【新常識】ベンチプレスは胸トレじゃない。胸をデカくする本当のやり方

ベンチプレスは胸トレ。そう思っていませんか?しかし、最新の研究では、胸よりも大きく成長した部位がありました。

実はただ単にベンチプレスをやるだけでは胸の成長を最大化できません。今回はベンチプレスが胸トレとは言えない科学的根拠とベンチプレスを胸に効かせるための方法について紹介していきます。

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CH1:ベンチプレスで本当に成長する筋肉

ベンチプレスは大胸筋と上腕三頭筋を鍛える代表的な種目です。しかし、実際に筋肉の成長を測定すると、意外な結果が得られています。
2026年に発表された研究では、トレーニング経験のない男性11人を対象に、8週間のベンチプレスを実施しました。この研究では、片腕はフル可動域、反対の腕は筋肉が伸ばされた範囲だけを使う部分可動域でトレーニングし、超音波で筋肉の厚さを測定しました。

フル可動域の平均変化率を見ると、大胸筋上部は19.9%、中部は13%、下部は12.8%増加しました。しかし、注目したいのは三角筋前部です。なんと16%も増加していました。一方、上腕三頭筋は6.8%でした。つまり、胸の中部や下部よりも肩の方が大きな増加率を示し、上腕三頭筋の変化は相対的に小さかったのです。

The Effects of Full Range of Motion and Lengthened Partial Range of Motion on Chest Hypertrophy and Strength
Purpose: This study investigated the effects of full versus partial range of motion (ROM) resistance training on hypertr...

この研究は11人と小規模で、すべての部位に統計的に明確な成長が確認されたわけではありません。しかし、胸を鍛える代表的な種目で、肩にも大きな変化が観察されたことは注目に値します。

そして、この結果を補強する研究が2024年に発表されています。この研究では男性24人を対象に、13人が10週間にわたって週3回のベンチプレスを実施し、残りの11人はトレーニングを行いませんでした。そしてMRIを使って、複数の筋肉の断面積を測定しました。

その結果、大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋、小胸筋が成長しました。しかし、すべての筋肉が同じように成長したわけではありません。大胸筋は上腕三頭筋や小胸筋よりも大きく成長しましたが、三角筋前部との間には統計的に明確な差が確認されませんでした。一方、三角筋中部の成長は比較的小さかったのです。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

つまり、ベンチプレスは胸だけでなく、肩の前部にも強力な筋肥大刺激を与える種目なのです。
では、なぜ胸を鍛えるためのベンチプレスで、肩もこれほど大きく成長するのでしょうか?

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CH2:なぜベンチプレスで肩が大きくなるのか?

ベンチプレスの筋肥大刺激が肩に大きく逃げてしまうのか。
その理由は、ベンチプレスが単純に腕を胸の前で閉じる運動ではないからです。

まず、三角筋前部の代表的な働きは肩関節の屈曲です。これは、腕を体の前方へ持ち上げる動作です。例えばフロントレイズでは、三角筋前部が強く働きます。そして、ベンチプレスにもこれと共通する動きがあります。

ここで、ベンチプレスを想像してください。バーベルを下ろしてみると肩よりも下にバーベルが移動します。つまり、肩関節が伸展、簡単に言うと腕を引いた状態になります。そして、そこから押し上げると、肩は屈曲方向へ動きます。

さらに重要なのが最下点、ボトムポジションです。三角筋前部は肩が伸展すると伸ばされます。つまり、脇を閉じたベンチプレスでは、三角筋前部が伸ばされた位置から力を発揮することになるのです。

筋肥大では、筋肉が伸ばされた位置で負荷を受けることが重要です。そのため、ベンチプレスは三角筋前部にとっても優れた刺激になり得ます。むしろベンチプレスはバーを下ろした時に胸に当たるので最大まで筋肉を伸ばせません。これを考えると長期的には肩のほうが成長する可能性があります。

ここでショルダープレスと比較してみましょう。ショルダープレスでは、一般的に肩を屈曲または外転させながら、腕を頭上まで持ち上げます。一方、ベンチプレスでは最下点で上腕が体の後方へ移動するため、三角筋前部をより伸ばされた位置で働かせやすくなります。

つまり、ストレッチポジションを考えるとショルダープレスよりもベンチプレスのほうが優れています。

もちろん、ベンチプレスで肩が成長すること自体は悪いことではありません。胸と肩を同時に鍛えられるのは大きなメリットです。
しかし、目的が胸の筋肥大なら、話は変わってきます。肩への負荷を強調するのではなく、大胸筋が得意とする動きを中心にフォームを考える必要があります。
その動きが「水平内転」です。

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CH3:本当に胸を大きくする動作とは?

大胸筋を大きくするうえで注目したいのが、肩関節の水平内転です。
水平内転とは、体の横に開いた腕を胸の前へ閉じる動作です。例えば、ペックデックやケーブルフライを想像してください。左右に開いた腕を胸の前に引き寄せるとき、大胸筋が強く働きます。

大胸筋は鎖骨や胸骨などから始まり、上腕骨に付着しています。そのため、腕を胸の前へ引き寄せる水平内転で大きな力を発揮することができます。
では、この動きをベンチプレスに当てはめるとどうなるのでしょうか。
脇を閉じたフォームでは、肩の屈曲方向の動きが強調されます。一方、脇を開くと上腕は左右に広がった位置で動きます。つまり、肩の水平内転方向の負荷を強調しやすくなるのです。

この特徴を極端にしたのが、ギロチンベンチプレスです。
通常のベンチプレスではバーを胸の中部から下部に下ろしますが、ギロチンベンチプレスでは脇を大きく開き、バーを首に近い位置へ下ろします。このフォームでは、上腕が左右に広がった状態で押すため、水平内転方向の動きが強調されます。

そして、この考え方には研究による裏付けがあります。
2022年に掲載された研究では、筋力トレーニング経験者35人を対象に、グリップ幅や肘の位置を変えたベンチプレスを比較しました。重量は6〜8RMで、筋肉の活動と肩関節や肘関節にかかる負荷を測定しています。

その結果、狭いグリップでは上腕三頭筋外側頭、三角筋前部、大胸筋鎖骨部の筋活動が高まりました。一方、広いグリップでは肩関節の水平内転に関わる負荷が増加し、大胸筋腹部線維の活動も高くなりました。

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一般的にワイドにすると胸に効く、これは迷信です。しかし、ワイドにすることで脇が開いて屈曲量が抑えられる、これによって胸に効く、これは理にかなっています。
ただし、この研究は実際の筋肥大を比較したものではありませんし、矛盾する研究もありますが水平内転方向の負荷を強調する方法としては合理的です。
そしてもうひとつのポイントが大胸筋のストレッチです。筋肉は最大まで伸ばして負荷をかけることで受動的張力がかかり成長が促進される可能性があります。
大胸筋には水平内転だけでなく、肩を内転させる、つまり脇を閉じる働きもあります。そのため、脇を閉じることは大胸筋の一部を収縮する方向の動作でもあるのです。
一方、ギロチンベンチプレスでは、脇を大きく開いた状態でバーベルを下ろします。これによって内転による短縮方向の要素が減り、さらに水平外転によって大胸筋が伸ばされます。

実際に2021年の研究では、肩を90度程度開いた状態から水平外転させる姿勢が、大胸筋の上部や胸骨部を伸ばすうえで有効であることが示されました。

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つまり、ギロチンスタイルは、水平内転方向の負荷を強調できるだけでなく、大胸筋を伸ばすうえでも解剖学的に合理的なフォームなのです。
したがって、胸の成長を優先するなら、水平内転方向の負荷を確保しながら、最下点では水平外転によって大胸筋を伸ばす。この2つを意識することが合理的です。
では、実際にどのようなフォームが良いのでしょうか?

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CH4:胸に効くベンチプレスの正しいやり方

胸の成長を優先するなら、ベンチプレスでは3つのポイントを意識してください。グリップ幅、脇の開き方、そして可動域です。
まず結論から言えば、グリップを必要以上に狭くせず、脇を開き、最下点まで十分に下ろすことをおすすめします。

最初にグリップ幅です。

狭いグリップでは三角筋前部への負荷が強調されやすく、広いグリップでは肩の水平内転方向の負荷が大きくなります。そのため、胸を優先するなら、極端に狭いグリップは避けたいところです。
具体的には、肩幅の1.5倍程度を一つの出発点として、必要に応じて少しずつ広げていく方法がおすすめです。
しかし、広ければ広いほど良いわけではありません。

2023年の研究ではワイドグリップほど横に押し広げる力が強く、その力は約30%になりました。これは大胸筋の力の向きとは逆なので広げれば広げるほどいいというわけではないんです。

Lateral Force and EMG Activity in Wide- and Narrow-Grip Bench Press in Various Conditions – PMC The purpose of this study was to investigate the lateral forc pmc.ncbi.nlm.nih.gov

次に、脇の開き方です。
胸の成長を優先するなら、私がおすすめしたいのがギロチンスタイルのベンチプレスです。

このフォームの最大のメリットは、先ほど紹介したように大胸筋が得意とする水平内転方向の負荷を強調できること。大胸筋を最大まで伸ばせることです。ギロチンプレスは肩が危険というトレーナーも少なくありませんが、実はギロチン=危険というのは科学的根拠が強くなく、実際にこれを証明したデータはありません。

なのでギロチンは危険だからやらないと決めつけるのではなく一度やってみて肩が痛いかどうかを確認してください。特に重量は大きいです。高重量では痛いけど低重量だと何ともないということもよくあります。
また、ギロチンスタイルは首に近い位置でバーベルを扱うため、必ず適切なセーフティーバーを使用しましょう。

ここまでをまとめると、胸への負荷を優先するなら、私はギロチンスタイルを有力な選択肢としておすすめします。水平内転方向の負荷を強調し、大胸筋を伸ばす姿勢を作れることが理由です。
では、本当に胸を大きくするなら、ベンチプレスだけで十分なのでしょうか?

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CH5:胸トレになるベンチプレスとは?

ベンチプレスを胸トレにするためにはギロチンスタイルが効果的です。
では、ギロチンスタイルが自分の肩に合わない場合、どうすればいいのでしょうか?

避けてほしいことはすぐにこのスタイルをやめてしまうこと。重要なのは、ギロチンスタイルを諦めることではなく、自分の身体に合ったフォームに調整することです。

まず見直したいのがグリップ幅です。ギロチンスタイルだからといって、極端に広く握る必要はありません。肩幅の1.5倍程度を出発点に、指1〜2本分ずつグリップ幅を調整してみてください。脇を大きく開くという基本は維持しながら、自分にとって肩が安定し、無理なく押し上げられる幅を探します。

次に重量です。ベンチプレスでは高重量を扱うことが重視されがちですが、今回の目的は胸の筋肥大です。高重量で肩が痛むなら、その重量にこだわる必要はありません。痛みが出たセットは中止し、軽い重量で無理なく動作できるか確認してください。筋肥大は高重量でなければ起こらないわけではなく、軽い重量でも十分に追い込むことで大きな効果を得られます。

特に高重量は腱や関節の負担が大きい可能性があります。ただ単純に重量を軽くするだけでも痛みが無くなるというのはよくあるのでまずこれを試してみてほしいです。

そして、もう一つおすすめしたいのが、バーベルからダンベルへの変更です。

バーベルでは左右の手の幅が固定されます。これが肩の痛みを引き起こす可能性がありますが、ダンベルなら自分に合った軌道や手幅にできるので非常に持ち上げやすくなります。

ダンベルギロチンプレスでも、基本的なフォームは変わりません。脇を開いてダンベルを十分下まで下げます。よくあるのがヒジが90度になる位置で止めてるフォームですが、これは筋肉の成長を制限してしまいます。ダンベルが肩や胸と同じ高さになるまで十分下げましょう。

このように、グリップ幅、重量、そして使用する器具を変えるだけでも、同じギロチンスタイルを自分に合ったものへ調整できます。特に軽い重量にすること、ダンベルに変えることはおすすめです。

一般的なベンチプレスは胸と肩のトレーニングですが、ギロチンにすることで肩よりも胸を鍛える肩トレにすることができます。

https://youtu.be/XJLjwFz3ilg
Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。