【背中トレ】広がりを作る広背筋に効果的なおすすめ筋トレ種目
背中には厚みと広がりがありますが今回は背中の広がりを作るおすすめの種目を科学的な証拠とともに紹介します。背中の広がりが欲しい人や最近背中が成長しなくて悩んでる人はこの記事を見ることで安全に、尚且つ効果的な背中の鍛え方を知ることができます。
解剖学的な背中の筋肉群
背中の広がり=広背筋
背中には多くの筋線維がありますが背中の広がりといわれたら広背筋です。わきの下に存在し、かなり広い範囲をカバーします。この筋肉を成長させることで広い背中を作り出すことができます。
この筋肉が働く主な運動は肩関節の内転と伸展です。伸展も内転も上から下に引っ張る運動であるためスポーツサイエンティストのマイクイズラテル博士によると広背筋は地面と垂直に引っ張る垂直プルで最も活性化されるようです。
広背筋をトレーニングするときは伸展と内転を意識して種目選びをすると効果的です
背中の広がり,広背筋おすすめの種目
ラットプルダウン
この種目が最も基本的な広背筋の種目になります。垂直に引っ張るプル運動であることからも分かる通り広背筋に強い刺激を入れることができます。他の背中トレーニング種目では筋トレ始めたての初心者の人の場合、筋力がまだ成長段階であるため1repもできないから筋トレにならないということもありますが、ラットプルダウンでは軽い重量から垂直プル運動をすることができるため初心者のひとや軽い重量でプルを行いたい人にもおすすめの種目です。
ラットプルダウンの手幅とグリップやテクニック
ラットプルダウンのおすすめのやり方を紹介します。まずはグリップ、バーを持つ手です。
このグリップについては個人によってある程度の差はあると考えていますがシンプルなフォームが最も広背筋には適していると考えています。ラットプルダウンのグリップについて調べた代表的な科学的な研究を紹介します。
2002年のラットプルダウンのグリップを調べた研究ではクローズグリップ、回外グリップ、回内グリップのワイドグリップで体の前にバーをもっていくラットプルダウン、そして同じく回内グリップのワイドグリップで首の後ろにバーを引っ張るトレーニングで比較しました。
その結果、ワイドグリップで体の前に引っ張るラットプルダウンが広背筋の活動が最も高いことがわかりました。他の3つにはほとんど差がありませんでした。
バスキーたちの2000年に行われたEMG研究では体の前に引っ張る運動も首の後ろに引っ張るビハインドネックのラットプルダウンも広背筋の筋活動が変わらなかったことを示していますが2001年の肩のケガについての研究ではビハインドネックのラットプルダウンは回旋腱板の筋肉が損傷しやすくなるためトレーニングを避けるべきであることが推奨されています。
ビハインドネックでやると劇的に広背筋の筋活動が変わるわけではないので安全のためにもビハインドネックのラットプルダウンではなく体の前にバーを引っ張るのがおすすめです。
加えて2010年の研究では回内グリップと回外グリップでそれぞれナローとワイド、合計4種類の手幅で広背筋の筋電図分析をしました。その結果、ナローもワイドも回内グリップのほうが広背筋の筋活動が強く、手幅についてはワイドもナローも広背筋の活性化に違いはありませんでした。
最後に2014年の研究ではグリップを肩幅と同じ広さのナロー、肩幅の1.5倍のミドル、肩幅の2倍であるワイドで比較しました。その結果、広背筋の筋活動が同じであるが、わずかな差ではありましたがその他の上腕二頭筋や僧帽筋などの筋肉の活性化を見るとミドルグリップが最も適したグリップ幅であることが示されています。
科学的な研究を見るとラットプルダウンは体の前にプルを行い、肩幅の1.5倍程度のグリップで回内グリップを使うと広背筋の筋活動を最大限に活性化できるようです。
さらに広背筋の筋活動を高める方法として体を反らすと広背筋の活性化が高まることを示した研究があります。バスキーたちのEMG研究ではラットプルダウンの時に45度背中を反らせると広背筋の筋活動が11%上昇したことを示しています。
もう一つのポイントとして背中になかなか効かせられないという人も特に初心者のひとには多いと思います。上腕二頭筋などは筋肉を見ながらトレーニングすることができますが背中は基本的にはトレーニング中に見ることができません。
背中になかなか効かせられない人
2009年の研究ではトレーニング初心者のひとはラットプルダウンエクササイズで背中よりも肘の屈曲筋、つまり上腕二頭筋などの肘を曲げるときに収縮する筋肉に頼ってしまうことが多いようです。この改善策として広背筋を触りながらプルをすることで筋肉の活性化が高まったことを示しています。
背中の筋肉を意識できない人はケーブルマシンを使ってシングルアームのラットプルダウンをしながら休んでいる方の手で広背筋を触りながらやると広背筋にしっかり刺激を入れることができます。トレーニング前のウォームアップや背中のトレーニングが苦手な人はこの種目をやると効果的です。
懸垂
懸垂は最も原始的な運動ではありますが広背筋にとって非常に優れた種目です。アシストマシンなどが無ければ自重であったり、かなり高負荷のトレーニングを余儀なくされるため筋トレ初心者のひとや体重がかなり重い人にはあまり向かない種目だとは思います。
ラットプルダウン以上におすすめ
しかし、複数の研究でラットプルダウンよりも懸垂トレーニングのほうが筋活性が高いことを示しています。
2013年の研究では懸垂とラットプルダウンでは広背筋にとっては筋肉の活性化に違いが無かったことを示していますが脊柱起立筋や上腕二頭筋といった他の引っ張る筋肉は懸垂の方がアクティブにできることを示しています。
パーカーフィットネスはラットプルダウンよりも懸垂のほうが好きです。ひとつ目は先ほど話したように多くの筋肉を活性化できることもありますが、そのほかにも2つあります。
ひとつ目はローディングが非常にやりやすいところです。僕は加重懸垂のローディング計画では2.5kgずつ重量を増やしています。例えば20kgの加重懸垂が上がったら次回は22.5kgという感じです。ラットプルダウンマシンでは重量が完全に固定されているため2.5kgといったように細かい設定だったり個人に合わせた重量設定ができません。
もうひとつは懸垂はチートを使いづらいということです。ラットプルダウンでは背中を後ろにそらすといいといいましたが多くの人がやっているミスはこの反らす動作が完全にチートのレベルになっていることです。特に素早くラットプルダウンをしようとすると気づかずに背中を反らす運動で重量を持ち上げている場合があります。懸垂の場合は体の勢いなどチートが非常に使いづらいため高重量を扱うときに自分の筋力を正確に測ることができます。
ラットプルダウンの手幅とグリップやテクニック
グリップについてはラットプルダウンと同じく回内グリップで肩幅よりもやや広い程度がいいと思います。
研究ではどのグリップでも広背筋にとって差はありませんでしたが僧帽筋の活動は回内グリップのほうが優れていたことを示しています。
ラットプレイヤー
最後のおすすめ種目はラットプレイヤー。これは世界的にも有名な科学的な権威であるメノヘンゼルマン博士が推奨しているトレーニングです。懸垂やラットプルダウンともに肩関節の内転が主な運動になりますが最初の解剖学的な説明でも話した通り広背筋は肩関節の伸展でも強い刺激があります。
広い可動域の内転で背中を鍛えられる
2013年の研究では広背筋には肩関節の内転よりも伸展のほうが活性化できる可能性があるようです。
この伸展はロウで主に使用される運動ですがロウトレーニングのほとんどは広い可動域で肩関節の伸展ができていません。例えばこのロウトレーニング見てください。肩関節の内転範囲は頭の上から脚まで、ほぼ180度ですがロウトレーニングでは90度程度しか可動域がありません。
ロウではストレッチポジションが弱い
これにより現在の科学が筋肥大のために重要と認めているlong muscle position、つまりストレッチポジションが無くなってしまうことになります。ブラッドシェーンフェルド博士も自身のSNSで、ストレッチにの効果が近年かなり見直されていることに加えてストレッチの信頼性を認める研究が今後もどんどん出てくるだろうと話しています。
ラットプレイヤーではこの肩関節の伸展を完全な範囲で行うことができます。ケーブルのスタートポイントから1m程度離れて距離を作ります。ラットプルダウンなどと同じく肩幅、もしくはそれよりも少し広い程度のグリップ幅でバーをつかみ自分の下腹部に向かって引っ張ります。
引っ張るときに体を反らせると伸展がより強調できるためおすすめです。
立った状態でも座った状態でもどちらでも構いませんが立った状態で行うとストレッチをかける前にウエイト同士が接触して負荷が無くなってしまいストレッチが無くなる可能性があるため膝立ちで行うほうがおすすめです。
肩関節の伸展を使うため肩にある三角筋の後部や腕の上腕三頭筋長頭が強く刺激する可能性があることに注意しましょう。広背筋よりも先に腕や肩が疲れてしまうことも珍しくありません。おすすめの解決法としてはグリップの種類を変えてみましょう。例えばロープよりもストレートバーのほうが広背筋に刺激が入るという人もいるため自分に合ったグリップを探すのがおすすめです。加えてマインドマッスルコネクション、対象の筋肉を意識することで他の筋肉に刺激が逃げることを防ぐことができます。
ラットプルダウンと同じくなかなか難しい人は片腕で触りながらやるのもいいと思います。
コメント