【科学的】筋肥大のためのベストな体脂肪率


今回は筋肥大のためにおすすめの体脂肪率について紹介します。ガリガリの人に「一回太ったほうがいい」「太らないと筋肉がつきにくい」という人がいますが科学的にそれは真実なのでしょうか。

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体脂肪が多い人は筋肉がつきやすいという常識

太ってから筋肉をつけろ

体脂肪と筋肉の関係について間違った情報が非常に多いです。まず一番の間違いはバルクアップは太るものだとか太ってる人のほうが筋肉がつきやすいというものです。

ガリガリで悩んでる人は一度は言われたことがあるんじゃないでしょうか。一回太らないと筋肉は付きづらい、筋トレする前に一回太れという情報です。僕もですね、ガリガリって程ではないんですけど標準よりは細めのタイプでとりあえず太れって言われたことがあります。体が細くて悩んでる人からこういった相談も受けたことがあります。太らないと筋肉がつかないというのは本当なんでしょうか、一回太ってから筋肉をつけたほうがいいのでしょうかというものです。

脂肪と筋肉はあまり関連性はないのになぜ?

ただ、この情報について僕は筋トレ初心者の頃から疑問でした。まず、脂肪が筋肉に変わるという表現は間違いであることは既にほとんどの人が知っています。にもかかわらずとりあえず太れとか太ると筋肉がつきやすくなるみたいなことをいわれます。

しかし科学的には太ることが筋肥大にプラスになることを支持していません。寧ろ科学は太っている方が筋肉がつきづらくなる可能性を示しています。

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脂肪と筋肉の科学的な関係性

太っている人は脂肪より筋肉がつきやすい

例えば2007年の研究では痩せている人と太っている人で栄養素の分配に及ぼす影響を調べました。

これをパーティション比率といいます。簡単に言うと食べ物を食べて100g体重が増えたとします。そのうち60gが筋肉になった場合、パーティション比率は60%となります。

その結果がこちらに示されている通り、痩せている人はパーティション比率が高く、無駄のない体重増加であることが示されています。

痩せている人は筋肉がつきやすく、 太っている人は脂肪がつきやすい

つまり太っている人はエネルギー余剰があった場合にそれを脂肪に変換する可能性が高く、瘦せている人は筋肉に変換する可能性が高いようです。

ただ、この研究には問題点があります。

まずひとつは座りがちな被験者が対称でありトレーニングを行う人に関するデータではありません。トレーニングしているかによってパーティション比率は大きく異なる可能性があります。

さらには痩せた人は筋肉の損失リスクが高くなることを示しています。しかしこのリスクはトレーニングしているかどうかが決定的な違いを生みます。一般的な人の場合はエネルギー不足で筋肉と脂肪の両方を失い、エネルギー余剰で筋肉と脂肪の両方を獲得します。

しかしこれは筋トレしている人には当てはまりません。科学的には筋肉をつけながら脂肪を減らすことはそこまで難しいことではありません。

つまりこの研究結果は筋トレしている人を対象とした場合大きく変わる可能性があります。

体脂肪が増えると筋肉が構築されづらい

2020年の非常に最近の研究では研究対象がマウスですが面白い結果を示しています。

この研究では高脂肪の食事と西洋型の食事の2つに分類されました。その結果、高脂肪食を食べたマウスのほうが最初の筋肉の過負荷に反応して他の食事マウスよりも有意に筋肥大しました。

しかし、高脂肪食を食べたマウスは体重の60%の増加を引き起こし、西洋の食事をしたマウスの36%増よりも優位に高いことを示しています。さらに高脂肪食のマウスは大量に体脂肪が増えました。

そして一番重要なのは高脂肪食を与えられたマウスは次の過負荷段階で最も弱い筋肉の成長を示したようです。

大量のカロリーを摂取すると大量の脂肪がつく

バルクアップについての動画でも紹介しましたが2019年の研究ではマウスと似たような反応が出ています。自分の体重維持カロリーよりも非常に高いカロリーを摂取したグループは少しだけ高いカロリーを摂取したグループよりも大幅に筋肉量と脂肪量が増えました。非常に高いカロリーを摂取したグループは筋肉量については2.5倍の増えましたが、体脂肪は9倍以上の増加が示されています。

大量のエネルギーを摂取したグループ(G1)は大量の脂肪と筋肉を構築

これについての意見で「体脂肪率の増加は確かに問題ですが筋肉量が2倍以上違うのはかなり魅力的だと思います」というのがありました。確かにこれは正しいっていうか的を得ている意見です。

しかし、この研究は4週間でこの結果です。

マウスの研究を基にするとその後のゲイン、つまり利益は大きく下がる可能性があります。長期間研究できたものがあればいいのですが、今のところないありませんし被験者を何か月も長く拘束することは非常に難しいと思います。

なので明確には言えませんが、2019年の人間を対象にした研究は高い可能性でその後の利益が減少します。

大量に脂肪がつくことで増えるはずの筋肉が減る

別の研究でも太りすぎの人は慢性炎症が高くこれが筋肉損失に関係することを示しています。

そして慢性炎症による筋肉増加効果の悪影響は複数の研究で確認されています。

さらには2007年の研究によると最初から体脂肪率が高い人は同じようなバルクアップメニューを行っても筋肉の成長率が低く、体脂肪の追加が大きいことを示しています。

太っても何のメリットもない

2019年のレビュー研究では太りすぎの人は痩せた人よりもたんぱく質合成が低い傾向があることが示されています。これはすべての研究で有意差がみられるものではありませんが最も重要なのは太りすぎであるという状態において負の効果は確認されて、正の効果を示すものは無かったということです。

つまり、体脂肪が多い場合マイナスの効果は決定的ではありませんが可能性はあります。しかし体脂肪が多い為のプラスの効果はひとつも確認できなかった為かなり高い可能性です。

2018年の研究でも肥満が筋原線維たんぱく質の同化反応を弱める可能性があることを示しています。

体脂肪と筋肥大においての結論は科学的な研究から少なくとも太っても、体脂肪を追加してもメリットは無いということです。逆に体脂肪が増えると悪影響が出る可能性があります。ただし注意点として痩せている人ほど筋肉がつきやすいということではありません。おそらく、あるラインを超えるとデメリットがでる可能性があります。

太れとよく言われるかもしれませんがジャンクフードなど大量に食べて体重が10kg増えたところでそれは筋肉ではありませんし今後のトレーニングに悪影響です。バルクアップについて脂肪もつける作業だと勘違いしている人が非常に多いですがそれは間違いです。

バルクアップするとほとんどの場合体脂肪も増えます。しかしそれは敢えて追加しているわけではなく嫌だけど仕方がない分だと考えてください。

基本的に脂肪がつくことは筋肉にとってプラスではありません。

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筋トレするために理想的な体脂肪率

体脂肪率20%以上になると危険

アメリカ運動協議会はフィットネスに適しているのは14~17%であることが示されています。筋肉の損失や合成力の低下に関係している慢性炎症の増加は体脂肪率が20%超えたあたりです。なのでデメリットの可能性が出るのはこのラインでしょう

ただ17%というと皆さん結構太ってるように感じませんか?

体脂肪率は同じ10%でも簡単に体脂肪率3%とかいうメディアのせいで正確な値と普通の人の印象に差があります。

さらに市販の体重計の主な体脂肪率の測定方法であるインピーダンス法はデバイスによってかなり精度が変わることが示されています。科学的な研究ではラボレベルの精密機器であるBodyPadと市販の体重計では最も近い値でも21%もBodyPadと値がずれていました。

何が言いたいかと言うと体脂肪14~17%と言っても協議会で出された値と皆さんの家にある体重計の体脂肪率の数値には誤差があります。なので一応このチャートを載せておきますがこれも信頼できるかは微妙です。

正しい体脂肪率で言うと10%切ってる人はかなり少ない

色々調べて大体の目安ですが力入れなくても腹筋が割れるか割れないかくらいが14~17%近辺だと思います。筋肉をつけるのに理想的なのは標準体型くらいです。

ちょっと絞ったくらいでバルクアップするのは超危険!!

そしてバルクアップをする人は体脂肪を落としてからやりましょう。結構ガチな減量が必要です。理想としては10%以下からスタートさせないとバルクアップは単純に体脂肪が増えて筋肉がつきづらくなる期間になります。標準体型の人やちょっと絞ったレベルでバルク期間を作るのはハイリスクローリターンです。

ガリガリといわれる人でも体脂肪率が8%とかの人なら多少は脂肪をつけたほうがいいかもしれませんが、コンテストレベルに絞った人でも8~9%くらいですから10%切ってる人はそんなにたくさんいんないと思います。

なので自分のことをガリガリと思う人でもジャンクフード食べたりして太ろうとするのはあまり良い選択肢には見えません

何度も言いますが痩せている人は食事があまり好きではないのでたんぱく質などが大きく足りてない場合もあります。これは直すべきですがそれがクリアできている場合、わざわざ太らなくても筋肉は十分付きます。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。