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脂肪をつけずに筋肉だけ増やす方法【科学】

筋肉を増やしたい。でも脂肪は増やしたくない。これは筋トレしている人なら、ほぼ全員が思っていることだと思います。ただ、多くの人はここで間違えます。筋肉を増やすために増量する。ただ、増量のせいで体型が崩れたり、せっかく増やした筋肉を落とす人もいます。つまり、筋肉を増やすために増量したのに、結果的に遠回りになることがあります。

今回では、脂肪を一切増やさずに筋肉をつける方法を解説します。具体的には、増量は本当に必要なのか。維持カロリーでも筋肉は増えるのか。赤字でも筋肉は成長するのか。そして、自分は増量・維持・減量のどれを選ぶべきなのか。ここをまとめて解説します。

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CH1 増量神話はなぜ生まれたのか

まず最初に、なぜ「筋肉を増やすには増量が必要」と言われるようになったのか。ここを整理します。増量が必要だと勘違いしてしまうのには主に3つの理由があります。

1つ目の理由は、カロリー不足になると筋トレ効果が落ちるからです。これは事実です。カロリーを削りすぎると、トレーニング中の重量が落ちやすい。回数も落ちやすい。回復も悪くなる。そして筋肉も増えにくくなります。実際、レジスタンストレーニングとエネルギー不足に関するメタ分析では、エネルギー不足は筋力の伸びには大きな影響を与えなかった一方で、除脂肪量の増加は弱めたと報告されています。約500kcal/日以上の赤字では除脂肪量の増加が妨げられたとされています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34623696/

つまり、「食べなさすぎは筋肥大に悪い」というのは正しいです。ただ、ここから多くの人が間違えます。カロリー不足がダメ。だから余剰カロリーを作れば作るほど筋肉が増える。これは完全に飛躍です。正しくは、大きなカロリー不足を避けることが大事なのであって、大きな余剰カロリーを作ることが大事なのではありません。

これは水分と同じです。水を飲まないと体調は悪くなります。でも、水を飲めば飲むほど強くなるわけではありません。カロリーも同じです。足りなさすぎると筋肥大は邪魔されます。でも、余らせれば余らせるほど筋肉になるわけではありません。必要なのは「大量に余らせること」ではなく、「不足しすぎないこと」です。

2つ目の理由は、増量すると体がデカく見えるからです。これも増量神話が広がった大きな理由です。増量すると、たしかに体重は増えます。見た目も大きくなります。服を着た時の厚みも出ます。でも、その体の大きさは筋肉だけではありません。脂肪も増えます。つまり、増量で増えているのは筋肉ではなく、まず体脂肪です。

ここを勘違いすると、「体がデカくなった=筋肉が増えた」と思ってしまいます。でも本当に知りたいのは、体重が増えたかではありません。その体重の中身が筋肉なのか、脂肪なのかです。

実際、トレーニング経験者を対象にした研究では、維持カロリー、5%の余剰カロリー、15%の余剰カロリーを比較しています。その結果、体重増加が速いほど主に増えたのは筋肉の厚みや筋力ではなく、皮下脂肪でした。研究者は、より速い体重増加、つまりより大きな余剰カロリーは、筋力や筋肉の厚みを大きく伸ばすというより、主に脂肪増加を速めると結論づけています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37914977/

さらに、エリートアスリートを対象にした研究でも、栄養指導によってより多く食べたグループは、自由に食べたグループより体重と脂肪量が大きく増えました。しかし、除脂肪量の増加には差がありませんでした。つまり、より多く食べた分がそのまま筋肉になったわけではなく、余分な脂肪として増えた部分がほとんどだったということです。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23679146/

3つ目の理由は、減量後に前の自分の体を正確に覚えていないからです。簡単に言うと失敗下制効果がわかりません。増量して体重を増やす。そのあと減量する。少し絞れた体を見る。すると多くの人は、「筋肉が増えた」と感じます。でも実際には、増量前の体と同じ条件で比較していないことがほとんどです。だから、増量によって筋肉が増えたのか、普通にトレーニングを継続したから筋肉が増えたのか、脂肪が落ちて筋肉が見えただけなのか、正確にはわかりません。

つまり、増量神話が生まれた理由はかなりシンプルです。カロリー不足だと筋トレ効果が落ちる。増量すると体がデカく見える。そして減量後に前の自分を正確に覚えていないから成功したか失敗したかが判断不能。この3つが重なると、「筋肉を増やすには増量が必要」と思いやすくなります。

でも、本当に大事なのは体重を増やすことではありません。筋肉を増やすこと。増量で増えるのは筋肉ではなく体重です。そしてほとんどの場合増えた体重は脂肪です。

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CH2 増量の本当のデメリット

ここまで説明してきたように増量は基本的に脂肪を増やす作業です。筋肉の成長を促進するというようなメリットは科学的根拠としてはかなり弱いです。加えて増量で体脂肪を増やしすぎると、筋肉が成長しやすい体になるどころか、むしろ筋トレ効果を下げる方向に進みます。

まず一番わかりやすいデメリットは、脂肪が増えることです。増量すると、体重は増えます。体も大きく見えます。でも科学的データで示されているようにそのほとんどは脂肪。お腹が出る。ウエストが太くなる。顔が丸くなる。体が立体的になるのではなく、ただ分厚くなる。これが多くの人が増量で経験する変化です。

そして問題は、脂肪が増えることは見た目だけの問題ではないということです。体脂肪が増えすぎると、筋肉が栄養やトレーニングに反応しにくくなる可能性があります。肥満では、タンパク質摂取や運動に対する筋タンパク質合成の反応が鈍くなる、いわゆるアナボリックレジスタンスが起こる可能性があり、その背景にはインスリン抵抗性、筋肉内脂質の蓄積、全身や筋肉内の慢性炎症などが関係するとレビューに記載されています。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6584965/

つまり、筋肉を増やすために増量しているのに、その増量で体脂肪を増やしすぎると、筋肉が増えにくい体に近づいていきます。これはかなり大きな矛盾です。筋肥大のために食べているのに、その結果として脂肪が増えすぎて、筋肥大にとって不利な環境を作ってしまう。これが増量の大きな落とし穴です。

もちろん、少し脂肪が増えただけで筋肉が増えなくなる、という話ではありません。ですが、太れば太るほど筋肥大に有利になる。これは間違いです。体脂肪を増やしすぎれば、むしろ筋肥大の邪魔になる要素が増えます。

さらに、増量で脂肪を増やすと、あとで必ず減量が必要になります。これもかなり大きなデメリットです。

増量の後にコンテストやシーズンのために減量します。特にかなりの増量をしてる人は大量の体脂肪がついてることが多いのでかなり極端な原料をします。

でも減量ペースが速くなるほど、筋肉を守る難易度は上がります。ナチュラルボディビルダー向けのレビューでは、筋肉をできるだけ維持するためには、体重減少ペースを週あたり体重の0.5〜1%程度にすることが推奨されています。つまり、脂肪を増やしすぎると、その脂肪を落とすために長い減量が必要になるか、焦って速く落として筋肉を失うリスクが高くなります。

https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/1550-2783-11-20

ここが増量の本当のデメリットです。増量で脂肪を増やす。そして減量で筋肉を削る。このサイクルを繰り返している人は、筋肉を増やしているのではなく、体重を上下させているだけです。むしろどんどん筋肉を削ってる行為。

増量したわりに体はほとんど変わっていない。これはかなりよくある失敗です。

だから、脂肪をつけずに筋肉を増やしたいなら、最初から脂肪を増やしすぎないことが重要です。筋肉を増やすために必要なのは、体重を大きく増やすことではありません。脂肪を増やさない範囲で、筋トレ効果を最大化することです。

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CH3 余剰カロリーは本当に必要なのか

ここからが今回の動画で一番重要な部分です。筋肉を増やすには、そもそも本当に余剰カロリーが必要なのか。余剰カロリーなしとありでは筋肉の成長に差はあるのか。毎日プラス300kcal、プラス500kcalのように、増量する必要があるのか。結論から言うと、ほとんどの人に余剰カロリーは必要ありません。必要なのは、余剰カロリーではなく、筋肉が増えるトレーニングをして、その邪魔になるほどカロリーを削りすぎないことです。

まず大前提として、筋肉を増やすにはエネルギーが必要です。これは間違いありません。筋肉は何もないところから作られるわけではありません。トレーニングで筋肉に刺激を入れる。タンパク質を摂る。睡眠をとる。回復する。この過程にはエネルギーが必要です。だから、極端に食べなさすぎれば筋肉は増えにくくなります。

ただし、ここが重要です。エネルギー不足が筋肥大に悪いことと、余剰カロリーが必須であることは同じではありません。大きな赤字が悪い。だから大きな余剰が必要。これは完全に飛躍です。正しくは、筋肉を増やしたいなら、大きすぎるカロリー不足を避ける。これだけです。足りなさすぎると筋肥大は邪魔されます。でも、余らせれば余らせるほど筋肉になるわけではありません。

そして重要なのは軽い赤字では筋肉の成長がほとんど妨げられない点です。カロリー不足になると筋肉はデカくなるかもしれないけど最高ではないでしょ。と思われがちですが実は違うんです。

実際ある研究では、トレーニング経験者でも、メンテナンス狙いのグループが10週間で除脂肪量を約1kg増やし、脂肪を約1.4kg減らしています。さらに、10%赤字狙いのグループも除脂肪量を約1kg増やし、脂肪を約2.9kg減らしています。つまり、この研究では、余剰カロリーがなくても筋肉を増やしながら脂肪を落としています。

https://mennohenselmans.com/maingaining-is-a-waste-of-time-new-study/

さらに重要なのは、メンテナンス狙いのグループも実際には完全な維持ではなく、推定で約147kcal/日の赤字、10%赤字狙いのグループは約375kcal/日の赤字だったという点です。つまり、軽い赤字でも、条件が揃えば筋肉は一切のマイナスがなく増えます。

なので、増量や余剰カロリーについての結論はかなりシンプルです。筋肉を増やすために、体重を増やすことを目的にしないでください。

余剰カロリーは、筋肥大のスイッチではありません。筋肥大のスイッチは筋トレ刺激です。カロリーは、その刺激を邪魔しないための環境です。だから脂肪を増やさず筋肉をつけたいなら、まず維持カロリーを基準にしてください。体脂肪を落としたいなら軽い赤字。体重が軽すぎる人だけ少し余剰。これが、脂肪を増やさずに筋肉を増やすためのカロリー設定です。

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CH4 最適なカロリー設計

ここまで聞くと、「じゃあ自分は結局、増量すべきなのか、維持でいいのか、赤字にすべきなのか」と思うはずです。ここからは、実際にどのカロリー設定を選ぶべきかを話します。

まず基本的に多くの人に余剰カロリーはいりません。筋肉を増やすにはカロリーが必要です。でも、そのカロリーを毎日食事から余らせる必要はありません。なぜなら、人間の体には体脂肪があるからです。

ここまでの説明でエネルギーと筋肥大について矛盾を感じた人がいると思います。筋肉が成長するのにはエネルギーが必要。なのにエネルギー赤字でも筋肉が同じように成長するのはなぜか。

体脂肪は、ただ邪魔なものではありません。体に蓄えられたエネルギーです。つまり、カロリーの塊です。赤字にしたら体の中のエネルギーが足りなくなるわけではありません。食事からのカロリーは少し足りなくても、体内には体脂肪という巨大なエネルギー貯蔵があります。だから、体脂肪がある人にとっては、余剰カロリーを作らなくても筋肉は成長できます。筋肉が成長するのに必要なエネルギーが足りなくなるということはありません。

では、余剰カロリーが必要な人は誰なのか。それは、体脂肪率がかなり低い人です。例えば、ガリガリで体重が軽すぎる人。大会後のように体脂肪を削りすぎた人。このような人は、体に使えるエネルギーの余裕が少ないので、少しだけ余剰カロリーを作った方がいいです。

ただし、ここでも勘違いしてはいけません。余剰が必要な人でも、たくさん食べればいいわけではありません。必要なのは、ほんの少しです。目安はプラス100〜200kcal程度で十分です。これ以上増やしても、その分だけ筋肉が増えるわけではありません。筋肉の成長に使い切れなかったエネルギーは、ただ脂肪として増えていきます。

では、それ以外の人はどうすればいいのか。体脂肪が普通にある人、少し脂肪が気になる人、腹回りを増やしたくない人。この人たちに余剰カロリーは基本的にいりません。太りたくないなら、体重維持カロリーでいいです。体重を増やすのではなく、ウエストを増やさずにトレーニングログを伸ばしてください。

そして、脂肪も減らしたい人は赤字でいいです。目安は1日マイナス300〜500kcalです。特に体脂肪が多い人は、増量する理由がありません。体にすでにエネルギーがあるので、食事からさらに余らせる必要はありません。むしろ軽い赤字を作り、体脂肪を落としながら筋肉を増やす方が合理的です。軽い赤字なら筋肉の成長は一切のマイナスがありません。

つまり、カロリー設定はかなりシンプルです。ガリガリ、低体脂肪、大会後のような人だけ、プラス100〜200kcal。それ以外で太りたくない人は維持カロリー。脂肪を減らしたい人はマイナス300〜500kcal。

筋肥大を最大化するためのカロリー設計は非常にシンプル、体重維持カロリーでほぼ正解。あとは体型に合わせて少し変えるだけ。これが最新科学で証明された脂肪を増やさず筋肉だけを成長させる方法。

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CH5 筋肉が増えているのか、脂肪が増えているのか

ここまでで、体脂肪がある人は基本的に余剰カロリーはいらない。太りたくないなら維持カロリー、脂肪を落としたいなら軽い赤字でいいと話しました。ただ、ここで気になるのは、「自分は本当に筋肉が増えているのか。それとも脂肪が増えているだけなのか」ということだと思います。

まず、体重だけで判断しないでください。体重が増えたから筋肉が増えたとは言えません。逆に、体重が増えていないから筋肉が増えていないとも言えません。体重には、筋肉、脂肪、水分、グリコーゲン、胃腸の内容物が全部含まれます。さらに家庭用の体脂肪計も、水分量や食事量、測定条件でかなりブレます。なので、体重や体脂肪率だけで成功失敗を決めるのは危険です。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9688600/

見るべきものは、ウエスト、筋トレログ、筋肉の陰影です。特に重要なのは、ウエストと腹筋のセパレートです。体重が増えても、ウエストがほぼ変わらず、腹筋の溝も残っている。この場合は、脂肪を大きく増やさずに筋肉が増えている可能性が高いです。

逆に、体重が増えて、ウエストも増えて、腹筋のセパレートが薄くなっているなら要注意です。腹筋は、脂肪が少し増えただけでも輪郭がぼやけます。つまり、腹筋の溝が薄くなっているなら、それは筋肉が増えて体が良くなっているというより、脂肪が増えて筋肉の陰影が隠れている可能性が高いです。ウエスト周囲径は腹部脂肪や内臓脂肪と関連する実用的な指標なので、脂肪を増やしたくない人は必ず見た方がいいです。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18682591/

次に見るのが筋トレログです。筋肉が増えているなら、基本的にはどこかでトレーニングの数字が伸びます。重量が伸びる。回数が伸びる。こういう変化があるなら、筋肉が成長している可能性は高いです。

判断基準はシンプルです。体重が少し増えている。ウエストはほぼ変わらない。腹筋のセパレートも維持されている。肩、胸、背中、腕の陰影や立体感が増している。筋トレログも伸びている。この場合はかなり良いです。脂肪を大きく増やさず、筋肉が増えている可能性が高いです。

逆に、体重が増えている。ウエストも増えている。腹筋のセパレートが薄くなっている。腹回りや顔が丸くなっている。筋トレログも伸びていない。この場合は失敗です。それは筋肉ではなく、脂肪が増えている可能性が高いです。

脂肪をつけずに筋肉を増やしたいなら、体重計よりも、この3つを見てください。

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CH6 脂肪をつけずに筋肉を増やす最終ルール

最後にまとめます。脂肪をつけずに筋肉を増やしたいなら、体重を増やすことを目的にしないでください。目的にするべきなのは、脂肪を増やさないカロリー設定で、筋トレログを伸ばすことです。

カロリー設定はシンプルです。太りたくない人は、体重維持カロリー。脂肪も落としたい人は、軽い赤字。目安はマイナス300kcal。体脂肪が多い人なら、マイナス500kcalまで使ってもいいです。逆に、ガリガリ、かなり低体脂肪、大会後のように体に使えるエネルギーが少ない人だけ、少し余剰を作ってください。それでもプラス100〜200kcalで十分です。

余剰カロリーは、筋肥大のスイッチではありません。筋肥大のスイッチは筋トレ刺激です。高い張力、十分なボリューム、適切な可動域、対象筋への負荷、そして少しずつ伸びていくトレーニングログ。ここが弱い人がカロリーだけ増やしても、増えるのは筋肉ではなく脂肪です。

見るべきなのは、体重ではありません。ウエスト、筋トレログ、筋肉の陰影です。ウエストが増えていない。腹筋のセパレートが薄くなっていない。肩、胸、背中、腕の立体感が増している。重量や回数が伸びている。この状態なら、もうすでに成功ライン。

科学的なデータによると、ほとんどのひとにとって体重維持カロリーで筋肥大効果は最大になってます。あとは体型に合わせてちょっと変えるだけでOK。増量期やバルク期はもう時代遅れです。

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