パーカーフィットネスが勘違いしていた筋肥大において本当に重要なもの

筋肉をつけるために必要だと思われていることの中には、実はほとんど意味がないものがあります。そして正直に言うと、私も間違えていました。

最新の研究を見ると今では信じられないものがあります。今回は、筋肉が成長するために本当に必要なものは何なのか、そして私たちが何を勘違いしていたのかを科学的に解説します。

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CHAPTER 1 「効いてる」は筋肉が成長する証拠ではない

筋トレを始めた頃、私も「効いているかどうか」をかなり重要視していました。胸のトレーニングなら胸に強く効いている。背中なら広背筋が焼けるように感じる。**効いている=その筋肉がよく働いている=その筋肉が成長する。**こう考えていました。

しかし、効いてる感覚でトレーニングの良し悪しを判断するのは間違いです。理由はこの理論は成り立たないから。

2024年の研究では、トレーニング経験のある男性にラットプルダウン、ベントオーバーロウ、ダンベルロウなど6種目を行わせ、本人が「どの筋肉にどれだけ効いたか」を評価し、別日に実際の筋活動をEMGで測定しました。その結果、本人が感じた筋肉の活動量と、実際に測定された筋活動には6種目すべてで有意な相関がありませんでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39214526/

つまり、「胸にめちゃくちゃ効いた」「背中に全然入らなかった」という感覚だけでは、その筋肉が実際にどれだけ働いていたのかすら正確には分かりません。

なぜなら、人間には筋肥大に関係する機械的張力を、そのまま数値のように感じ取る仕組みがないからです。

筋肉には筋紡錘やゴルジ腱器官と呼ばれるセンサーがあります。筋紡錘は主に筋肉の長さやその変化を検出し、ゴルジ腱器官は筋肉が生み出す力に反応します。しかし、ゴルジ腱器官も筋肉全体の張力を一つのセンサーで測定しているわけではなく、それぞれが特定の運動単位から伝わる張力を検出しています。筋肉全体の力は、こうした多数の感覚情報を神経系が統合することで推定されています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23073629/

さらに私たちが「力を出している」「キツい」と感じる感覚には、筋肉から届く情報だけではなく、**脳がどれだけ強い運動指令を出しているかという努力感も混ざっています。

簡単に言うと一生懸命トレーニングしてると脳が思うだけで効いてる感も生まれるということ。**そのため、疲労して同じ重量が極端に重く感じても、それは必ずしもターゲットの筋肉により大きな機械的張力がかかっていることを意味しません。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30604022/

要するに、私たちが感じている「効いてる」は、**筋肉にかかっている機械的張力そのものではありません。**パンプ、焼ける感覚、ストレッチ感、努力感など、いくつもの感覚が混ざったものです。

だから、「この種目は効くから優秀」「効かないから筋肉が成長しない」と判断することはできません。

では、筋肉の成長を決める本当の刺激は何なのか。そして、パンプや筋損傷は本当に筋肉を成長させているのか。

CHAPTER 2 筋肉を成長させる最重要刺激は機械的張力

ここも、私が以前勘違いしていたことがあります。

以前は筋肥大には、機械的張力・筋損傷・代謝ストレス、この3つが重要だと考えられていました。実際、2010年に発表された有名なレビューでも、この3つが筋肥大を引き起こす主要なメカニズムとして紹介されています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20847704/

しかし現在、この3つを同じように重要だと考えるのは古くなっています。2025年に発表された筋肥大メカニズムをまとめた最新レビューでは、機械的張力こそが筋肥大を引き起こす最も重要な刺激だとされています。一方で、代謝ストレス、細胞膨張、いわゆるパンプが筋肥大に意味のある影響を与えるという主張は、現在の科学的証拠では支持されていません。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41276164/

筋損傷についても同じです。筋肉を一度壊して、それを修復することで以前より大きくなる。この説明も非常に有名ですが、**筋損傷は筋肥大を起こすために必要ではありません。**筋損傷をほとんど起こさないトレーニングでも筋肥大は起こり、筋損傷が大きい時期よりも、筋損傷が小さくなってからの方が筋タンパク質合成と実際の筋肥大が結びつくことが分かっています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29282529/

そして、昔かなり重要視されていたもう一つの要素がトレーニング後のホルモン上昇です。スクワットなど大きな筋肉を使う種目を行うとテストステロンや成長ホルモンが急激に上昇するため、こうしたホルモン反応が大きいトレーニングほど筋肉が成長すると考えられていました。

しかし、これも現在ではほとんど支持されていません。トレーニング経験者を12週間追跡した研究では、筋トレ後にテストステロンなどのホルモンがどれだけ上昇したかと、その後どれだけ筋肉が成長したかには有意な関係がありませんでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27174923/

さらに2025年の最新レビューでも、筋トレ後に起こる一時的な全身のホルモン上昇が筋肥大に意味のある影響を与えるという考えは、現在の証拠では支持されていません。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41276164/

これはテストステロンそのものが筋肉に関係ないという意味ではありません。テストステロンが異常に低ければ筋肉には不利ですし、ステロイドなどによって生理的範囲を大幅に超えるレベルまで上げれば筋肉は明確に増えます。しかし、筋トレ後に数十分から数時間テストステロンが上がることを狙っても、それが筋肥大を増やすわけではありません。

つまり、筋肉痛になるほど筋肉を壊すことも、パンパンにパンプさせることも、トレーニング後にテストステロンや成長ホルモンを大量に出すことも、筋肉を成長させるために重要な要素ではありません。

そしてこれで前のチャプターの話もつながります。私たちが「効いてる」と感じる大きな原因の一つがパンプや焼けるような感覚です。しかし、その代謝ストレス自体が筋肥大の中心ではありません。だから**「効いてる感覚が強い=筋肥大に優れている」とは判断できません。**

では機械的張力とは何なのか。簡単に言えば、**筋線維が力を発揮するときに、その筋線維にかかる張力です。**筋肉はこの物理的な力を感知し、それを細胞内のシグナルへ変換するメカノトランスダクションによって、タンパク質合成や筋肥大につながる反応を起こします。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37382939/

では、この機械的張力を最大化するには何をすればいいのか。まずボリュームを高くすること。例えばトレーニング頻度を上げて疲労を分散させたり、低重量高回数トレーニングはVOLを高めて機械的張力を上げる方法です。

さらに重要なのが、ストレッチされたポジションで筋肉に負荷をかけることです。筋肉が長くなるほど、収縮によって生まれる能動的な張力だけではなく、チチンなどの弾性構造による受動的張力も大きくなります。チチンは単なるバネではなく、機械的な力を感知するメカノセンサーとしても機能すると考えられています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29131758/

筋肉を成長させたいなら、筋肉を壊すことでも、パンプさせることでもありません。筋線維に大きな機械的張力を、十分な量与えること。まず最大化するべきなのはここです。

しかし、以前のパーカーフィットネスはじめ、多くのひとはこの機械的張力を犠牲にして別のものを最大化しようとします。例えば胸の日を作って1日で20set 30setと胸を追い込んだり、効いてる感が強いからプリチャーカールでヒジを伸ばし切らなかったり張力よりも感覚を重視してしまいます。

CHAPTER 3 タンパク質は1.6g/kgで頭打ちではない

筋肉を成長させる刺激を作ったら、次に必要なのが筋肉の材料となるタンパク質です。そしてタンパク質についても、私自身ずっと信じていた有名な数字があります。「タンパク質は体重1kgあたり1.6g摂れば十分。それ以上摂っても筋肥大効果はほとんど増えない。」

この1.6gという数字が広まった大きなきっかけが、2018年に発表された49研究、1863人をまとめたメタ分析です。タンパク質摂取量と除脂肪体重の増加を分析すると、1日1.62g/kg付近で筋肉の増加量が頭打ちになるというブレークポイントが算出されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28698222/

この結果から「1.6g/kgを超えたらほぼ意味がない」という考えが広まりました。私もこれまで、この数字をタンパク質摂取量の基準として使ってきました。しかし、**1.62g/kgという数字は、そこで筋肥大効果が完全に止まることを意味していません。**元のデータでも推定範囲はかなり広く、1.6g/kgを超えてタンパク質を増やした研究も、さらに筋肉が増える方向を示していました。

https://www.strongerbyscience.com/protein-science/

その後、より多くのデータをGreg Nuckolsが再解析すると、タンパク質は増やすほど追加効果が小さくなるものの、1.6g/kgを超えても筋肥大へのメリットは続く可能性が高いことが示されています。最も可能性が高い頭打ちは約2.0g/kg、個人差まで考えるとおよそ1.7〜2.35g/kg程度です。

https://www.strongerbyscience.com/protein-science/

つまり、**1.6g/kgは悪い数字ではありません。これだけ摂れば筋肥大に必要なタンパク質の大部分は確保できます。しかし、「1.6gを超えたら全部無駄」は間違いです。**筋肥大を最大化したいなら2.0g/kg前後を一つの目安にして、さらに取りこぼしを減らしたいなら2.35g/kg程度まで増やすという考え方が合理的です。

そしてタンパク質について間違えられてきたのは、1日の摂取量だけではありません。

例えばよく言われるのが、**「タンパク質は1回20〜30gまでしか吸収できない。それ以上摂っても無駄になる」**という話です。しかし、これも間違いです。

2023年の研究では、運動後に25gまたは100gのタンパク質を摂取させました。その結果、100gを摂った場合は25gよりも**大きなアナボリック反応が起こり、その効果は12時間以上持続しました。**摂取したタンパク質由来のアミノ酸も実際に筋タンパク質へ取り込まれています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38118410/

つまり、**30gを超えた瞬間に残りのタンパク質が吸収できなくなり、全部捨てられるような上限はありません。よくある**「タンパク質は吸収限界があるから3時間おきに摂らなければいけない」**というルールは現在の科学では否定されています。。

そして最も有名なのが、筋トレ後のゴールデンタイムです。「筋トレが終わったら30分以内にプロテインを飲まないと、筋肉を作るチャンスを逃す。」私も昔は筋トレが終わったら、できるだけ早くプロテインを飲んでいました。

しかし、長期的な筋肥大を見ると、このゴールデンタイムを支持する証拠はありません。2025年、トレーニング前とトレーニング後のタンパク質摂取を直接比較した研究をまとめたメタ分析でも、摂るタイミングによって除脂肪量や筋厚に有意な差はありませんでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40647175/

つまり、筋トレ後にプロテインを飲むこと自体は全く問題ありません。便利なら飲めばいい。しかし「30分以内に飲まないと筋肥大効果を逃す」というゴールデンタイムを恐れる必要はありません。

そしてタンパク質については、1回30gまで、3時間おき、筋トレ後30分以内など、細かいルールがたくさんありますが、それより先に見るべきものがあります。

まず1日に十分なタンパク質を摂ることです。体重の2.0~2.35g/kgをとる。タンパク質はタイミングを完璧にするより、まず1日の摂取量を確保することの方が重要です。

CHAPTER 4 筋肉を増やすのにカロリー余剰は必要ない

私がトレーニングを始めた頃はかなり痩せ型だったので、これも完全に信じていました。**「太らなきゃデカくなれない。」**筋肉を増やしたいなら、とにかく食べる。消費カロリーより摂取カロリーを増やして、必ずカロリー余剰を作る必要があると思っていました。

実際たくさん食べて体重を増やせば体が大きくなったように感じました。

この考え方にはちゃんと理由があります。**エネルギー不足が大きくなるほど、筋肉の成長は抑えられます。**筋トレをしながらカロリー不足になった研究をまとめたメタ分析でも、エネルギー不足群は不足していないグループより除脂肪体重の増加が小さくなりました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34623696/

だったら「筋肉を最大限増やすには、たくさん食べて余剰カロリーを作ればいい」と考えるのは自然です。

でも、ここには大きな飛躍があります。エネルギー不足が筋肥大を邪魔することと、カロリー余剰が筋肥大に必要であることは全く別の話です。

このメタ分析を詳しく見ると、筋肉の増加が止まると推定されたのは、平均で1日約500kcalの赤字になったところです。つまり、カロリーが1kcalでも不足した瞬間に筋肉が成長しなくなるわけではありません。赤字が大きくなるほど不利になり、約500kcalの赤字で平均的な除脂肪体重の増加がゼロになると推定されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34623696/

なぜカロリー赤字でも筋肉を作れるのか。人間にはすでに体脂肪という巨大なエネルギー貯蔵庫があるからです。摂取したエネルギーだけでその日の消費を賄えなければ、体は脂肪組織に蓄えられた中性脂肪を分解し、エネルギーとして利用します。

つまり、筋肉を作るためにエネルギーが必要だからといって、そのエネルギーをすべて余った食事から用意する必要はありません。

そして実際に、脂肪を落としながら筋肉を増やす、いわゆるボディリコンポジションは繰り返し確認されています。

非常に分かりやすい研究では、若い男性を約40%もの大きなカロリー不足にして、4週間かなり高強度のトレーニングを行わせました。タンパク質を2.4g/kg摂ったグループでは、体脂肪が平均4.8kg減ったにもかかわらず、除脂肪体重は1.2kg増加しました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26817506/

もちろん、だから40%のカロリー赤字にするべきだという話ではありません。この研究は若い男性に短期間かなり大量の運動をさせた特殊な条件です。しかし重要なのは、カロリー余剰がなくても、場合によっては大幅なカロリー赤字の中ですら筋肉側の組織を増やせるということです。

では逆に、カロリーを余らせれば余らせるほど筋肉は増えるのか。

2023年にはトレーニング経験者を、維持カロリー、約5%の余剰、約15%の余剰に分けて8週間筋トレさせた研究があります。その結果、余剰を大きくしても、上腕二頭筋・上腕三頭筋・大腿四頭筋の筋厚が明確に増える証拠はありませんでした。一方で、体重を速く増やした人ほど皮下脂肪は増えました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37914977/

研究者も、より速い体重増加、つまりより大きなカロリー余剰は、筋肉や筋力を大きく増やすというより主に脂肪の増加を速めたと結論づけています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37914977/

つまり「デカくなりたいから、とにかく食べる」は、体重をデカくする方法ではあっても、筋肉だけをデカくする方法ではありません。

筋肉の成長にエネルギーは必要です。しかし、カロリー余剰は必要ありません。筋肉を増やすために、わざわざ脂肪まで増やす必要はありません。

CHAPTER 5 筋肥大サプリのほとんどは必要ない

プロテイン、BCAA、EAA、HMB、βアラニン、シトルリン、グルタミン、テストステロンブースター。筋肉をつけるためのサプリメントを棚に並べようと思えば、いくらでも並べられます。

そして私自身、トレーニングを始めた頃は**「筋肉にいい」と言われたサプリメントをとにかく買っていた時期がありました。**少しでも筋肉が増える可能性があるなら飲んだ方がいい。飲んでいない人より有利になる。そう思っていました。

しかし、筋肉の成長を考えるなら、そのほとんどは筋肥大に差をつけるほどの効果を持っていません。

2025年に発表されたレビューでは、サプリメントが本当に筋肉を成長させるのかを、除脂肪体重のような間接的な数字ではなく、超音波やMRIで測定した筋厚や筋断面積そのものを使った46試験から検証しています。

その結果、安定して筋肥大へのメリットが確認されたものは驚くほど少なく、代表的なのはタンパク質・必須アミノ酸とクレアチンでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41305653/

パーカーフィットネス自身、サプリメントを棚にたくさん並べてそれを見て満足していた時期もありました。でもそのほとんどは全く無意味な投資でした。

では、本当に筋肉の成長に追加効果を与えられるサプリメントは何なのか。

前のチャプターで説明したように、必要なのはプロテインという商品ではなく、十分なタンパク質そのものです。食事から必要量を摂れているなら、プロテインを飲まなくても筋肉は成長します。ただ、食事だけで必要量をとれてる人は少ないのでプロテインサプリメントは多くのひとに必要です。

そしてこれさえあればEAA、HMB、BCAAなどのアミノ酸サプリメントも不要です。

サプリメントのほとんどが必要ないものですが、数少ない例外がクレアチンです。

クレアチンと筋トレを組み合わせた10研究をまとめ、MRI・CT・超音波で筋肉そのものを測定したメタ分析では、筋トレだけを行った場合と比べて、**クレアチンを摂った方が上半身・下半身ともに筋肥大がわずかに大きくなりました。**効果は巨大ではありませんが、本当に筋肉の成長に追加効果を与えられる数少ないサプリメントです。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37432300/

βアラニンやカフェインのように、特定の運動パフォーマンスを改善できるサプリメントはあります。しかし、パフォーマンスが上がることと、そのサプリメント自体が筋肉を大きくすることは別です。

筋肥大という一点だけで見れば、本当に優先するべきものはかなり少ない。

十分なタンパク質を摂る。そして追加するならクレアチン。

それ以外のサプリメントを何種類も買ったとしても、機械的張力、十分なタンパク質、適切なエネルギー摂取といった基本を超えるほど筋肉の成長に差をつけることはありません。

筋肉を大きくするために大量のサプリメントは必要ありません。本当に効果があるものは、ごくわずかです。

CHAPTER 6 筋肉は48〜72時間休ませないと成長しない?

最後は回復です。

確かにこの動画の最初にも話したように回復は重要です。筋肉は回復してから成長するので回復に多くのエネルギーが使用されると筋肉の成長が妨げられます。なので回復を意識することは重要です。

筋肉を鍛えたら48〜72時間は同じ部位を休ませる。これは今でもかなりよく言われます。特に全身法のように同じ筋肉を週3回、場合によってはさらに高頻度で鍛える方法を紹介すると、必ずと言っていいほど出てくるのが、**「そんなに頻繁に鍛えたら筋肉が回復できない」**という意見です。私も以前は、同じ筋肉を短い間隔で鍛えるほど回復が追いつかなくなり、筋肥大には不利になると考えていました。

しかし、筋肉には「48〜72時間経つまで再び鍛えてはいけない」という固定された回復時間はありません。よく考えてみてください。例えば20set胸を鍛えた人と1setだけしか胸を鍛えてない人が回復に同じ時間がかかるというのは不自然です。

頻度が3倍になっても1日で鍛えてる量は1/3になってるはずです。

2018年の研究では30人の男性を、全身トレーニングを3日連続で行うグループと、48〜72時間空けて週3回行うグループに分け、12週間トレーニングさせました。連続グループは、前日に鍛えた胸、背中、脚などを約24時間後にまた鍛えています。それでも、12週間後の筋力や除脂肪量の変化にグループ間の有意差はありませんでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29967584/

別の研究でも、全身トレーニングを週3回、3日連続で行う場合と、間隔を空けて行う場合で筋力や身体組成の変化に有意な差はありませんでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27682004/

つまり、昨日その筋肉を鍛えたからといって、今日また鍛えたら成長できないわけではありません。「48時間空けなければ筋肉が回復しない」という単純なルールでは説明できないということです。

なぜなら、高頻度トレーニングは毎回同じ量を追加することではないからです。例えば胸を週15セット行うとして、1日に15セットすべて詰め込む方法もあれば、5セットずつ週3回に分ける方法もあります。後者は頻度こそ高くなりますが、1回あたりのトレーニング量と疲労は小さくできます。

全身法も同じです。週に何度も同じ筋肉を鍛える代わりに、**1回にその筋肉へ与えるセット数を少なくする。**だから「週3回胸を鍛える」という頻度だけを見て、回復できないと判断することはできません。

回復において重要なのはトレーニングの間隔ではありません。むしろ間隔をあけるほど低頻度になり、セットが1日に集中します。実際ある研究では高頻度の全身トレーニングと低頻度の分割トレーニングで比較を行ったところ筋肉の成長、筋力の向上は高頻度側が有利でしたが、筋肉の損傷は低頻度側のほうが高いことがわかりました。

実際最近の研究では低頻度トレーニング程、1日に集中するため回復においても良くないという傾向がわかっています。

まとめ

筋肉を成長させるために必要なことは、思っているよりずっとシンプルです。問題なのは、重要ではないものまで「必要」だと思い込んでしまうことです。

科学は常に更新されます。数年前まで正しいと考えられていたことでも、今の研究では違う結論になることがあります。私自身も、今回紹介した内容のいくつかは以前まで正しいと思っていました。

だから重要なのは、昔覚えた知識を守ることではありません。今ある証拠をもとに、必要なら考え方を変えることです。

筋肉を最大限成長させたいなら、感覚や昔からの常識ではなく、本当に筋肉の成長に影響するものを優先してください。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。