肩の広がりが欲しいならこの3つを絶対守れ!最強の三角筋筋トレメニューを科学的に徹底解説!
肩の広がりを作ると肩幅が広がることで逆三角形の体に非常に近くなるのと同時に、この肩の影が出ることによって外見的にもかなり魅力的な肩になります。
しかし、肩の広がりを作ることはそう簡単ではありません。肩についての解剖学的知識や科学的に裏付けられた鍛え方をする必要がありますが、それができている人はそう多くありません。
この動画では科学的な根拠を基に肩の広がりを成長させるためのルーティン、3つの超重要なポイントについて紹介します。この記事が少しでも参考になったと思っていただけたら是非高評価をお願いします。
解剖学的な肩の広がり
肩の広がりを作るときに最も重要な筋肉は三角筋の中部です。三角筋は肩を覆うようについていますが、解剖学的なデータを見ると中部はほぼ真横にある筋肉であるため、英語ではside deltやlateral deltとも呼ばれるように横の肩と考えられます。この筋肉を成長させることで正面から見たときの横幅が広がることで肩の広がりや三角筋中部の影をつけることができます。
この筋肉は覆うように筋肉がまたがっているため、前や横、後ろに腕を動かす肩関節に関わる運動のほぼすべてで三角筋は使用されます。ただし、前部は前、中部は横、後部は後ろについているため腕を動かす方向によってほとんど活性化されない部位、強く働く部位に分かれます。
三角筋中部は体の真横についているため腕を横にあげる肩関節の外転に関わります。
ただし、ショルダープレスでは真横に腕を上げるのに三角筋前部が最も強く働くようになったり、肩を鍛えるときはこの部位の回転にも注目する必要があります。肩が外側に回転しているときは、前部が上を向くため腕を真横にあげる運動が前部となり、ビハインドネックでプレスをすると中部の活動が高まるように、肩が外側に回転しているときは腕を後ろに引くことで収縮します。
肩の広がりを作る方法
2008年のデータに基づくとショルダープレスでは前部と中部が同じくらい活動することを示しています。ただし、ショルダープレス中に三角筋中部が前部と同じくらい成長するとは思えません。
理由としてはショルダープレス中に三角筋中部は収縮した状態を維持しているだけであるからです。基本的にこういった状態は筋肉が疲労したり、パンプアップを感じるのは非常に簡単ですが、筋肉の成長効果について考えてみると非常に小さいものです。
そのため、脇を開いた状態で行うプレスやプル、そしてショルダープレスなど中部が収縮した状態になるトレーニングのほとんどでこの筋肉のある程度の筋活動は確認できますがそれが筋肉の成長に直結するかといわれると同意できない部分があります。
筋肉を成長させるためにはゴムのように伸びたり縮めたりする必要があり、特に伸びた状態は重要です。そのため、ショルダープレスよりも手のひらを下にした肩を中立位置にしたフロントレイズやニュートラルグリップで肩を外側に回転させたリバースフライによって中部を強く働かせることができますが、この2つでは中部にとっては理想的な位置にはならないため、ベストは手のひらを下に肩を中立位置にしたアップライトロウやサイドレイズと考えることができます。
おさらいすると肩の広がりを作るためには三角筋中部を鍛えるのが最も効率的です。その中部を鍛えるときは肩を中立位置にした腕を横に出すエクササイズがベストでしょう。トレーニングバリエーションについては数は非常に限られていますがアップライトロウまたはサイドレイズが代表的です。どちらが優れているかについては次のチャプターで解説します。
最強の肩トレルーティン
肩の広がりが爆発的に成長するトレーニングルーティンには重要なポイントが3つあります。この3つのうちひとつでもクリアできていなければトレーニングの効果は正しいものと比べても良くて半分以下、悪いとほとんど意味のないものになります。
外転にこだわる
ひとつ目は正しいフォームでトレーニングすること。全てのトレーニングにおいて正しいフォームでトレーニングすることは非常に重要です。当たり前のように聞こえる人も多いと思いますが、特に三角筋中部を鍛えるエクササイズでは科学的根拠が無かったり、「それ、重いウエイト扱いたいだけでしょ」というフォームややり方が非常に拡散されており、筋トレの教科書通りのものが実は間違っているということも非常に多いです。
ボディビルダーのサイドレイズではヒジを曲げていたり、腕をやや前に出していたり、体を前傾させているフォームが主流であるため、かなり多くのトレーニーのサイドレイズはこのフォームを真似している傾向にありますが、この3つのうちどれかひとつでもやると三角筋中部の成長効果はとても低くなります。
まず腕を前に出すと三角筋前部が活動的になります。言うまでもありませんがサイドレイズとフロントレイズではフロントレイズのほうが三角筋前部の活動が高くなります。解剖学的にもこれは当然です。三角筋前部は大胸筋と同じく体の前面にあるため腕を前に出す運動によって活動的になるため、サイドレイズでも腕を前に出すと前部が活動的になります。
これを防止するためにはダンベルを横ではなく真横、100%横にあげる必要があります。
ただ、Scapular Planeといって肩は腕を若干前に出したほうが安全であるため少しは前に出したほうがいいと聞いたことがある人も多いと思います。確かに真横に腕を上げるとやや窮屈な感じがすると思いますが、実際やってみて肩が痛いという人でない限りは真横にこだわる必要があります。
少し腕を前に出すと確かに持ち上げることは非常にやりやすくなりますが、それは肩の中でも強力な前部の力を借りているためであり、正しいやり方が出来ているわけではありません。
2020年の比較的最近の研究ではサイドレイズ中に腕を前に出すことで三角筋前部に負荷が大きく逃げたことを示しています。
基本的には正しいサイドレイズの場合は10kgのダンベルは必要なく、筋トレ上級者の人でも5kg前後のダンベルで十分トレーニングになります。腕を前に出したりお辞儀をするように体を前傾させるとフロントレイズに近くなることから三角筋前部に負荷が大きく逃げることになります。
加えてヒジを過度に曲げるのも避けたほうがいいでしょう。ヒジを曲げると中部の成長にとって2つのデメリットがあります。まずはダンベルが前に出ることで前部が働くようになるコト。ふたつ目はサイドレイズの解剖学的な運動が変化すること。
サイドレイズで過度にヒジを曲げると上腕とほぼ直角にダンベルが配置されるため横から見ると腕を上げているというよりもヒジを中心に肩を外側に回す運動に変化します。サイドレイズ中にヒジをほぼ直角に曲げている人は肩関節の外転を使ったサイドレイズというよりもフェイスプルのように肩の回転でダンベルを持ち上げているエクササイズに近いです。
しかし、外転ではなく肩を外側に回す運動に頼ることは中部の成長にとってほとんどメリットがありません。ヒジの角度と三角筋中部の活動について調べた調査ではヒジの屈曲が150度、つまり30度を超えてヒジを曲げると三角筋中部の活動が下がっていき、90度曲げるとほぼ半分であることを示しています。
ボディビルダーのサイドレイズのフォームを見ると90度近くヒジを曲げていたり腕をかなり前に出しているものも少なくありません。理由は非常に簡単です。重いダンベルを扱えるから。例えば10kgのダンベルサイドレイズでヒジを曲げれば肩とダンベルの距離が近くなり物理的な負荷が半減するためかなり楽に持ち上げることができ、腕を前に出せば前部の力を大きく借りてダンベルを持ち上げることができます。
ただし、実際客観的なデータを見るとこれをするメリットはありません。サイドレイズではヒジは伸ばして少し窮屈でも扱えるウエイトが半分になってもいいです。出来るだけ体の真横にあげるようにしましょう。
三角筋中部を鍛える種目にはサイドレイズとアップライトロウがありますがアップライトロウはバーベルが体に当たらないためにも腕を前に出してヒジを90度近く曲げる必要があります。サイドレイズとアップライトロウについて直接比較した研究はありませんが、おそらく正しくやれていればサイドレイズのほうが肩が成長する可能性は大幅に高いでしょう。
プログレッシブオーバーロード
筋肉は機械的な緊張に適応していくと成長しますが同時に反応しづらくもなります。そのため、より多くの機械的な緊張を与えるために多くのトレーニングボリュームが必要になりますが、そのためには最大筋力を伸ばしていくことが重要です。
2022年のアメリカで行われた研究では繰り返し回数を増やす、または扱える重量を増やすことは筋肉の成長にとって等しく効果的であることがわかりました。例えば10kg10回が限界のダンベルサイドレイズが11kgまたは11回出来るようになればその1kg、1rep分多くのトレーニングVOLを確保できたことを意味します。
プログレッシブオーバーロードについては中級者以上の人ならほぼ全員知っているかとは思いますが、基本的にはベンチプレスやスクワットなどが一般的であり、サイドレイズでのプログレッシブオーバーロードを意識している人はそう多くありません。
ただ、サイドレイズでもプログレッシブオーバーロードを意識すると肩の成長が見違えて変わります。
スマホのメモアプリでも、紙のノートでもいいので自分の持ち上げた重量や回数を記録してサイドレイズをする前にそれを見るのがおすすめです。ただし、重量や回数にこだわりすぎてフォームが崩れないように注意してください。あくまでも正しいフォームがあってこそのプログレッシブオーバーロードです。特に先程開設した通りサイドレイズはフォームが崩れやすく、少しのミスでケガをしたり中部への負荷が大幅に低下します。
筋力を伸ばす方法としては最もおすすめなのが高重量を扱うこと。2023年のシステマティックレビューでは178件の研究を分析したところ、筋力の発達においてはトレーニング強度が最も重要であることを示しています。つまり、出来るだけ重いウエイトを扱ったほうが伸びやすくなります。
ただし、高重量のサイドレイズは他の種目よりもケガのリスクが高いためあまり強く推奨できないのも事実です。強度が高すぎると肩が痛むという人は8~10rep出来る程度の負荷に設定して出来るだけ高負荷というレベルで構いません。
または軽い重量でゆっくり持ち上げるというのもひとつの方法ですが、今年の8月に公開された最新のメタ分析では意識的にゆっくり行うトレーニングは筋力の発達に最適ではないことが示されています。
注意点としては10rep以下の高強度トレーニングはトレーニングVOLが非常に低い傾向にあるため、3setサイドレイズを行うなら1setだけ高強度でやるというように基本的には10rep以上の回数で鍛えるのがおすすめです。
ストレッチ
ダンベルサイドレイズは三角筋中部にとって代表的な種目ですが大きな欠点があります。それは筋肉が伸びている位置で負荷がないこと。例えば最新の研究ではインクラインカールよりもプリチャーカールのほうが腕の筋肉が有意に成長していることを発見しました。
これはインクラインカールでは腕が伸びたときに負荷がないため筋肉の成長効果が低いということです。筋肉の成長には筋肉が伸びている位置でウエイトの負荷がなければいけません。複数の筋電図分析を見ると肩の外転中の活動はおおよそ30度以降に筋肉の中で最も活動が高い状態になる可能性を示していますが、サイドレイズのストレッチポジションでも強い負荷がかかっているため無視はできません。
ストレッチポジションについては上腕二頭筋、そして上腕三頭筋、大腿四頭筋での研究がメインですが筋肉の性質を考えるとほとんどの筋繊維にとってどの可動域よりも伸びた位置で一番負荷がかかり、ストレッチポジションの筋肥大効果は存在する可能性が高いです。
肩関節の外転は真っすぐ上にあげているように見えますが、実は肩関節を軸にした円運動です。つまりストレッチポジションでは横向きの力が必要ですが一般的なフリーウエイトのダンベルサイドレイズ、そしてアップライトロウでは横向きに対して垂直に力がかかるためストレッチポジションで負荷がありません。
三角筋中部を成長させるサイドレイズを行うためには腕を傾けるか、ケーブルを使用することでストレッチポジションで負荷をかけるようにすることが非常に重要です。
ただし、こういったストレッチポジションで負荷のかかる種目をやるときはストレッチのかかる可動域まで腕を下げる必要があります。当たり前のように聞こえるかもしれませんが実は非常にミスが多いです。特にこの当たり前のことが出来ていないケースが多い種目はプリチャーカール。この種目は先程の研究にも示されているようにストレッチポジションで負荷がかかるため腕の筋肉がより成長する可能性が高いです。
しかし、ヒジを伸ばし切らず、せっかくのストレッチポジションをあえてやらない選択をしているトレーニーも多いことは事実です。これと同じでサイドレイズ中にあえてストレッチポジションをカットしている場合はケーブルのサイドレイズをやろうがストレッチはありません。
2021年の研究ではヒジを伸ばし切らないストレッチポジションをカットしたプリチャーカールを行った被験者はこの部分を重点的にやった被験者よりも上腕二頭筋の成長が半分以下でした。サイドレイズでもストレッチをカットするとこのような結果を招く可能性があります。
ケーブルをどの位置に設定するかはふくらはぎの位置がおすすめですが、おそらく多少の個人差があります。実際にやってみてストレッチが感じやすい位置を探しましょう。ストレッチを感じにくい人はストレッチを重視するために一度このように体を傾けてみてやってみると筋肉が伸ばされているのを感じやすいと思います。個人的にはこのやり方が一番好きです。
肩の広がりをつけるために必要な3つのステップがわかってもらったところで最後のチャプターでは頻度や回数、セット数など実際の筋トレメニューについて解説します。
筋トレメニュー
肩の広がりを作るためには肩を中立位置にした腕を真横にあげるトレーニングが最適です。ただし、そのエクササイズでも注意点があり、ひとつでも間違えると筋肉の成長効果が大幅に下がります。
最短で肩の広がりを作るためにはヒジを伸ばして真っすぐ腕を真横にあげること。そして、重量を増やしていくこと。最後はストレッチポジションで負荷のかかる種目を選ぶことです。
ストレッチポジションで負荷のかかる種目はケーブルサイドレイズ、インクランベンチに横になるインクラインサイドレイズが代表的な種目です。この2つの種目を先ほど紹介した正しいフォームで行いましょう。
トレーニング種目に関しては2022年の4月に行われたレビューペーパーでは筋トレと種目数について複数の研究を分析したところ運動にバリエーションを持たせることは筋肉の成長をいくらか増やしてくれるが、その種類が多すぎると効果を大きく落とすことが示されているため、絶対ではありませんが出来れば2つの種目を行うのがおすすめです。
そして、セット数について。三角筋中部は筋肉の中でも最も過小評価されている部位のひとつでもあります。なぜなら前部はインクラインベンチプレスをはじめとしたコンパウンドトレーニングで強く活動し、後部も背中トレーニングである程度は活性化されているため、狙わずとも成長のためには十分な機械的な緊張を受け取っていますが、サイドレイズのような運動が他のトレーニングでないように中部がコンパウンドトレーニングで成長する可能性は限りになくゼロに近いです。
そのため、成長には多くのトレーニングボリュームが必要です。スポーツサイエンティストのmike israetel博士は中部のトレーニング週に20setを推奨しています。「結構多いな」と感じる人も少なくないと思いますが、先ほど話した通りこの筋肉は中部狙いの種目以外で強い機械的な緊張にさらされることがないため筋肥大させるためにはこれくらいのトレーニングが必要になります。
三角筋中部のトレーニング量を大幅に増やすことは特に効果的で、視聴者の方からDMで「目に見えて変わりました!」とうれしい報告をいただくことが多いトレーニング法です。20setといってもこれ以上やったらダメというわけではありません。
つい先日行われた10/6の研究では大腿四頭筋を週52set行った被験者は最も筋肉を成長させられたことを示しているように基本的に肩がいたいといった痛みなどなければ20set以上でも全く問題ありません。
そして頻度については筋トレ中級者の人は週3回以上、筋トレ上級者の人は週5回以上を推奨しています。これは高頻度でトレーニングしたほうが高いVOLを獲得でき、筋肉が成長することを多くの科学的データが裏付けているためです。
基本的にはジムに行くたび、または家で筋トレするたびに3setずつでもいいので中部を鍛えるのがおすすめです。
3set中部を鍛えるとしたら1setは出来るだけ高重量でトレーニングして筋力における神経適応を最大化させましょう。筋力の向上にはトレーニング強度が重要です。ただし、高重量でサイドレイズをすると肩が痛むという人も少なくないので痛くなる重量は避けましょう。
注意しなければならないことは高重量のトレーニングは筋力は向上しやすいですが、VOLが低くなるため筋肥大には向いていません。そのため、3setあるなら1setだけ高重量をやって残りの2setは10rep以上の負荷でやるのがいいでしょう。
1set目に扱った重量と回数だけで構わないのでそれを記録しておき、次回はそれを見てその記録を超えるようにするのがプログレッシブオーバーロードで最も重要なことです。
いかがだったでしょうか。肩の広がりを作る三角筋中部を最短で成長させるために重要な3のステップを紹介しました。何度も言いますが、中部のトレーニングは少しのフォームの間違いで効果が半減します。1rep毎に腕が前に出てないか、ヒジが曲がってないかを注意しながらトレーニングしましょう。特にきつくなってくると腕を前に出してしまう人も多いです。
この3つは科学的に裏付けられた筋トレ法です。これと高頻度、そして20set以上を守れば最短で肩の広がりを作ることができます。最後にこの動画が少しでも参考になったら是非高評価をお願いします。
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