腕トレで太くしたいならこれをやれ!上腕三頭筋最強種目と筋トレ法を科学的に徹底解説!

腕トレで太くしたいならこれをやれ!上腕三頭筋最強種目と筋トレ法を科学的に徹底解説!


上腕三頭筋は上半身の中で非常に巨大な部位のひとつであり、鍛えると腕が太くなり、サイズへの恩恵が最も受けやすい筋肉です。しかし、最新の科学的なデータによって打ち出された鍛え方を知らずに上腕三頭筋にとって非効率的なトレーニングをしてしまう人も少なくありません。

この動画では科学的なデータを基に上腕三頭筋の鍛え方と最強種目を紹介します。

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解剖学的な上腕三頭筋

上腕三頭筋には内側頭と外側頭、長頭の3つが存在しています。研究データによると一部の被験者には4番目の筋繊維が観察されていますが基本的にはこの3つと考えてOKです。

上腕三頭筋は上半身の中で肩の三角筋に次いで2番目に巨大な筋肉であり、成人した男女を対象とした研究を見ると上腕三頭筋は上腕二頭筋の約2.5倍であることがわかりました。筋肉の成長は基本的には大きな筋肉のほうが短期間で変わるため腕のサイズを増やしたい場合は上腕二頭筋よりも上腕三頭筋を狙ったほうがはるかに近道です。

サイズについては研究データを基にすると長頭が最大であることをほぼ一貫していますが、内側頭と外側頭については外側頭のほうが大きいと示す研究もあればその逆の結果を報告した研究もあるためこのサイズの違いは個人差によると思います。

上腕三頭筋の内側頭は上腕骨から始まりますが、長頭は肩にある領域から始まります。とはいっても3つの頭全ては前腕にある骨に挿入されており、全ての頭は肘関節を横切ります。そのため、上腕三頭筋の主な役割は肘関節の伸展であり、長頭のみこの運動に加えて肩関節を横切るため肩関節の伸展や内転によっても関係しています。

とはいっても肩関節の伸展機能について調べると研究では長頭の役割は小さいことが示されているため、プルオーバーなどの伸展のみの運動だったりラットプルダウンのような内転のみの運動では長頭の刺激はほとんどないと考えられます。

肘関節の伸展に上腕三頭筋は関係しているためベンチプレスやオーバーヘッドプレスなど上腕三頭筋狙いの種目じゃないプレストレーニングでもこの筋肉は強く活性化されているため上腕三頭筋用のトレーニングをしなくても筋肥大したり筋肉量を維持できる可能性が高いですが、直接的に狙ったほうがはるかに効果的です。

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上腕三頭筋の科学的鍛え方

長頭を狙う

上腕三頭筋は直接的に狙わなくても筋肉が成長したり、維持できたりする可能性が高いですがその効果は全ての部位にとって平等というわけではありません。

2013年の研究によるとニュートラルハンドポジションでダンベルベンチプレスを行っている間の上腕三頭筋の筋活動について調べたところ長頭の活動は内側頭や外側頭よりもはるかに小さいことがわかりました。

そして2020年の研究ではベンチプレスのみのグループは上腕三頭筋の外側頭を十分に成長させることができましたが、長頭についてはほとんど筋肥大効果が確認できませんでした。

これは上腕三頭筋の長頭のみ肩関節の伸展に関係するということを考えると理にかなっています。上腕三頭筋の長頭は伸展のみの運動ではほとんど活性化されませんが、肘関節の伸展+肩関節の伸展を使うと長頭の筋肥大効果が大幅に変わります。その証拠に同じ研究ではオーバーヘッドのトライセプスエクステンションを実行した被験者は長頭をベンチプレスのみのグループと比較しても大幅に成長させることができました。

研究データを見ると、一般的なコンパウンドトレーニングでは長頭は成長しづらく、内側頭と外側頭は成長しやすい傾向にあります。そのため、上腕三頭筋を狙うときは優先的に長頭を鍛えたほうが上腕三頭筋全体のバランスにとって最適です。

肩の運動を使う

上腕三頭筋の長頭を狙う方法は2つあります。まずは肩関節の伸展を使うこと。これは先ほどの研究でトライセプスエクステンションの筋肥大効果を見ると明らかです。トレーニングでは肘を伸ばす運動に加えて肩関節の伸展を使う必要があります。

例えばトライセプスエクステンションでは自分の額の前で止める方法もありますが、これでは肩関節の伸展がなく肘関節の伸展のみ使用していることになります。上腕三頭筋の成長にとっては、頭の後ろにウエイトを下げて持ち上げるようにすると肘関節に加えて肩関節の伸展が使用されるため効果的に長頭を成長させることができます。

そして次はオーバーヘッドでトレーニングすること。肩関節の伸展が無くてもオーバーヘッドにするだけで長頭の筋活動が高くなる可能性があります。

2018年の研究によると肩関節の屈曲角度を変更させて肘関節の伸展を被験者に行わせ上腕三頭筋の筋電図分析を行いました。被験者は肩関節の屈曲が0度。つまり、腕を完全に下におろした状態では内側頭と外側頭が最高の値であり長頭の活動が最も小さいことを発見しました。そして屈曲180度。腕を真上にあげた状態では上腕三頭筋の長頭の活動は最大であることがわかりました。

これは腕を上にあげることで長頭が強くストレッチするためです。ストレッチポジションは筋肉に最も負荷のかかるポジションであり、筋肥大に特に重要であることが証明されています。このことを考えると非常に理にかなっています。

上腕三頭筋のトレーニングではストレッチがない鍛え方をしている人がかなりいますがそれは筋肉の成長にとって間違いなく効率的ではありません。

しかし、長頭の活動についての研究はバラバラです。2010年のアンドリューデビッドソンらによる研究では上腕三頭筋の3つの頭の活動は肩関節の伸展範囲0〜180度でほとんど同じだったことを示しています。

そのため、研究には一貫性がなくオーバーヘッドにしても長頭の活動が変わらない可能性はあります。しかし、オーバーヘッドにすることで長頭の活動が減ったという研究はほとんどありません。これは可動域についてのレビューペーパーでストレッチのある種目はストレッチなしよりも筋肉の成長を促進する可能性が高く、最低でも等しいという主張と同じです。長頭の活動が増える可能性があり、最悪でも同じであるため上腕三頭筋トレーニングではオーバーヘッドでやったほうがおすすめです。

2つの運動を組み合わせる

長頭を狙う場合重要なことは肩関節の伸展を使うこととオーバーヘッドでトレーニングすること。しかし、この2つ両方満たしている種目はほとんどありません。例えばオーバーヘッドのトライセプスエクステンションは肩関節の伸展がありますが、出来るだけ腕を屈曲させて長頭を伸ばそうとすると肘が90度になって上腕三頭筋全体のストレッチが無くなります。

逆にダンベルを使ったフレンチプレスでは腕を最大限屈曲させることができますが肘を伸ばすだけで肩関節の伸展はほとんど使えません。

そのため、上腕三頭筋トレーニングでは肩関節の伸展を使う種目、そして長頭を最大限ストレッチさせられる種目の2つで構成するのがおすすめです。これにより長頭にとって重要な2つを最大限入れることができます。加えて最新のレビューペーパーに示されているように筋トレ種目が2種類あると1種類だけよりも筋肉の成長を促進できることが示されているため筋肉の成長にとっても効果的です。

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最強種目

EZバートライセプスエクステンション

肩関節の伸展を使うおすすめ種目はオーバーヘッドのトライセプスエクステンションです。腕を下に引っ張る運動を使って長頭を強く活性化させます。必ずオーバーヘッドでやって最低でも頭の向こう側にバーベルが配置されるようにしましょう。

ストレートバーよりもEZバーを使ったほうが手首の関節にとって快適であるため安全にトレーニングすることができます。スタートポジションで腕を下げ過ぎてストレッチを無くさないように注意してください。

スタートポジションでストレッチを感じてフィニッシュで引っ張ります。肩関節の伸展を使って顔の前に引っ張ります。地面と垂直になるとき重力による負荷はないため必ず顔の前に持ってこないといけないわけではありませんが、ある程度は肩関節の伸展を使ったほうが長頭が強調されます。

ケーブルオーバーヘッドエクステンション

長頭へ最大のストレッチを入れる種目はオーバーヘッドのケーブルトライセプスエクステンションがおすすめです。頭の真上に腕を配置することで長頭が最大限ストレッチします。ダンベルなどのフリーウエイトの場合、強度曲線が不安定でフィニッシュ付近ではほとんど負荷がかからないため、ケーブルにすることで可動域全体で負荷がかかるようになります。

出来るだけ腕を屈曲させて長頭を伸ばすようにしましょう。ケーブルについてはグリップをそのまま使うのもいいですしハンドルを使うのもおすすめです。両腕同時に行いたい場合はロープを使うのも効果的です。

この種目をやると肘が痛くなるという相談をいただくことがありますが、その場合は重量を軽くしてみると痛みが引く場合があります。パーカーフィットネスもこの種目を10rep程度の重めの重量でやると肘がかなり痛くなるので20rep付近できつくなってくるような軽めの重量でやっています。

そして自分にとって肘を外側に向けたほうがやりやすいのか。内側に向けたほうがやりやすいのかも肘が痛くなったり違和感を感じる重要なポイントです。自分にとってやりやすいやり方、そして重量がおすすめです。

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筋トレメニュー

2022年に公開されたコンパウンドトレーニングとアイソレーショントレーニングのレビューペーパーではコンパウンドもアイソレーションも腕の筋肥大効果はほとんど同じであることを示しています。そのため、内側頭や外側頭が強く活性化されるアイソレーション種目とコンパウンドのプレストレーニングは上腕三頭筋の筋肥大効果はそこまで大きく変わらない可能性が高いです。

そのため、外側頭、内側頭の成長についてはプレストレーニングに任せて上腕三頭筋アイソレーショントレーニングでは長頭に重点を置いたほうが腕のバランス的にも効果的です。

筋トレメニューとしては肩関節の伸展を使うトライセプスエクステンションをやる日、次の日は完全なオーバーヘッドで長頭を伸ばすオーバーヘッドトライセプスエクステンションをやる日と交互に高頻度でやるのがおすすめです。

まずは1週間で15setを目標にしてトレーニングしましょう。

長頭は肩関節の伸展も重要ですが、上腕三頭筋であるためメインは肘関節の伸展であることを忘れないでください。長頭のストレッチにこだわってスタートポジションで肘が十分に曲がらず上腕三頭筋全体のストレッチが無くなることだけは避けてください。

Twitterでも紹介しましたが2023年の1月18日に公開された超最新のストレッチについてのシステマティックレビューではストレッチポジションで最も筋肉は成長することに加えて、上腕二頭筋,上腕三頭筋,大腿四頭筋は特にこのストレッチの恩恵を受けると示されているため、必ずストレッチを意識しましょう。

上腕三頭筋は肘を使う筋肉であるためトレーニング中肘が痛むという人もいる場合があります。そういった場合はまずは負荷を軽くしてみて、それでも無理だったらトレーニング量を下げてみてください。上腕三頭筋トレーニングをやめてもプレスなどをしていれば筋肉が落ちるということはありません。

肘を伸ばした時ロックアウトするまでが可動域です。ロックアウトは危険という意見もありますがそれは大げさで正しいフォームと重量でやっていればロックアウトで怪我するという可能性は低いと思います。上腕三頭筋を成長させると腕の太さを短期間で変えることができます。

そのためには長頭を狙うことと正しいトレーニングをすること。軽い重量でまずは高回数から始めてください。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。