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大胸筋下部のラインをつけたいならこれをやれ!下部が成長する最強種目と方法について徹底的に解説します。

大胸筋下部のラインをつけたいならこれをやれ!下部が成長する最強種目と方法について徹底的に解説します


みなさん一度はトレーニングしてこんなこと感じたことありませんか?

「大胸筋の厚みが出て気がするけど鏡で見たときスゴイしょぼく見える」

「自分のイメージしてる体型と他の人から見える体型が全然違う」

実は鏡で見たとき自分の大胸筋が成長していないように見える最大の原因は大胸筋下部です。

例えばただの丸の絵に影を作るとより立体的に見えるように、大胸筋下部の影を作ると大胸筋が立体的に見えて厚みが強調されます。

しかし、実はこのラインをつけることは意外と難しく、頑張ってトレーニングしてもなかなかこの影が出ない人もいます。実際、パーカーフィットネスのトレーニング仲間の一人にもベンチプレスは100kg持ち上げられても大胸筋下部のラインがあまりでなく、大胸筋の立体感が出にくい人もいました。

この記事では最新のデータ、そして専門家のインタビューなどを基に大胸筋下部を狙う方法と最強種目について徹底的に解説します

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解剖学的な大胸筋下部

大胸筋下部は腕を閉じる運動と下げる運動の両方を使うと鍛えることができますが、この筋肉のトレーニング法でこんな事をみなさん一度は聞いたことがあると思います。

「大胸筋下部は狙う必要がない」

「フラットベンチプレスなど中部を鍛える種目をやれば十分」

確かに、下部を狙ったトレーニングをしなくても下部が成長して、十分な影ができる人もいます。

2013年の研究ではトレーニング経験のない男性にフラットバーベルベンチプレスを10回3setを週3回合計24週間実行させました。24週間後、被験者の大胸筋のサイズを上部中部下部の3つに分類して調査したところ、上部は+36.3%,中部は+37.3%,下部は+40%の筋肥大効果が確認され、フラットバーベルベンチプレスでは下部が最も成長することがわかりました。

しかし、それとは対照的な研究も得られています。2019年の研究ではトレーニング経験のある男女で8週間、週に2回、1RMの85%を5回4setのフラットバーベルベンチプレスを行わせたところ、上部は+7.44%、中部は+10.06%、下部は+7.45%の成長が確認され、フラットバーベルベンチプレスでは上部と下部は同じように成長し、中部が最も成長することを示しています。

この矛盾した結果の理由は主に遺伝、個人差です。

人間は大体同じようにできていますが、完全に同じではありません。体の柔らかさや骨格、サイズによって同じトレーニングでも筋肉のつき方に違いが出ます。

2008年の研究では200人の被験者に股関節の屈曲可動域テストを実施したところ、最も柔らかい被験者と最も体が固い被験者では可動域に60度もの差があったことを示しており、2019年の研究ではトレーニング中の大腿四頭筋の筋活動は被験者によってある程度の差があったことを示しています。

例えばフラットベンチプレスで下部を強く活性化させることができる人もいればフラットベンチプレスでは中部が強く活性化される人もいます。

大胸筋下部のラインがつきにくい人はおそらく肩関節の水平内転で下部を活性化させることが苦手な人である可能性があります。こういった人が特別なことをしなくても下部のラインを作ることができる人と同じことをしても思ったように結果が出ない可能性があります。

こういった下部がつきにくい人がそうではない人のトレーニング法を参考にしたり、真似をすると大胸筋下部の成長にかなりの時間がかかったり頑張っているのに結果が出ないと絶望してしまうことがあります。

ここからは最短で筋肉を構築するための3つのポイントを解説します。

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大胸筋下部を成長させる3つのポイント

大胸筋下部を成長させるためにやることはたったひとつしかありません。それは大胸筋下部の筋線維に強い機械的な緊張を与えること。筋肉は機械的な緊張に適応することで成長するため、下部に強い緊張を与えればそれに比例して筋肉が成長しやすくなります。

ただし、間違ったアプローチをすると頑張っても大胸筋下部にかかる機械的な緊張がわずかになり、この筋肉がほとんど成長しなくなります。

上部を狙わない

大胸筋下部を成長させるためのカギとなる種目はインクラインプレスやロウプーリーケーブルクロスオーバーなどの大胸筋上部を鍛える種目です。

みなさんの胸トレでの大胸筋下部の成長率を増やす最も簡単な方法があります。それは上部を鍛えないことです。下部と上部は正反対の筋繊維です。上部は肩から鎖骨に向かって上方向に伸びる筋繊維ですが下部は肋骨に向かって下方向に伸びる筋繊維であるためお互いの向きは反対に近いです。

これは拮抗筋と呼ばれます。例えばレッグエクステンションによってハムストリングスが成長することはほとんどありません。これは大腿四頭筋はヒザを伸ばす運動に対してハムストリングスはヒザを曲げる運動に関わる筋肉であるからです。

これと同じように大胸筋上部を鍛えるロウプーリーのケーブルクロスオーバーなど腕を上に上げる運動は下に下げる運動と反対であるため、この運動をするとたとえ大胸筋トレーニングと認識していても下部に負荷はほとんど入っていません。

その証拠にベンチ角度を少しインクラインにするだけで大胸筋下部の働きが大きく下がっていることがわかります。

そのため、下部を成長させたい人がまずやることは下部に負荷がほとんどかからない上部の種目を辞めることです。下部を最短でデカくしたい人はフラットベンチプレスなどの中部、全体を鍛える種目と下部を鍛える種目の2種類で鍛えましょう。

強い内転

胸のライン、大胸筋下部をつけるためには腕を下に下げる運動が必要です。というのも大胸筋下部の筋繊維は斜め下に向かって伸びている筋繊維であるため、下部を狙うときは腕を閉じながらウエイトを下に引っ張る運動が最適であることが予想できます。

そのため、多くのトレーナーはデクラインのプレスやフライを推奨します。これはインクラインベンチプレスと逆に角度をつけることによって下部を狙う方法です。確かに脚を上げたり背中を下げることによって真横に行っていた運動に下方向の運動が追加されるため、下部がより活性化されるというのは理にかなっています。

しかし、実際デクラインのプレスで鍛えられる筋線維は大胸筋下部ではなく大胸筋中部の下のあたりであり、ラインをつくる下部の成長にとって不十分である可能性が高いです。

2016年に行われたたEMG研究ではベンチ角度-15度のデクラインベンチプレスと0度のフラットベンチプレスでは大胸筋下部の筋活動は変わらなかったことを示しています。実はこれ以外にもデクラインベンチプレスでは下部を強調できないことを示す複数のデータがあります。

下部の筋線維を狙うためにデクラインプレスをするのは自然な考えですが、先ほど挙げた研究を見るとデクラインプレスはフラットベンチプレスよりも大幅に大胸筋下部を刺激できるかといわれると微妙なところがあります。

これは筋繊維の向きを考えると非常に理にかなっています。上部の筋繊維は15~30度程度、少し上向きですが大胸筋下部は肩から肋骨に向かって伸びており大胸筋のラインを作るかなり下の方の筋繊維はかなり直角に筋繊維が伸びています。そのため、少しの角度では下部を強調するのに不十分です。

下部を効果的に狙いたい人は8割腕を下げる運動、2割腕を閉じる運動という種目がおすすめです。

肩甲骨の運動

そして、意外と多くの人が見逃しているのが肩の運動。実は下部を鍛えているのにラインができない人の中でこの肩の運動が適していないことが原因である人は少なくありません。

大胸筋下部を鍛えるときはただ腕を下に下げればいいだけという認識では成長しません。

必ず、スタートで肩を上げてフィニッシュで下げるようにしましょう。これができていないと大胸筋の下部をうまく使うことができません。実際、肩をすくませたまま下部のトレーニングをやってみてください。下部に力はほとんど入っていないことがわかるはずです。

というのも大胸筋下部は肩関節から肋骨にまたがっている筋肉です。腕を下げる運動で活動するといいましたが、細かく言うと大胸筋は肩関節にまたがるため肩がすくんでいると仮に腕を閉じても肩が高い位置にあるため下部の筋線維が収縮しません。

このストレッチと収縮が同時に起こると筋線維に負荷がほとんどかからなくなることを意味します。例えば大腿直筋は股関節と膝関節にまたがりますが、スクワットで立ち上がるときに収縮とストレッチの両方がかかるため大腿直筋を成長させられません。

実際、科学的にもレッグエクステンションとスクワットのどちらかを行った被験者ではスクワットは大腿直筋をほとんど成長させられなかったことを報告しています。

スタート位置では物理的な負荷の方向から肩が上に上がるのは自然であるため、ほとんどの人は意識しなくてもできていますが、ケーブルを引っ張るのと同時に肩を下げるのは意識しないとできません。これが大胸筋下部を働かせるためには非常に重要です。

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最強種目

大胸筋下部を成長させるためにやるべきことは

・上部の種目をやめる

・強い内転or伸展を入れる

・肩を下げる

この3つを踏まえて大胸筋下部のラインを作る最強の種目は「高い位置から引っ張るケーブルクロスオーバー」です。

科学的な筋電図分析では高い位置から引っ張るケーブルクロスオーバーは胸の高さから横に引っ張るものよりも大胸筋下部を強く活性化させていることがわかります。

大胸筋下部を作る種目ではバーディップスという選択肢もあります。この種目は悪いわけでは決してありません。これは物理的な負荷の向きとしては超角度のあるデクラインプレスのようなものですが、筋肉の成長においていくつかの問題点があり、一種目最強を選ぶとしたらケーブルクロスオーバーで間違いないと思います。

まず、ディップスには安定性がありません。フリーウエイトは不安定だからいろいろな筋肉を鍛えられるというのはトレーニングの常識ですが、迷信であり、ほとんどの場合不安定な種目は逆効果になります。

そして、ケガのリスクも高く、安全のために筋肉の成長が犠牲にされることがあります。ディップスで痛めやすい部位は肩、そしてヒジ。ここを守るためには適切なフォームが重要ですが、体を下げ過ぎるとリスクも高くなるのでおおよそヒジの角度が90度になる位置で止める必要があり、これによってストレッチが制限される可能性があります。

ウエイトを持ち上げているときに筋線維に一番負荷がかかっているのはストレッチポジションです。そのため、ここで負荷のかからない種目やここをカットして収縮に重きを置いたパーシャルレップは効率が非常に悪いことが科学的に証明されており、ディップスでは大胸筋下部に最大のストレッチをかけられない場合があります。

ケーブルクロスオーバーでは安全に、そして効果的に筋肉を鍛えることが可能ですが、非常に重要なポイントがあるので必ず抑えましょう。実はこれを知らずに大胸筋の成長にとって効果的ではないフライをしている人は数多くいます。

重要なポイントは強い内転を入れること。そのために行うことは姿勢を真っすぐにすることと、高い位置から引っ張るコト。高い位置から引っ張ると上から下に引っ張る運動が強くなるため、下部が効果的に鍛えられます。必ずマシンの一番高い位置に設定しましょう。

そして、よくあるミスですがフライ中に体を前傾させたり、ケーブルからかなり離れてフライをする人が多くいます。これをすると引っ張る角度がかなり緩やかになり、結果的に内転角度を殺すことになります。

そして最も多いミスは間違ったタイプのマシンを選ぶこと。ケーブルマシンのタイプはほとんどのジムでも二通りです。幅が広いものか狭いものか。大胸筋を成長させたいときに選ぶマシンは絶対に狭いものです。

これはストレッチポジションに由来しています。

大胸筋に限らず筋肉の成長において最も重要なのはストレッチポジション。上腕二頭筋カールの研究にも示されているように、ここで強い負荷をかけると筋肉の成長効果が大幅に上がります。つまりここで前から後ろへの負荷が必要ですが、幅が広いものは横向きの負荷に近く、収縮可動域で最も負荷がかかるようになり、狭いものにすれば腕を広げたときとほぼ同じような広さになるため大胸筋に最大のストレッチがかかります。

おすすめは狭いケーブル幅のマシンをヒザ立ちで行うとより高い位置からケーブルを引っ張ることができます。必ず大胸筋を最大まで伸ばしましょう。

幅の狭いマシンを使うとおおよそ腕が体の前に来たら負荷が無くなったりケーブルが体に当たるため、ここでストップすればOKです。手をくっつけたりする必要はありません。

大胸筋下部を成長させたい人は大胸筋のバランスのためにもこの種目に追加してフラットのベンチプレスを加えるのがおすすめです。筋肉は高頻度で鍛えるほど成長するため、月曜日ベンチプレス、火曜日ケーブルクロスオーバーというようにこの種目を交互に行うか毎回2~3setずつ2種目を行いましょう。

これをすれば大胸筋全体の厚みをつけながら下部の成長を最大化することが可能です。これを2か月やれば大胸筋下部のラインのつき方が大きく変わります。

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