前回の記事で空腹は筋肉の分解を起こさず断食ダイエットは一般的なカロリー制限ダイエットよりも優れている可能性があることを解説しました。今回は前回の動画の続編で実際の断食トレーニングルーティーンについて紹介します。
トレーニング中の空腹感が不快だから筋トレ前に何かしらお腹に入れておきたいとか、筋トレ前しかタイミングが無いという人は筋トレ前の食事もOKです。筋トレしてる人にはヒステリックにとらえる人がたまにいるので何回も言いますが筋トレ前の栄養摂取自体は悪いことでは全くありません。
まずこの動画を見る前にこちらの動画をしっかり見てください。日本の常識である空腹や飢餓状態で筋肉が落ちるのは間違ってるというのを詳しく解説しています。
さっき栄養摂取にタイミングは関係ないといいましたが、断食トレーニングに関しては別かもしれません。
2016年の研究ではウエイトトレーニング経験の豊富な34人を2つのグループに分けました。
療法のグループで同じカロリーとたんぱく質が割り当てられてタイミングだけが異なりました。断食のグループは普通に食事するグループが一日かけて摂取する栄養素を食事OKの8時間で一気に摂りきるというものです。
8週間後、2つのグループを比較した結果、2つのグループは筋肉の損失がありませんでした。しかし、普通に食事したグループは体脂肪に変化が無かったのに対し、16時間断食したグループは1.6kgの体脂肪を失っていました。
つまり同じくらい栄養素を摂っていても断食していたほうが筋肉を維持しながら体脂肪を落とすことができる可能性があります。
この断食トレーニングは全ての面で最高なわけではありません。筋肥大と脂肪燃焼の両立には最適である可能性が高いですが筋肥大のみに絞った場合は最適ではありません。
つまり脂肪を落としたくない人、筋肥大のみにこだわりたい人にとってはやるメリットはないでしょう。
科学的に、調査によると筋肉を獲得するためには燃焼するカロリーよりも多くのカロリーを摂取し、筋肉を構築するのに十分なたんぱく質摂取量と十分な運動刺激を持っている必要があります。
断食は短い時間で十分な栄養素を摂取するプログラムが多いため満腹感で目標の摂取カロリー、たんぱく質摂取量を満たせなくなる可能性があります。
そして、いくつかの研究では一日を通して定期的にたんぱく質を摂取することが一度に大量によるよりも利益がある可能性があります。ただ、この研究の反面一度にとっても分けてとっても変わらないという研究もあるのであくまでも「かもしれない」レベルですし多くの研究者はプロテインの摂取タイミングについて疑問視しています。
何が言いたいかというと何回かに分けてたんぱく質を摂取するデメリットはありません。加えてメリットはあるかもしれません。つまり、一気に摂るより何回かに分けてとったほうが損はなく、利益を受け取れる可能性があるということです。
脂肪を落としたくない人とか少しでも筋肥大に効果的なほうがいいという人は断食はする価値はありません
実際に断食についてメリットデメリットを知ってもらったところで断食ルーティーンについて紹介します。
今回はおすすめする断食減量ルーティーン4つを紹介します。みなさんの生活のリズム似合ったものを採用してください。
隔日断食ではその名の通り1日おきに断食します。普通に食事をする日と24時間断食するかごくわずかな500cal程度を摂取する日の2パターンに分けます。
デメリットとしては断食初心者にはきつすぎること、24時間断食するため空腹で寝れなく場合も人によってはあります。きつすぎる人は寝る前に500calぶんの食事をするといいと思います。500calを何個にも分けるのは断食状態を作れないことになるのでお勧めしません。
eat stop eatは週に1~2回24時間の断食をします。eat stop eat という名前通り食事で断食を挟むので断食が連続しないように注意してください。これも問題点として隔日断食と同様に空腹できつくなる人もいるかもしれません。
一週間のうち2日を非常に少ないカロリーでやりくりします。目安として女性は500cal、男性は600cal食べるのがおすすめです。eat stop eat や隔日断食と違い少量ですが食事ができるので寝る前に食べるのがおすすめです。空腹で眠れなくなるのがある程度防止できます。
最後は16/8ダイエット。これが最もおすすめです。毎日14~16時間の断食をして8~10時間の間で食事をします。8時間の食事で十分なたんぱく質やカロリーを摂取します。男性は16時間なのに対し、女性は比較的短い時間でも機能するようなので14時間がおすすめです。大体、朝食を抜いて12時から昼食、8時の夕食をラストにして栄養摂取を終わらせるのが一番スケジュールを組みやすいと思います。
スケジュールの組みやすさに加えて運動学と運動栄養学の博士号を取得しているDr.ティンズリー氏によると十分なたんぱく質を摂取した場合、16時間の断食はカロリー制限などと比べ筋肉には有害ではないと話しています。
先ほど紹介した断食で筋肉の損失は変わらず、脂肪が落ちた研究で使われた断食もこのメニューです。
断食中は食事が禁止なのはもちろんですが、無糖コーヒーやゼロキロカロリー飲料、お茶、水はOKだそうです。
たんぱく質やBCAAなどのアミノ酸系サプリメントについても注意が必要です。ティンズリー博士によると短期間の絶食状態で筋肉がなくなることはなく、断食による利点はあなたの体が栄養素を受け取ってないという状態によるものです。つまりアミノ酸系サプリメントやプロテインは体に断食していないことを知らせてしまいます。
つまり断食中の摂取はせっかくのメリットを台無しにしてしまうので断食の時間中は避けるべきです。
次は栄養摂取についてです。減量は一般的には数字のゲームであるため食事ができる時間にジャンクフードなどをめちゃくちゃに食べるとチートデイのようにせっかく頑張ったメリットを水の泡にします。
なので普通に食事といっても何でも食べていいわけではなくジャンクフードは避けるなどある程度は健康的なものを食べて栄養に気を使う必要があります。
さらに研究によると体重が急激に減ると筋肉を含む除脂肪体重が減る可能性が高くなるようです。
そのため断食サイクルを組み込む人は一日に摂るカロリーを減らし過ぎないようにする必要があります。断食サイクルで普通に食事できる日や食事する時間の時はおすすめとしては体重が維持できるカロリー数かそれよりちょっと上くらいがでどれくらい減るか様子を見る必要があります。
多くの専門家は1週間で0.45~0.9kg体重が落ちるペースが理想としています。これよりもペースが速すぎる場合は摂取カロリーを上げる必要があります。
ただし、肥満の方や体脂肪率が高い方は体にエネルギーが多くある状態なので筋肉の損失が無くても推奨されるペースよりも体重が落ちる場合があります
さらに最も重要なのがたんぱく質摂取量、普通に食事ができる日や食事ができる時間帯にはたんぱく質の摂取を最優先にする必要があります。
研究では十分なたんぱく質を摂取することで体脂肪減少中に筋肉を維持するのに役立つことを示しています。
最適なたんぱく質摂取量についてはハッキリとはしていませんがいくつかの研究では体重1kgあたり1.6gが最適とされています。
多くて損はありませんので最低このラインはほしいところですね。
断食サイクル中の筋トレのパフォーマンスを落とさないためにも運動の1時間前にカフェインを摂ったり食事の際、クレアチン摂取を行い筋力などの運動能力を出来るだけ落とさないようにしましょう。