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腕トレって必要?ベストな筋肥大のための上腕二頭筋,三頭筋の鍛え方

腕トレって必要?ベストな筋肥大のための上腕二頭筋,三頭筋の鍛え方


大胸筋の発達にはベンチプレスなどの大胸筋トレーニング,背中の発達には懸垂などの背中トレーニング,大腿四頭筋の発達にはレッグプレスなどの足トレーニング。もちろん上腕二頭筋,上腕三頭筋の筋肉を発達させたいのなら腕のトレーニングが必要になります。

腕の筋肉をつけるために今まで当たり前のようにダンベルカールなどの腕トレをしてきました。しかし、本当に腕トレって必要なのでしょうか。例えばベンチプレスでは上腕三頭筋も刺激されていますし懸垂では上腕二頭筋が活性化されています。つまり、上腕二頭筋のアイソレーション種目をやらずに背中のコンパウンド種目を集中してやったほうが腕と同時に背中も同時に鍛えられるから効率的なんじゃないかという考えです。

ほとんどの人はコンパウンドトレーニングに加えて腕のアイソレーション種目を行っていますがなぜコンパウンド種目以外に腕のアイソレーション種目をやらなければいけないのかと説明できる人は多くありません。

この動画では腕トレの必要性と正しい腕の鍛え方。腕を最大限に発達させるコンパウンドとアイソレーションのトレーニングメニューの組み方を科学的な根拠を用いて紹介します。

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腕トレが必要な人

腕のトレーニングが明確に必要な人は主に2通りあります。

腕トレ種目のパワーリフター

一つはその種目のパワーリフターである場合です。例えばバイセプスカールのパワーリフターの人の場合です。ベンチプレスの重量を伸ばすためにはベンチプレス、スクワットを伸ばしたいならスクワットなどその種目の筋力を伸ばしたい場合は基本的にはその種目をやるのが最も効率的です。

そのため、腕のアイソレーション種目のリフターである場合その種目が間違いなく必要になります。

オーバートレーニング

もう一つはオーバートレーニングの場合です。

例えば背中や三角筋後部などコンパウンドトレーニングで活性化される筋肉が回復できないほど損傷している場合です。この場合は背中を刺激することは避けるべきで、筋肉をこれ以上損傷させたくない場合は消去法で上腕二頭筋を鍛えるときはアイソレーションが必要になります。

しかし、この二つが当てはまる人は非常に少ないです。カールのパワーリフターはもちろんですが勘違いしている人が多いのは2つ目のオーバートレーニングについてです。筋トレのセット数について調べるとこのようなグラフを見たことがある人も多いと思います。これをもとに20set以上はオーバートレーニングだという人もいますが科学的な証拠は多くありません。

例えば2015年の研究では全身トレーニングで上腕二頭筋を週に2回、三頭筋を週に3回トレーニングさせて各部位1週間で6~9setのグループと18~27set行うグループ、そして30~45setそれぞれの部位を鍛えるグループとで比較したところ筋肥大効果については測定したすべての部位で30~45setを1週間で行ったグループのほうが有意に優れていました。

加えて2018年の研究でも先ほどと同じような研究では各筋肉を30~45set行ったグループのほうが計測したすべての部位で筋肥大効果が高いことがわかります。

そして最後に最新の筋肉の回復と疲労についてのレビュー研究では一般的なトレーニングでは筋肉が傷つきすぎて回復できなかったり中枢神経が回復できなくなる可能性はかなり低いことが示されています。

そのため20set以上はオーバートレーニングというのはもちろん、現実的なトレーニング時間でオーバートレーニングになる可能性は非常に低いです。オーバートレーニングについて心配している人の99%はオーバートレーニングではなく、そしてそのほとんどはオーバートレーニングの状態に近づいてもいません。

なので筋トレをしている人の多くは腕トレのパワーリフターでもないですしオーバートレーニングでもありません。

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腕トレの必要性、科学的データ

コンパウンド以上にアイソレーションが筋肥大させる

ここでコンパウンドトレーニングと腕のアイソレーション種目を組み合わせた研究を参照します。

2021年の10月に行われた最新の研究では背中のコンパウンドトレーニングと上腕二頭筋のアイソレーショントレーニングで上腕二頭筋のサイズについて調べました。

この研究では被験者にシングルアームのダンベルロウとダンベルカールを週に2回やらせて上腕二頭筋のサイズを比較しました。

結果はこちらのグラフ、上腕二頭筋のサイズはダンベルロウのみのグループは+5.16%でしたがダンベルカールを行ったグループは+11.06%であり2倍以上の筋肥大効果がありました。

加えて2020年の5月に発表された研究では先ほどの研究と似たようにベンチプレスとトライセプスエクステンションで比較しました。結果はこちらのグラフにある通り、ベンチプレスのみよりもトライセプスエクステンションのみのグループのほうが上腕二頭筋のサイズが2倍近く違うことがわかります。

これら二つの研究を見ると、コンパウンドトレーニングよりもアイソレーショントレーニングのほうが腕の筋肉を効率的に構築してくれることがわかります。

しかしダンベルのロウは上腕二頭筋をあまり活性化できないことは皆さん想像できると思います。懸垂などで上腕二頭筋が疲れるということはありますがロウで上腕二頭筋が疲れるという人は多くありません。これは重力に対して上腕二頭筋の働きはあまり大きくないからです。

コンパウンドをたくさんやったほうがいい?

面白いのが2013年と15年の研究です。これらは先ほどと同じですが比較した種目がラットプルダウンとバーベルカールです。2015年の研究ではラットプルダウンのみとバーベルカールのみで比較しました。

その結果はこちらのグラフにある通りわずかにラットプルダウンのみのグループのほうがバーベルカールよりも上腕二頭筋のサイズを増やしていることがわかります。

そして2013年の研究ではラットプルダウンのみのグループとラットプルダウンに加えてバーベルカールを実行させたグループで比較しました。

その結果、バーベルカールを追加したグループのほうが上腕二頭筋のサイズを増やしましたがその差はわずかでありおよそ0.6%です。この研究ではバーベルカールとラットプルダウンを追加したグループはラットプルダウンのみよりもボリュームが2倍ありました。つまり、ラットプルダウンのみのグループはラットプルダウン10setだけでしたがもう一つのグループはこれに加えてバーベルカールが10setあり、合計は20setということであるため上腕二頭筋の発達にはラットプルのみで十分である可能性を示しています。

そのため、コンパウンドトレーニングのみに絞ったほうが背中などのボリュームも確保できるため多くの筋肉を短い時間で効率的に成長させてくれる場合もあります。

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腕トレの必要性,真実

ここからは科学的なデータを踏まえて正しい腕トレの方法、メニューの組み方について紹介します。

腕トレは必要だけど…

結論から言うと、腕トレ、カールなどのアイソレーションはコンパウンドトレーニングに追加して必要だと考えています。しかし、追加するアイソレーション種目はコンパウンドトレーニング以上の効果があるものを選ばなければなりません。

先ほど紹介した研究はラットプルダウンとバーベルのカールでした。しかし、上腕二頭筋のおすすめ種目の動画で話した通り、フリーウエイトのカールトレーニングはいい種目ではありません。

近年、可動域と筋肥大について多くの研究が発表され去年だけで複数のレビュー研究が出ました。そして2021年の12月30日に最新のレビューが発表され、筋肥大には広い可動域とストレッチポジションが重要であることが示されています。

フリーウエイトのカールではこのストレッチポジションがあまりかかっていません。重力は垂直なのに対して上腕二頭筋のストレッチを入れるためには肘を伸ばした時に横向きの負荷が必要だからです。

そのため、フリーウエイトのカールでは懸垂やラットプルダウンなどの垂直プルのトレーニングには効率の面から勝てないと思います。懸垂では十分に肘を伸ばしてから曲げているためフリーウエイトのカールと可動域やストレッチポジションでの負荷はほとんど変わりません。こういった場合は上腕二頭筋の成長は同じですがコンパウンドトレーニングは背中など複数の筋肉を鍛えられるのでカールよりも優れています。

ストレッチポジションがある種目

しかし、腕トレの種目が効率的にストレッチを入れられる場合は別です。

懸垂やベンチプレスなどのコンパウンドトレーニングのほぼすべての種目では上腕三頭筋,上腕二頭筋のストレッチはフリーウエイトのカール同様ありません。つまりここがアイソレーション種目で唯一作れる場所です。懸垂やラットプルのスタートではスタートポジションで肘は伸びていますがケーブルは正面にしか引っ張っていないので上腕二頭筋のストレッチはありません。ベンチプレスでもスタートポジションでは上腕三頭筋は強くストレッチされていません。

腕トレではこの場所を意識しましょう。ダンベルカールではなくてケーブルを使ったカールをすればスタートで腕は横に引っ張られているため上腕二頭筋は強くストレッチします。ベンチプレスとトライセプスエクステンションの上腕三頭筋の差でもトライセプスエクステンションは正しいやり方でやれば上腕三頭筋のストレッチを強めます。

腕のアイソレーション種目をやるときはストレッチが十分にかかる種目を選ばなければわざわざ腕を隔離して鍛える必要がなくなってしまいます。

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おすすめの腕の鍛え方

コンパウンドを多めにやる

コンパウンドとアイソレーションを組み合わせて最大限の筋肥大効果を得るための筋トレメニューの組み方について紹介します。まずはコンパウンドトレーニングを優先させましょう。つまり、背中や大胸筋のプレスなどは少なくともある程度のレベルで腕の筋肉を活性化してくれるのは事実です。

大体の目安としては背中や大胸筋のセット数は腕のトレーニングの2倍にしてトレーニングの大部分を占めるようにしましょう。

同じセット数にすると腕をやりすぎてしまいます。例えば懸垂10set,カール10setやってたら背中は10setですが上腕二頭筋は20setになります。腕が弱点とかならいいんですが多くの人は背中や大胸筋を優先させたい。もしくは同じくらい成長させたいと思うので腕のセット数よりも背中や大胸筋を多くやったほうが結果的にバランスよく発達します。

腕トレは筋肉を強くストレッチさせる種目

腕のトレーニングはコンパウンドトレーニングではカバーできない部分を補う意識をしましょう。コンパウンドトレーニングでカバーできないのは強いストレッチです。

大胸筋,背中をそれぞれ20setやっている場合は10set上腕二頭筋と三頭筋のトレーニングがおすすめです。

腕のトレーニングのほとんどはフリーウエイトのような直線的な負荷では適切なストレッチが入らないのでケーブルやマシンを使うのがおすすめです。

トレーニングのメインはコンパウンド種目で腕のアイソレーションは補助的な役割と考えると背中や大胸筋を優先させつつ、腕の筋肥大効果も集中的に鍛えてる人と同じくらいのサイズをもたらします。背中や胸をたくさんのボリュームを確保しつつ、腕もかなり筋肥大させたい場合はこの鍛え方をおすすめします。

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