筋肉をデカくしたいならこのセット数で鍛えてください【最新研究】

 

筋肉を大きくしたいなら、セット数は多いほどいい。そう考えて、10セット、15セット、20セットとトレーニング量を増やしている人は多いと思います。

でも、本当にその追加セットは筋肉を成長させているのでしょうか。

最近では、普段のセット数を30%、60%と増やした研究や、1つの筋肉を週60セット以上鍛えた研究まで発表されています。そして、そこから見えてきたのは、「多くやればやるほどデカくなる」という単純な話ではありませんでした。

では、週に何セットやれば十分なのか。1回のトレーニングでは何セットまで意味があるのか。そして、どこから先は時間と疲労だけを増やしているのか。

今回は最新研究をもとに、筋トレは何セットから無駄になるのかを解説します。

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CHAPTER 1 セット数は多いほど筋肉がデカくなる?

まず最初に、セット数を増やすこと自体が間違っているわけではありません。むしろこれまでの研究では、少ないセット数よりも、多くのセット数を行った方が筋肉は成長しやすいことが繰り返し報告されています。

2017年には、筋トレの週間セット数と筋肥大の関係を調べたメタ分析が発表されています。この研究では過去のデータを、1つの筋肉につき週5セット未満、週5〜9セット、週10セット以上などに分けて解析しました。その結果、全体として週セット数が多くなるほど筋肥大効果も大きくなる用量反応関係が確認されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27433992/

そして2019年には、すでに筋トレ経験のある男性34人を対象に、さらに直接的な実験が行われています。参加者は8週間、週3回トレーニングし、各種目を1セット、3セット、5セット行うグループに分けられました。

その結果、すべてのグループで筋肉は成長しましたが、筋肥大では全体としてセット数の多いグループが有利になり、研究者も高いトレーニングボリュームほど筋肥大を促進する用量反応関係が見られたと結論づけています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30153194/

つまり、「セット数はどうでもいい」「1セットだけやれば十分」というわけではありません。筋肉を大きくするうえで、トレーニング量は間違いなく重要です。

ここまでは非常にシンプルです。

1セットより3セット。3セットより5セット。少ない量しかやっていないなら、セット数を増やすことで筋肉の成長をさらに引き出せる可能性があります。

しかし、ここで一つ疑問が出てきます。

5セットより10セットがいいなら、10セットより20セット、20セットより30セットと、増やせば増やすほど筋肉は成長するのでしょうか。

実は最新研究を見ると、セット数と筋肥大の関係は、こんな単純な直線ではありません。

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CHAPTER 2 週に何セットまで筋肥大効果は増える?

では、セット数を増やすほど筋肉が成長するなら、週に何セットまで増やせばいいのでしょうか。

この疑問について、2026年にかなり大規模な解析が発表されています。研究では67件、合計2,058人のデータを使い、1週間あたりのセット数と筋肥大の関係を調べました。

その結果、基本的には週間セット数が増えるほど筋肥大効果も大きくなることが確認されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41343037/

しかし、重要なのはここからです。

セット数と筋肥大の関係は、セットを2倍にすれば筋肥大も2倍になるような直線ではありませんでした。セット数を増やすほど、追加した1セットから得られる筋肥大効果は小さくなっていきます。

例えば、ほとんどトレーニングしていない人が週5セット追加するのと、すでに週20セットやっている人がさらに5セット追加するのでは、同じ5セットでも価値は同じではありません。

少ないセット数では、追加する価値が大きい。しかしセット数が増えるにつれて、筋肉は成長しても、そのために必要な時間と疲労に対するリターンはどんどん悪くなります。

つまり、この研究から分かるのは「週10セットを超えたら無駄」「20セット以上は効果ゼロ」という単純な話ではありません。

セット数を増やせば増やすほど筋肥大効果は上乗せされるが、その効率は落ちていく。追加セットによる筋肥大促進効果は減っていく。

これが現在のデータから見えるセット数の基本です。

さらに、この研究では「1セットをどう数えるか」についても解析されています。

例えばベンチプレスをすると、大胸筋だけではなく上腕三頭筋も使われます。懸垂やローイングでは、背中だけではなく上腕二頭筋にも刺激が入ります。

そこで研究では、複合種目による間接的な刺激を、

直接鍛えたセット=1セット
間接的に鍛えたセット=0.5セット

として計算する方法も検証しました。そして、この方法が筋肥大データとの関係を最もうまく説明しました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41343037/

例えばベンチプレスを週8セット、上腕三頭筋の単独種目を週8セットしている場合、三頭筋は単純に8セットしか鍛えていないとは考えません。

ベンチプレス8セットの半分を加えれば、

直接8セット+間接4セット=約12セット

と考えることができます。

つまり、胸・背中・肩を大量に鍛えながら腕の種目も大量に行っている人は、自分が思っている以上に週間セット数が多くなっている可能性があります。

そしてここで、さらに重要な疑問が出てきます。

最新解析では、セット数を増やすほど筋肥大は増える一方、その効果は徐々に小さくなっていました。

では実際に、普段から筋トレをしている人のセット数を30%、60%と一気に増やしたら、筋肉はどれくらい増えるのでしょうか。。

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CHAPTER 3 セット数を増やし続けたらどうなる?

2025年の研究では、筋トレ経験のある男性を、これまでと同じセット数を続けるグループ、週間セット数を30%増やすグループ、60%増やすグループに分け、8週間トレーニングさせました。

結果、3グループとも大腿部の筋肉は成長しました。しかし、セット数を30%、60%と増やしても、**筋肥大に有意な追加効果はありませんでした。**筋厚の増加量は、これまでと同じセット数で+1.07cm、30%増加で+0.76cm、60%増加で+0.70cmでした。

つまり少なくともこの研究では、セット数を最大60%増やしても、筋肉の成長速度は上がりませんでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39665246/

別の2025年研究では、さらに面白い方法が使われています。42人の筋トレ経験者について、同じ人の片腕はこれまでと同じセット数、反対の腕だけセット数を増加させました。

つまり食事、睡眠、遺伝、生活習慣が違う人同士ではなく、同じ人間の右腕と左腕で比較できます。

12週間後、上腕屈筋の筋厚を複数箇所で測定しましたが、**セット数を増やした腕が、維持した腕より大きく成長することはありませんでした。**研究者も、普段のセット数からさらに量を増やしても、筋肥大や筋力の追加改善は確認されなかったと結論づけています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39557664/

そして2026年7月には、さらに極端な研究が発表されました。

対象は筋トレ初心者ではなく、筋力トレーニングを行っている男性アスリート27人です。まず全員が10週間同じトレーニングを行い、その後7週間、一方は通常のトレーニング量を継続し、もう一方は週間セット数を約1.5倍に増やしました。

高ボリュームグループは最終的に、筋群によって週最大63セットという非常に高い量までトレーニングしています。

https://link.springer.com/article/10.1007/s42978-026-00387-7

結果、外側広筋とハムストリングスの筋厚に、**通常量と高ボリュームの有意な差はありませんでした。**筋力についてもほとんど差がなく、デッドリフトだけはむしろセット数が少ないグループの方が有意に伸びています。

https://link.springer.com/article/10.1007/s42978-026-00387-7

もちろん、この研究から「週20セット以上は全部無駄」とは言えません。しかし、ここまでの研究を合わせると一つ重要なことが分かります。

すでに十分なセット数を行っている人が、停滞したからといって単純にセット数を増やしても、筋肉がさらに成長するとは限りません。

では具体的に何セットやればいいのか。これについて紹介します。

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CHAPTER 4 結局、週に何セットやればいい?

では結局、1つの筋肉を週に何セット鍛えればいいのでしょうか。

2022年のシステマティックレビューでは、1年以上の筋トレ経験がある若い人を対象に、週間セット数を12セット未満、12〜20セット、20セット以上に分けて比較しています。その結果、大腿四頭筋と上腕二頭筋では12〜20セットから20セット以上に増やしても明確な追加の筋肥大効果は確認されませんでした。一方、上腕三頭筋では20セット以上が有利でした。研究者は、筋トレ経験者では週12〜20セット程度が一つの標準的な範囲になるとしています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35291645/

ただし、最新解析では、週間セット数が増えるほど筋肥大効果も大きくなる一方で、セットを追加するほど1セットあたりの効果は小さくなることが示されています。

そのため実際には、1つの筋肉につき週10セット前後を一つの基準にして、必要な人だけ増やすのが合理的です。週10セット程度で重量や回数、筋肉のサイズが伸びているなら、それ以上増やす必要はありません。成長が止まり、回復にも余裕があるなら12セット、15セットと増やし、筋トレ経験者では12〜20セット程度までを一つの調整範囲として考えます。

ただし、ここには非常に重要な落とし穴があります。

胸、背中、二頭筋、三頭筋を全部10セットにすればいいわけではありません。

なぜなら、腕は胸や背中のトレーニングでもすでに鍛えられているからです。

先ほど紹介したようにベンチプレスでは大胸筋だけではなく上腕三頭筋も使われます。懸垂やローイングでは背中だけではなく上腕二頭筋も使われます。

例えば、ベンチプレスなど三頭筋も大きく使うプレス種目を週10セットやっているとします。これを三頭筋では0.5セットとして数えるなら、すでに約5セット分の刺激を受けています。

そこから三頭筋の単独種目も10セットやれば、

プレス10セット × 0.5=5セット
+三頭筋10セット=10セット
合計=約15セット

です。

一見すると「胸10セット、三頭筋10セット」で同じ量に見えますが、実際には三頭筋の方がかなり高いボリュームになっています。

つまり、胸10、背中10、二頭10、三頭10と全部同じ直接セット数にすると、腕だけ実質的なボリュームがかなり多くなりやすい。

そこで腕については、胸や背中と同じ数の単独種目を最初から行う必要はありません。

例えばプレス種目を週10セット行っているなら、三頭筋の単独種目をまず5セット程度。懸垂やローイングを週10セット行っているなら、二頭筋の単独種目をまず5セット程度にすれば、間接刺激を含めてどちらも約10セットになります。

おおよその目安ですが腕は胸や背中の半分くらいのセットでちょうどいいです。

そして1週間のセット数と同じくらい大事なのはセットの分散です。実は同じ10setでも筋肉の成長に貢献する量が大きく変わることが研究で確認されています。

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CHAPTER 5 1回の筋トレは何セットから無駄になる?

ここまで話してきたのは、1週間の合計セット数についてです。

では、1回のトレーニングでは何セットまでやる価値があるのでしょうか。

2025年に、この疑問を調べたメタ回帰分析が発表されています。筋肥大については35研究、1,032人、220個のデータを使って、1つの筋肉を1回のトレーニングで何セット鍛えると筋肥大効果がどう変わるのかを解析しました。

その結果、1回のセット数についても、基本的にはセット数が多いほど筋肥大効果は大きくなる関係が確認されました。

しかし、週間セット数と同じように、セットを追加するほど1セットあたりの筋肥大効果は小さくなっていきました。

https://sportrxiv.org/index.php/server/preprint/view/537

そして、この研究で一つの境界として示されたのが、1回あたり約11 fractional setsです。

この11セットは、「11セット目をやった瞬間に筋肥大効果がゼロになる」という意味ではありませんが、追加効果を確認できる可能性がかなり低くなる地点として約11セットが示されました。

https://sportrxiv.org/index.php/server/preprint/view/537

例えばよくあるミスが分割法で胸の日を作って1日で10set、20setと鍛えることです。

まず重要なのは、トレーニング頻度そのものに大きな筋肥大効果があるわけではなありません。

2019年のメタ分析では、筋肉を週1回、週2回、週3回以上鍛えた研究をまとめて分析しました。その結果、1週間のトレーニング量を同じにすると、頻度を増やしても筋肥大効果に有意で意味のある差は確認されませんでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30558493/

つまり、週3回鍛えれば、週1回より必ず筋肉が成長する。というわけではありませんが、頻度は高いに越したことはないと言えるだけの理由があります。

それがボリュームの分散です。

先ほどの解析では、1回のトレーニングでもセット数を増やすほど追加セットの価値は小さくなり、約11 fractional sets付近が一つの境界候補として示されています。

https://sportrxiv.org/index.php/server/preprint/view/537

例えば大胸筋を週15セットやるなら、

15セット × 週1回

よりも、

7〜8セット × 週2回

に分ければ、1回あたりのセット数を抑えながら同じ週間ボリュームを確保できます。

週18セットなら、

9セット × 週2回

あるいは、

6セット × 週3回

と分散できます。

加えて、先ほど紹介したように1日のセット数にも収穫逓減の原則があります。つまり、前半のセットほど価値が高いということ。だから9setを週2回より6setを週3回のほうが純利益は大きいです。

基本的に筋トレ効果は分散するほど大なり小なりメリットがある可能性が高いと覚えていただいて大丈夫です。週3回大胸筋を鍛える人と週1回大胸筋を鍛える人では前者のほうが効果が高い。最悪でも同じになります。なので高頻度で鍛えることに損はありません。

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CHAPTER 6 あなたに必要なセット数の決め方

ここまでの研究から、全員に共通する「絶対にこのセット数が最強」という数字はありません。なのでまずは自分に合ったセット数を探すところからスタートです。

まず1つの筋肉につき、週10セット前後から始めます。ほとんどのひとにとっては筋肉を最大化するセット数は10set以上である可能性がかなり高いです。

そして最も重要なのは、そのセット数で実際に成長しているかを見ることです。

重量が伸びている。
同じ重量でできる回数が増えている。
筋肉のサイズも増えている。

この状態なら、セット数を増やす必要はありません。特に筋肉が増えてるかは判断することはかなり難しいので重量や回数などの数字がひとつの指標になります。

成長しているなら、そのセット数が今のあなたには十分です。

では、どれくらい続けて成長しなければ、セット数を増やせばいいのでしょうか。

一つの目安は、最低8週間、できれば8〜12週間です。

筋肉の成長自体はもっと早く始まっています。実際、研究では3週間ほどで筋肉のサイズ変化が確認されたものもあります。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17053104/

しかし、短期間では筋肉のむくみや測定誤差の影響もあり、本当に筋肥大しているのか判断するのは難しくなります。そのため、セット数を増やすかどうかは、数週間ではなく8〜12週間の変化を見るのがおすすめです。

実際、筋トレ経験者を対象にした研究でも、8週間程度あれば筋厚の変化は十分に検出されています。8週間でしっかり伸びているなら、少なくともセット不足を疑う必要はありません。追加セットで得られる上乗せは小さい可能性が高いです。 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30153194/

逆に、その期間で成長を感じられない。重量や回数もほとんど伸びてないならセット数を増やしたほうが良いです。実際、筋肥大には低反応者と高反応者がいて低反応者はセット数を増やすだけで大きな筋肥大を起こせることが確認されています。

ただしいきなり10セット増やすのではなく、

週10セット

週12〜13セット

必要なら週15セット

というように、成長してない筋肉群あたり週2〜3セット程度ずつ追加します。

ただし、セット数を増やす前に「本当にセット数が足りないだけなのか」を確認してください。

睡眠時間が足りない。摂取カロリーやタンパク質が不足している。フォームが崩れて狙った筋肉に負荷が入っていない。長期間、重量も回数も増えていない。

特に10setでも1日でやるか2日に分けてるかで大きく違います。1日で一気にやってる人がセット数だけ増やしても、かなりの高確率で問題は解決しません。

だから、「筋トレは何セットから無駄になるのか?」という問いについては

筋肉の成長にほとんど貢献しないセット数というのはあります。ただし絶対的な数字はありませんが、おおよそ週に20setを超えるセット数や1日で10se以上同じ筋肉を鍛えるのは避けたほうが良いです。ただし、週のセット数については大きな個人差があるので20set以上がダメとも言えません。

例えば20set以上でうまくいってるならそれを減らす必要はないと思います。まずは10setから始めて調節していきましょう。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。