【40レップ】高回数トレーニングをメニューに取り入れるべき科学的な理由
1setあたり、ウエイトを持ち上げる回数は何回でしょうか。多くの人が8~12repの範囲であり高回数トレーニングと言えど、1setで20rep程度でしょう。しかし、つい最近の僕はじめ、多くの人は大きなミスを犯しています。筋肥大にとって最も効果的な40repでトレーニングしていませんでした。
今回は科学的な証拠から高回数トレーニングのメリットとそれを使った筋トレメニューの組み方を紹介します。
回数の筋肥大効果
まずは簡単にトレーニング回数とその効果について簡単に説明します。今まで言われてきたことは10repくらいが筋肥大効果が最も高いということです。なぜなら5rep以下の回数は筋力アップ効果が高いけど筋肥大には向かない。逆に20rep以上は筋持久力を上げるけど筋肥大には向かない。間をとった10repあたりが筋力アップも筋肥大効果も高いと考えられてきました。
実はこれは間違いでもあり正解でもあります。実際に高回数すぎたり低回数すぎるのは筋肥大効果が大きく落ちる可能性が高いです。
しかしながら、ブラッドシェーンフェルド博士が行ったメタ分析によるとかなり広い範囲では筋肥大効果はほとんど変わりません。おおよその目安として6rep以上。そして50rep以下なら筋肥大効果は変わらないと思っていいでしょう。
筋肥大効果は変わりませんが低回数は筋力アップ効果が高く、逆に高回数は筋持久力アップ効果が高いということが示されていますので筋肥大効果が同じといえどそれぞれにメリットがあります。
高回数トレーニングのメリット
ボリュームを稼ぎやすい
この研究を見て僕は大きなミスを犯していました。それは重量によって筋肥大効果が同じだと考えてしまったことと筋持久力を過小評価していたことです。
回数についての研究では重量によって筋肥大効果が同じことを確かに示しています。
しかし、根底にボリュームが同じである場合です。実は高重量低回数トレーニングはボリュームが非常に重要な要素である筋肥大にはデメリットがあります。
例えば2014年のブラッドシェーンフェルド博士の研究では筋トレ経験の豊富な被験者に10rep 3setの高回数トレーニングと3rep 7setの高重量トレーニングで比較しました。ボリュームを同じにしたところ筋肥大効果は同じであり筋力アップ効果は3rep 7setグループのほうが優位に高いことがわかりました。
これを見ると高重量トレーニングの方が良いように見えるかもしれません。しかし、3repの高重量トレーニングは高回数グループの4倍の時間がかかり、セットをこなしていくにしたがって疲労の蓄積が大きくなり7setこなせるまえにドロップアウトしてしまう被験者が急増しました。
普通の人が筋トレにかける時間はおよそ1~2時間で多い人でも週に5~6回だと思います。つまり時間は限られています。この時間的な効率を考えたときに最もボリュームを稼げるのは間違いなく高回数です。
2015年、同じくブラッドシェーンフェルド博士の研究でも似たような結果が確認されていますが、結論として低負荷トレーニングが筋トレ経験豊富な人の筋肥大を増加させる効果的な方法であることを認めています。
これはベンチプレス100kgを1repあげるよりも50kgを2回あげるほうが遥かに簡単なことから分かる通り高回数のほうがボリュームを稼ぎやすいということです。そして高回数は筋持久力をあげます。
筋持久力は筋力と同じくらい重要
筋持久力はマラソンランナーが向けの体になる。マラソンランナーは細いからボディビルダーは高回数には向いてないというのは完全に極論です。2016年のカフェインサプリメントについてのメタアナリシスではカフェインサプリメントは最大重量についてはほとんどメリットが無いが筋持久力を高めてトレーニングのレップ数を平均10~20%増やしてくれるため筋肥大において非常に有利であることを示しています。
つまり、カフェインの効果と同じで筋持久力のアップは筋力アップと同じくらい重要です。あなたがベンチプレスでMAXに挑戦するときや3rep程度の高重量低回数トレーニングなら筋持久力はほとんど必要ありません。しかし、高回数になっていくにつれて筋持久力がどんどん必要になってきます。
したがって、最も重要なコトは筋肥大に最も影響するのはボリュームです。このボリュームを最も効率よく稼ぐ方法は低重量高回数でやることです。よりたくさんの回数をこなすためには筋持久力のアップも重要になります。
注意:軽すぎると筋肥大効果が弱くなる
ただし、最初にも言った通り軽い重量すぎると筋肉の活性化が不十分になります。科学的な証拠からおおよそですが1RMの30%以下はボリュームが高くても筋肥大効果は薄いでしょう。目安としてこちらの1RM計算サイトで算出すると1RMの50%の重量で30repできるため筋肥大効果も損なわずボリュームを稼げるのは40~50repでしょう。
さらには高回数トレーニングは代謝ストレスをもたらします。代謝ストレス、パンプの存在価値には議論があります。しかし、ボリュームよりも代謝ストレスを優先させた場合は筋トレ効果は大きく落ちると思いますが休憩をしっかり摂って広い可動域で高回数でやる場合は代謝ストレスを上手に使えるため筋肥大効果を増やすことができると考えられています。
高回数トレーニングはケガや疲労感が弱い
そして、もう一つの高回数トレーニングのメリットは安全性と疲労感です。高重量トレーニングは関節の負担も非常に大きく痛みや疲労も大きくなります。この場合はトレーニングを休む必要があります。高重量トレーニングが多いと継続的にトレーニングを行うことが困難になる可能性があるのでデメリットになります。疲労感についてもブラッドシェーンフェルド博士の研究では高重量グループの離脱率が優位に高いことから高重量トレーニングは体に大きな疲労をもたらし、その後のトレーニングのボリュームを低下させる可能性があります。
つまり、低重量の高回数トレーニングのメリットはボリュームを最も稼げる方法でありボリュームが筋肥大の重要な要素である以上、非常に時間的な効率がいい鍛え方になります。さらには、安全性が高く疲労感も感じにくくなります。そのためトレーニングを中止しなければいけないケガや倦怠感んなどリスクを減らすことができ長期的にトレーニングを継続できる可能性があります。
筋トレメニューの取り入れ方
当たり前だけど高重量も重要
ちなみに視聴者の皆さんに勘違いしないでほしいことは、高回数も必要だけどもちろん高重量低回数も必要です。プログレッシブオーバーロードを満たすためにも高重量トレーニングは必要ですし複数の研究で筋力と筋肉のサイズの相関関係が確認されています。
この動画で言いたいことは多くの人は3~20repの範囲でトレーニングしていますが3~40repともっと広くとるべきであるということです。
まだ証拠が強いわけではありませんが一部の研究で広範囲の回数でトレーニングすると8~12repに固執するよりも筋肉が成長することが示されています。これは全てのタイプの筋線維の成長を最大化させるためには色んな回数が必要であるということです。
高回数と高重量を取り入れよう
高回数と低回数の組み合わせとしては今日はやるトレーニング全て8repの日、明日は30repの日と決めてもかまいませんが必ずしもそうしなければいけないわけではありません。
おすすめとしては各筋肉1週間に1~2回、1種目は高回数トレーニングを取り入れることをおすすめします。
例えば大胸筋トレーニングを1週間で20set行う場合は5set程度40repの高回数トレーニングを行ってみてください。
そしてどんな種目を選ぶかは皆さんの好みによって選ぶべきだと考えます。筋トレの回数はこの動画で話した通り広い範囲で分布させる必要がありますがベンチプレスで3repと40repやる日を作らないといけないというわけではありません。大胸筋というくくりで高重量と高回数を分ければいいと考えますし、どの種目を高回数、高重量でやるべきかに正解はありません。
例えばプレスで高回数やると大胸筋より上腕三頭筋がつかれるという人はプレスは高重量、フライは高回数という風に分けるのもいいでしょう。僕は大胸筋についてはマシンフライを40repやるのを好んでいます。
注意点として、低重量高回数が疲労感が少ないといえど限界まで、潰れるまで行うことは得策ではありません。おそらくあと1rep分程度は余力を残すと一貫してトレーニングボリュームを確保することができると思います。くわえて回数をこなすために可動域を狭くしたりチートを使うようになったら本末転倒です。さらにはインターバルは十分にとって筋肉を休ませましょう。
アイソレーションは2分、コンパウンドは最低でも3分がおすすめです。もちろんですが高重量低回数も積極的に取り入れてプログレッシブオーバーロードを満たしていく必要がありますのでボリュームが稼げるといえど高重量種目を無視しないでください。
各筋肉週に1回程度、超高回数トレーニングを作るのがおすすめです。
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