速筋は高重量、遅筋は高回数という認識は少し問題があります。今回は筋繊維の種類とその鍛え方について紹介します。
Youtubeのチャンネルで三角筋中部は速筋繊維が多いから高重量でトレーニングしたほうがいいと聞いたんですけど実際どうなんですか?というかなり興味深いコメントを頂いたので解説したいと思います。速筋繊維は高重量低回数、遅筋繊維は高回数低重量だろ、そんなもん基礎知識すぎて知っているわという人は是非この記事を見てください。その常識は少し問題があります。
一応各筋繊維の特性を紹介しておきます。Type1というのが遅筋繊維でType2というのが速筋繊維です。
axbの解説は動画の趣旨とは関係ないのでしませんが遅筋繊維は弱い力を持続的に使って比較的大きくなりにくい筋肉、速筋繊維は強い力を短時間で使って大きくなりやすい筋肉、これは間違ってはいません。
まず筋繊維の割合から、実はスポーツ科学と運動生理学の博士号、さらにはパワーリフティングで3つの正解記録を保持をしているGreg氏によると実は速筋繊維と遅筋繊維の単位面積当たりほぼ同じ量の力を生み出すといわれています。つまり遅筋繊維は単純に大きくなりやすいから単位面積が上がり、力が強いと思われていることです。つまり筋肉を大きくするためには速筋繊維を狙うべきですが、速筋繊維の割合はあまり関係ありません。たとえ肩の筋肉では遅筋繊維のほうが割合として多くても大きくなりやすい速筋を狙うべきです。
さらに遅筋と速筋の割合については先ほどのグレッグ氏、そして筋力トレーニングについて研究しているクリス氏によると筋トレをしていない健康な若者は遅筋繊維と速筋繊維の割合はほぼ均一、50:50に分かれていると言われています。この均衡が崩れるのはどういう運動をしていくか、そして加齢により速筋繊維が減るかといわれています。
タイプ2の速筋繊維は筋トレによりタイプ1の遅筋繊維よりも約25~75%成長し遅筋繊維は持久力トレーニングによく反応する傾向があるそうです。なのでパワーアスリートは速筋繊維が多く、持久力アスリートは遅筋繊維が多い傾向にあります。
この動画を見てくださっている皆さんは筋トレしているためほとんどの人は筋繊維の分布を摂ると速筋繊維のほうがきっと多いはずです。
そしてこの割合は皆さんの体が違うようにバラバラで簡単に遅筋繊維がどれくらい、速筋繊維がどれくらいと知ることは出来ません。三角筋は速筋繊維が多いというのも個人差がめちゃくちゃありますし、先ほど話した通りたとえ遅筋繊維が多くても速筋繊維を狙うべきです。
最後に最も重要なのが高重量=速筋、高回数=遅筋という認識です。これは完全に間違いというわけじゃないんですが実は科学的な信頼性が高くありません。
この研究ではヘビーウエイトが速筋繊維の成長を引き起こし、ハイレップトレーニングが遅筋繊維の成長を引き起こしました。これは皆さんの認識通りです
しかし、この研究は高重量と低重量の両方が遅筋繊維の肥大を引き起こし、低重量高回数トレーニングが速筋繊維も成長させることが示されています。
これは僕の考えですが、低重量と高重量の筋肥大効果について紹介した研究では高回数グループと高重量グループの筋肥大効果はほとんど同じでした。高重量が大きくなりやすい速筋をたくさん刺激するなら高回数グループと高重量グループが同じになることはないはずです。
速筋繊維は100m走のように短く大きな力を使うため高重量、遅筋繊維はマラソンのように長く大きな力を使うため高回数というのは理論的には正しいと思いますが、現実は理論通りに行かず未だにどっちがいいかっていうのは分かっていないそうです。