大胸筋を爆発的にデカくするためのベンチプレスおすすめ筋力アップメニュー3選!科学的証拠アリ!
2022年の4月1日に公開された最新の研究では筋肉量と筋力についての関係性を調べました。
結果として、除脂肪体重とパワーリフトのパフォーマンスには非常に強い関係性が発見され相関係数は0.95という値でした。これは科学的な研究の値としてはかなり稀な数字です。
つまり筋肉量を増やすことは筋力を伸ばすし、筋力を伸ばしていくことは筋肉量を増やしてくれることに大きく貢献してくれるようです。
筋肉はつけたいけど別にパワーは必要ないと思っている人、筋肉を効率的につけるためには間違いなくパワーを伸ばしていくことが必要になります。
この動画では大胸筋のトレーニングとして代表的なバーベルベンチプレスについての重量の伸ばし方について科学的な根拠をもとに3つのおすすめメニューを紹介します。
ベンチプレスの解剖学的な運動
まず最初に簡単にベンチプレスの解剖学的な働きについて紹介します。
ベンチプレスの運動で使用されている筋肉は主に大胸筋,上腕三頭筋,三角筋の前部です。
大胸筋は水平内転という腕を閉じる運動と腕を上にあげる運動である屈曲に関係している筋肉であるためベンチプレスで特に刺激されています。ベンチプレスは基本的には腕を開いてから閉じる運動です。
そしてこの水平内転と屈曲という運動には三角筋前部もアクティブになります。
上腕三頭筋は肘を伸ばす運動、プレス動作の時スタートで肘は曲がっていてフィニッシュでは肘が伸びています。ベンチプレスのグリップが肩幅以上に開いていれば肘は完全には曲がらないため可動域はそこまで広くはないため、バーベルのベンチプレスはどちらかというと上腕三頭筋よりも大胸筋に適した種目です。
科学的な筋肉の活動を調べた研究ではバーベルのベンチプレスは大胸筋を測定した種目の中で特に活性化していることがわかります。
さらには、ほかの複数の研究ではベンチプレスの強さと大胸筋の厚みに関係性があることがわかりました。
つまりベンチプレスを重い重量で上げる人は大きな大胸筋をもっている可能性が高いということであるため、自分ができるベンチプレスの重量をどんどん増やしていくことは大胸筋の成長にとって非常に重要です。
それではここからおすすめのベンチプレスを伸ばすための3つのプログラムを紹介します。
Delorme ベンチプレス
Delormeプログラムってなに?
Delormeという言葉を初めて聞いた人も多いと思います。このトレーニングはトーマスデローム博士によって生み出され、実はかなり長い歴史があります。これが生まれたのは1940年代の第二次世界大戦後、アメリカ兵のリハビリテーションとして開発され、80年後の今に至るまで多くの研究が行われました。
パワーリフティングコーチのダンジョン氏によるとDelormeプログラムは300件のケースで筋肥大と筋力アップの素晴らしい効果を発見したようです。パーカーフィットネス自身も筋トレ初心者時代にこの方法で1か月ほどでベンチプレス30kg伸ばした方法でもあります。
簡単に言うとこれは3set構成、ウォーミングアップを2setして頑張るセットは1setだけというものです。
まず最初に自分が上げたい重量を決めておきます。この場合100kgを5rep持ち上げたいとします。
1set目は目標重量の50%の重量を5rep持ち上げます。つまりこの場合50kgを5repです。
そしてそのあと2set目は75%を5rep持ち上げます。75kgを5repということになります。
最後の3set目は目標重量を持ち上げます。100kg5repですね。
1 | 目標重量の50% |
2 | 目標重量の75% |
3 | 目標重量の100% |
まとめるとDelormeプログラムは目標重量と回数を3set目にして1set目に目標重量の50%を目標回数と同じだけ行い、2set目には75%を同じだけ持ち上げるというものです。
つまり、しんどいセットは最後の3set目だけであり、1~2set目はウォーミングアップということになります。
Delormeプログラムのメリット
このDelormeのメリットは主に2つあります。
1つ目は高重量が扱えるということです。科学的な回数と筋肥大,筋力アップについての研究ではボリュームが同じ状況であるなら筋肥大効果は高回数も低回数も同じであるが筋力アップについては低回数高重量のほうが有意に効果が高いことが示されています。
例えばこの2014年にブラッドシェーンフェルド博士が行った研究では10repの高回数と3repの低回数では筋肥大効果はほとんど同じですが、明らかに低回数グループのほうが有意に筋力アップ効果が高いことがわかります。
これは高重量ほど多くのモーターユニットを動員できるためです。
例えば代表的な筋力アッププログラムである5×5では5set同じ重量を扱います。
5×5をやるとき100kgが5~6回しか上がらない人が100kgでこのメニューを組めるでしょうか。まずこれは不可能です。1set目は5rep上がっても2~3set目にはもう5回上がらなくなります。
つまり、5set目でも5rep何とか上がる重量を選ぶ必要があるため100kg5repがぎりぎりの人なら90kgくらいの重量で組む必要があります。
Delormeプログラムの場合はキツイセットが1setしかないため5set目には潰れそうなどの心配がなく自分の力ぎりぎりの100kg5repを扱うことができ、より重い重量と回数に挑戦することができます。
もうひとつは最小限の倦怠感です。筋力と倦怠感は深い関係があり停滞期の原因としてかなりの割合で疲労管理が正しくなく、疲労によってパフォーマンスが停滞していることがあります。
最新の筋力アップについての研究を分析したレビューペーパーによると過度の追い込みは強い倦怠感を引き起こし、筋力アップに悪影響を及ぼすことが示されています。
分かりやすい例としてレストポーズについての研究があります。この研究では長いインターバルを挟んで6rep 3set、合計18set行う被験者と短い休憩で何セットかかってもいいから18repを目指すレストポーズグループで比較しました。
結果としてレストポーズグループは短時間で同じだけの筋肥大効果を得ましたがレストポーズグループはよりたくさんのセットをこなしたため普通に3setやるグループよりもたくさんの追い込みを経験しました。
そのため普通のストレートセットグループよりもトレーニング後の倦怠感がより多い傾向にありました。
Delormeプログラムではキツイセットが1setしかないので最小限に疲労感を抑えることができます。
特に高重量のコンパウンドは体への負担も大きいので疲れすぎないようにすることは重要です。
Delormeプログラムは1setしか全力を出さないのでより高重量を扱えることと少ない疲労感により筋力アップには非常に理にかなった方法です。
このメニューは初心者から上級者の人までおすすめの方法です。基本的にはこのやり方で、停滞したらメニューを変更させるやり方を僕は気に入ってます。
1~2set目は比較的楽なので1set目が終わった後のインターバルは1~2分程度、2set目の後のインターバルは3~5分を推奨します。
DUPベンチプレス
2つ目は筋トレ経験者でベンチプレスが停滞している人に特に効果的な方法です。
正式名称はDaily Undulating Periodizationといい、Undulatingは起伏ある状態のことを言います。
簡単に言うと毎日重量と回数を変えるトレーニングプログラムです。
研究によると被験者にLPグループとして1~4週間を8rep,4~8週間を6rep,9~12週間に4rep実行するグループと、DUPグループとして月曜日8rep 水曜日6rep 金曜日4repを12週間行うグループで比較したところベンチプレスの増加率はLPが+14.4%,DUPが+28.8%でありDUPが2倍の筋力アップ効果がありました。
筋力が停滞してきたらよく種目を変更して刺激を変えようとする人が多いです。例えばベンチプレスの重量が停滞してきたらダンベルプレスをやってみたりフライをやって新しい刺激を入れて停滞期を打破しようとします。
しかし、そのやり方は科学的にはあまり信頼されていません。種目自体を変更するというよりも重量や回数を変更したほうが多くの人にとっては適してます。
基本的に回数の指定はありませんが、あまりに高回数だと最初にも話した通り筋力アップ効果が低下する可能性があるため3~8repの範囲がおすすめです。
週に3回ベンチプレスを行って月曜3rep、 水曜5rep、金曜8repというのが一般的です。
もちろんDUPがすべての人に最適に当てはまるわけではありませんが、まだ試していない人は是非このトレーニングプログラムを試してみてください。
特に試してほしい人は停滞期を初めて経験した人、筋トレ中級者くらいの人でベンチプレスがまだ100kgいっていない人に特に役立つと思います。今までは5回上がったら重量を上げるような回数を固定させてプログレッシブオーバーロードをしていた人が停滞したときはこの方法は停滞期を抜けるカギになると思います。
ちなみにパーカーフィットネスはDelormeプログラムで5回上がったら5kg増やすという方法をやっていましたが、この方法が停滞したときDUPプログラムに変えることで重量を伸ばしました。
クラスターベンチプレス
最後はクラスターベンチプレスです。クラスターというのは今の時代あまり聞こえはよくありませんがかなりおすすめの方法です。
これは普通の1setを何個かのミニセットに分割します。最も一般的なのが6repできる重量を2,3repのミニセットを2つから3つに分割させます。そしてミニセットの間には10~20秒程度のかなり短い休憩を挟みます。
普通は6repできる重量を一気に連続させて行いますがクラスターセットでは分割して合間に少しの休憩があるためウエイトを持ち上げるのがより簡単になります。そのため、仮に6repがギリギリで限界を迎える重量でもクラスターセットを使うことで高重量を扱いながら、同じボリュームを確保しながらも低いRPEを維持でき、少しだけ余裕をもって終わらせることができます。
2013年の研究ではクラスターセットは一般的なストレートセットよりも筋肉の成長のために重要な強度とパワーを上げてくれることを示しています。加えてクラスターセットを使用することで6rep潰れる重量が2rep3setではなく2rep 2rep 3repのミニセットに分けることができます。
つまり、1rep分多くの回数ができることにつながる可能性があります。これにより、筋力だけではなく多くのボリュームを確保することができるため筋肥大にも効果的である可能性があります。
さらには筋トレの敵ともいわれる倦怠感も押さえてくれる可能性があります。クラスターセットについての研究をまとめたレビューペーパーではクラスターセットは休憩をはさむためより疲労感がなくセットをこなすことができ、トレーニングのパフォーマンスを安定させることを示しています。
特に試しjuuてほしい人はどうしてもこの回数が上がらないという人です。例えば100kg6repがどうしても上がらない人。この場合100kg 2rep 3setに分割させて2rep終わったら10~20秒のインターバルを挟みましょう。100kg6回が上がらなくても連続で4~5回100kgのベンチプレスを上げることができれば2repごとに20秒のインターバルを挟みながらのクラスターセットなら割と簡単にこなすことができると思います。
2rep終わったら20秒インターバルを挟んで3set,合計6repを目指して、それをクリア出来たらインターバルを15秒や10秒にしてインターバルを短くして最終的には連続で6rep上がることを目指しましょう。
一般的には筋トレは連続でやるため、クラスターセット感覚を短くしていくことはまた違ったアプローチになります。
筋力を伸ばしていくことで重要なのは積極的にウエイトを追加していくことです。筋トレ初心者の人にこれは多いんですが、重量が体に慣れてきたら負荷を上げます。という人です。
体に慣れるというのはどんな状態を指すのかわかりませんがあまりにもウエイトを追加するのに慎重すぎると筋力アップに時間がかかりすぎる可能性があります。
重量を追加するのは怪我が怖いというのはありますが2.5kgとか5kgなどちょっとずつ増やせばそこまで心配する必要はないと思います。おすすめとしては最低3回上がる重量で徐々に増やしていくのがいいと思います。例えば90kgが何とか1rep上がった人が95kgとか100kgに挑戦するのは非常に危険です。これはつぶれる危険性が高く、下手したら大事故につながる可能性があります。
3repできる重量なら調子が悪くても1repはできると思うので1rep上がった時点でこれ3repちょっと無理そうだわと思ったら無理をせずに1~2回でとどめておきましょう。
筋トレ初心者の人、プログレッシブオーバーロードがちょっと信じられないという人は騙されたと思って筋力を伸ばしていくことを意識してみてください。間違いなく大胸筋の成長のスピードが変わると思います。
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