【科学的な腕トレ】力こぶが欲しいならこれをやれ!上腕二頭筋最強の3種目と筋トレ法を徹底解説!
上腕二頭筋のトレーニングを行っている人は多いですが、インターネット上で推奨されているトレーニング法が筋肥大にとって非効率的だったり、最新の科学的なデータを見てみると上腕二頭筋にとって代表的な鍛え方が実は筋肉の成長にとってあまり良くなかったりします。
今回は科学的な根拠を基に上腕二頭筋の正しい鍛え方、最強種目を紹介します。
解剖学的な上腕二頭筋
上腕二頭筋は長頭と短頭の2つで構成されています。外側にあるのが長頭で内側にあるのが短頭です。
この筋肉の最も大きな役割は肘関節の屈曲であり、肘を曲げる運動でこの筋肉は強く働きます。長頭と短頭の2つはこの運動で関わりますが、実は肘関節だけではなくこの筋肉は前腕と肩の関節を横切ります。特に長頭は主にフロントレイズのような肩関節の屈曲、短頭は手首の回外によっても収縮します。
肘関節がメインだけど長頭は肩関節、短頭は手首関節に関わっていることを忘れないでください。
上腕二頭筋の鍛え方
ここからは科学的な根拠を基に上腕二頭筋の鍛え方について紹介します。
ピークを狙わない
上腕二頭筋の鍛え方について特に注意してほしいのは上腕二頭筋のピークです。
上腕二頭筋にはピークといって山のように盛り上がっていることを指す言葉があります。インターネットで「上腕二頭筋 ピーク」と調べるとかなりの量の鍛え方がヒットすると思いますが注意が必要です。
フィットネスの世界的な権威であるブラッドシェーンフェルド博士も話している通り、上腕二頭筋は遺伝的な要因が非常に強い部位でもあり、フィットネスの研究者であるmenno henselmans博士もピークなどを気にするのは現実的ではないと話します。
例えばアーノルド・シュワルツェネッガーは素晴らしい上腕二頭筋のピークがありますが、セルヒオ・オリバのピークは彼ほどあるわけではありません。これは上腕の長さにあります。肩幅が狭い人は大胸筋の厚みが構築しやすいように、上腕が比較的短い人はピークが非常に構築しやすい傾向にあります。
そのため、上腕二頭筋のピークがかなりあるボディビルダーがピークの作り方を解説していても単純にそれは彼らがピークを構築しやすい遺伝子であるだけの可能性も非常に高いです。そのトレーニングを完全に真似してもあなたも同じようにピークができるというわけではないということに注意しなければいけません。
基本的にはトレーニーの99%は上腕二頭筋のピーク狙いなどではなく上腕二頭筋自体のサイズを増やしたほうがピークも作りやすいですし、腕の外見的には効率的です。
ストレッチをかける
上腕二頭筋が成長しない99%はこれが原因といっても過言ではありません。近年のトレーニングに関する膨大な科学的データは筋肉が伸びてる位置で負荷をかけることが筋肉の成長にとって非常に重要であることを示しています。
例えば今もかなり多くの人がやっていますが、負荷を抜かない鍛え方。カール中に肘を完全に伸ばすと負荷が無くなるからあえて中途半端な位置で止めておくこと。
これは最悪の鍛え方。実は筋肉の最も負荷がかかっているのは筋肉が伸びているポジション。そのため、必ず肘は伸ばし切り上腕二頭筋を伸ばしたほうがはるかに成長しやすくなります。
上腕二頭筋が働く肘関節の屈曲は円運動であり、ストレッチを入れるためには肘を伸ばした時に腕に対して横向きに力がかかっていないといけないません。にも関わらずフリーウエイトカールはストレッチが欲しいときにこの負荷がありません。腕が下向きになっているとき重力は下向きにしからないため上腕二頭筋の緊張はゼロであり、収縮ポジションで負荷は最大になります。
筋肉の成長にとっては上腕二頭筋が伸びてる位置で負荷をかけたほうが間違いなく成長しやすくなります。
様々な角度で鍛える
2021年の研究では上腕二頭筋の成長についてあるコトが示されました。この調査では一般的なフリーウエイトカールをする被験者とインクラインカール、プリチャーカール、フリーウエイトカールという様々なカールを行う被験者で調査を行った結果、3種類のカールを行っていた被験者のほうが上腕二頭筋が成長していることを発見しました。
フリーウエイトのカールとプリチャーカールではストレッチポジションでの負荷に大きな違いがありますが、近年の科学的な研究はある程度のバリエーションでトレーニングを行ったほうが筋肉が成長する可能性が高いことを示してます。
2009年の筋電図分析では、ダンベルカールの肩の位置に注目しました。結果として一般的な腕が体の横にある場合のカールは長頭と短頭をバランスよく鍛え、インクラインダンベルカールのように腕が後ろにある場合は長頭、そして腕が体の前にあるダンベルプリチャーカールは短頭が強調されることがわかりました。
これは長頭のみ肩関節の屈曲に関係することから、解剖学的にプリチャーカールのように腕を前に出すと長頭が収縮した状態でのカールとなるため長頭が活性化されず、短頭が強く働きます。
腕が体の横にあるカールをたくさんやれば両方とも強く活性化されますが、様々な角度でカールをするとより、筋肉の成長が促進される可能性があります。
上腕二頭筋最強種目
ケーブルカール
腕が体の横にあるカール、最強はケーブルカールです。上腕二頭筋のトレーニングとしてはフリーウエイトカールではスタートポジションで上腕二頭筋に負荷が全くありませんが、ケーブルを使うことでスタートポジションで横方向の力がかかるためストレッチがかかります。
ポイントとしてはまずはケーブルから1m程離れます。これはスタートポジションでウエイトプレートが接触して負荷が無くなってしまうのを防ぐためです。そして腕を体の横に固定させて腕が後ろに引っ張られないようにします。理由としては上腕二頭筋には横方向の力がかかる必要があるため後ろに引っ張られるとケーブルの負荷と腕が一直線になるためフリーウエイトカールと同じ強度曲線になりストレッチが消えます。
スタートでは横方向の力が必要ですがフィニッシュ付近では下から上の力が必要であるため腕の真横にケーブルは設定するのではなく斜め下くらいに設定するのがおすすめです。
ケーブルにグリップをつけて手のひらを上にしながら引っ張りましょう。
マシンプリチャーカール
先ほど紹介した2009年の研究では腕を前に出すことで短頭が強く働いたことを示していますが、一般的なフリーウエイトのプリチャーカールは筋肉の成長にとってあまり理想的ではないことを示しています。これはプリチャーカールはストレッチはかかっても肘を曲げていくにつれて物理的な負荷はどんどん弱くなり、バーが肘の真上に来た段階でゼロになります。
そのため、可動域が一般的なカールよりも非常に狭く理想的な上腕二頭筋トレーニングとは言えない可能性がありますが、マシンを使うことで可動域全体で上腕二頭筋に負荷を入れることができます。
ただし、うまくやればマシンのプリチャーカールは非常に優れた種目ですが大きな問題点があります。それは可動域の固定化です。実際にプリチャーカールマシンをやってみるとわかりますがあまりストレッチを感じられないという人が多いと思います。
これはマシンの性質のせいです。マシントレーニングというのはウエイトプレートが持ち上がることで負荷がかかり、下に降りて接触することで負荷が無くなります。
つまり可動域が固定されていてプリチャーカールマシンの場合大体肘が180度に開いたときにはウエイトプレートが接触していて負荷が無くなっていることがほとんどです。そのため、ストレッチが欲しいときには負荷がもうなくなっていることがかなり多いです。
これを改善させるためにおすすめとしてはパッドか何かを敷いて高さを出すと肘が完全に開いているストレッチポジションでも上腕二頭筋に負荷がかかります。プリチャーカールマシンを試してみてストレッチを感じられないという人は試してみてください。
インクラインケーブルカール
腕を体の後ろにすると長頭が伸ばされ筋活動がより高くなります。ただし、ダンベルのインクラインカールも一般的なカールと同様にストレッチがないため上腕二頭筋の成長にとって最適ではありません。そのため、これもケーブルを使うとストレッチポジションで負荷をかけることができます。
理論的にはインクラインのケーブルカールは上腕二頭筋にとって最強の種目です。なぜなら腕を後ろに下げることによって上腕二頭筋の長頭、そして肘を伸ばすことで短頭もストレッチするため上腕二頭筋全体が紹介した種目の中で最もストレッチするためです。
レッグカールマシンについての研究では座った状態のレッグカールのほうが寝ころんだ状態のレッグカールよりもハムストリングスの筋肥大効果が高いことがわかっています。これは座ることで股関節が屈曲してハムストリングスが寝た状態のものよりも伸ばされるためです。
そして上腕三頭筋でもオーバーヘッドでやることで筋肉が最大限ストレッチし上腕三頭筋全体の活動が高まったというデータがいくつか存在しています。
そのため、ケーブルカールやプリチャーカールよりも上腕二頭筋が強くストレッチされるため筋肉が成長しやすい可能性があります。
ベンチ角度を45~60度程度にして必ずスタートで上腕二頭筋のストレッチを感じましょう。注意点としては腕が後ろに出ることから、ストレッチポジションでケーブルと腕が一直線になって上腕二頭筋のストレッチが無くなってしまう可能性があります。
必ず直線ではなく角度がついていることが重要です。
上腕二頭筋メニュー
上腕二頭筋は高重量を振り回すのではなくコントロール出来る重量でトレーニングするのがおすすめです。特に高重量でカールをするボディビルダーの影響でチートを使ったり可動域を狭くしてトレーニングする人が多いですがスポーツサイエンティストのmike israetel博士が話すようにカールではウエイトを落として軽い重量でストレッチと広い可動域を求めたほうがはるかに成長しやすくなります。
効率的なトレーニングをするならエゴは捨てて軽い重量で丁寧に行いましょう。
上腕二頭筋のトレーニングではケーブルカール、マシンプリチャーカール、インクラインケーブルカールの3つを連続して行うのがおすすめです。ただし、現在の科学的なデータを見ると上腕二頭筋の肩関節の役割は理論的には納得できますが議論の余地があります。
つまり、長頭は肩関節の屈曲にも関わりますが実際そこまで重要ではなく単純に安定させる役割程度の可能性もあるため長頭が欲しいからインクラインケーブルカールを多めにやるなどはそこまで意味がない可能性もあります。ただし、バリエーションによって筋肉の成長率が促進される可能性があるコトは非常に信頼性の高いレビューに示されているため1種目よりも2~3種目と複数の種目をやるのがおすすめです。
最もおすすめなのはケーブルカール。正直なところこの種目だけやってれば上腕二頭筋のトレーニングとしては90点はあります。あとはジムの設備的にも厳しかったり、ストレッチを感じることがなかなかできないという人はマシンのプリチャーカールはせずにインクラインと普通のケーブルカールだけでもOKで、この二つだけでも上腕二頭筋の長頭だけが発達したとか、筋肉の不均衡が出るコトもないでしょう。
科学的なデータから高頻度で鍛えたほうが筋肉が成長する可能性が高いことが示されているため、効率的に筋肉を成長させたい人は腕の日などを作るのではなく、ジムに行くたびに上腕二頭筋を鍛えたほうが成長しやすくなります。
セット数としては上腕二頭筋は10~15setを推奨しています。コンパウンドとアイソレーション種目についてのレビューではどちらも腕の筋肉には同様に効果的であることが示されています。もちろんこれはすべての種目に共通するものではなく、ラットプルダウンとダンベルカールが同じという感じですが上腕二頭筋は背中トレーニングでも強く活性化されていることは間違いありません。
何度も言いますがストレッチと収縮。これが重要でなかなか成長しない人とどんどん成長する人を分けるといっても過言ではありません。軽い重量でもいいのでこの2つを意識したほうが高重量を振り回している人よりも間違いなく成長します。
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