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【筋トレ史】頻度&分割法についてのボディビル,科学の進化!

【筋トレ史】頻度&分割法についてのボディビル,科学の進化!


筋トレ法というのは日々進化していますが昔はどんな筋トレルーティンが主流だったのでしょうか。そして、今現在はどんな筋トレ法がベストだと示されているのでしょうか。分割法?全身法?今回はボディビル、そして科学の筋トレ頻度についての歴史と2022年現在にはどんな頻度が推奨されているのかそして、今後頻度の研究はどうなっていくのかについてを紹介します。

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ボディビル文化と筋トレ頻度

1900~50年代

パーカーフィットネス自身も含めて多くの人はBro-Splitトレーニングが昔のボディビルダーに好まれていたと考えていました。Bro-Splitトレーニングは月曜日大胸筋、火曜日背中、水曜日腕といったように1日で集中的に各筋肉を鍛えるトレーニング法です。

今でも多くの人がこのルーティンをしていますし、数年前はこのやり方をしていた。という人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、1900年代から1950年代にさかのぼると驚くべきことに全身トレーニングがボディビルダーの間で主流だったようです。

ボディビルの父と呼ばれるユージンサンダウやアーノルドシュワルツェネッガーの憧れでもあったレッジパークのトレーニングルーティンはBro-Splitではなく全身トレーニングだったようです。

1958年、レッジパーク自身が書いた非常に昔の新聞記事ではミスターユニバースコンペティションに向けたトレーニングの準備について記載されています。画質が悪く見えない人もいるかもしれませんが筋トレメニューは12種目、ふくらはぎのトレーニングから始まり、スクワット、デッドリフト、懸垂など脚から背中のトレーニングに移りベンチプレス、ダンベルプレスと大胸筋、そして最後はアップライトロウで終わらせます。

セット数としては3~5setであり、回数としてはふくらはぎは30rep、ベンチプレス、デッドリフトは2repしていますが基本的には5~10rep程でした。

1950~80年代

そこから1950年、60年代以降になるとBro-Splitや分割法がいくつかの理由で有名な筋トレ法になりました。今の言葉で言うとバズるという感じです。

なぜ部位を分ける筋トレ法が注目されたのか、これはサプリメントや雑誌、ボディビルの大会を持つビジネスマンであるウイダー兄弟が雑誌の執筆を通じてこの筋トレ法を広めたようです。ミスターオリンピアなど非常に有名なボディビルコンテストを作ったのもこの人たちです。

ジョーウイダーとベンウイダーはフィットネス業界に革命を起こそうとしていました。

そこで彼らは今までの常識であった全身トレーニングではなく鍛える部位をいくつかに分けた分割トレーニングを提唱しました。

特にジョーは自身もボディビルダーであったことからこの分割トレーニングは注目されました。

しかし、この件について書かれた記事によると分割トレーニングは全身トレーニングよりも優れているという証拠があったわけでもなく、ウイダー兄弟が分割トレーニングを推奨するようになったのは他のビジネスマンとオリジナリティを出して当時全身トレーニングが主流であった社会で目立つための手段であったようです。

さらに、全身トレーニングではなく分割トレーニングを世界基準にしたのがボディビルの黄金期と呼ばれる時代にアーノルドシュワルツェネッガーやフランクゼインのような伝説的なボディビルダーたちがウイダー兄弟の提唱する鍛え方によく似た方法を取り入れたことです。これにより人々は筋肉をいくつかに分割するという選択肢を覚えました。

1985年に出版されたアーノルドのボディビル百科事典にはトレーニングのルーティンが詳しく記されています。彼はBro-Splitトレーニングではありませんでしたがレッグパークたちよりも各筋肉にもっと焦点を置くべきであると考えていたようで、週に6回トレーニングし、1回のトレーニングで3~4つの部位を集中的に鍛える分割トレーニングでした。

ここからアーノルド以降の多くのボディビルダーが部位を分けて鍛えはじめ、アーノルドのように1回の筋トレで3つの部位ではなく、1回の筋トレで1つの部位しかやらないのように今日に至るまで各筋肉をもっと細かく細分化してトレーニングすることに焦点を当てるいわゆるBro-Splitがボディビルダーの多くに取り入れられるようになりました。これは一般的なボディメイクよりもボディビルの大会が上腕二頭筋のピークなどより細かく筋肉の形などを見るようになったためだとも考えられています。

2000年以降

そして、2000年から2010年代になるとボディビル文化に科学的なアプローチが入るようになりました。なぜなら科学の進化とともに筋肉の成長についての研究が一気に増えたからです。その結果、頻度に関する調査も行われてくると筋トレ頻度や筋トレルーティンについての効果が明確になっていき、分割トレーニング。特にBro-splitを支持しないフィットネスの研究者たちが増えてきました。

2016年のブラッドシェーンフェルド博士による研究では頻度と筋肉の成長についての科学的データを分析した結果、頻度以外のトレーニング変数が等しい場合、週に1回よりも週に2回のほうが優れた筋肉の成長をもたらすことを示しています。

しかし、これはその時点でトレーニング頻度に関するすべての研究の結果を調べましたが分析した研究は7件しかありませんでした。いかに筋肉の成長に関する研究データが当時は少なかったか、そして昔は研究データがほとんどなかったことがわかると思います。分析したデータの少なさから研究者は各筋肉を週に3回以上トレーニングするとどうなるかは調査することができませんでした。

そして、データの少なさから週に2回がなぜ優れているのかについての明確な理由すら発見できませんでした。別の研究では筋肉の合成反応が筋トレ後3日以上続かないというのが示されていたため多くの科学者は頻度による差についてこれを理由にしました。

ここからBro-Splitではなく各筋肉を週に2回鍛えるプッシュプルレッグルーティンなどアーノルドが昔やフランクゼインがやっていたような1日当たり3~4部位に分割したトレーニングがもう一度増えました。分割法ではありますがBro-Splitほど細かくはありません。

そして2018年の同じくブラッドシェーンフェルド博士による調査でも同様の分析を行いました。分析した研究は22件であり、2年たって15件増えていることから頻度や筋肉の成長についてのデータが一気に増えたことがわかると思います。

このレビューによるとトレーニング頻度が高いと筋肥大効果が高いというのは主にボリュームの向上が大きな要因であり、頻度自体が大きな影響を与えるかは不明であると示されています。

つまり、スクワットを5set一気にやるよりも1setを週5回やったほうが自分の最高のパフォーマンスが維持できるため重量や回数が多いということです。

そして、2019年2021年のレビューではより大量のデータが分析されましたが結果は同じでした。筋トレ頻度が高いのはボリュームの向上が理由でありタンパク質合成等の他の要素はほとんど影響しない。

そしてトレーニングでは出来るだけ高頻度でやったほうが筋肉は成長する可能性が高いということからプロナチュラルボディビルダーのjeff nippardさんによる全身トレーニング法により、ジムに行くたびに各筋肉を鍛えるというスタイルが世界中に広まりつつあります。

面白いことに1950年代は全身法が主流で、そこから30年ほどで分割法が主流になり、現在は分割法がトレーニーの大半を占めていますがじわじわ全身法が広まりつつあるという感じです。

研究者は今のボディビルダーがどんなトレーニングルーティンを使用しているのかについて調査を行いました。オンライン上で235人の男性ボディビルダーにアンケートを実施したところ回答した85.5%がスプリットルーティンを使用していることがわかりました。

ただし、誤解してはいけないのはこれはボディビルダーがその方法を使用していることを示したデータであり、スプリットトレーニングの効果について調べた研究ではありません。

特に回答した全体の53.6%がステロイド等のパフォーマンス向上薬を使用していると答えたため、こういった薬物を使用していない人にとってボディビルダーのようにデカくなれるかは疑問があります。

高頻度トレーニングを採用する人が増えるのはまだまだ時間がかかるかもしれません。

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今後の筋トレ頻度がどうなるか

研究データの数を見てもらえばわかりますが筋肉の成長についての科学的なデータは本当に最近出たようなものばかりです。フィットネス文化は昔からありますが、これについての科学的なアプローチが始まったのはごく最近です。

そのため、今後高頻度トレーニングよりももっといいやり方が出て来る可能性はありますし、Bro-Splitが最適でしたというデータが出るというコトも否定できません。しかし、実際頻度についてのデータを分析した博士のインタビューなどを見ると昔から多くの人が知りたがっていた筋トレ頻度や分割の方法については「多いほどVOLが高い可能性があるのでいい」という答えでひと段落したような気がします。

フィットネス文化はユージンサンドウやアーノルド・シュワルツkoェネッガーの時代よりも科学の進歩とともにここ10年ほどで急速に成長しています。もちろん彼らなしで今のフィットネス文化はありません。昔のボディビルダーなどフィットネスに関わった偉人たちに敬意を払うのはもちろんですが、昔のやり方に固執するのではなく筋トレ法をどんどん進化させていくと多くの人にとってはメリットがあるのではないでしょうか。

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