぎオーバートレーニングだというのは科学的なデータを見ると明らかに不自然です。

このアドバイスを真に受けると自分でトレーニングボリュームを少なくしてしまい、結果的に筋肉の成長も自ら減らしてしまうことになります。

視聴者の方やクライアントの方からの質問で最も多いのが、筋肉を成長させるためには何セットで鍛えればいいというものです。

インターネットやYoutubeで調べたことがある人なら1週間で20setが最高の筋トレ効果というのが最も主流の考え方であると知っていると思います。筋トレしてる人にとっては毎週20setが最善であり、これ以上やり過ぎるとオーバートレーニングになって逆に筋肉がつかなくなる。しかし、これは収穫逓減の原則と矛盾しており、筋肉が停滞する最も大きな原因です。

この常識的なトレーニングセットの考え方についてジェームスクリガー博士は次のように答えています。

このグラフはトレーニング中級者以上の人なら誰しも知っていますが実際科学的な根拠はあまりありません。 

トレーニングしているのに体が変わらない人や筋肉が成長しない人から相談を受けるとやりすぎ、オーバートレーニングにすぐに結びつけるトレーナーも少なくありません。しかし、このアドバイスはほとんどの場合間違っていることが多いです。

アメリカのタンパ大学で行われた研究では31人の筋トレ経験のある男性、バックスクワットのMAXが平均140kgの被験者にバックスクワット、レッグプレス、レッグエクステンションを週2回、12週間行うように支持しました。

全ての被験者は最初の2週で22set(SQ LP 8set LE 6set)の下半身トレーニングを行いましたが、その後3つのグループに分かれました。ひとつ目はそのまま22setをやり続けるグループ。もうひとつは2週間ごとに4setを追加していくグループで、結果的に最後の週で3つの種目すべてが14setとなり、毎週42setとなりました。

そして最後は2週ごとに6setを追加していくグループで最後の週には(18,18,16)52setとなりました。

12週間後研究者はすべての被験者の外側広筋の筋断面積、そして厚みを測定し研究前の数値と比較をしたところ両方の数値で6set追加し、最終的には1週間で52set行ったグループのほうが優れており、22set行い続ける被験者とは2.2倍の筋肥大があるという結果が得られました。

まず現実的にオーバートレーニング状態というのは存在します。しかしこれはレビューにも示されている通り、マラソンランナーなど長時間動き続けるアスリートによくおこり、筋トレでのオーバートレーニング状態になることはほとんどないことを示しています。

一般的な理論である筋肉が傷付きすぎて成長しないようなセット数ははるか遠くにあり、ほとんどの人がオーバートレーニング状態になるようなセット数を実際に狙っても現実的に不可能です。少なくとも20set、30set程度では間違いなくありません。そして、そのセットまでトレーニングをやろうとするとその前に関節が痛くなるなどケガをしたり、疲労によってモチベーションが低下したり肉体よりも精神的な疲労によって筋トレができなくなります。

世界的な権威であるブラッドシェーンフェルド博士は一般的なウエイトトレーニングプログラムでオーバートレーニングになることはほとんどなく、最近行われた研究では毎週90setを潰れるまで行うプログラムでも客観的なオーバートレーニング状態は確認できなかったことを示しています。

実際これは理にかなっています。筋肉の成長というのは機械的な緊張に筋肉が適応することで成長します。つまりそれを続けていくと筋肉は機械的な緊張に慣れてくるため、もっと強い機械的な緊張、すなわちたくさんのトレーニングが必要になります。

科学的なオーバートレーニングのガイドラインとしてウエイトトレーニングのモチベーションが高く、体に痛みがない。そして、筋力が伸びている場合、20setでも60setでもオーバートレーニングを疑う必要はありません。

基本的には筋トレ中上級者の人はたくさん鍛えるほど成長するため、この3つの問題がなければ筋トレはするほど筋肉は成長しやすくなります。むしろオーバートレーニングになるからという理由でトレーニングを中途半端な量でストップさせるのは自分で筋肉の成長を減らしているのと同じです。

スポンサーリンク

ルーティン

2022年の調査では235人のボディビルダーのほとんどがブロスプリットトレーニング、いわゆる腕の日など最も細かく分割するトレーニング法でルーティンを組んでいることがわかりました。

BroSplitはじめPushPullLeg分割、上半身下半身分割のように日本でもボディビルダーの影響で分割法が一番筋肉が成長すると考えられていますし、実際このルーティンをやっているYoutuberやボディビルダーは数多くいます。

しかし、これは科学的根拠のない常識で、このトレーニングルーティンは非常に効率が悪いです。実はこういった昔ながらのトレーニングルーティンを鵜呑みにして行うと筋肉の成長効果が大幅に下がることを示しています。

そもそもほとんどの人は誤解していますが、分割法がボディビルダーの間で取り入れられたのはここ50年ほどでトレーニングの歴史としては分割法よりも全身法のほうが古いです。

なぜ分割法が流行ったのか。これはウイダー兄弟が全身法が主流の時代に目立つために分割法をあえて提唱したことが原因といわれています。つまりこれは何か根拠があるわけではなく、分割法が効果的と信じている人はたまたま流行っただけの情報に踊らされているだけです。

実際、この分割法は筋肉の成長においてメリットがなく、むしろ全身法のように高頻度で各筋肉を少しずつ鍛えたほうが筋肉は間違いなく成長します。この理由について研究者であるエリックヘルムズ博士は次のように答えています。

2022年の10月に公開された研究では、被験者は片脚のレッグプレスマシンを週3回と週1回の脚に分けます。1週間の合計は9setで週3は3setを3回、週1は9setを1回です。同じ人間の脚で頻度の調査をしたことでこの結果は栄養摂取や個人差に影響しないことを示しています。

VOLを同じにしたところ筋肥大効果はほぼ同じになりましたが、努力量を同じにしたところ週3で鍛えた脚のほうが筋肉がより成長していました。その差は週1回の脚は大腿四頭筋のサイズがプラス1.8%でしたが週3回の脚は平均4.1%であり週1回よりも2倍以上筋肉を成長させました。

研究者がこの筋肉の成長についての差を調べたところ、原因として努力量を同じにするとすべての週で高頻度で鍛えた脚のほうがVOLが高いことが判明しました。

この理論は非常に簡単です。エリックヘルムズ博士が答えている通り疲労の分散です。週1回グループは9set全て数分の休憩後に次のセットを行ったためセットを重ねるにつれて疲労によりパフォーマンスが落ちていきましたが、週3回グループは3setと4set目の間、6setと7set目の間は24時間の休憩があるため疲労が完全に抜けきった状態でトレーニングができるということです。

ちなみに数年前までは筋肉の合成反応は2~3日しか続かないから低頻度だと頻度不足と考えられていましたが近年の研究でそれは筋肉の成長にほとんど影響しないことがわかっています。高頻度トレーニングのメリットは筋タンパク合成の持続性ではありません。

最新のレビューでも高頻度のほうがレジスタンストレーニングの疲労が小さく、筋肉の成長にとって効果的であると認めています。実は高頻度トレーニングは筋肉のダメージも小さく回復能力も高いことがわかっています。筋肉は一度に集中的に鍛えたほうが損傷は大きくなります。

基本的にはウォーミングアップでもない限り1set目よりも2set目のほうがパフォーマンスが高いということはないため、1日で大量のセットを行うと疲労によりどんどんパフォーマンスが落ちていきます。つまり1setあたりの質がどんどん悪くなっていくので同じ筋トレ時間やセット数なら高頻度で1日少しずつ鍛えたほうがVOLが高いというのは筋トレしている人全員に間違いなく当てはまります。

2023年の6月に行われた最新データでも週2回よりも週3回のほうが速筋繊維、遅筋繊維ともに測定したすべての部位で高頻度の週3回のほうが優れていることがわかりました。

パンプや筋トレ後の筋肉の疲労よりもトレーニングボリュームのほうがはるかに重要であることは過去1年以内に行われた2つのレビュー、合計200件以上の研究によってわかっているため、筋トレ上級者ほど筋トレVOLにこだわることが重要です。

効率よくVOLを上げるためには分割することはやめましょう。BroSplitのように細かく分割するほどトレーニング頻度が低くなり、VOLが下がっていくためトレーニング効果も下がっていきます。

スポンサーリンク

筋肉痛

筋トレ後、もうひとつの達成感として筋肉の痛み、筋肉痛があります。NoPainNoGainという言葉があるように筋肉の成長には痛みが必要と考えている人もいます。しかし、衝撃的なことに筋肉痛や筋肉の損傷は筋トレ効果を低下させ、筋肉サイズを減らす可能性があります。

これは先程のオーバートレーニングの解説と矛盾しているように聞こえると思います。ただ、60set程度でも筋肉は適切な方法であれば筋肉が深く損傷することはありませんが、不適切な鍛え方をすると20setでも筋肉が深く損傷する可能性が高くなります。

パンプは筋肉の成長にとって影響しないため、あってもなくてもどちらでも構いませんが、筋肉痛や過度の筋肉の損傷は筋肉サイズの増加にとって悪影響になることを複数のデータが示しています。

筋肉を過度に損傷させるトレーニングルーティンはいくつかあります。ひとつ目は分割法、BroSplitのように1日で同じ筋肉を集中的に鍛えると筋肉が過度に損傷します。トレーナーやYoutuberの中には高頻度で鍛えると筋肉が回復出来ないと主張しますが、実際これは全くの誤解、いいや無知からくる偏見です。客観的なデータでは週1回で上腕二頭筋を15set鍛えるよりも週5回で1日3setずつ鍛えたほうが筋肉の損傷が小さく、回復に時間がかかりません。

2019年の研究では各筋肉を週1回鍛えるBroSplitグループと週5回の全身トレーニンググループに分けたところ、筋肉の成長とベンチプレス、バックスクワットの筋力の向上効果は高頻度全身トレーニンググループのほうが有意に高いことを示していましたが、筋肉の損傷は低頻度BroSplitトレーニンググループのほうが有意に高く、被験者は強い筋肉痛を感じたことを示しています。

そして、もうひとつは休憩時間を短くすること。セット間の休憩時間が短いほど筋肉が回復する前に機械的な緊張がかかるため筋肉の損傷が強くなる傾向にあります。

2023年の新しい研究では筋トレ経験のある被験者に上腕二頭筋と上腕三頭筋のSplitトレーニングを行わせました。上腕二頭筋は月曜と木曜、上腕三頭筋は火曜日と金曜日に1日23setという大量のボリュームを行い、セット間の休憩時間は45秒しかありませんでした。

最後に行うバイセプスカールの7set、オーバーヘッドトライセプスエクステンションの7set、休憩45秒というメニューはハニーランボー氏が考案した大量のセットと短い休憩を組み合わせたFST7と非常に似ており、休憩時間が短いことに加えてインターバル中にトレーニングで使用した筋肉をストレッチさせています。

トレーニング後に上腕二頭筋と上腕筋、上腕三頭筋の2か所を合わせた4つの筋肉サイズの増加を調べたところ、8週間では統計的有意な筋肥大、簡単に言うと筋肉が成長したといえるだけの量増えていなかったことを示しており、特に重要なポイントは筋肉量が減った被験者も少なくなく、上腕筋や上腕三頭筋では平均的に筋肉のサイズが減っていたことを示しています。

 

筋肉は傷つけたり痛めつけるほど成長するわけではなく、過度な損傷は筋肉の成長効果を妨げたり筋肉を破壊する可能性があります。

この原因は筋肉の回復と合成のバランスです。2016年のブラジルで行われた研究ではウエイトトレーニング後、被験者の筋タンパク合成が増加したことを発見しました。これは当然ですが、重要なポイントは合成反応と筋肥大は相関しておらず研究の終盤でようやく相関関係が確認されました。

分かりやすく説明します。この研究では被験者が筋トレ未経験者でした。思い出してみてください。皆さんが筋トレ始めたばかりのころ、筋トレ後の筋肉痛はかなり強かったと思います。これは筋繊維が機械的な緊張に適応していないためですが、1~2か月続けていくと痛みはかなり小さくなっていった経験がある人は多いはずです。

実際、この研究では筋トレ未経験者の被験者は最初のトレーニングでかなり強い痛みを感じ、筋肉も深く損傷していましたが、筋肉はほとんど成長していませんでした。しかし、筋トレ経験が増え、おおよそ1か月経ったあたりで筋肉の成長効果が大幅に増えたことを示しており、このタイミングで筋肉の損傷が非常に小さくなっていたことを示しています。

これは筋肉のタンパク質合成反応が筋線維の修復、筋肉の構築どちらに使われたかが原因です。人間の体はまずは筋線維の修復に使用され、残った力が筋肉の構築に使われます。つまり、筋肉が深く傷つくほど筋肉の修復に多くの力が使われ、筋肉の構築に使われるパワーが非常に少なかったことを意味します。

これ以外にも複数の研究で筋肉の過度の損傷は筋肉の成長を助けないどころか、筋肉の成長を妨げたり、筋肉のサイズを減らす可能性があることを示しています。

筋トレ後の筋肉痛を快感にしている人は少なくないと思いますが、実際それは筋肉を構築する力のほとんどが修復に向けられていることを意味します。ウエイトを持ち上げている段階で筋肉に機械的な緊張がかかるため損傷することは仕方ありません。

しかし、それは最小限にする必要があります。筋肉の損傷を減らす一番効果的な方法はトレーニングボリュームを分散させて、全身法のように1日少しずつ各筋肉を鍛え、インターバルも1分以上確保することです。一部のボディビルダーやYoutuberは歩けなくなるほど追い込んだり、次の日の筋肉痛を「良い筋トレをした」ように自慢げに言いますが、それは筋肉を傷めつけただけで成長はしません。

そういったトレーニングは修復にほとんどすべての栄養やタンパク質合成が使用されるため筋肉が構築される力が減ってトレーニング効果も大幅に下がります。

スポンサーリンク

高重量にこだわる

トレーニングについて一般的な考えとして「高回数のトレーニングは減量向き」「筋肉の成長のためには高重量低回数」「ナチュラルでデカい人は全員高重量でトレーニングしている」といわれます。

しかし、これらのほとんどは時代遅れの偏見です。

多くの人が耳にしてきた情報としては筋トレはおおよそ8~12repほどが最適であるというものです。これは低回数過ぎると筋力アップ効果は高いけど筋肥大には向かない。高回数過ぎると筋持久力アップ効果は高いけど筋肥大には向かない。その間の回数が丁度いいという理由からですが、科学的な裏付けはこの情報にあるのでしょうか。

実はありません。

新しい回数と筋肥大効果についてのレビューペーパーでは1RMの30%から80%の範囲の回数は筋肉の成長効果は同じであることが発見されました。

これは筋肉の特性や筋肥大のメカニズムを考えると非常に理にかなっています。筋肉は機械的な緊張を筋線維に受けることで成長します。つまり、その機械的な緊張が高い回数によって生まれたものか。低い回数によって生まれたかは筋肉にとってはハッキリ言ってどうでもいいことです。

一部のトレーナーやYoutuberは筋肉には速筋繊維や遅筋線維があるから成長しやすい回数とそうでない回数があると考えており、よくある例がマラソンランナーと短距離選手の体つきは違います。これによって速筋繊維は高強度の運動で成長しやすく、遅筋繊維は低強度の運動で成長しやすいとされていますが、これは誤解でそもそもウエイトトレーニングという運動すら理解していません。

というのもウエイトトレーニング自体が高強度の運動であるからです。つまり、20rep、30repで鍛えたとしてもそれは運動全体で言えば超高強度運動であり、速筋繊維を鍛えるためには最適であるということです。例えばマラソン選手は確かに細いです。しかし、マラソンという競技は何時間も時間がかかり、脚にかかる負荷も何万回とあります。

ウエイトトレーニングの30rep、40repがこれに該当するわけがありません。

低重量も高重量も筋肉の成長効果は同じであると考えてOKですが、実際筋トレ効果は同じではありません。これは筋トレ頻度とほとんど同じで筋肉の成長にとってはボリュームが同じ場合、回数、レップ数は筋肥大に影響を与えないことを示していますが、同じ時間や同じ努力量でトレーニングをさせるとほぼ間違いなく高回数のほうがVOLが高いため筋肉が成長します

これは実際、1RM計算をしてみるとわかります。負荷とVOLについてこのグラフにある通り1RMが下がる、つまり低負荷になっていくほどVOLが上がっていくことがわかります。例えば100kgのベンチプレスが限界の人は50kgが30回できるように、この時点でトレーニングVOLは15倍になります。

2016年の調査ではこのことが示されており、被験者が25~35回の高回数トレーニンググループは研究期間で+31305kgのトレーニングVOLを稼ぐことができましたが、8~12回の高重量低回数グループは+10714kgだけでした。

VOLを確保するうえで高重量で稼ぐのも低重量で稼ぐのもどちらでも構いません。しかし、低重量のほうが同じ1setでも多くのボリュームを確保できます。実際これは筋肉の成長にも深く影響します。2023/3月に公開された最新の研究では101人の被験者を12週間の全身トレーニングを週3回、8~12repグループと10~15repグループで分けたところ8~12repのグループよりも10~15repグループのほうが大幅に筋肉が成長していることを発見しました。(2.5vs6.)

高重量が全く必要ないというわけではありませんが、筋肉を最短で成長させたい場合は、30rep近い高回数トレーニングを積極的に取り入れたほうがVOLがはるかに高くなるため効率的です。少なくとも10rep前後、またはそれ以下の高重量にこだわり続けるのは低頻度でトレーニングするのと同じくVOLがかなり低くなるため筋肉が成長しづらくなります。

いかがだったでしょうか。今日紹介した種目はボディビルダーはじめ多くのトレーニーが取り入れている種目ではありますが、効果的ではなく、避けるべき種目である十分な理由と証拠があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました