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全身トレーニングが筋肥大にとって最強の筋トレメニューである科学的理由

全身トレーニングが筋肥大にとって最強の筋トレメニューである科学的理由


筋トレといえば分割ですか?

先日トレーニングルーティンについてアンケートをとったところ、最も多いのが3分割であり全体の40%ほど、全身トレーニングは約20%程度しかおらず、ほとんどの人はトレーニングを分割してることがわかりました。

最高のトレーニングルーティンは議論があります。しかし、現在の科学では全身トレーニングが非常に効果的である可能性を示しています。日本ではごくわずかですがプロナチュラルボディビルダーのジェフニパードさんとオークランド工科大学のスポーツコンディショニングの研究者でもあるエリックヘルムズ博士が推奨し始めたことで全身トレーニングは一気に広まったトレーニングプログラムです。

今回は科学的なアプローチから全身トレーニングのメリット,デメリット,メニューの組み方について紹介します。

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全身トレーニングのメリット

高頻度で鍛えるメリット

全身トレーニングの一番のメリットは高頻度で筋肉を鍛えられるということです。高頻度でやることのメリットは多くの研究で確認されています。

2018年の研究では週に5回全身トレーニングをするグループと一昔前常識だった大胸筋の日,など細かく部位分けをするBro-splitトレーニングルーティンで比較しました。この研究では1週間のセット数や種目、強度は全く同じでした。

研究結果のグラフを見ると明らかに全身トレーニングのほうが効果的であることがわかります。

さらには2015年の研究でも似たような環境でトレーニングさせた結果、高頻度の全身トレーニングのほうが効果が高いことが示されています。しかしこれはBro-splitのような最低レベルの分割と比較した場合です。おそらくこのチャンネルのファンでこの記事を見てる人でこの分割をしてる人はいないでしょう。それではもっと高頻度でトレーニングした場合はどうでしょうか。

2018年の研究ではパワーリフターを対象に週に3回の全身トレーニングと週に6回の全身トレーニングで比較しました。お互いに高頻度です。結果としてスクワットの1RM以外全ての測定値で研究者たちは週に6回の頻度をサポートしています。最も顕著なのは除脂肪体重の変化であり週に6回グループのほうが筋肉の成長にかなり効果的であることがわかります。

筋肉の合成反応は関係ない

少し前まではトレーニング頻度について大きな誤解がありました。それは筋肉が合成する期間、成長する期間についてです。

例えば大胸筋20setを1日でやったら木曜日くらいまでしか筋肉の合成、MPSは起こらないから金曜日以降筋肉が成長しないので勿体ないという考え方です。それなら月曜日10set木曜日10set大胸筋を鍛えればボリュームは同じなのでトレーニング時間は全く同じでも後者の方が1週間ずっと筋肉が合成されるので分けたほうが成長するというものです。

実際に筋肉の合成は2~3日しかないという研究結果があったので高頻度と低頻度のトレーニングの差について筋肉の合成期間というのは理にかなっていました。しかし、実は明確にこれを理由に高頻度トレーニングを支持した研究はほとんどありません。高頻度トレーニングの恩恵はここ10年くらいの研究で数年前のレビュー研究でも原因が明確にはわかりませんでした。ただ、現在最新のレビューでは筋肉の合成期間による筋肉の成長率に関する差は最新のレビューで完全に否定されています。

ボリュームが同じなら筋肉の成長には全く関係ないというものです。

つまり、最初にヘルムズ博士が言っていた通り、多くの人は高頻度のトレーニング、全身トレーニングのメリットとして筋肉の合成反応を高頻度で起こせるからといいますが実際は間違いです。おそらくですがBro-splitのように1日で20setやると3日のうちにとても強い合成反応が起こるだと思います。10setの場合は中程度だから3日間強い筋肉の合成を起こすか、1週間中程度の合成反応を起こすかだったら変わらないということでしょう。

3日しか合成が続かないから筋トレは週に2回が基本という人が多いですが、合成期間がほとんど無関係だと示されている今、各筋肉週に2回トレーニングが標準でしたが2回にこだわる意味はほとんどありません。週に3回やもっと高頻度でやりたがらない人が多いですがその多くはたくさんボリュームをこなすことで追い込みやパンプ感が強いため脚トレの後に脚が上がらなくなったりすることを無意識に快感にしてるからです。

しかし、現在の科学としてNo Pain No Gainは筋トレには当てはまらないことが示されています。限界までの追い込みだったり筋トレが終わった後の強いパンプは筋肉の成長に追加のメリットはほとんどなく、寧ろデメリットですらあります。筋肉の成長にはそこまでいい方法ではないようです。

高頻度で鍛えるとボリュームが増える

全身トレーニングの決定的なメリットはボリューム向上です。2017年のインターバルについてのレビュー研究ではインターバルは短いよりも長いほうが筋力や筋肉量の向上に効果的であることが示されています。これについてはインターバルが長いことで筋肉がより回復し、次のセットで多くの回数をこなせるためです。

つまり、大胸筋トレーニングを20setやるとして2日で10set,10setだとすると後半のトレーニングの質というのは低いです。これは一日でやるトレーニングボリュームが増えていくにしたがって今までのトレーニングの疲労により回数が落ちるからです。10set目は1セット目よりも9セット分の疲労がのしかかるため回数は大きく落ちているでしょう。しかし、5setを週に4回やると一気にやるのとは違い質の高いトレーニングができます。インターバルでいうと1日で大量のボリュームをやるグループは数分のインターバルしかありませんが、高頻度でやると5set目から次の日の1set目には24時間もインターバルがあり体力が完全に回復できるからです。

先ほどのインターバルのレビュー研究に示されている通り、これは非常に強いメリットとなります。追い込みやパンプ感などは著しく落ちるでしょう。しかしそれは重要ではありません。同じ20setでも合計ボリュームは大きく違うことが重要だからです。これが高頻度全身トレーニングのメリットです。

極論として胸の日のBro-splitを挙げますがこのルーティンは1日で20set,30set同じ部位のトレーニングを行います。つまり、後半のトレーニングボリュームは非常に低く効率の悪い筋トレルーティンとなります。

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全身トレーニングのデメリット

回復が間に合わない?

高頻度トレーニング否定派の意見として全身トレーニングのデメリットとして真っ先に挙げられるのが回復の問題でしょう。高頻度でトレーニングすることで筋肉が回復できる機会を失うといいうものです。しかし、本当にそうでしょうか。

このチャンネルは科学性を重視しています。そして僕は根性論が大嫌いです。死ぬほど嫌いです。なので筋トレに限界なんかねぇなんてアホっぽいことは死んでも言いたくありませんが、オーバートレーニングについて一般的に言われてることは科学的な事実を見ると間違いなく過大評価されています。正直言ってオーバートレーニングを心配してる人のほとんどはもっとたくさんのトレーニングができます。多くの研究はアスリートが対象でありボディビルダーが対象ではありません。部活の練習は当たり前のように何時間も全力で走ったりますがウエイトトレーニングは長くても2時間程度です。

筋肉が回復できなくなるほど筋トレは普通出来ない

オーバートレーニングを筋肉が傷つきすぎて回復できない、成長できないと考えている人が多いですが、実際は倦怠感と関節の痛みがおもな症状であり筋肉がトレーニングやりすぎで回復できないという現象が起こる前にあなたの関節は悲鳴を上げてるでしょう。つまり、肘が痛かったり関節の問題が無いにもかかわらずトレーニング後1,2日空けないと筋肉の回復が間に合わないというのは過剰反応ですし、完全に間違ってると思います。

そもそも人間の体の回復力は加速度的に伸びるという証拠はありません。つまりセット数が大幅に増えた場合はオーバートレーニングの可能性は増えますが、実際の高頻度トレーニングは彼も話していた通り単純に分割してるだけですから頻度が増えても1日で行うボリュームが減っています。頻度が増える=オーバートレーニングというのは非常に安直的だと考えます。

「どんだけ高頻度でやっても大丈夫」というつもりはありませんが、高頻度全身トレーニングの回復について、あなたの心配は過剰反応である可能性が非常に高いです。高頻度トレーニングについて寛大になってください。

 

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全身トレーニングメニューの組み方

追い込みやパンプは後回し

高頻度の全身トレーニングメニューは筋肉の成長の最も強力な要素がキツさでも痛みでもなくボリュームであることを考えるとボリュームを確保するために最高のトレーニングプログラムである高頻度全身トレーニングは理論的には最強レベルで効率の高いルーティンです。逆に胸の日,背中の日みたいに1日でやりまくるのは最低レベルのルーティンです。

ただ全身トレーニングのおすすめのメニューの組み方として特定の部位をコンパウンドの日とアイソレーションの日に分けることがおすすめです。例えば1日で高重量のスクワット,懸垂,ベンチプレスはとてもじゃないけど集中力が持ちません。そのためスクワットをやる日は大胸筋はケーブルクロスオーバーとか、ベンチプレスをやる日はスクワットではなくレッグエクステンションとか下半身で高重量のコンパウンドをやる日は上半身は関節や体に負担のかかりにくいアイソレーションをやるといいです。

上半身と下半身を交互にやる

さらにはインターバルは長ければ長いほど回復するといいましたがトレーニングでも下半身トレーニングしたら次の種目は上半身、上半身をやったら次の種目は下半身といったようにすると上半身トレーニング中に下半身は長く回復できるので次の種目で高いパフォーマンスを発揮できます。

僕の感想になりますがPPLから全身トレーニングに切り替えて数か月しかたっていません。ただ全身トレーニングのほうが疲労感が強い、肘が痛いというのは全く感じたことがありません。

全身トレーニングって毎日鍛えるからオーバートレーニングでしょ。とやらずに決めつけてる人はホントに勿体ないです。現在の科学の証拠から、これほど理にかなったトレーニングプログラムはないと思います。

この動画がきっかけで日本でも高頻度全身トレーニングが流行ってくれると嬉しいです。

 

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