肩が丸くならないならこれをやれ!最強のメロン肩を作るための4つの筋トレ法を科学的に徹底解説!
カッコイイ肩というのはバランスが悪く細長い肩ではなく、全ての筋肉のバランスが整っていて丸みのある肩のことを指します。しかし、実は丸い肩を作るのは簡単ではなく、肩についての解剖学的知識や科学的に裏付けられた鍛え方をする必要がありますが、これらを知らないと丸みのあるメロンのような肩ではなく縦長のピーナッツのような肩になってしまいます。
この記事では丸みのある肩を作るために絶対にやってほしい4つの鍛え方について科学的なデータを基に解説します。
三角筋を鍛える
前部と後部が重要
当たり前ですが肩を巨大化させるためには肩を鍛える必要があります。三角筋には前部と中部、後部の3つが存在していますが横から見たときに非常に重要になるのは前部と後部です。中部は鍛えても正面から見たときの肩の印象は変わりますが、ここを成長させても横から見た外見、肩に丸みを帯びさせることはかなり難しいです。
そのため、細長い肩に丸みを作るときは肩の前方と後方が重要になります。三角筋で言うと前部と後部です。この筋肉を成長させることで細長い肩の横の部分が膨らむようになります。特に後部は前部と比べると非常に成長しづらくなる可能性があり、マイケルガンディル博士の調査ではトレーニング未経験者と比べて後部のサイズはそこまで差がないことが報告されています。後部のサイズは+10~15%であり、中部の300%や前部の500%と比べるとはるかに小さいことがわかります。
さらに2001年の調査でも肩の外見や安全性のために三角筋後部を強化することを推奨しています。
三角筋前部の鍛え方
三角筋前部は腕を上にあげる肩関節の屈曲や腕を閉じる水平内転によって働き、前部はベンチプレスやインクラインプレスなどの大胸筋のプレストレーニングでかなり活動していますが、直立したプレス運動をするだけで最高レベルで三角筋前部を活性化できることを示しています。
バスキーの2000年のEMG分析ではミリタリープレスはバーベルベンチプレス、フロントレイズよりも約40%高い三角筋前部の活動を示しています。さらに立ち上がることで三角筋全体の活動が上昇することを示す研究がいくつか出ています。
ショルダープレスのやり方について調べた研究では立ち上がることで座った状態よりも三角筋前部の活動がわずかに増え、中部と後部が大幅な上昇を示しています。ショルダープレスでは座った状態で行うパターンが多いですが、その方法で行うよりも立ち上がることで不安定になり、それを支えるために肩の筋肉がより活動的になります。
さらに、ある研究ではアーノルドプレスをすることでショルダープレスよりも三角筋前部の有意な増加が確認されました。アーノルドプレスに興味がある人はぜひ試してみてください。
三角筋後部の鍛え方
三角筋の後部は前部とほぼ逆です。腕を下に下げる肩関節の伸展、そして開く水平外転。肩関節のトレーニングでは水平外転を使うのがおすすめです。多くの筋電図分析ではマシンのリバースフライが三角筋後部の活動を最も高めていることを示しています。
この運動に加えて筋肉のストレッチを入れると筋肥大効果が倍増します。膨大なデータと複数のメタ分析で筋肉が最も成長するのは筋繊維が伸びているポジションであることを示しているように、この位置で負荷を入れることでトレーニング効果を増やすことができます。
そのため、ショルダープレスでは自分の肩にダンベルが触れるまで下げて、リバースフライではマシンではなくケーブルを使って引っ張るようにすると筋肉が伸びている位置で負荷を入れることができます。パンプや追い込み感を求める場合は収縮部分を優先したほうが良いですが、筋肥大を優先させる場合は間違いなくストレッチを意識したほうが効果的です。
胸郭を伸ばす
筋トレしてる人は猫背になりやすい
肩の外見を整える上で今すぐ実行でき、すぐに効果があるのは姿勢を正すことです。特に肩を結構鍛えてるのに丸みが出ないとか後部の成長が変わらない場合、一番最初に疑ってほしいところです。
2017年の調査ではウエイトリフティング選手はトレーニング経験のない人と比較して猫背のように肩が前方に出ている傾向が非常に高いことがわかりました。これはおそらく先ほどの調査でも紹介したように三角筋の中で最も成長しやすいのは前部であり、肩のバランスが崩れるのも大体が前部が強すぎることが原因です。
姿勢を正すことはケガや肩の安全性を高めることはもちろん肩の外見を高め、より全体的に丸みのある肩を作ります。逆に背中が丸まっており、肩が前に出ている場合、三角筋の後部が伸ばされることによってこの部分の凹凸が無くなります。
胸郭をストレッチする
複数の文献に基づくと、猫背のように背中が丸まり、肩が前になってしまう原因は2つあります。
ひとつは体の前面の筋肉の柔軟性。特に重要なのは大胸筋のあたり。この部分の柔軟性が足りていないと猫背のように肩が内側に引っ張られる可能性があります。
この柔軟性を改善させるためにはフォームローラーを使用して胸郭を伸ばすようにすると大胸筋周辺が柔らかくなります。2013年の研究ではこの運動が胸郭の可動性を改善する可能性があることを示しています。
まず手を頭の後ろで組んでフォームローラーを背中の上部から中部にかけておきます。息を吐きながら胸を広げるように背中を反らせます。この状態を10秒ほど維持して何度か繰り返します。ポイントとしては過度に腰を反らせないようにしてください。伸ばすのは胸郭であるため反らせるのは大胸筋のあたりだけで腰を反らせる必要はありません。
そしてもうひとつはゴムチューブを使います。ゴムのほうがある程度遊びが効くので安全にストレッチをかけることができるので伸び縮みしない棒よりもゴムチューブをおすすめします。まずは一番ゴムの力が弱いチューブを選んで手のひらを下にして肩幅より少し広めに持ちます。そしてそのまま肘を伸ばしたままゆっくり自分の頭上を通って後ろに回します。
そして、自分の背面にゴムチューブが当たるまでこの運動を行います。これをすることで自分の大胸筋や三角筋の前部が伸びるのを感じると思います。
ポイントとしては必ず肘を伸ばしたまま行うこと。そして出来るだけ僧帽筋に力は入れずにリラックスし、頭の上に通す時に肩がすくまないように注意してください。まずは肩幅から少し広めで一番張力の弱いゴムを使いましょう。そしてどんどん柔軟性が強くなってきたら手幅を狭くして肩幅くらいにしてみたり力の強いゴムを使用してください。
この2つの運動を筋トレ前または筋トレ後にやるのがおすすめです。特にゴムチューブを使ったタイプのストレッチングは柔軟性を高めることでダンベルプレスでダンベルがより下に下げられたり、プレス系トレーニングの可動域を増やしてくれる可能性が高いので筋トレ前にやるのがおすすめです。
前鋸筋(ぜんきょきん)を鍛える
前鋸筋が弱いと姿勢が悪くなる
二つ目の姿勢が悪くなる原因は特定の筋肉のトレーニング不足です。
2010年の臨床試験では水泳選手を対象に肩の姿勢についての調査を行い、肩が前に出ている被験者に僧帽筋の中部、僧帽筋の下部、そして前鋸筋の強化によって姿勢が改善したことを報告しました。僧帽筋の中部と下部は背中トレーニングや先ほど紹介した三角筋後部のトレーニングで十分鍛えることができ多くの人は問題ないと思いますが、姿勢の改善に最も効果のあった前鋸筋は普段のトレーニングではなかなか鍛えることができず、トレーニングを何年もしている人でもそこまで成長させることができない可能性があります。
腕立て伏せで鍛える
この筋肉は肩甲骨を広げたり上に回転させるのに活躍する筋肉です。誰もが知ってる種目で最も効果的なのは腕立て伏せ、一般的にはプレストレーニング、特にインクラインのプレスなどでこの筋肉はスタビライザー的に働いていますがベンチプレスはベンチ台に背中を押し付けるため肩甲骨の自由が利きません。
腕立て伏せはベンチ台がなく肩甲骨を自由に動かせることからベンチプレスよりも前鋸筋を鍛えることができます。
さらにこの腕立て伏せに背中を丸めて肩甲骨を伸ばす運動を追加することで前鋸筋を高いレベルで活動させることができます。2004年の腕立て伏せ中の前鋸筋の活動について調べた研究では、背中を丸めて肩甲骨を広げる運動を追加すると前鋸筋の活動が50%近く増えたことを示しています。
姿勢を出来るだけ早く直して肩の外見を整えたい人は、先ほど紹介したストレッチとこの運動を組み合わせることで肩の丸みが作りやすくなります。
上腕三頭筋長頭を鍛える
肩の後ろ側に注目する
肩の丸みを作るうえで意外と重要なのが上腕三頭筋です。肩の丸みを作るうえで一番重要なのが実は肩の後ろ側、フィットネスの研究者であるmenno henselmans博士は三角筋の前部は唯一オーバートレーニングされている筋肉であり、ショルダープレスが不要なくらい成長しやすいと話しているようにほとんど何もしなくても成長する可能性があります。
これはベンチプレスなどのプレストレーニングで十分成長するためです。逆に後部のほうは成長しにくくマイケルガンディル博士の三角筋サイズの調査を見ても前部より明らかに成長しにくいことがわかります。
上腕三頭筋を鍛えると後部がデカくなる
そのため、肩の丸みを作るためにほとんどの人は肩の後ろ側に注目したほうが効率的です。この部分を鍛えるためには三角筋後部のトレーニングをすることはもちろんですが意外と重要なのが上腕三頭筋です。上腕三頭筋は全ての頭が前腕に挿入されているため肘関節に関係していますが、その中でも長頭のみが肩から前腕にかけて伸びています。
特に長頭は肩の後ろ側にあり、三角筋後部の下を通っている筋肉であるためこの筋肉を巨大化させることは肩の後部のサイズを大きくしてさらには三角筋後部を上に押し上げてくれる可能性があります。
長頭を鍛えるポイントについては詳しく解説した動画があるので概要欄にある動画を見てほしいんですが簡単に解説するとオーバーヘッドにすることと肩関節の伸展を使うこと。
トライセプスエクステンションでオーバーヘッドにすることで上腕三頭筋の長頭が強く働きます。ある研究ではオーバーヘッドのトライセプスエクステンションはベンチプレストレーニングよりもはるかに上腕三頭筋の長頭を成長させることができました。
おでこの前で止める方法もありますがこれだと肩関節の伸展を使えないため長頭はあまり成長しません。必ず頭の向こう側にウエイトを移動させてフィニッシュでは肘を伸ばすのと同時に腕を下に下げる肩関節の伸展を使って顔の前めがけて引っ張りましょう。
肩を丸くする上で特に重要なポイントは姿勢を正すことと肩の後ろ側を鍛えること。まずはこの動画を見終わったら家にある鏡とかジムにある鏡でリラックスした自分の姿勢が猫背のようになって肩が前に出ていないかを確認してください。最初にも話した通りウエイトトレーニングをしてる人は普通の人よりもなっている可能性が高いです。おそらくこれはほとんどの人は三角筋前部が後部よりも何倍も巨大化しており、前部と後部の力に不均衡が生まれるためだと思います。
基本的には前部は1週間で3setくらいやれば十分であり、その残った肩トレの時間は後部や中部を優先したほうがバランスのいい肩になります。そのため、肩のトレーニングでは後部をしっかりトレーニングして、肩の後ろ側を成長させたほうが正しい姿勢を維持しながら丸みのある肩ができやすくなります。
姿勢が悪いと思った人は胸郭ストレッチングと前鋸筋トレーニングがおすすめです。特にゴムチューブを使うストレッチは簡単にできてプレストレーニングの可動域も増える可能性があるので、姿勢が悪くない人も準備運動や姿勢が悪くなる予防として是非やってほしいウォームアップです。
ゆっくり10往復ゴムチューブを移動させるだけでOKです。
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