ダイエットを始めてから脂肪が落ちるのにかかる時間は?知らずに諦めないで!
皆さん一度はこんなことを考えたことはありませんか
「ダイエットを始めてから効果が出るのにどれくらいの時間がかかるのか」
「脂肪はどれくらいで落ちるのか」
そして、「思った通りに脂肪が落ちていない」、「たくさん運動してるのに何で結果が出ないのか」、「ダイエット前の自分と比べても変化を感じない」、「朝起きたら体重が増えてる」と悩むこともあるはずです。
科学的な事実を見るとスムーズに脂肪を落として体を変えるためには脂肪が落ちるまでの時間を理解して、より早く脂肪を落とすための3つのポイントを意識する必要があります。
しかし、これを知らずに損をしている人も多く、頑張っているのに脂肪が落ちない、食べられないからストレスだけが溜まる、遺伝のせいで痩せられないと絶望して最後にはダイエットをやめてしまう人も多くいます。
この記事では最新のデータ、実際の体験談、専門家のインタビューなどを基に脂肪が落ちるまでにかかる時間と効率的、そしてより早く脂肪を落とすための3つのポイントを紹介します。
脂肪が落ちるまでにかかる時間
脂肪が落ちるまでにかかる時間を説明する前にどうやって脂肪がつくのかを簡単に紹介します。
体脂肪はいわゆるエネルギーの貯金のようなものです。その日に必要なエネルギー以上のエネルギーを摂取した場合、もし食べられなくなった時の保険として体脂肪という形でそのエネルギーを体に蓄えます。実際、いくつかの野生動物は雨季など食べられる時期にたくさんの脂肪を蓄えて厳しい時期をほとんど食べずに過ごすことがあります。
しかし、人間はこれとは違います。野生動物のように食べられないシーズンというものがないため、1年中エネルギーを取り過ぎる結果、大量の脂肪が体につきます。
体脂肪がつきすぎることはただ外見が悪くなったり体重が増えるだけではありません。
大量の科学的データでは太ることで免疫機能が低下し、多くの合併症や病気にかかりやすくなります。実際、WHOの調査でも毎年少なくとも280万人が肥満によって死亡していることがわかっています。ほとんどの人が思っている以上に肥満のリスクは高いです。
結論から言うと「脂肪はそう簡単には落ちない」。これを前提として知っておいてください。というのも無謀な高すぎる目標設定をするといつまでたってもゴールが見えず、途中で挫折しやすくなります。
体脂肪1kgあたりのカロリーはおおよそ7200kcalです。これは一般的な成人男性の基礎代謝量4~5日分に相当します。つまり単純計算しても1kg脂肪を落とすのに4日間一切カロリーを摂取しない断食が必要になります。
理論的には1か月間断食をすれば6kg程体脂肪を落とすことができますが、そう単純ではありません。性別、普段の運動量などによって大きく変わります。注意点として多くの人は年齢によって脂肪のつき方や減り方に大きな違いがあると考えていますが、2021年の人間のエネルギー消費量と体脂肪についての調査では20~60歳までの間では代謝率は年齢の影響をほとんど受けず、代謝率が下がるのは主に運動をしなくなること、それによって筋肉量が減ることが原因だと示されています。
つまり本質的に加齢によって脂肪が落ちにくくなる、着きやすい体になるということはありません。
ただし、こういった体脂肪の増減には遺伝的な要因が強いと考えている人もいます。例えばフードファイターなどたくさん食べているような人でも痩せている人は少なくなく、その逆でそこまで食べてないので太っている人や頑張ってもなかなか痩せられない人もいます。
実際これは科学的に認められています。減量についてまとめた信頼性の高い文献によると遺伝が太り過ぎや肥満の原因に関与していることは明らかであると明確に示されています。
じゃあ太りやすい人は痩せられないってこと。それは絶対にないと断言します。同じ文献では遺伝的な要因があるとは認めつつ次のように示されています。「遺伝が太りすぎや肥満の原因に関与していることは証拠から明らかである。しかし、過去 20 年間に米国の人口にみられた太りすぎの増加は遺伝では説明できない。むしろ、エネルギー消費量に比べて運動量が少なすぎたり食べ過ぎたりする原因となっている行動要因と環境要因が主な原因であるに違いない。」
つまり遺伝的な要因は存在はしますが、体脂肪のつき方の多くを左右するわけではありません。実際痩せにくい、太りやすいと感じている人の多くは運動や食事の意識が不足していたり、そもそもダイエットしたらすぐに痩せると期待しすぎている傾向にあります。
個人差はあっても人間は水を飲まなければ必ず死んでしまうようにあなたが適切なダイエットをすれば絶対に脂肪は落ちますし、痩せます。
それではダイエットはどれくらいの脂肪を燃やすことが出来るのか。最短でどれくらいの脂肪を落とすことが出来るのか。2016年の調査では脂肪燃焼量には上限があることを示しています。この研究では体脂肪が落ちるスピードについて次のように言及されています。月1kg以上の体脂肪を落とすことは不可能である。
外見を変えるためには体脂肪率を10%以上減らす必要があります。体重80kgの人の場合、体脂肪率20%から10%にするためには8kg、つまり8か月は最低でもかかる可能性があることを理解してください。
ただ、「テレビとかインスタで1週間で1kg体重落としたっていう人見たことあるけどな」「もっと早く体重落としたことあるけど」と感じた人も多いと思います。
しかし、体重減少は脂肪だけに限ったことではありません。例えば筋肉を落とせば脂肪を落とすよりも早く体重を落とせますし、体内の水分量を減らせば簡単に2~3kgは体重を落とすことができます。雑誌やテレビでは何か月で何キロというように体重減少をアピールしますが、それは筋肉を破壊したり体内の水分量を減らしただけです。
体脂肪は次の日何キロも落ちていたり、一週間で目に見えて痩せることはありません。おおよその目安として、外見が変わるほど脂肪を燃やすためには最低でも2~3か月はかかると覚悟しておいて下さい。
しかし、この1年で1kgが限界というのは絶対的なものではなく、その後の研究でこの主張の科学的信頼性はそれほど高くないことが示されています。
効率的なダイエット法を知っていればこれよりたくさんの脂肪を落とすこともできますし、パーカーフィットネスはそういった論文やクライアントの方を見たことがあります。
ただ、逆に科学的事実に基づいたトレーニング法を知らずに、感覚や根性のみでダイエットするとこれよりはるかに少ない脂肪しか燃やせない可能性があります。
ここからは最短で脂肪を燃やすためのポイントを解説します。
ダイエットが失敗する原因
新しいダイエット法や脂肪の落とし方についてテレビや雑誌、Youtube、SNSなど数えきれないほどありとあらゆるメディアで取り上げられていますが、これは裏を返せばほとんどの人がダイエットしたいけどできない、もしくは痩せられてもすぐにリバウンドしてしまうことを裏付けています。
実際、2016年の研究ではダイエット成功者14人を6年間追跡したところダイエット後6年間体重が増えていなかった被験者は一人しかおらず、5人は完全に体重が元に戻り、2人はダイエット前よりも体重が増えていたことがわかりました。
なぜこれほどまでに痩せられない人が多いのか、ダイエットしてもすぐに元に戻ってしまう人が多いのか.。最大の原因は一貫性のなさです。
例えばテレビや雑誌で目についたダイエット法に挑戦し続けて計画を毎週変える人がいます。これはShiny object syndromeと呼ばれます。簡単に言うと「隣の芝生は青く見える」です。テレビやSNSで取り上げられたダイエット法が今のダイエット法よりもよりよく見えてどんどん新しいダイエットを試します。
しかし、脂肪はすぐには落ちないので何度もダイエット計画を変えるのは絶対にNGです。そもそもフィットネス業界に携わってきましたが、テレビやSNSで取り上げられる、いわゆる流行っているダイエットには科学的な根拠がないことがほとんどです。
テレビや雑誌などの情報を鵜呑みにするのは絶対におすすめしません。
そして、一貫性がないことで起こる最大の問題はリバウンドです。多くの犯罪者が出所後すぐに罪を犯して刑務所に戻ってくるようにダイエットに成功してもすぐにリバウンドをしてしまう人は少なくありません。例えば某有名CMで肉体改造に成功した芸能人が数年後元に戻ることはよくあります。
断言します。低い体脂肪率を10年間維持するためには10年間食事や運動などライフスタイルについて意識する必要があります。ある時を境に好きなものを好きなだけ食べられるようになったり、食事や運動について全く気にする必要が無くなるポイントはありません。
もちろん脂肪を落とすための食事と脂肪を増やさない食事では全く違い、筋肉量を増やせば代謝が上がってダイエット中よりはかなり楽になるのでお酒を一生飲んではいけない、スイーツは禁止というほど厳しくはありません。ただ、ダイエットが成功した途端にジムに行かなくなったり、食事に全く気を使わなくなればリバウンドはすぐに起こります。
そして、長続きするように適度なダイエット計画にすることも非常に重要です。
ダイエットをしようと決意したとき多くの人は「これからは毎日一食にしよう」「毎日10km走ろう」と考えますが、それは非常に難しくストレスもかなりたまるのでほとんどの人は厳しすぎて途中でやめてしまいます。その他にも体脂肪の減少量に期待しすぎている人は実際脂肪が落ちるのは少しずつなので体重計に変化がほとんど出なくてパニックになりより厳しいダイエットに変更してしまうことも良くあります。
実際、体脂肪率25%から15%まで落とした例を見てみても。体重は増えたり減ったりしていますが全体的なグラフを見ると減っていることがわかります。そのため、体重計に毎日乗るのは重要ですが、次の日増えていても気にする必要はほとんどありません。
ダイエットを成功させるためには適度なレベルのダイエットを長期間続けることが最も重要です。
そのためには無理のない計画を立てて、それを一貫して行いましょう。
最短で脂肪を落とす方法
物理学の分野で最も有名な方程式はアインシュタインが導いたE=mc二乗ですが、脂肪燃焼で最も有名な方程式は体脂肪=摂取カロリー-消費カロリーです。
摂取カロリーが消費カロリーよりも多ければ体脂肪は増え、消費カロリーが摂取カロリーよりも多ければ体脂肪は減ります。ダイエットや脂肪燃焼を単純化すると「消費カロリーを上げるか」「摂取カロリーを下げるか」この二択です。
そして体脂肪を落とす時、絶対に知っておいてほしいことは正確な体脂肪率を測ることは不可能であるということです。一部の体重計には自分の体脂肪率を測る機能がついていたり、フィットネスクラブだと一部のテンポで自分の筋肉量や体脂肪率を測ることができますが、この数値はほとんどの場合正確ではありません。
というのも一般的に体脂肪を測る方法はインピーダンス法といって体に電気を流してその抵抗で体脂肪を計測しますが、科学的なデータによるとこの方法はデバイスの精度にかなり依存するようです。つまり、数千円の体重計では正確に測ることはほぼ不可能であり、実際これを調べた実験でも一般的な体重系の数値は正確なものよりもかなり離れていたことを示しています。
そのため、体重計の数値も実際の体脂肪と関係性はそこまで深くないのであなたが最も信頼する判断基準は外見です。ただ、外見も変化はすぐにやっては来ないので1か月は続けてください
ここからは最短で脂肪を燃やすための3つのポイントを紹介します。
運動
運動はダイエットを継続させたり低い体脂肪率を維持するうえで非常に重要ですが、運動といっても主にランニングなどの有酸素運動、ウエイトを持ち上げる高強度運動のふたつがあります。
一般的には痩せたい人は有酸素運動をするのがベスト。ジムに行ってウエイトトレーニングはせずにマシンで1時間走ったほうが効果的と考えられています。
ちなみにこれに加えて最近はEMSといって電気刺激を与えることで体脂肪を落とすデバイスもあり、非常に流行っていますが、科学的にはEMSは少なくとも体脂肪減少には全く役に立たないことがわかっているのでこれは脂肪を落とすための運動ではありません。
2023年の5月に行われた最新のメタ分析では、どういったダイエット法が最も効果的であるかを調査しました。
このレビューでは92件の研究、合計4957人の被験者の運動形態とそのダイエット効果について調査をしたところウエイトトレーニングが運動としては最も効果的であり有酸素運動よりも体脂肪を落とすことがわかりました。
ウエイトトレーニングは運動タイプとしては最も効率的なものだと断言できます。まずこのデータに示されている通り、サーキットトレーニングのような高強度の有酸素運動とウエイトトレーニングでは高強度のもののほうが高いカロリー消費を示しています。しかし、HIITトレーニングは10分ほどが限界であるように高強度の有酸素運動は性質上長時間その高い強度を維持することはできないため、必然的に低強度の有酸素運動のほうが長時間でき、消費カロリーが高いことがわかります。
しかし、そのカロリー消費量はウエイトトレーニングとあまり変わりません。
そして、ウエイトトレーニングはウエイトを持ち上げることによる消費カロリーはもちろん、筋肉量を増やすことによって基礎代謝量が少しずつ上がるため長期的にみると有酸素運動よりも効率がいい可能性が高いです。
HIITトレーニングや有酸素運動にはEPOCといってアフターバーン効果のようなものがあるといわれていますが、これはメディアでかなり誇張されており、実際アフターバーンによって燃えるエネルギーは数十キロカロリーしかなく、脂肪の燃焼にほとんど影響がないほど非常に小さいことがわかっているため筋肥大による代謝増加のほうが確実で効果的です。
そして、脂肪を落とすだけではなく、落とした後また太るリバウンドを予防するために筋トレは非常に役に立ちます。
筋トレをせずに脂肪だけ落とすと筋肉質というよりガリガリに近くなるため、外見的な印象の向上としてはダイエットが成功しなくなる可能性が高くなります。加えて、ダイエット中は筋肉が落ちやすくなる状態になります。
エリック博士によると筋肉の減少が増えるとダイエット後の空腹が強くなる傾向にあり、落ちた脂肪が元に戻る、いわゆるリバウンドの原因になるようです。
筋トレをしない人がダイエットをすれば筋肉量は間違いなく落ちますが、科学的なデータを見るとこの期間で筋トレをするだけで筋肉の減少を防ぐことができます。加えてこの効果は絶大で、少しの筋トレをするだけで筋肉の減少をほぼゼロにすることができ、むしろダイエット中に筋肉を増やすことができることを多くのデータは示しています。
ダイエット後のガリガリ化を防いだり、脂肪を多く燃やせるなど、数多くのデータからダイエット中にウエイトトレーニングをすることは必要不可欠です。
脂肪を落とすためにはどんなウエイトトレーニングでもいいわけではありません。重要なのはトレーニングボリュームです。これは筋肉の成長はもちろんですが脂肪の燃焼にも重要です。
そして、最初にも紹介したように人間の代謝を上げる最も効果的な方法は筋肉量を増やすことです。効果的に代謝を上げて脂肪を燃やすためには全身トレーニングが最も効果的です。
2016年の研究では最低2年の筋トレ経験のある男子ラグビー選手を対象に全身トレーニングとスプリットトレーニングを行わせました。結果として除脂肪体重はスプリットトレーニンググループは平均して+0.4%だったのに対し、全身トレーニンググループは+1.1%で2倍以上の差がありました。そして体脂肪の量はスプリットトレーニンググループは-2.1%だったのに対し、全身トレーニンググループは-5.7%でこれも2倍以上の差がありました。
一般的にボディビルダーやトレーナーは分割法といって鍛える部位を集中させる傾向にありますが、実はほとんど意味がなく、筋肉の成長や脂肪の燃焼を妨げています。効率を重視するなら必ず全身トレーニングで全身の筋肉を少しずつ鍛えましょう。
栄養摂取
脂肪を落とすために最も重要なのが栄養摂取です。SNSでのメッセージ、そしてクライアントの方からこんな相談を受けます。「食べるのが好きなので食事制限をせずに痩せたいです」「ハードな運動メニューでもいいので好きなものを食べたいです」
確かにこういったダイエット法は誰しも理想です。聞きたくない現実かもしれませんが、ハッキリ言うと食事を改善せずに痩せることは無理です。というのも実はカロリー消費には限界があります。
例えばボディビルダーのスティーブクックさんが挑戦した10000kcalチャレンジが運動によるカロリー消費の限界を裏付けています。彼は最初に10000kcalを摂取して、そのあと10000kcal運動によって消費する挑戦を行いました。
朝食で2440kcalを摂取して、昼食に4000kcal、夜に残りのカロリーを摂取して10000kcal食べるのに12時間かかりました。そして日付が変わる夜の12時1分からスプリントトレーニング、ランニング、ジムでのトレーニングをして昼の11時半、おおよそ12時間動き続けた結果、彼が消費したのは3000kcal未満であり、本当に1日中動き続けて、関節のすべてが痛くなるほどのトレーニングをしても24時間で消費したカロリーは合計7427kcalだけでした。
1日中動き続けた彼は「悪い食生活をトレーニングでカバーすることは絶対に不可能であり、摂取したカロリーを運動で減らすことは10倍大変である」と答えています
体脂肪を減らすためには摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを上げる方法がありますが、効率を考えると圧倒的に摂取カロリーを減らす方法のほうが簡単です。
痩せたいなら絶対に食事は思い通りにはいかなくなります。テレビCMや雑誌では飲むことで脂肪の吸収を抑えたり、代謝を上げる食品があるといわれていますが、科学的な根拠は非常に乏しく、その裏付けとなるエビデンスもSNSでコメントしているようにかなり違和感があります。
動画の前半でも解説した通り、脂肪はエネルギーの貯金のようなものであるためその貯金を使えば使うほど体脂肪というのは分解されていきます。そのためにも毎日摂取するエネルギーを制限して脂肪を分解させます。
極端な例が最近非常にはやっている断食です。確かに一般的な成人男性は1日で2000kcal程は必要になるため、一切カロリーを取らなければ2000kcal分赤字となって脂肪が分解されます。ただ、この方法は筋肉の成長や維持の観点から良くありません。
メタ分析にも示されているようにカロリー赤字が500kcalを超えると筋肉が極端に破壊されることがわかっています。これは先ほど紹介したように代謝が大幅に低下するなどリバウンドの原因にもなり、ダイエット後にまたすぐに体が元に戻ることを意味します。
目安としては1日に必要なカロリーの-200~300kcalがおすすめです。週に4~5回ウエイトトレーニングをする男性で必要なカロリーが2500kcal、女性で2000kcal程なのでこの数字から-300kcalしたカロリーを目標にしてください。
ここからパーカーフィットネスが数多くのクライアントの方のダイエットを成功させてきたポイントを紹介します。
まず、タンパク質をたくさん摂りましょう。
これには2つの理由があります。まずタンパク質は筋肉の成長や維持のために最も重要です。そして、タンパク質は熱発生性が最も高い栄養素であるため、摂取することでわずかに代謝が上昇する可能性があります。
タンパク質をたくさん摂取するほど脂肪が減り、筋肉がつきやすくなります。実際、最近行われたレビューでもカロリー制限、ウエイトトレーニング、高たんぱく食の3つを組み合わせると最も脂肪が落ちることがわかっています。
体重1kgあたり2.0gを目標にしてたくさん摂取しましょう。
クライアントの方からダイエット中のアルコール摂取について相談されることがあります。結論から言うと飲むよりは飲まないほうが良いです。ただし、ラベルに書いてあるカロリーを知って飲んでも目標カロリー以内であれば問題ないと思います。実際ビール腹と呼ばれることもありますが、アルコールが優先的に脂肪に変換されたり、お腹に脂肪を蓄積するという十分な証拠はありません。
そしてもうひとつ相談されるのが食事のタイミングや順番、例えば夜食べたら太りやすくなる、野菜から食べたほうが太らないといわれていますが、科学的には食事量が同じであれば順番やタイミングはほとんど関係ありません。どんなタイミングでどんな順番で食べても問題ありません。
科学的には体組成のほとんどを決めるのはカロリー摂取量とたんぱく質摂取量であることがわかっています。これさえ意識していれば十分でタイミングなどを気にする必要は全くありません。
テレビ、そして一部のボディビルダーやYoutuberの中には減量していくと代謝が下がって体重減少が停滞する。チートデイを挟むのが良いと主張する人もいます。しかし、体重減少が停滞するのは炭水化物が原因です。この栄養素は体内の水分量を増やす働きがあるためダイエットをスタートすると炭水化物摂取量が減って水分量が減るので体重がすぐに落ちますが、このボーナス期間が終わると体重減少が停滞します。
ただしこれは体内の水分排泄が終わって脂肪が燃え始めることを意味します。停滞こそ本当に脂肪が落ちるペースです。脂肪は少しずつしか燃えないので体重計にはすぐに表れませんが、ここでチートデイを行うと脂肪燃焼モードを自ら無駄にしていることになります。
ダイエットは一定のカロリー赤字を継続して行うのが最短で脂肪を燃やす方法です。
睡眠
そして意外と重要なのが睡眠。最近行われた研究では18~59歳までの男女5151人を対象に調査をした結果睡眠時間と内臓脂肪に関係が見つかり、睡眠時間が短い人は内臓脂肪の量が多いことがわかりました。
内臓脂肪というのは腹部にある脂肪であり、健康への多くの悪影響がある非常に有害な体脂肪です。研究では睡眠不足である被験者は内臓脂肪が+11%増加しており、睡眠時間が十分である被験者は全くこの脂肪が増加していないことを示しています。
睡眠不足の最も大きな影響は体があなたの筋肉を破壊し、脂肪を多く追加する反応が起こることです。特にこれはダイエット中に深刻な影響を引き起こします。ダイエット中というのは摂取カロリーが不足しているため筋肉が分解される可能性も高くなります。
シカゴ大学で行われた研究ではダイエット中の被験者を5.5時間睡眠グループと7.5時間睡眠グループに分けたところ、睡眠時間が短かったグループは体脂肪が0.6kgしか落ちず、代わりに筋肉量が2.4kg減ったことを示しています。
そしてこのホルモンに加えて、睡眠不足は過食につながり、たくさんのカロリーを摂取することにもつながります。
ほとんどの科学的データや専門家が推奨している睡眠時間は最低でも7時間以上です。ただ、睡眠時間が十分確保できない人は睡眠の「質にこだわる」のがおすすめです。
・寝る前の30分以内の電子機器の使用を避ける ・アルコール摂取を控える ・6時間以内のカフェイン摂取を避ける
これをすると6時間、それ以下でも7時間寝ている人と同じような効果を得られます。
脂肪が落ちるスピードはおおよそ1か月で1kgが限界値です。これ以上に体重が落ちることはありますが、この何倍も体重が落ちている場合は注意が必要です。ほとんどの場合、体の水分が排出されていたり、筋肉量が犠牲になっています。筋肉量が減ると外見はもちろんですが、基礎代謝量が減ったりリバウンドの原因にもなります。必ず脂肪だけを落とすようにして下さい。
ただし、毎月1kgというのは絶対的なものではなくこれよりも速いスピードで脂肪を落とすことができます。
そのために抑えるべきポイントは
・ウエイトトレーニングをすること
これは最も脂肪燃焼に向いた運動であり、有酸素運動よりも高い効果があります。トレーニング効果を高めて筋肥大や脂肪燃焼を最大化させたい人は、高頻度の全身法で鍛えるのがベストです。
・食事制限をすること
カロリー赤字を作ることは脂肪燃焼の絶対条件です。カロリーは摂取することは簡単ですがそれを消費させることはかなり難しく、運動だけで痩せることは不可能です。一般的な男性の場合、週に3~4回トレーニングしている人は体重維持calは2500kcal、女性の場合は2000kcal程度なのでここから300kcal引いた値が毎日目標にするカロリー摂取量になります。
必ず食品のラベルを見てどれくらいのカロリーがあるかを確認してください。
これに加えて筋肉の成長や維持のために体重1kgあたり、2.0gのたんぱく質を摂取しましょう。80kgの人の場合は160gということです。
・睡眠を十分とるコト
睡眠が不足すると筋肉が破壊されて脂肪がつきやすい体に変化します。数多くの研究で7時間を超えるとこれが逆転し、筋肉がつきやすく脂肪が落ちにくい体になるため、7時間は確保しましょう。それが不可能な人は睡眠の質を上げてください。
今日紹介した-300kcalほどのダイエットをすると1.0~1.5kgの体脂肪燃焼が見込めます。ただ、ダイエットをスタートさせた最初の月は炭水化物摂取量が減少し、水分量が減るため体重が3kg以上落ちることがあります。
目安としては最初の月は2~3kg、それ以降は毎月1kgの体重減少がベストです。これより速い場合は筋肉が破壊されている可能性があります。500kcal以上の赤字は筋肉の破壊が一気に激しくなるラインであるため、毎月2kg以上体重が減っている人は目標カロリーを上げて、例えば2500kcalにしてみるのがいいでしょう。
逆にこれよりも遅い場合、ダイエットを調節する必要性は人によります。基本的に体重減少は遅いほうが筋肉量にとっていい傾向です。1か月500g程の体重減少でもっとペースを早くしたい場合は2200kcalに下げてみたり、このペースで十分な変化を感じている人は目標カロリーを変更させる必要はありません。
この-300kcalを2~3か月維持してください。体を大きく変えたい人は半年は最低でもかかります。
ポイントとしてチートデイはせっかくコツコツ貯めた赤字を台無しにするだけなので出来るだけやらないようにしてください。ただ、食事制限のストレスでどうしても続けられないという人はアリです。ただし、絶対守ってほしいことはチートデイではなくチートミールというように1食だけ、例えば昼食だけ焼肉で好きなだけ食べるだけにしてください。
そしてその時に飲むのは出来るだけカロリーのない水やカロリーオフの飲み物を選んでください。
今日紹介したダイエット法をすれば間違いなく痩せます。年齢、遺伝。そんなのは全く関係ありません。
そして痩せた後も重要です。リバウンドしたくない、体型を維持したい人にひとつだけアドバイスをするとするなら筋トレを好きになってください。そうすれば楽しんで運動を継続させられるので体型の維持はかなり簡単になります。
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