スポンサーリンク

EAA、実はほとんどの人に不要です【科学】

EAAを筋トレ中に飲む人はかなり多いですが、これを肯定する科学的データはほぼ存在しません。

2023年の調査によるとサプリメント業界は2020年に2200億ドルの収益を上げました。しかし残念ながらそのほとんどは科学的根拠のない無駄なサプリメントに使われています。

EAAも例外ではありません。この動画ではEAA、アミノ酸サプリメントに関する科学的データを基に実際の効果と必要なのか不要なのかについて解説します。

スポンサーリンク

CH1 EAAとは何か。なぜBCAAからEAAに移ったのか

EAA。筋トレをしている人なら、一度は聞いたことがあるサプリメントだと思います。今では多くのメーカーやフィットネスメディアが強く推しており、かなり有名な存在です。

まずEAAとは、Essential Amino Acids の略で、日本語では必須アミノ酸です。アミノ酸はタンパク質を構成する材料で、人体には約20種類あります。そのうち9種類は体内で十分に合成できず、食事から摂取する必要があります。これが必須アミノ酸です。つまりEAAサプリメントとは、その9種類の必須アミノ酸をまとめて摂れる商品です。

ここで昔から人気だったのがBCAAです。BCAAとは、ロイシン、バリン、イソロイシン。この3種類だけを抜き出したものです。かつては、筋分解を防ぐ、筋トレ中に飲むべき、回復に良い、筋肥大に有利。こういったイメージでかなり人気がありました。

しかし現在は、BCAA単体についてかなり厳しい見方が増えています。レビュー研究では、BCAA supplementation を支持する十分な証拠はなく、筋力、パフォーマンス、筋肉量への明確な改善は確認されていません。

なぜこうなるのか。理由はシンプルです。BCAAは3種類しか入っていないからです。筋肉を作るには、ロイシンだけでは足りません。筋合成のスイッチを刺激する可能性はあっても、実際に筋肉を作る材料としては他の必須アミノ酸も必要です。たとえるなら、工事開始の合図は出せても、資材が届いていない状態です。

この問題から、業界では次の流れが生まれました。BCAAだけでは材料が足りない。なら、必須アミノ酸を全部入れればいい。これがEAA人気の大きな背景です。

つまりEAAは、BCAAの弱点を補った“進化版”として広まったわけです。

実際、サプリメント系の記事や販売ページでは、EAAについて次のようなメリットがよく紹介されています。筋トレや運動中の栄養補給に適している。カラダづくりをサポートする。効率的に必須アミノ酸を摂取できる。タンパク質より素早く吸収される。トレーニング時におすすめである。

こういったメッセージを見ると、多くの人はこう考えます。BCAAより上位互換なんだ。筋トレ中に飲んだ方がいいんだ。プロテインより優秀なんじゃないか。

そしてEAA市場は一気に広がりました。

ただ、ここで重要なのは、BCAAよりマシであることと、本当に必要であることは全く別の話です。

次の章では、EAAに本当に筋肥大メリットがあるのか、ここから科学的に検証していきます。

スポンサーリンク

CH2 科学的データを基に検証。EAAは本当に必要か

ここから本題です。EAAがここまで評価されている理由は、大きく3つあります。吸収速度が速い。筋トレ中のカタボリックを防げる。飲むタイミングが重要。この3つです。しかし、科学的に見るとかなり怪しい部分があります。

まず、多くの人がEAAを飲むタイミングとして多いのが、朝起きてすぐ、そして筋トレ中です。なぜこのタイミングなのか。背景にはある理論があります。

空腹になると筋肉が分解される。血中アミノ酸濃度が下がると筋分解が始まる。だから素早くEAAを入れなければいけない。こういった考え方です。

かなり広く信じられていますが、ここには大きな問題があります。

そもそもこの前提自体に強い科学的根拠がありません。

人間の体は、数時間食事を空けただけで筋肉を削り始めるほど単純にはできていません。レビュー研究でも、空腹状態での運動が筋肉量に悪影響を与えないとされています。

つまり、朝EAAを飲まないと筋肉が落ちる。トレーニング中に飲まないとカタボる。こういった発想自体がかなり怪しいということです。つまり、筋分解が起きるからアミノ酸を入れないといけない→だからEAAという流れがありますが、そもそも前提条件が科学的にもかなり怪しいということ。

加えてEAAはアミノ酸の状態なので、タンパク質より吸収が速いと言われます。理論上、多少そういう面はあります。しかし、そもそも急いで摂る必要性が弱いなら、吸収速度の優位性にも大きな意味はありません。

しかも実際の研究では、EAAと加水分解Whey protein を比較しても、血中アミノ酸濃度の上昇速度に決定的な差は見られないケースがあります。通常のホエイと加水分解ホエイでも、実用上大きな差は確認されていません。

つまり、EAAだけが特別に速く、筋肥大に有利という証拠はかなり弱いです。

次にタイミングです。トレ前30分、トレ中、トレ直後。このタイミングを細かく気にしてEAAを飲む人はかなり多いです。

ですが、筋肉の成長に最も重要なのは、1日の総タンパク質摂取量で、摂取量が十分である人にとってタイミングのメリットはほとんどないことがわかっています。いつ飲んだかより、1日で必要量を満たしているかの方が圧倒的に重要です。

ここまでをまとめると、EAAが評価される代表的な理由である、吸収速度、カタボリック防止、タイミング。この3つは、実際にはかなり過大評価されており、科学的な根拠はないといえます。

次の章では、では実際にEAAは必要なのか。ほとんどの人に不要と言える理由を、さらに現実的に解説します。

スポンサーリンク

CH3 EAAは必要か。ほとんどの人に不要です

ここまで見てきたように、EAAでよく言われるメリット。吸収速度が速い、筋トレ中のカタボリックを防ぐ、タイミングが重要。こういった主張には、強い科学的根拠がほとんどありません。

いやいや、EAA摂取で筋分解抑制、筋合成促進の論文を観たことあるよ。という人もいるかもしれません。ただし、こういった肯定的なデータはタンパク質摂取量が不足してる被験者が前提です。

ではここで、話をシンプルにしましょう。EAAとプロテイン、どちらが優れているのか。実際に比較してみます。

まず筋肥大効果です。筋肉を増やすという目的で見た場合、現実的には大きな差はありません。むしろWhey protein は必須アミノ酸だけでなく、非必須アミノ酸も含む完全なタンパク質です。研究でも、ホエイプロテインが筋合成を十分に促進することは繰り返し確認されています。

つまり、筋肉を増やす目的でEAAがプロテインを明確に上回る証拠はかなり弱いです。

次に吸収速度です。理論上、EAAはすでにアミノ酸の形なので、タンパク質より吸収が速い可能性があります。ここは否定しません。

ただし、問題はそこではありません。速く吸収されることに、どれほど意味があるのかです。

前の章で解説したように、朝すぐ飲まないと筋肉が落ちる。トレーニング中に補給しないとカタボる。こういった前提自体がかなり怪しいです。つまり、多少速かったとしても、急いで摂る必要性そのものが弱いということです。

しかも実際の研究では、EAAだけが特別に優位と言えるほどの差は確認されていません。

そして最大の差が、コストパフォーマンスです。

EAAはかなり高いです。製品にもよりますが、1か月しっかり使えば数千円から1万円近くかかる商品も珍しくありません。

一方でプロテインは、同じ期間使っても1日あたりのタンパク質コストはかなり安く抑えられます。現在の相場で見ても、タンパク質1gあたりの価格はプロテインの方が明らかに有利です。

つまり比較するとこうなります。筋肥大効果、ほぼ同じ。吸収速度、理論差はあっても実用メリットはかなり弱い。価格、EAAの方がかなり高い。この時点で、かなり答えは見えています。

ほとんどの人にとってEAAは不要です。

プロテインとほぼ同じ目的を果たせるのに、値段だけ数倍高い。これを優先して買う合理的な理由はかなり薄いです。

もちろん、味が好き、飲みやすい、気分が上がる。そういった個人的価値はあります。

しかし、筋肉を増やすために最初に選ぶべきサプリメントかと言われれば、答えはかなり明確です。

まずプロテインで十分です。

次の章では、さらに踏み込みます。なぜここまで高いのか。EAAブレンドという商品構造そのものにある問題を解説します。

スポンサーリンク

CH4 EAAの闇。最適化されているのは筋肉ではなく利益です

ここまでで、EAAが多くの人にとって必要性の低いサプリメントである理由は見えてきたと思います。では、なぜそれでもここまで売れているのか。ここからはEAAという商品の構造そのものに踏み込みます。

EAAは、Whey protein のような天然のタンパク質とは違います。ホエイプロテインは牛乳由来のタンパク質であり、人間が長い歴史の中で摂取してきた食品由来の栄養です。アミノ酸組成も自然に決まっています。

一方でEAAは、9種類の必須アミノ酸を個別に集めて、メーカーが独自に配合したブレンド商品です。

ここで考えてほしいことがあります。

もしあなたがEAAを販売する企業側だとしたら、何を基準に配合を決めるでしょうか。

理想論で言えば、筋肉の成長に最適な比率です。しかし現実の商品開発では、それだけで決まるとは限りません。

原料コスト。味の飲みやすさ。溶けやすさ。利益率。販売価格とのバランス。こういった要素が強く関わります。

つまりEAAブレンドは、筋肉の成長だけを目的に設計された理想的な配合とは限らないということです。

さらに問題なのは、そもそも“最適な配合比率”が明確に確立されていないことです。

ロイシンを増やせばいいのか。バリンやイソロイシンとの比率はどうか。他の必須アミノ酸とのバランスはどうか。運動前後で変わるのか。食事状況で変わるのか。

こういった条件まで含めると、現実には単純な正解を決めることはかなり難しいです。

それにもかかわらず、市場では「独自黄金比率」「高ロイシン配合」「進化版EAA」といった言葉が並びます。

しかし、ここは冷静に見る必要があります。

ロイシンだけ増やしたところで、他の材料が不足していれば筋肉は完成しません。特定のアミノ酸だけを強調しても、筋肥大が最適化される保証はどこにもありません。

つまり、多くのEAA商品は科学的に完成された筋肥大ツールというより、マーケティングしやすいサプリメントとして成立している側面があります。

EAAは中身が見えにくいブレンド商品です。そして、その設計思想が筋肉最優先とは限りません。

では結局何をすれば筋肉は伸びるのか。トレーニング中は何を摂取すればいいのかEAAより何倍も重要な、本当に見るべきポイントを解説します。

スポンサーリンク

CH5 結局これだけでOK。サプリメントは不要です

専門家や科学者の中にはEAAなどのアミノ酸サプリを一切買わない人は少なくありません。理由はここまで話してきたようにプロテインのほうがはるかにコスパが良いから。アミノ酸サプリを買う意味がないから。

ここまで見てきたように、EAAはイメージほど特別な存在ではありません。では、筋肉を増やしたい人は結局何をすればいいのか。答えはかなりシンプルです。

1日のタンパク質摂取量を満たすことです。

筋肥大に関する研究では、体重1kgあたり約1.6g前後のタンパク質摂取で、筋肉の成長はかなり最適化されることが示されています。

例えば、体重60kgなら約96g。70kgなら約112g。80kgなら約128g。このあたりが一つの目安になります。

この量を日々の食事やWhey protein で満たしていれば、筋肉を作る材料は十分です。

実際、Brad Schoenfeld 博士も、タンパク質摂取量が十分である場合、EAAやBCAA のようなアミノ酸サプリメントの追加が有益である証拠はないと説明しています。

つまり、多くの人がやるべきことは、高価なアミノ酸サプリメントを増やすことではなく、まず1日のタンパク質摂取量を確保することです。プロテインサプリを飲んだり高たんぱくの食事をとることでタンパク質をたくさん摂りましょう。

ここで昔からよく言われてきたのが、タンパク質は小分けにしないと吸収されない、1回で大量に摂ると無駄になる、という話です。しかし、これも現在ではかなり単純化された古い考え方です。

最近の科学では、一度に100g以上摂取しても吸収限界のようなものは見られなかったと報告されています。つまり、数時間おきに神経質に小分けしなければ筋肉が減る、という心配はかなり過剰です。好きなタイミングの摂取でOK。

そして、よく聞かれるのがここです。

じゃあ筋トレ中は何を摂ればいいのか。実はこれについてはひとつしかないです。

結論から言えば、絶対に必要なのは水分です。

トレーニング中は汗によって水分が失われます。これによって脱水症状が起こり、集中力低下、パフォーマンス低下、体調不良につながります。ここは本当に重要です。

だから筋トレ中に優先すべきなのは、アミノ酸でも糖質ドリンクでもなく、まず水分補給です。

水。お茶。飲み物。これで十分です。

炭水化物は誤解されやすいですが、一般的な筋トレにおいて、トレーニング中の炭水化物摂取が明確にパフォーマンス向上を起こすケースはかなり限定的です。長時間の持久系競技や極端に長いセッションなら話は別ですが、一般的な60〜90分程度の筋トレで必須と考える根拠はかなり弱いです。

実際高炭水化物摂取をさせてもウエイトトレーニングパフォーマンスには何のメリットもなかったことを最新のデータは示しています。

つまり、多くの人にとって筋トレ中にやるべきことはかなりシンプルです。

水分を摂る。これだけです。サプリメントを持ち込む必要はありません。そして筋肉を成長させるためにはアミノ酸が必要ですが、高たんぱくの食品、またはプロテインサプリメントのほうがはるかに効率的。そもそも企業によって異なる比率のEAAはタンパク質と違って1.6gといった目標を立てることができません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました