腹筋がシックスパックに割れるまでにかかる時間は?知らずに諦めないで!
「腹筋を割りたい」でもどれくらいかかるんだろ
フェリックス博士の調査によると多くの女性は男性の腹筋に魅力を感じる傾向があり、調査を行った13%の女性はどの筋肉よりも男性の腹部の筋肉に魅力を感じると答えました。確かに割れた腹筋というのはカッコイイ体の代表格ですが、みなさん一度はこんなことを考えたことはありませんか
「今年こそ絶対シックスパックつくる!」
でも「腹筋を割るのにどれくらいの時間がかかるのか」
「腹筋を割るために何をしなければいけないのか」
そして、「思った通りに腹筋がつかない」、「毎日腹筋運動してるのに何で結果が出ないのか」、「半年たっても変化を感じない」と悩むこともあるはずです。
科学的な事実を見るとスムーズに腹筋を割って体を変えるためには腹筋が落ちるまでの時間を理解して、より早く腹筋を割るための3つのポイントを意識する必要があります。
しかし、これを知らずに損をしている人も多く、頑張っているのに腹筋が割れない、お腹の脂肪がずっと落ちないと絶望して最後にはトレーニングをやめてしまう人も多くいます。
この記事では最新のデータ、実際の体験談、専門家のインタビューなどを基に腹筋が割れるまでにかかる時間と効率的、そしてより早く腹筋を割るためのポイントを紹介します。
解剖学的な腹筋
「腹筋を鍛える」「腹筋を割る」というとトレーニング初心者の人などは腹筋という筋肉を鍛える必要があると感じてしまうと思いますが、実は腹筋という筋肉はありません。
解剖学的に腹部にある筋肉全体を腹筋といいますが、この腹筋にはどんな筋肉があるでしょうか。
まずひとつ目、腹直筋。この筋肉が皆さんの思う腹筋と呼ばれる筋肉です。お腹の正面にあり、シックスパックや割れた腹筋はこの腹直筋のセパレートのことを指します。この筋肉が働くのは脊椎の伸展や屈曲など背中を丸めたり伸ばすことでこの筋肉が縮んだり伸びたりします。
誤解している人が多いですが、腹筋に股関節の屈曲は重要ではありません。研究者のmilo wolf博士は腹筋トレーニング最大のミスは股関節の屈曲を優先することだと答えています。
例えばこの二つの腹筋トレーニングを見て多くの人がこっちの上半身を起こすタイプのトレーニングが適していると答えます。しかしこれは股関節の屈曲といって脚を前に出す運動を使用しています。脚が固定されているのでわかりづらいと思いますが、この運動で使用されるのは大腿直筋という脚にある筋肉です。
腹直筋で重要なのは猫背のように背中を丸める運動であるため正解は顔を上げて自分のお腹を見るようなフォームです。
そしてこの腹直筋は遺伝的に形が決まっています。ある調査によると腹直筋の形には個人差があり76%が6パック、9%が4パック、14%が8パックであるようです。割れた腹筋といえばシックスパックといわれることが多いですが、すべての人が必ずしも6つのセパレートができるわけではないことを理解しておく必要があります。
そして、もう一つお腹にある筋肉は腹斜筋です。これは外腹斜筋と内腹斜筋がありますが腹直筋と同じく背中を丸める運動にも関わります。ただし、重要な運動は背中を曲げたり外側に回転させる運動によって強く活性化されます。
非常に重要なポイントは体の外見にこだわる場合、腹斜筋をトレーニングする必要はありません。多くの科学者が同意していますが、外見的には腹斜筋を鍛えるとウエストが太くなって逆三角形というよりは四角形に近くなります。これは腹斜筋はお腹の横についている筋肉であるためこの筋肉が大きくなると必然的に横に大きくなるからです。
ほかにもお腹には腹横筋などありますが、スポーツパフォーマンスなどは除いて体の外見にこだわりたい場合は腹直筋に集中して鍛えるのがいいでしょう。
腹筋が割れるまでにかかる時間
腹筋を割りたい。今年こそは絶対シックスパック作ってやるという人。まず断言します。今から頑張れば絶対に夏までに腹筋を割ることはできます。
ただし腹筋はほかの筋肉と違って特殊なアプローチが必要であることを理解しなければいけません。例えば腕を太くしたい場合、腕にある筋肉を鍛えて大きくすればまず間違いなく腕は太くなります。
しかし、腹筋を割るときはただ腹直筋をたくさん鍛えて成長させればいいわけではありません。
「Abs made in the kitchen」腹筋を割るうえで非常に重要な格言です。腹筋を割るためにはまず3つの選択肢があります。
ひとつ目は、腹直筋を鍛えて成長させること。ふたつ目はお腹の脂肪を落とすこと。3つ目はお腹の脂肪を落としながら腹直筋を鍛えること。
この中で現実的に可能なのはふたつ目と3つ目です。というのも腹直筋という筋肉はお腹の皮下脂肪の下にあるため脂肪というカーテンに隠れています。ある程度の体脂肪率なら腹筋をとんでもなく成長させれば痩せることなく腹筋を割ることができますが、この脂肪の量によってはどれだけ鍛えても割れた腹筋は見えません。
最低でも体脂肪率は15%以下にする必要があります。
そして、腹筋を割るためには筋トレよりもこの皮下脂肪を落とすほうが重要であり、研究者のmenno henselmans博士はシックスパックを手に入れるためにほとんどの人は腹筋を鍛える必要はないといいます。
腹筋はそもそも割れており、トレーニングで決まるのはそのサイズのみです。例えば筋トレを一切していない人でも皮下脂肪の量がすくなければ腹筋のセパレートができ、割れた腹筋を確認することができます。
しかし、この腹筋はほとんどの人が理想とするものではないと思います。トレーニングを一切していない体脂肪率が低い人の腹筋は凹凸がほとんどなく中身が抜けたようなやせ細った見た目になります。加えて今腹筋が割れていない人は体脂肪率がそもそも高い可能性が非常に高いため、腹筋を一切トレーニングしないで割ろうとするとかなり痩せる必要があるため、筋トレをしている人より割るために非常に長い時間がかかったり、そもそも不可能といってもいいでしょう。
そのため、パーカーフィットネスが腹筋を割りたい人全員におすすめするのがお腹の皮下脂肪を落としながら腹直筋を鍛えて成長させることです。ほとんどの人は腹筋を割るためには皮下脂肪と筋肥大の両方が必要です。
これをすれば脂肪燃焼と筋肥大、両方からアプローチができるため最短で腹筋を割ることが可能です。
これにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
まず、筋肉が成長するためには筋肉が機械的な緊張に適応することで起こります。簡単に言うとウエイトトレーニングするあなたの生活習慣に筋線維が慣れることで起こります。そして、体脂肪は基本的にエネルギーの貯金のようなものです。つまり、毎日エネルギー不足を作ればあなたの体は脂肪を分解していきます。
結論から言うと「腹筋はそう簡単には割れない」。これを前提として知っておいてください。テレビでは「1ヶ月で-10kg」「1ヶ月で腹筋を割る」ダイエット法や筋トレ法が紹介されていますが、これを鵜呑みにするとほとんどの場合腹筋を割ることは成功しません。
というのも無謀な高すぎる目標設定をするといつまでたってもゴールが見えず、途中で挫折しやすくなります。
マクドナルド博士ガイドラインによると筋肉が最もつきやすいトレーニング1年目でも毎月ほぼ1kgの筋肉量の追加が限界であり、2016年の調査では脂肪燃焼量には上限があることを示しています。この研究では体脂肪が落ちるスピードについて次のように言及されています。月1kg以上の体脂肪を落とすことは不可能である。
これは全身の筋肉の成長量、体脂肪の減少量であり、腹筋やお腹の脂肪についてはもっと少ない量であることにも注意しなければなりません。1か月で割れた腹筋を手に入れたり、バキバキに腹筋が割れることはかなり難しいです。
そして非常に重要なポイントですが、腹筋が割れるまでにかかる時間は皆さんの皮下脂肪の量にかなり依存するためほとんどの場合あなたの皮下脂肪の量によって決まります。
これは体脂肪率についての大体の目安です。腹筋が今現在割れていない人は14%以上体脂肪率があることがほとんどであり腹筋を鍛えたことがない人は10%近い体脂肪率でも割れないことがあります。
体脂肪率20%で腹筋を割るのも、筋トレはせず体脂肪率6%をずっと維持するのも現実的ではないため、最短で腹筋を割りたい人は体脂肪率10~12%を目指しながらダイエットをして同時進行で腹筋を鍛えて腹直筋を成長させるのがいいでしょう。
ボディメイクには筋肉をつけてから痩せたほうが効率がいいといわれることもありますが、実は筋肉の成長効果を全く落とさず痩せることは可能です。このあとエビデンスなどを加えて詳しく解説しますが、筋肉の成長と脂肪の燃焼を同時に行うのが最短ルートです。
パーカーフィットネスの今までのクライアントの方の例を考えてもほとんどの場合、筋肉の成長よりも脂肪を落とすのに時間がかかります。目安として体脂肪率は1か月でマイナス1~2%程度です。体脂肪率15%の人は3か月、20%の人は半年近くかかることを理解してください。
ただし、ガイドライン、そしてこの研究の数字は平均値であるため必ずこのスピードや筋肉量が上限であるわけではありません。「こんなに早く筋肉着かなかった」という人もいれば「もっと早いペースで筋肉がついた」「もっと速いペースで脂肪を落とすことができた」という人もいると思います。
効率的なトレーニング法を知っていればこれよりたくさんの筋肉をつけることもできますし、パーカーフィットネスはそういった論文やクライアントの方を見たことがあります。
実際、最近行われた新しいレビュー研究では筋肉の成長と時間経過についての研究をまとめて分析したところ、4週間で筋肉の成長が確認でき、体脂肪についても1年で1kgが限界というのは絶対的なものではなく、その後の研究でこの主張の科学的信頼性はそれほど高くないことを示しています。
ただ、逆に科学的事実に基づいたトレーニング法を知らずに、感覚や根性のみでトレーニングするとこれより長い時間がかかったりいつまでたっても体が変わらず途中で挫折してしまう可能性があります。ここからは最短で腹筋を割るための筋トレ法、ダイエット法を紹介します。
腹筋を最短で割る方法
腹筋を割るための最短の方法は腹直筋を鍛えながら脂肪を落とすことですが、皆さん一度はこんなこと聞いたことありませんか?脂肪を落としながら筋肉をつけることは不可能である。
「筋肉をつけながら脂肪を燃やす。」これは熱力学の観点から矛盾しています。
例えば筋肉の構築と脂肪の燃焼についての考え方の最も主流なものは筋肉をつけるためには余分なカロリーを摂取する必要があり、脂肪を減らす場合はカロリーを不足させる必要があるというものです。
これはエネルギーの観点から理にかなっています。積み木をより高くするには新しいブロックを追加する必要があるからです。これと同じで筋肉を増やすためには余分なエネルギーが必要であり、逆に脂肪を落とすことは自分が体重を維持できるエネルギーを不足させて体が機能するために必要なエネルギーを脂肪を分解することで補ってもらいます。
これにより脂肪の燃焼と筋肉の構築は矛盾しているため不可能のように見えます。
しかし、断言します。膨大な数の研究に裏付けられているように筋肉をつけながら脂肪を落とすことは可能です。そもそも筋肉の成長や脂肪の燃焼についてはこの熱力学の単純な理論では説明できません。
例えば近年の科学的なデータではバルクアップや増量期のように大量のカロリーを摂取することは推奨されておらず、余分なカロリーは筋肉の成長に何のメリットもないことを示しています。ある研究では被験者に600Cal(kcal)余分に与えても筋肉の量が大幅に増加するということはなく、体脂肪だけが3倍以上増加したことを示しているようにカロリーの足し算引き算のみで筋肉が増えたり落ちるわけではありません。
実際にサッカー選手を対象にした研究では174kg以上のスクワット、131kg以上のベンチプレスができる被験者でも筋肉が成長しながら脂肪が落ちる体のリコンプが見られました。そして2020年のクリストファーバラカット博士の研究では「体の再構成: 訓練を受けた個人は筋肉を構築し、同時に脂肪を失うことができますか?」というタイトルでリコンプについて直接データをレビューしました。
多くの研究を分析した結果、「体脂肪率が比較的高いトレーニングを受けていない被験者の場合、リコンプが数え切れないほど記録されています。しかし、より体脂肪率の低い個人や筋トレ経験がある人にとってもリコンプは可能である」ということを示しています。
それでは何をすれば腹筋を成長させながら脂肪を落とすことが出来るのか。これについて絶対に守るべきポイントを紹介します。間違った方法でこれをやろうとすると筋肉を破壊したり、筋肉が一切成長しないまま脂肪だけが落ちたり、トレーニング効果を完全に打ち消してしまうので必ず押さえましょう。
筋トレ
腹筋を割るためのまず最初のステップは筋トレです。筋トレをすることの一番のメリットは腹直筋が成長することです。おそらくほとんどの人にとって理想的な腹筋はこのように凹凸がほとんどないものではなくボディビルダー、フィジーカーのような立体的な腹筋、そして深いセパレートのある腹筋だと思います。
こういった立体的な腹筋は腹直筋のトレーニングが必要です。それでは腹直筋を鍛えるときはどんなトレーニングが理想的なのでしょうか。
まず最悪の腹筋トレーニングを紹介しましょう。これはあなたの腹部の脂肪を燃やさず筋肉も一切成長させません。それはEMSです。
EMSというと初めて聞いたという人も多いと思いますが、簡単に言うと筋肉に電気刺激を与えて筋肉を成長させたり脂肪を燃やしたりすることができると謳われている商品です。日本でも販売されていますが、研究者、専門家はかなり懐疑的で実際これが本当に脂肪を落としたと裏付けるデータはかなり不足しています。
世界的な権威であるブラッドシェーンフェルド博士は「この器具は脂肪燃焼に効果がなく、筋肉の発達にも効果があるかは不明である」と答えており、史上最高のスポーツ科学書籍に選ばれたThe Sketic’s Guide to Sports Scienceの著者であるニックティラー博士は「このEMS機器の科学的データは説得力があるように見えるが実際は曖昧である」と指摘しています。
2019年に発表されたレビューでは長期的なEMS機器の使用に関する19件の研究が含まれていました。結果的にEMS機器の使用によってポジティブな影響が確認されましたが、被験者の多くは高齢者の女性でほとんど運動をしていない座りがちな人々であり、低筋量、低機能強度、肥満に苦しんでおり、治療的運動介入、簡単に言うと運動することが健康のために特に重要である被験者であったことに注目する必要があります。
公開されているEMSについての研究の約半数は高度な栄養サポートなど結果を混乱させる要素が入っており、特に重要なのはポジティブな影響を示すデータのほぼすべての研究が通常の運動に併用してEMS機器を使用していることです。
例えばEMS機器の使用によって筋肉が成長していたり、体脂肪量が減ったということがわかったとしても被験者は筋トレをするよう指示されていたり、カロリー制限の食事を行うように指示されていた場合、結果は本当にEMS器具のおかげであるのか、運動や食事制限のおかげじゃないのかという疑問が必ず出ます。
この主張が疑わしい人はEMSについてのポジティブな影響を示すデータを細かく見てください。ほとんどの被験者がEMSと運動を併用しており、EMSのみの使用でポジティブな影響を示すデータはありません。
実際、ティラー博士もEMS機器の研究で「運動をしない場合、EMSが効果的であるという証拠はなく、この機械の恩恵を受ける可能性が最も高いのは高齢で運動能力が低く、回復力が低い。おそらく併存疾患、身体的制限、運動への熱意や能力が低い人々である」と答えています。
EMSの科学的データは簡単に言うと脂肪燃焼効果はゼロである可能性が非常に高い。筋力や筋肉の成長についても議論の余地があり、この器具のみの使用でメリットを示すデータはほとんどなく、少なくともEMSの使用で腹筋が見違えて変わったり、筋肉量が大幅に減ることはないでしょう。
腹筋を成長させるためにはウエイトトレーニングをしましょう。とはいっても腹筋をトレーニングはそもそも必要あるのでしょうか。
腹筋を成長させるうえでボディビルの昔からある常識では腹筋トレーニングは必要ないというものがあります。これはほとんどの人が一度は聞いたことがあると思います。
腹筋はウエイトを上げるときに体を安定させる筋肉であるため、スクワット,デッドリフトなどのコンパウンドトレーニングで十分に活性化されている。そのため、直接的な腹筋トレーニングはやらなくても他の筋肉を鍛えていれば腹筋は成長し、コンパウンドトレーニングに加えて腹筋トレーニングをすることは腹部の筋肉だけ成長しすぎることになって外見を損ねる可能性があるというものです。
これはかなり有名な常識で実際に腹筋を鍛えないという人も少なくありません。
しかし、科学的なデータを見ると確かにコンパウンドトレーニングでも腹筋は活性化されていますがその活動率は筋肉が成長するためには明らかに不十分です。
2014年のオーバーヘッドスクワットとバックスクワット中の筋肉の活動を調べた研究ではスクワット中の腹直筋と腹斜筋の活性化はクランチと比べると非常に小さい結果が得られました。このことから研究者たちはスクワットがコアマッスルの筋肉を成長させるために大きな刺激を与えるという情報を支持しないことを示しています。
腹筋は鍛えなくても成長する。これは間違いである可能性が高いです。一般的に腹筋トレーニング以外で腹筋が成長することはありません。おそらくこの常識はボディビルダーにとって腹筋はそこまで重要な筋肉ではないこと。そして脂肪を落とせば割れるため鍛えられていなくても問題がないことがおそらく原因です。
重要なポイントはまず解剖学的な運動です。先ほど解説したように腹筋トレーニングの最大のミスは股関節の屈曲を過大評価することです。腹直筋は脚を上げるのではなく背中を丸める運動で最も強く働くため腹直筋を鍛えるときはこの運動を意識しましょう。
つまり、あなたが行う種目はレッグレイズのように足を持ち上げる運動ではなくクランチのように背中を丸める運動です。
そして最も重要なポイントは筋肉が伸びた位置で負荷がかかることです。科学的な研究によって筋線維が伸びた。つまりストレッチしていて長い状態になっているときに最も負荷のかかるトレーニングが筋肉を最も成長させる可能性が高いことを示しています。
実際、2024年の12月17日に公開されたかなり新しい研究ではケーブルサイドレイズはダンベルサイドレイズよりも約40%三角筋中部を成長させたことを示しています。
ほとんどの人がイメージする腹筋トレーニングは9割近くがこの理想的な抵抗曲線とかけ離れています。例えばベンチに寝転がった状態で行うクランチも背中がベンチに触れた段階で負荷がゼロになります。ほとんどの腹筋トレーニング種目は収縮した位置が最もつらく、ストレッチポジションで負荷がありません。
しかし、腹直筋は背中を丸めたときに収縮するためストレッチポジションで負荷をかけるためには背中を反らした状態で負荷のかかる種目でなければいけません。
腹直筋を鍛えるときに非常に有効なのは腹筋ローラーです。この種目はやったことがある人ならわかると思いますが、腹筋が伸びた。つまり体が前に倒れて腹筋が伸びてから体を丸めるのが一番つらく、筋肉に負荷がかかります。
実際ある研究ではプランクで腕を前に出してより腹筋が伸びた状態で行うことで腹直筋の活動が大幅に増えたことを示しており、これ以外にもこれを裏付けるかなりのデータがあります。
ただしこのトレーニング種目の欠点はレベルです。立ち上がった状態はもちろんヒザ立ちで行う腹筋ローラーでもトレーニングレベルが非常に高く、初心者だったり体重が重い人はかなり難しいです。そこでおすすめなのがケーブルを使ったクランチ。一般的にこれはマシンに顔を向けた状態で行いますが、これだとストレッチポジションで負荷がかからないため、マシンに背中を向けた状態で行います。
ケーブルの高さは頭の位置に設定してストレッチポジションで負荷が最大になるようにします。マシンでトレーニングするときのポイントですがウエイトを下げたときにプレートが完全に下に下がってしまうと負荷が無くなってしまうのでトレーニングが終わるまでウエイトはずっと浮かせた状態で行いましょう。
こういったフォームを見ると「腰を痛めそう」と心配になる人もいますが、menno henselmans博士も答えているように健康な人が正しく行えている場合、この種目で腰を痛めたりする可能性はかなり低いです。自分の力に合わせて負荷を調節してください。
脂肪燃焼
腹筋を割るうえで筋トレも重要ですが、間違いなくそれより重要なのは低い体脂肪率を実現することです。クライアントの方から腹筋を割りたいという相談を受けたときにダイエットと筋トレは7:3でダイエットのほうが重要とアドバイスさせていただきます。
それくらい脂肪を落とすことは重要で、いくら最高の筋トレをしていても体脂肪が多ければ腹筋が割れることはありません。
それではお腹の脂肪を落とすために何をしなければいけないのか。最も効果が高いのは食事制限です。
物理学の分野で最も有名な方程式はアインシュタインが導いたE=mc二乗ですが、脂肪燃焼で最も有名な方程式は体脂肪=摂取カロリー-消費カロリーです。摂取カロリーが消費カロリーよりも多ければ体脂肪は増え、消費カロリーが摂取カロリーよりも多ければ体脂肪は減ります。ダイエットや脂肪燃焼を単純化すると「消費カロリーを上げるか」「摂取カロリーを下げるか」この二択ですが、効率を考えると圧倒的に後者です。
SNSでのメッセージ、そしてクライアントの方からこんな相談を受けます。「食べるのが好きなので食事制限をせずに痩せたいです」「ハードな運動メニューでもいいので好きなものを食べたいです」
確かにこういったダイエット法は誰しも理想です。聞きたくない現実かもしれませんが、ハッキリ言うと食事を改善せずに痩せることは無理です。というのも実はカロリー消費には限界があり、最近のレビューでは有酸素運動のみで脂肪を落とすことはほとんどできないことがわかっています。
脂肪を落とすためには運動と食事制限を組み合わせるのがベストですが、すでに運動はウエイトトレーニングで満たしているため脂肪を落とすために意識することは食事です。そして、その食事制限や栄養摂取についてもかなり重要なポイントがあり、食べなければいいということではありません。
腹筋を割るためには筋肥大と脂肪燃焼が重要ですが、最近おこなわれたメタ分析にも示されているようにカロリー赤字が500kcalを超えると筋肉が極端に破壊されることがわかっています。
テレビやSNSでは1か月で10kg体重を落としたり、1週間で体重をキロ単位で落とせた人が紹介されることも少なくありません。しかし、体重減少は脂肪だけに限ったことではありません。
例えば筋肉を落とせば脂肪を落とすよりも早く体重を落とせますし、サウナに行ったりハードな運動をすれば体内の水分量を減らせるため、簡単に2~3kgは体重を落とすことができます。筋肉の減少は代謝の低下に繋がり、リバウンドの原因になることはもちろん腹筋が成長しなくなるため、ダイエット後理想的な腹筋とはかけ離れてしまいます。
科学的なガイドラインとして脂肪を落としながら筋肉を成長させるためには体重維持カロリーから-500kcal以内が理想的です。目安としてウエイトトレーニングをしてる男性が2000kcal、女性が1500kcalほどです。
ここからパーカーフィットネスが数多くのクライアントの方のダイエットを成功させてきたポイントを紹介します。
まず、タンパク質をたくさん摂りましょう。
これには2つの理由があります。まずタンパク質は筋肉の成長や維持のために最も重要です。そして、タンパク質は熱発生性が最も高い栄養素であるため、摂取することでわずかに代謝が上昇する可能性があります。
タンパク質をたくさん摂取するほど脂肪が減り、筋肉がつきやすくなります。実際、最近行われたレビューでもカロリー制限、ウエイトトレーニング、高たんぱく食の3つを組み合わせると最も脂肪が落ちることがわかっています。
体重1kgあたり2.0gを目標にしてたくさん摂取しましょう。
そしてふたつめ。クライアントの方からダイエット中のアルコール摂取について相談されることがあります。結論から言うと飲むよりは飲まないほうが良いです。ただし、ラベルに書いてあるカロリーを知って飲んでも目標カロリー以内であれば問題ないと思います。実際ビール腹と呼ばれることもありますが、アルコールが優先的に脂肪に変換されたり、お腹に脂肪を蓄積するという十分な証拠はありません。
そしてもうひとつ相談されるのが食事のタイミングや順番、例えば夜食べたら太りやすくなる、野菜から食べたほうが太らないといわれていますが、科学的には食事量が同じであれば順番やタイミングはほとんど関係ありません。どんなタイミングでどんな順番で食べても問題ありません。
ダイエットが失敗してしまう人に特に多いのが、気にする必要がないことに意識を向けすぎてストレスをため込んでしまうことです。
科学的には体組成のほとんどを決めるのはカロリー摂取量とたんぱく質摂取量であることがわかっています。これさえ意識していれば十分でタイミングなどを気にする必要は全くありません。
テレビ、そして一部のボディビルダーやYoutuberの中には減量していくと代謝が下がって体重減少が停滞する。チートデイを挟むのが良いと主張する人もいます。しかし、体重減少が停滞するのは炭水化物が原因です。この栄養素は体内の水分量を増やす働きがあるためダイエットをスタートすると炭水化物摂取量が減って水分量が減るので体重がすぐに落ちますが、このボーナス期間が終わると体重減少が停滞します。
ただしこれは体内の水分排泄が終わって脂肪が燃え始めることを意味します。停滞こそ本当に脂肪が落ちるペースです。脂肪は少しずつしか燃えないので体重計にはすぐに表れませんが、ここでチートデイを行うと脂肪燃焼モードを自ら無駄にしていることになります。
ダイエットは一定のカロリー赤字を継続して行うのが最短で脂肪を燃やす方法です。
まとめ
腹筋を割りたい人は腹直筋を鍛えましょう。腹斜筋を鍛えるとウエストが太くなってしまうので外見を求める人は腹直筋に集中して鍛えるのがおすすめです。
最短で腹筋を割るためには腹直筋を成長させることと体脂肪を落とすことです。これがほかの筋肉とは大きく異なる点です。腹筋を割りたい人が目指すべき体脂肪率は10~12%ほどですが、1ヵ月で落とせる体脂肪というのは限界があるため、腹筋を割るためには3か月は覚悟しておく必要があります。
腹直筋を成長させ、お腹の脂肪を落とすためにやるべきなのはウエイトトレーニングと食事管理です。科学的に裏付けられた方法はこのふたつしかありません。腹筋を割るためにEMS機器を使用したり体脂肪を落とすサプリメントを買う人も少なくありませんが、これは科学的な裏付けがほとんどありません。得をするのはメーカーだけであなたの体には何の影響もないでしょう。
腹筋を割るための筋トレでは解剖学、そして科学によって裏付けられたトレーニングをする必要がありますが、かなり多くの人がミスを犯しているので注意しましょう。まず脊椎の屈曲、背中を丸める運動をメインにして鍛えましょう。
ヒザに頭をくっつけるように上半身全体を起こす運動は股関節屈曲といって大腿四頭筋がメインの運動です。お腹のあたりを見るように背中だけを曲げると腹直筋が最大まで働きます。
そしてこの筋肉が伸びた状態で負荷をかけると筋肥大効果が大きく上昇する可能性がありますが、腹筋トレーニングの代表的なもののほとんどは腹直筋が伸びた状態で負荷がかかりません。
腹直筋を鍛える最高の種目はアブローラーやケーブルマシンに背を向けた状態で行うケーブルクランチです。これを高頻度で少しずつ鍛えると筋肉がより成長することを示す多くのデータがあります。信頼性の最も高いレビューにも示されているように一気に10set、20setやるよりも3setを毎日やったほうが筋肉は成長します。
注意点としてアブローラーに特に多いですが、ストレッチポジションをカットして体を十分下まで下げていない人がいます。これは腕立て伏せで体を下げていないのと同じで筋肉の成長効果が大幅に下がります。バイセプスカールでの研究にも示されているように、たとえ高重量を扱ったとしてもストレッチポジションを確保すると筋肉の成長効果が下がります。ヒザ立ちで行うなど強度が弱くなってもいいのでストレッチポジションを確保してください。
そして、ケーブルクランチではきつくなってくるとお尻を後ろに下げやすくなるので注意してください。腹直筋に負荷を集中させるためにはお尻は固定させて上半身のみを動かしましょう。
そして最も重要なのが栄養管理です。どれだけ最高のトレーニングをしても体脂肪率が高いと腹筋が割れることは一生ありません。腹筋を割るために重要なのは-500kcalを維持することです。男性の場合は2000kcal、女性の場合は1500kcalが目安です。あまりにもカロリーカットをし過ぎると筋肉が破壊されるので注意してください。
そして、タンパク質を多く摂取することも重要です。信頼性の高いレビューによると体重1kgあたり1.6gのたんぱく質を摂取すると筋肉の成長が最大化されるようです。体重60kgの人は100g、70kgの人は120gほど必要になります。栄養摂取について理解を深め、目標に最短で近づくためには栄養を数字で管理することが非常に重要です。何か買うときは必ずラベルに書かれているカロリーや栄養素をチェックしてください。
トレーニング指導させていただいている方の中には、家族に料理を作ってもらっているという方も少なくありません。こういった方は自分の摂取カロリーやマクロ栄養素などを把握することが難しいため、可能なら自分で食事を用意することを強く推奨します。
このダイエットを継続していくと1ヶ月で1~2kg落ちるため、体脂肪率が高い人でも半年あれば十分腹筋を割ることができます。今からやれば絶対に夏までに間に合います。
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