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腕立て伏せは胸に効かない。科学が証明した“正しい腕立て”

腕立て伏せは胸に効かない。科学が証明した“正しい腕立て”


「腕立て伏せを毎日やってるのに──胸が全然変わらない。
そう感じたこと、ありませんか?
実はそれ、努力不足じゃありません。

ただ“方向”が少し違っているだけなんです。

つまり、使っている筋肉の「向き」がズレているんです。

最新の研究では、一般的な腕立て伏せの主働筋は胸ではなく“肩”だと報告されています。

つまり、ほとんどの人が“胸を鍛えてるつもり”でも、 実際には“肩トレ”になっている。

今回は、**科学が証明した“正しい腕立て伏せの使い方”**を解説します。同じ負荷でも、刺激を2倍に変える方法です。

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科学的な腕立て伏せ

腕立て伏せは大胸筋のトレーニングであるのか。これはYesでもありNoでもあります。2017年の研究では、ベンチプレスと腕立て伏せを8週間比較した結果──大胸筋・上腕三頭筋のサイズ増加は“ほぼ同じ”でした。つまり、腕立て伏せでも胸はしっかり成長します。

別の2017年の研究ではトレーニング経験のない被験者が週に2回、3setの腕立て伏せを行ったところ大胸筋の厚みが18.3%増加し、3mm厚みがついたことを示しています。

これらデータを見ると腕立て伏せは大胸筋トレーニングであるといえます。しかし、一方で、アメリカ運動評議会(ACE)の調査では、腕立て伏せは“胸に効く種目”として最下位でした。つまり大胸筋を働かせることができなかったということです。加えて別の研究でも腕立て伏せでは大胸筋がそれほど働かないことを示しています。

なぜこのような差があるのか。これは腕立て伏せのやり方の差です。腕立て伏せはやり方によって胸に効かせることができる腕立て伏せか。肩へ刺激のほとんどが逃げる腕立て伏せなのかに分かれます。

筋肉をデカくするうえで非常に重要なポイントは解剖学的な運動を意識することです。

簡単に言うと肩が働く腕立て伏せをしていれば肩がデカくなります。胸が働く腕立て伏せをしていれば胸がデカくなります。

腕立て伏せのようなプッシュ運動で働く肩の筋肉は三角筋の前部、肩の前側です。この筋肉は腕を上にあげる肩関節の屈曲と水平内転、垂直方向への水平内転です。重要なポイントはこの3つの運動に優劣があるということ。多くの科学的なデータに証明されているように屈曲と垂直方向の内転は肩を最も強く刺激し、水平方向の内転は最も肩の刺激が少ないことがわかっています。

大胸筋は肩関節の屈曲と水平内転、そして伸展や内転に関わりますが、科学的レビューでも証明されているように腕を真横に閉じる水平内転が最もこの筋肉を働かせることがわかっています。

腕立て伏せはやり方によって肩に刺激が集中する腕立て伏せか。胸に刺激が集中する腕立て伏せか。に分かれます。それではどういう腕立て伏せが理想的かを紹介します。

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胸に効かない腕立て伏せ

それではここからどういう腕立て伏せをすれば胸がデカくなるか。最初は胸がデカくならない、多くの人が効果を感じにくくなる腕立て伏せを紹介します。

屈曲

腕立て伏せを胸に効かせるためには、胸がどんな運動で働くのかを確認しながらやりましょう。

先ほど紹介したように胸は水平内転で強く働き、屈曲や垂直方向の内転は肩が最も活性化されます。つまり、腕立て伏せで胸を鍛えるときは水平内転を意識しましょう。

しかし、実はほとんどの人が行っている腕立て伏せは大胸筋ではなく肩を鍛えています。多くの人は大胸筋を鍛えるためにはプレスが必要だと考えます。でも大胸筋を鍛えるときは押すだけではダメなんです。

大胸筋トレーニングで“最も多いミス”は、脇を閉じること。これをすると、刺激が肩に逃げやすくなります。大胸筋を最も働かせる運動は肩関節の水平内転です。つまり腕を前に出す。押す運動ではなく腕を閉じる運動です。例えばフロントレイズで大胸筋を鍛えようとする人はいません。これは理にかなっています。フロントレイズのように腕を上にあげる運動は主に三角筋の前部、そしてわずかに大胸筋の上部が活動する運動です。

脇を閉じた腕立て伏せは、クローズグリップのベンチプレスと全く同じです。前にプッシュはしていますが腕を閉じる運動が全くありません。

腕立て伏せを毎日してるのに全然変わらないと悩んでいる人のフォームをチェックしてみると、ヒジが肩よりも下にあってショルダープレスのように上に持ち上げているような運動になってしまっていることがほとんどです。

このフォームだと、刺激が“胸よりも腕や肩に逃げてしまいます”。脇を開くと肩への負担が大きくなるというのは迷信です。実は脇を閉じたほうが肩に負荷が乗るため負担が大きくなります。

負荷を上げない

腕立て伏せの様な自重トレーニングには実は致命的な落とし穴があります。一般的に初心者の人が腕立て伏せをすると2~3か月までは順調に筋肉をつけることができますが、ある時急に腕立て伏せの効果が無くなってしまう傾向にあります。これは腕立て伏せが簡単になり過ぎてしまうことです。

ある調査によるとトレーニングレベルが普通と評価される男性は平均して15〜20回腕立て伏せを出来ることがわかっています。そのため、トレーニング初心者の人にとっては自重の腕立て伏せは十分なトレーニングになります。

基本的に膨大な科学的データにも証明されているように1RMの30~80%までは筋肉の成長効果は同じです。これは大体の目安で言うと5repが限界の高重量から40repできる低重量までです。

2018年の研究では、1RMの20%──つまり超軽い負荷で60回以上できるグループは、筋肥大効果が“半分程度”に落ちていました。

腕立て伏せの負荷というのは体重に依存します。腕立て伏せの負荷について調べた研究では、一般的な腕立て伏せは体重の64%、膝立ちの場合は49%でプッシュを行っていることを示しました。

これは腕立て伏せと非常に近い運動であるベンチプレスで考えると非常に軽いです。体重60kgの人なら30~40kgの負荷です。自重トレーニングで停滞してしまう人は90%以上このパターン、レベルが上がっているのにそのレベルに合わせた負荷になっていないからある時点を境に成長しなくなります。

もし、30回以上腕立て伏せができるようになったら負荷を上げてください。腕立て伏せで負荷を上げる方法は非常に簡単です。ダンベルを背負ったり、家にあるものをリュックに入れて背負いながら行います。片腕で行うとバランスが崩れやすくなるのでおすすめはしません。

テンポについてもこの後紹介しますが、最適なテンポがあるので極端にゆっくりやったり素早くやるのは筋肉の成長を損なうリスクが高いです。

体を下げない

筋肉を成長させるために最も重要になる可動域はどこでしょうか。正解はここです。

筋トレ用語で筋肉が縮んでいる。いわゆる収縮可動域を示すショートレングス。筋肉が伸びているストレッチ可動域をロングレングスといいます。このショートレングスとロングレングスを比較したデータでは⅞件がロングレングスを支持。残り1件はどちらも差がないことを示しました。

筋肉が一番成長するのは、“伸びきった瞬間”。腕立て伏せなら──まさに“体を下げた位置”、ここです。ここをちゃんとやってるかどうかで腕立ての効果は全然違います。

初心者の人や腕立て伏せの効果を感じられない人が良くやってしまっているのは体を十分下げられていないこと。

ある研究ではプリチャーカールをショートレングスとロングレングスに分けたところショートレングスのほうが重いダンベルを扱えたにもかかわらずロングレングスを行った腕のほうが筋肉が成長していました。

腕立て伏せではこの下ろした時が一番きついのでここを避けてしまう人も多いですが、ここをやるからこそ胸がデカくなります。筋肉を収縮させると効いた感があるかもしれませんが、膨大な数の研究に証明されているようにこの感覚はただのパンプで実際に筋肉に効いてることを示すわけではありません。

必ず体は限界まで下げましょう。完全に地面についてしまうと負荷が無くなるので胸が地面に軽くタッチするか。その寸前で止めましょう。

胸に効かない腕立て伏せは屈曲を使っていて肩に負荷を逃がしてしまっている。ずっと同じ重量で鍛える。体を下げていないことです。それではここから科学的データを基にした最強の腕立て伏せを紹介します。

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科学的腕立て伏せ

胸の成長効果が大幅に増える腕立て伏せのテクニックを紹介します。

まずは大胸筋に負荷を集中させましょう。この時大事になるのは肘です。大胸筋は前に押すのではなく閉じる運動です。ベンチプレスのようにヒジが横に出ればその分内側への負荷がかかり、水平内転が強くなります。出来れば肩とヒジが一直線になるように脇を90度開きましょう。

脇を開いて腕を上げると肩が痛くなるという人は無理に90度にする必要はありません。ただ、肩に痛みが出ないレベルで70~80度を目指してください。

脇を開くためにも手幅は肩幅よりも広げましょう。広げすぎても力が外方向に逃げて大胸筋が活動しなくなるので、おおよそ肩幅の1.2~1.5倍がおすすめです。

脇を開くと「大胸筋に効いてる感じがしない」と思う人もいるはずですが、これはただ収縮感が弱くなっただけで、大胸筋への刺激が減っているわけではなく、むしろ増えているといっていいです。

そして体を低くしましょう。この時パーカーフィットネスが強く推奨したいのはプッシュアップバーです。腕立て伏せの効果を劇的に増やしたい人はプッシュアップバーを使うことを強く推奨します。筋肉を伸ばすほど成長効果が高まる可能性があります。

例えばある研究ではレッグエクステンションをのけぞった状態で行うだけで大腿直筋が強く伸ばされ筋肉の成長が最大で2.7倍になりました。

一般的な腕立て伏せは限界まで胸を伸ばす前に体が地面に当たってしまうため、筋線維を最大まで伸ばすことができません。プッシュアップバーを使うと、可動域が広がり──胸の“限界まで伸びきる位置”まで沈められます。

これが筋肥大にとって、最も重要な要素です。プッシュアップバーを縦向きに置くと脇が閉じてしまうので横に置いて腕立て伏せをしましょう。

そしてテンポも重要です。研究者のmilo wolf博士は腕立て伏せのテンポについて次のように解説しています。

腕立て伏せでよくあるミスは体を下げるときに完全に力を抜いてしまうこと。最低でも体を下げる動作に1秒以上はかけるようにしましょう。

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おすすめの腕立て伏せルーティン

科学的なデータに基づくと正しくやれていればジムに行かなくても腕立て伏せで胸をデカくすることは可能です。

ここからは胸を最短でデカくするための腕立て伏せルーティンを紹介していきます。

まず、家でトレーニングしている人など、腕立て伏せだけで大胸筋を鍛える人は普通の腕立て伏せに加えて、脚を上げたデクラインの腕立て伏せを追加するのは非常におすすめです。特に大胸筋は上部が遅れる傾向にあり、プッシュアップバーを使うことでより高さが出るので下向きのプッシュをしてしまいます。

そのため、大胸筋上部や全体をバランスよく鍛えるためにも足を上げて腕立て伏せをするのは非常に効果的です。高すぎると逆に肩に負荷が逃げてしまうのでおおよそ10cmほどあげれば十分です。

そして家トレでは毎日腕立て伏せをすることが実は非常に重要です。“ワンパンマンのサイタマ”が毎日腕立てをする──実はあれ、科学的にも理にかなっているんです。筋肉の成長については膨大なデータにも証明されているように腕立て伏せの日を作って胸を追い込むよりも、毎日少しずつ腕立て伏せをしたほうが筋肉が成長することがわかっています。

なので1時間腕立て伏せに集中するよりもテレビのCMが入るたびに腕立て伏せをしてそれを毎日継続したほうがデカくなります。

おすすめとしては普通の腕立て伏せとデクラインの腕立て伏せを交互に行う日を作りましょう。1日3~5setにするのがいいでしょう。5setを超えると筋肉の成長に全く貢献しないジャンクボリュームが発生します。

腕立て伏せをするときは前に押し出すというよりもヒジと肘を近づけるイメージで行うと大胸筋にとって理想的な腕立て伏せができます。

腕立て伏せは“胸トレではない”──そう言われる理由は、多くの人がフォームの“方向を少し誤解している”から。正しい方向に変えるだけで、胸は確実に変わります。でも科学的に見れば、腕立て伏せは“胸全体を刺激できる万能トレーニング”なんです。

ポイントをまとめると、まず脇を開いてプッシュアップバーを横向きにします。バーの感覚は自分の肩幅より少し広い。こぶしふたつ分くらい広げましょう。

そこから体を沈めますが、力を抜いて倒れこむようにせず体重を感じながら、最低1秒はかけましょう。十分大胸筋を伸ばしたら一時停止して力を入れて持ち上げます。この時、ギロチンベンチプレスを意識してヒジ内側になったり脇が閉じないように注意してください。

フォームが安定しないうちはヒジを見ながら、外に出ていることを確認しながら行います。腕立て伏せでは「ヒジのロックは必要か」「完全に大胸筋が収縮するまでやるべきか」と聞かれることがあります。基本的にロックはどちらでもいいです。プリチャーカールのようなストレッチポジションにヒジのロックがある場合は必要ですが、腕立て伏せではロックは収縮ポジションにあります。

こういった場合、ロックはしてもしなくても筋肉の成長に大きな差はないので気にする必要はありません。

腕立て伏せが30回以上できるようになったら何かを背負って負荷を上げてください。正しい腕立て伏せをすればジムに行かなくても胸をデカくすることは可能です。

次回は──「懸垂では背中は育たない」。科学が証明した“正しい引き方”を徹底解説します。チャンネル登録をして、見逃さないように。

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厚い大胸筋を作る方法
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