
腹筋してるのにお腹の脂肪が落ちない人。実は脂肪を燃やすためには動かして燃やさなければなりません。腹筋をしてる人は動かしてるだけなんです。
この記事では科学的なデータによって判明した脂肪燃焼理論と。それに基づいたお腹の脂肪を最後まで燃やし切るトレーニング法を紹介します。
腹筋をするとお腹の脂肪が落ちる理由
なぜ腹筋はお腹の脂肪に効くのか。腹筋をするとお腹の脂肪が落ちる理由について説明します。
まず前提として、これまでは「部分痩せは不可能」と考えられてきました。実際に、腹筋運動だけを行っても腹部の脂肪はほとんど変わらないという研究が多く、この考え方は長年の常識になっています。
ただし、最近の研究ではある要素を追加すると部分痩せが実現することがわかりました。
例えば2023年の研究では、同じカロリー消費量になるように条件を揃えた場合でも、腹筋トレーニングを行ったグループは腹部の脂肪がより減少し、有酸素運動のみを行ったグループは脚の脂肪がより減少するという結果が報告されています。

つまり、体は完全にランダムに脂肪を使っているわけではなく、「よく使われている部位の脂肪は優先的に燃えやすくなる可能性がある」ということです。
この現象は「局所的脂肪動員(スポットリポリシス)」と呼ばれています。
ではなぜこんなことが起きるのか。
ここで重要なのが「血流」です。腹筋をすると腹部の血流が促進されます。
脂肪はそのままではエネルギーとして使えません。まず脂肪細胞の中にある中性脂肪が分解され、「脂肪酸」として血液中に放出される必要があります。この過程を「脂肪分解」と呼びます。

そしてこの脂肪分解は、血流の影響を強く受けます。
血流が増えると何がいいのか。これについては3つのメリットがあります。脂肪分解を促進するホルモンが、その部位に届きやすくなります。これらは脂肪細胞に作用して、脂肪を分解するスイッチを入れる役割があります。
さらに、血流が増えることで脂肪細胞の周囲の温度も上昇します。温度が上がると酵素の働きが活性化されるため、脂肪分解の反応自体も起こりやすくなります。
加えて、血流が多いということは、分解された脂肪酸がその部位から血中へ運ばれやすくなるということでもあります。つまり「脂肪が外に出やすい状態」になります。
これらをまとめると、
腹筋を行うことで
・血流が増える
・脂肪分解ホルモンが届きやすくなる
・温度が上がり分解が進む
・脂肪酸が血中に放出されやすくなる
という変化が起きます。
つまり腹筋を行うことで、お腹周りの脂肪は動員されやすくなるんです。ただ、ここで重要になるのは腹筋をしてるときは脂肪はあくまで「動いただけ」です。
実はこのあとが一番重要になります。ここで止まると、放出された脂肪酸は再び脂肪として体に戻ります。つまり、腹筋だけでは脂肪は減らない理由はここにあります。
動かしただけで終わっているからです。じゃあどうすればいいのか。
お腹の脂肪を動員する腹筋運動
では実際に腹筋をやっていきます。ここで重要なのは「とりあえず回数をこなす腹筋」ではなく、脂肪をしっかり動かすための腹筋をやることです。
というのも軽い負荷でただ回数をこなすだけの腹筋ではほとんど意味がありません。理由はシンプルで、刺激が弱いと血流が十分に上がらないからです。脂肪を動かすためには、10回〜15回でかなりきつくなるくらいが目安。
何十回、何百回とできる腹筋運動では血流は促進されないので脂肪も動きません。
今回は家でもできて、かつ体脂肪が多い人でも現実的にできる種目に絞ります。
まず1種目目、クランチです。床でもいいですが、できればベンチやソファ、なければ少し高さのある場所に寝て、背中を少しだけ浮かせる形で行います。

というのも背中を軽く反らせるようにして腹筋を伸ばす。これが非常に重要なんです。床でやると背中が地面についてしまっています。例えば科学的なデータでもわかってるようにプランクはお腹をほとんど鍛えられません。なので血流も促進させられず、お腹の脂肪を動かすこともかなり難しいでしょう。
ではやっていきます。しっかり伸ばして、そこから腹筋で丸める。ポイントはクランチは上半身を起こすのではなく背中だけを丸めるのが重要です。意識としては肩より上だけを動かすイメージ。上を向いてから自分のお腹のほうを観ます。
今この動きでお腹周りの血流が上がって、脂肪が動きやすい状態になっています。ここが重要です。今、お腹の脂肪は「使われる準備ができた状態」になっています。
次に2種目目、レッグレイズです。これは床に寝た状態よりもベンチやソファに寝て足を出したほうが腹筋がちゃんと使われます。きつすぎて数回しかできない人は脚を軽く曲げた状態からスタートしてもOKです。特に股関節が伸びた状態の位置ではかなり強い負荷がかかるのできつい人は膝を曲げてください。そこから脚を持ち上げて、下ろすときにゆっくりコントロールします。
ここでもポイントは同じです。しっかりコントロールすること、反動を使わないこと。
もう一度言いますが、ここまではお腹の脂肪を動かしている状態。今の段階では脂肪はまだ減っていません。あくまで血中に放出されやすい状態になっただけです。
ここでトレーニングを終えるとどうなるか。動いた脂肪はまた元に戻ります。ここからが一番重要です。ここから実際に脂肪を燃やしていきます。
有酸素運動
腹筋トレーニングが終わったところで、ここから実際に脂肪を燃やしていきます。
さっきの腹筋で何が起きたかというと、お腹の脂肪が分解されて脂肪酸として血中に放出されやすい状態になりました。ただしここで止まる。トレーニングをやめると放出された脂肪酸は再び脂肪として体に戻ります。これを再エステル化といいます。つまり腹筋してるのに痩せないと悩んでる人は、脂肪を動かしてまたもとに戻しているんです。燃えてない。だから変わらない。

腹筋で動かした脂肪をどうするか。ここで必要なのが有酸素運動です。有酸素運動は血中にある脂肪酸をエネルギーとして使う、つまり燃焼させる役割があります。
先ほど紹介した部分痩せについての研究でも、お腹の脂肪をたくさん落としたグループは腹筋運動だけではなく有酸素運動も行っていました。
脂肪は低〜中強度の運動で燃えやすくなります。高強度では糖質の利用が中心になりますが、軽く息が上がる程度の強度では脂肪の利用割合が高くなります。今はすでに脂肪酸が血中に出ている状態なので、このタイミングで有酸素運動を行うことでその脂肪が優先的に使われやすくなります。
では実際にやっていきます。家でできる有酸素運動として、ベストはマウンテンクライマー、難しい人はその場での早歩きでもOKです。重要なのは強度です。全力ではなく、会話はできないけど続けられるくらいの強度を維持します。
一定のリズムで動き続ける。止まらない。呼吸を止めない。これで血中に出ている脂肪酸を燃やしています。
腹筋トレーニングでやめると意味がないので必ず一定時間は続けてください。目安は最低3分、できれば5分以上です。続ければ続けるほど脂肪は燃料として使われやすくなります。
ここまでやって初めて脂肪は実際に減ります。つまり流れをまとめると、腹筋で脂肪を動かして、その後に有酸素で燃やす。この2つがセットになって初めて意味があります。
これが、お腹の脂肪を落とすための正しい流れです。
まとめ
お腹の脂肪が燃えるプロセスは簡単に言うと腹筋トレーニングによって脂肪を血中に送り込む。そして有酸素運動によって血中にある脂肪を燃やす。この流れが重要です。
なのでまずは腹筋をトレーニングしましょう。
おすすめはクランチ。レッグレイズよりも腹部の血流を促進できます。レッグレイズのような股関節の屈曲は脚の筋肉も働くため血流の促進効果が分散してしまいます。腹筋運動を3~5set行います。体温、血流、ホルモンを十分に促進するためには1RMの70%以上、つまり20回以上できる負荷だと足りません。10~15回で限界になるくらいの負荷。自重で軽すぎる場合はウエイトや荷物を抱えるといいです。
腹筋をするときは背中をそらせる。これがかなり大事です。
1set目が終わったら90秒休んで2set目に入ります。しっかり1分以上は休んでください。というのも腹筋を鍛える理由はお腹の血流やホルモンを促進するためであって、腹筋を追い込むため、疲弊させるためではありません。なので休憩なしでやったり、背中を丸めたままで背中を反らさない、腹筋を十分伸ばさないトレーニングは達成感はあってもお腹の脂肪細胞をあまり動員出来てはいません。
90秒しっかり休んでください。これを最低3set行います。
それが終わったら、次は有酸素運動に入ります。これで腹筋トレーニングで移動した血液中にある脂肪を燃やします。
この有酸素運動はお腹を動かす運動である必要は全くありません。なので有酸素運動はなんでもいいです。ここからジョギングするのもかなりいいと思います。
その場でできるおすすめの有酸素運動がマウンテンクライマー。マットを敷けば音もほとんど出ないのでどんな環境でもできます。
ここでよくある質問ですが、有酸素はどれくらいやればいいのか。目安は最低3分、できれば5分以上です。時間が取れる人は10分やってもらうと効果はかなり高くなると思います。長く続けるほど脂肪は燃えやすくなります。
強度は全力ではありません。HIITみたいに追い込むのは脂肪燃焼にとって逆効果。会話はできないけど続けられるくらいの強度を維持してください。きつくなったらペースを落としてもいいので、とにかく止まらないことが重要です。
テレビや動画を観ながらでも十分出来るくらいでいいです。これでメニューは終了。大体最短で10分、30分あれば十分終わります。
このお腹の脂肪を燃やすトレーニングの頻度についてですが、この流れは週3〜5回が目安です。毎日やっても問題はありませんが、まずは継続できる頻度でOKです。

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