前腕をデカくしたいならこれをやれ!前腕にヤバいほど効く最強種目と筋トレ法を科学的に徹底解説!

握力トレーニングで前腕が成長することはありません。
外見を変えるために一番鍛えると良い筋肉はどこですか。
大胸筋? 広背筋? 大腿四頭筋? いいえ、間違いなく前腕です。
特に夏などTシャツを着ているときは上半身で露出する筋肉は前腕くらいで、前腕を集中的に鍛えるトレーニングを行うことで腕の外見を大きく変えることができます。
しかし、皆さん一度は聞いたことありませんか。
前腕は懸垂やデッドリフトなどをしていれば自然に鍛えられる。前腕だけを集中的に鍛えるトレーニングは必要ない。
実は科学的なデータを基にすると前腕トレーニングを組み込むと筋肉の成長が大幅に向上することを示していますが、前腕のどの筋肉を狙うのか、どういった鍛え方をするかで全く前腕が変わらない人と、前腕が短期間で大きく変わる人に分かれるようです。
この記事では科学的なデータや専門家のアドバイスを基に前腕を成長させる筋トレ法、最強種目について紹介します。この動画が少しでも気に入っていただけたら是非高評価をお願いします。
解剖学的な前腕

前腕というのは手首と指関節にまたがりますが、特に指は非常に複雑に動くためその分筋肉もかなり複雑です。解剖学的にはヒジから手首にある筋肉を前腕と定義すると最低でも20種類の筋肉があるといわれています。
しかし、前腕にある筋肉は主に2つのタイプしかありません。手首と指を屈曲させる屈筋群と手首と指を伸展させる伸筋群です。分かりやすく言うと手のひら側が屈筋群であり、手の甲側、日焼けしやすいほうが伸筋群です。
この筋肉は意識していなくてもほとんどのトレーニングで機械的な緊張を受け取っています。例えばサイドレイズ中には手首が下がってしまわないように一直線にしますが、これによって伸筋は負荷がかかり成長する可能性があります。
これによって前腕のトレーニングアドバイスではよく、前腕を集中的に鍛える必要はないといわれます。一般的なトレーニングのほとんどでウエイトをつかむ、手首を中立的な位置に保つという動作が存在しているため、これは理にかなっていますが科学的なデータはどのような答えを持っているのでしょうか。
2004年の研究では高校野球選手を対象に12週間トレーニングを行いました。ひとつのグループは被験者にはベンチプレス、スクワット、デッドリフトをはじめとした前腕を狙った種目がない一般的な全身トレーニングを週に3日実行させて、もう一つのグループはこの全身トレーニングメニューに加えて前腕のアイソレーショントレーニングを追加させます。
その結果、前腕のアイソレーショントレーニングがなかったグループでも前腕の筋力は成長しておりすべての測定値で増加が確認されました。筋肉量は測定されませんでしたが、筋力と筋肉量には強い関係性があるため、筋力の増加は筋肉が成長している可能性が非常に高いことを示します。
しかしながら、前腕のアイソレーショントレーニングを追加させたグループはより筋力が成長しており、前腕トレーニングなしのグループよりもすべての測定値で大幅な前腕の力の向上を示しています。
そのため、トレーニングの時間は限られているため筋トレするときは大胸筋などの筋肉を優先させたい。前腕を鍛えている暇がない、時間がないという人は前腕を鍛えなくても筋肉が落ちるということはほとんどありませんし、わずかに増えてる可能性もあります。とはいってもそれが最適ではなく、筋肉の成長は前腕を直接鍛えたほうが筋肉の成長率は大きく変わります。
前腕をデカくしたいから前腕トレーニングをするというのは全く無駄ではなく筋肥大を最適化させる優れた方法です。
前腕の鍛え方
前腕は常に目立つ筋肉であるため、この筋肉を鍛えることはあなたの印象をとてつもなく大きく変えますが鍛え方次第でその効果は全く違います。
科学的な根拠に基づいた正しい鍛え方をすればあなたの前腕は劇的に変わりますが、ボディビルダーやトレーナーのこっちのほうが効くからなど主観的なアドバイスを鵜呑みにするとどれだけ鍛えても前腕は変わりません。
ここからは科学的データを基にした前腕の鍛え方を紹介します。
握力との相関

前腕を鍛える最も代表的なトレーニングのひとつである握力トレーニングは前腕を鍛えるのに理想的な種目でしょうか。
答えから言うとそんなに良くありません。確かに前腕は指関節の屈曲に関わるため、握るという行為によって指関節が屈曲して前腕が働きます。
しかし、この動作はいわばカールでヒジが屈曲した状態を維持しているのと同じです。前腕が伸びることはありません。
研究者のmilo wolf博士は握力トレーニングが前腕を鍛えるのにそれほど効果的ではないと解説しています。
この種目は前腕の前部のすべてを鍛えられるわけではありません。指を曲げる運動にかかわる筋肉だけで手首を曲げる筋肉は無視されてしまいます。
そしてこの種目は先ほど紹介したようにカールでヒジが曲がった状態をキープしているのと同じですが、「筋肉の成長を最大化する方法について」調査を行ったレビューペーパーでも示されているように筋肉を鍛えるときは必ずその筋肉が最大まで伸びる可動域を含める必要があります。
握力トレーニングはじめ収縮状態を維持するトレーニングは筋肉に効いてる感覚はしますが、実際本当に効いてるわけではありません。
つまり、ダンベルフライなら大胸筋が最大まで伸びるまで、スクワットなら正座のようにヒザが最大に曲がるまで深くしゃがむ必要がありますが、握力トレーニングでは指を完全に広げることができないため、そこまで筋肉を成長させることができないでしょう。
例えばプリチャーカールを収縮可動域とストレッチ可動域に分けたところ、収縮可動域のほうが高重量を扱うことができましたが、筋肉の成長は重量が落ちたとしてもストレッチ可動域を行った被験者のほうが優れていました。
実際、milo wolf博士も自身の体験として200kgのデッドリフトを持ち上げることができたときでも前腕があまり成長していなかったようです。そしてこのときストラップは一切使用していなかったため握力はかなり強化されていました。
そのため、握力トレーニングやファーマーズウォークなどの握力を鍛えるトレーニングでは前腕を最適に鍛えることができないのはほぼ間違いないでしょう。
目立つ筋肉を鍛える

前腕を最短で成長させるためには優先順位をつける必要があります。例えば肩にある筋肉でいうと代表的な三角筋以外にも棘下筋や小円筋、肩甲下筋などの筋肉も実は存在していますが、三角筋以外の筋肉は非常に小さく鍛えても外見にはほとんど影響が出ないためボディメイクのためには三角筋を集中的に鍛えるのが最も効率的です。
これと同じことが前腕にも当てはまります。2007年の研究では若くて健康的な被験者10人を磁気共鳴画像法を用いて上半身の筋肉サイズについて調べたところこのようなグラフが得られました。このデータを見ると右側の前腕の筋肉群のほとんどは上腕三頭筋などの巨大な筋肉と比べると数%程度の大きさしかないことがわかります。
そのため、前腕トレーニングは大きな筋肉を狙ったトレーニングか。小さい筋肉を狙ったトレーニングかで前腕の成長効果が全く違います。もし、前腕を鍛えているのに変わらないと悩んでいるなら、もしかするとそれは小さい筋肉を狙っているからかもしれません。
前腕の筋肉の中で優先させるべき筋肉は外見的に重要であり、なおかつ巨大で成長しにくい筋肉です。
まず前腕の中で最も巨大な筋肉はグラフを見てもらったらわかる通りFDPとFDSです。FDPは深指屈筋、FDSは浅指屈筋と呼ばれる筋肉のことを指します。この筋肉は前腕の前部に存在する筋肉です。この筋肉は手首と指関節に関わる筋肉であるため、握力トレーニングのような指関節のみを使って筋肉を鍛える種目では理想的に鍛えることはできないでしょう。
ただ、前腕の前部は腕の太さには非常に重要ですが、日焼けしにくい部位であるコトから人の目には見えない筋肉です。ほとんどの場合前腕は後部が外を向いていることが多いため、後部のほうがはるかに外見的に重要です。
この写真に写っている筋肉はほぼすべて前腕の後部です。
後部の中では腕橈骨筋と呼ばれるヒジと前腕の中央部にまたがる筋肉が最も目立つ筋肉であると断言できます。前腕を太くしたいと考えている人のなかで腕橈骨筋を特にデカくしたい、前腕=腕橈骨筋と思っている人も少なくないほど重要な筋肉です。
つまり前腕で重要な筋肉は浅指屈筋と深指屈筋、そして腕橈骨筋です。
それではここから前腕を鍛える最強種目を紹介します。
最強種目
ここからは前部、そして後部、特に腕橈骨筋を鍛える最強種目について解説していきます。
後部 腕橈骨筋
腕橈骨筋は前腕に位置に存在する筋肉ですが、実は明確には前腕ではありません。この筋肉は手首と指関節にまたがる筋肉ではなく実は手首とヒジ関節にまたがり、上腕二頭筋や上腕筋とほとんど同じです。
腕橈骨筋を鍛えるときほとんどの人が考えつくのがハンマーカールやリバースグリップカールだと思います。
しかしこれには大きな誤解があります。研究者のmenno henselmans博士はカール中のグリップについてこのように解説しています。
実は科学的なデータに基づくとカールのグリップによって上腕二頭筋、上腕筋、そして腕橈骨筋の筋活動はほとんど変わらないことがわかっています。一般的には手のひらが上になる回外グリップは上腕筋、手のひらが下になる回内グリップは上腕筋や腕橈骨筋といわれていますが、これに科学的な根拠はありません。
この迷信が生まれたのはおそらく効いてる感というまやかしの感覚に多くのボディビルダーが騙されたことが原因です。実際にほとんどの人は回外グリップのカールのほうが上腕二頭筋の活動やパンプを感じます。
しかし、上腕二頭筋は手首の関節にもまたがるため手のひらを上に向けるとわずかにこの筋肉が収縮します。つまり、回外グリップでカールを行ったほうが上腕二頭筋が収縮するということですが、先ほどのレビュー、そしてmenno henselmans博士も話していた通り筋肉は収縮を強めるよりストレッチを強めたほうが成長します。
2023年の新しい研究でも回外グリップ、回内グリップ、ロープを使用したニュートラルグリップで比較を行ったところ、上腕二頭筋はじめ、腕橈骨筋の活動も大きな差がなかったことを示しています。
これはふたつのことを意味します。
ひとつ目、前腕にある腕橈骨筋を鍛える種目は上腕二頭筋と同じです。つまり最高の腕橈骨筋トレーニングというのは最高の上腕二頭筋トレーニングであることを表します。
ふたつ目、カールでは手のひらを下にした回内グリップのほうが優れているということ。これは回内グリップにすることで屈曲筋がわずかに伸ばされるためストレッチポジションで筋肉がより強く伸ばされます。
腕橈骨筋を鍛えるときは回内グリップでストレッチポジションで負荷のある種目を選びましょう。一般的なバイセプスカールのように直立した状態でのカールはストレッチポジションで負荷が完全になくなってしまうため最適ではありません。
おすすめの種目はリバースグリップのプリチャーカールです。これは腕が傾いているためストレッチポジションで十分な負荷がかかるため腕橈骨筋、そして上腕二頭筋、上腕筋を強く活性化させます。
この種目のポイントはふたつです。まず手首。ストレッチポジションでは後部の筋肉を伸ばすためにも手首を曲げましょう。そしてウエイトを持ち上げるときヒジを曲げるのはもちろんですが同時に手首を伸展させて正面に手のひらが見えるようにすると腕橈骨筋だけでなく後部の筋肉も鍛えることができます。
そして座席の高さに注意してください。座席は高すぎるほど腕が垂直になります。しかし、フリーウエイトで腕が垂直に近づくのは厳禁で、これはストレッチポジションでの負荷が弱くなることを意味します。
パーカーフィットネスのおすすめとして座席は出来るだけ低くして腕を横向きに近づけましょう。必ず十分にヒジを伸ばして筋肉を伸ばしましょう。無理に高重量を持ち上げようとしたり完全に力を抜いて勢いよくウエイトを下ろすとヒジを痛めるリスクが出るので注意してください。
前部
前部の筋肉は深指屈筋と浅指屈筋が最大ですが、これらを効果的に鍛えるためにはmilo wolf博士が解説しているように指と手首を使って前部の全体を鍛えること。そして最大まで筋肉を伸ばすことが重要です。
握力トレーニングでは手首の屈曲、そして指関節が伸ばされないため前腕の前部を鍛えるときはダンベルリストカールがおすすめです。
ベンチ台に前腕を置いて手首だけ外に出します。一般的なリストカールはダンベルを握って手首だけを屈曲させますが、ダンベルを指先に向かって転がす運動を追加するとこのトレーニングの効果が飛躍的に高まります。スタートでは出来るだけ指先にダンベルを転がして落ちる寸前で手首を屈曲させるのと同時に握りこみます。
これによって指関節と手首の関節を使って前部のすべてを鍛えられることはもちろん指を開くことができるためこの筋肉が最大まで伸ばされます。
おすすめとしてこのリストカールはダンベルがおすすめです。t1というのもバーベルやEZバーは完全に固定されているため人によっては手首を曲げたときに違和感や不快感が出る可能性があるため自由度の高いダンベルが安全で効果的でしょう。
注意点としてはダンベルを握りこむときにヒジを曲げて上腕二頭筋の力を使わないように注意してください。ヒジから手首までベンチ台につけて固定させてヒジ関節を使わず手首と指だけを曲げましょう。
筋トレメニュー
前腕はそこまで巨大な筋肉ではありませんが、数十倍のサイズがあるほかの筋肉よりも目立つ筋肉です。この筋肉を巨大化させることであなたの印象は大きく変わります。
前部を成長させる最強種目はダンベルを使ったリストカール。後部、腕橈骨筋を鍛える最強種目はリバースグリップのカールです。
前腕はほかの筋肉のトレーニング、特に背中のトレーニングでも重要な働きを兼ねているため、背中を鍛える前に前腕を鍛えるのはおすすめしません。基本的には最後にこの筋肉を鍛えるのがいいと思います。
そしてこの前腕で働く手首の関節は非常にデリケートであるため、手首を痛めやすかったりトレーニングで違和感を感じる人は比較的低負荷高回数で鍛えるのがおすすめです。20~30repで限界になるトレーニングは安全に筋肉を鍛えられます。
まずは1日3setずつを週に3回から始めましょう。時間があまりない人は前腕の前部と後部は拮抗筋なのでリストカールが終わったらすぐにリバースグリップのカールを行うとVOLを損なうことなく短時間で筋肉を鍛えられるのでお勧めです。


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