お腹の脂肪が消え始める前に必ずこれが起こります【科学】

ダイエットを始めて体重は少し減った。食事も運動も続けている。それなのに鏡を見ると、お腹だけは全く変わっていない。

この状態が続くと、多くの人は「今の方法ではお腹の脂肪は落ちない」「もっと食事を減らさないといけない」と考えます。しかし、ここで食事をさらに減らしたり、ダイエットをやめたりするのは早すぎます。

お腹の脂肪は、ある日突然燃え始めるわけではありません。見た目が変わる前には、体の別の場所に先に変化が現れます。逆に、この変化が全く起きていない場合、本当に脂肪が落ちていない可能性があります。

今回は、お腹の脂肪がどれくらいの速度で減るのか、見た目より先に起こる脂肪減少のサイン、そして頑張っているのに痩せていない人だけに現れるサインまで、科学的なデータをもとに解説します。

今、お腹が全く変わっていない人ほど、最後まで確認してください。あなたは痩せていないのではなく、お腹が変わる直前にいる可能性があります。

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CH1 お腹の脂肪はどれくらいの速度で落ちるのか

最初に、脂肪が落ちる基本的な速度から確認します。体脂肪1kgには、およそ7700kcalのエネルギーが蓄えられています。1日500kcalのカロリー赤字を作った場合、計算上は1日に約65g、約15日で体脂肪1kgが減る計算です。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17848938/

ここで、1日1000kcalの赤字を作れば、約8日で1kg落とせるのではないかと思うかもしれません。しかし現実的には計算上は速くなりますが、赤字を大きくするほど、脂肪と一緒に筋肉まで失いやすくなります。カロリー赤字を倍にしても脂肪の分解速度は倍にはなりません。

筋肉が減ると体が細くなり、基礎代謝やトレーニング能力も低下するため、結果的に脂肪燃焼速度が遅くなります。

筋トレとカロリー不足を扱ったメタ分析では、1日約500kcalの赤字に達すると、筋トレによる除脂肪量の増加が止まりました。筋肉を維持しながら脂肪を落とすなら、1日のカロリー赤字は500kcal以内がほとんどの人にとって最も現実的な目安です。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34623696/

そのため、筋肉を守りながら体脂肪1kgを落とすには、理論上は約15日、実際には約2〜4週間かかると考えてください。減量が進むと体重が軽くなり、無意識の活動量や消費カロリーも低下するため、最初の計算より少し時間がかかるようになります。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4035446/

しかし、2〜4週間かけて体脂肪を1kg落としても、お腹の表面から1kgの脂肪が消えるわけではありません。脂肪は顔、胸、背中、腕、脚、内臓周辺など、全身の複数の場所から分散して減ります。

部位別に脂肪の変化を比較した研究では、体脂肪が1kg減るごとに、腹部皮下脂肪の断面積は約10平方cm減少していました。食事制限でも有酸素運動でも、1kg当たりの腹部皮下脂肪の減少量はほぼ同じでした。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34040197/

この部位別データから重量に置き換えると、体脂肪1kgのうち、お腹の皮下脂肪から減る量は大まかに10〜15%、約100〜150gが目安です。つまり、2〜4週間かけて全身の体脂肪を1kg落としても、お腹の表面から減る脂肪は100g前後しかありません。

腹部皮下脂肪を300g減らすだけでも、およそ1〜3か月かかります。元々お腹の皮下脂肪が多い人ほど、最初の100gや200gが減っても、見た目ではほとんど分かりません。逆に、すでに痩せている人は数百gの変化でも、腹筋の割れ方や下腹の厚みに大きな違いが現れます。

では、実際にお腹の脂肪が消えてウエストが1cm縮むまでには、どれくらいかかるのか。日本人2635人を対象にした研究では、体重が3kg減ると、ウエストは男性で平均3.45cm、女性で平均2.83cm縮んでいました。大まかには、体重1kgの減少につきウエスト約1cmです。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2723379/

1日500kcalの赤字で体脂肪1kgを落とすまでに約2〜4週間かかるため、ウエストが1cm縮むまでにも約2〜4週間かかるのが大まかな目安です。安定した減量に入った後は、1か月でウエスト約1〜2cm、3か月で約3〜6cmの変化を目標にしてください。

ダイエット開始直後は、食事量、便、グリコーゲン、水分が減るため、最初の1cmは数日から1週間で縮むこともあります。しかし、これはすべてが脂肪による変化ではありません。水分の急減が終わった後に起こる、2〜4週間で約1cmという地味な変化が、本当のお腹の脂肪減少です。

さらに、お腹には、腹筋の上にある皮下脂肪と、腹部の奥にある内臓脂肪があります。減量初期は、皮下脂肪よりも内臓脂肪のほうが、元の量に対する割合では速く減る傾向があります。つまり、腹部の脂肪減少はすでに始まっていても、最初に大きく変わるのは鏡から見えない腹部の奥です。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18180786/

結論、お腹の脂肪はダイエットを始めた日から減っています。しかし、1日500kcalの赤字でも体脂肪1kgに約2〜4週間、そのうちお腹の皮下脂肪から減るのは約100〜150g、ウエストが1cm縮むまでにも約2〜4週間かかります。

だから毎日鏡を見ても変化が分からないのは当然です。お腹の見た目が変わる前に、体重、腹筋の割れ方、ウエストの数字には先に変化が現れます。次のCHでは、お腹の脂肪が落ちているときに現れる具体的なサインを解説します。

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CH2 お腹の脂肪が落ちている3つのサイン

お腹の脂肪はすぐには落ちません。なので自分のダイエット法が正しいのか間違ってるのかを判断できなかったり、不安になってしまう人も少なくありません。ただしお腹の見た目が変わっていなくても、脂肪が落ちていることは別の変化から確認できます。特に見るべきなのは、3つです。

ダイエットがうまくいっているとき、最初に起こる代表的なサインがあります。それが、体重減少の停滞です。

多くの人は、体重が止まった瞬間に脂肪燃焼も止まったと考えます。しかし実際には、ダイエット開始直後の急激な体重減少が終わり、脂肪が減る本来の速度に切り替わっただけです。

ダイエット初期に体重が大きく落ちる最大の理由は、水分です。食事量が減れば、食事に含まれる水分や胃腸に残る内容物が減ります。さらに炭水化物の摂取量が減ると、筋肉や肝臓に保存されているグリコーゲンも減少します。

グリコーゲン1gには、少なくとも約3gの水が伴います。そのため、グリコーゲンが数百g減るだけで、結合していた水分を含めて体重が1kg以上落ちても不思議ではありません。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25911631/

しかし、体内の余分な水分とグリコーゲンがある程度減れば、体重の急減は止まります。ここから体重を動かす中心になるのが、毎日少しずつ減っていく体脂肪です。

前のCHで解説した通り、1日500kcalの赤字で減る体脂肪は、計算上約65gです。脂肪が順調に落ちていても、体重が毎日500gや1kgずつ減り続けることはありません。

そのため、体重が数日間止まる、一度増える、その後少し落ちるという動きが起こります。これは脂肪燃焼が止まったのではなく、水分の変動によって小さな脂肪減少が隠れている状態です。本当に脂肪が落ちている時期ほど、体重変化は地味になります。最初の水分減少が終わり、体重が停滞して見える期間に入ったことが、本来の脂肪減少が進んでいる最初のサインです。

2つ目のサインは、腹筋の割れ方が深くなることです。腹筋は、体脂肪が少ない人だけに存在する特別な筋肉ではありません。腹直筋は元々、中央の白線と横方向の腱画によって複数の区画に分かれています。その上を覆っている皮下脂肪が薄くなるほど、区画の境界が表面から見えるようになります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK551649/

そのため、完全なシックスパックが見えていなくても、中央の縦線が以前より深くなった、上部の腹筋が分かれてきた、力を入れたときの溝が濃くなったという変化は、腹部の皮下脂肪が減った証拠です。

腹筋を鍛え始めたばかりなら筋肥大によって線が目立つこともありますが、腹筋は筋肉量としては小さく、筋肉の成長だけですぐにバキバキになったりすることはない筋肉です。腹筋の割れ方が変わってきたのならほぼ間違いなくお腹の脂肪も関わっています。

3つ目のサインは、見た目より先にウエストの数字が縮むことです。毎日自分のお腹を見ていると、1cm程度の変化にはほとんど気づきません。しかし、メジャーで測れば、鏡では見えない小さな脂肪減少が数字に現れます。

ただし、ウエストも体重と同じように毎日変動します。食事や水分、便、ガス、姿勢、呼吸、メジャーを当てる位置によって数cm変わるため、測定条件を固定しなければ数字を比較できません。測定位置が違うだけでも、ウエストの数値には明確な差が生まれます。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19343017/

おすすめは、朝起きてトイレを済ませ、まだ何も食べたり飲んだりしていない状態で測ることです。毎回同じ位置にメジャーを当て、腹をへこませず、自然に息を吐いた状態で記録してください。1回の数字ではなく、週に数回測った平均を前の週と比較します。

鏡では同じに見えていても、ウエストが少しずつ縮んでいるなら、お腹はすでに変わっています。見た目の変化は、数cmの減少が積み重なった後から一気に認識できるようになります。

結論、体重が数日止まっても週間平均は下がっている、腹筋の溝が以前より深くなっている、見た目では分からなくてもウエストの数字が縮んでいる。この3つが、お腹の脂肪が落ちているサインです。

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CH3 逆に、お腹の脂肪が落ちていないサイン

逆に、お腹の脂肪が落ちていないときには、どのような変化が起こるのか。ここを間違えると、脂肪がそのうち落ちるはずと信じて何か月も無駄にすることになります。

1つ目は、体重が増えている、または大幅な減少が続いていることです。理想のダイエットは、体重が毎日大きく動くことではなく、1週間の平均体重が少しずつ下がっていくことです。1週間の平均が一切減っていない、むしろ増えているなら、脂肪は燃えていません。

体脂肪1kgには約7700kcalのエネルギーがあり、1日500kcalの赤字でも減る脂肪は計算上約65gです。脂肪は本来、地味なスピードでしか減りません。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17848938/

前のCHで解説した通り、ダイエット初期に起こる急激な体重減少の正体は、主に水分。

問題は、その初期の1日数百g、1kg近い体重減少が、ダイエット開始から1週間以上たっても続いている場合です。そこまで急激な減少が続くなら、脂肪だけでは説明できません。筋肉まで削り続けている可能性が高い状態です。

筋肉を減らすと、体は細くなるだけでなく、日常で使うエネルギーも落ちます。加えて筋肉の減少は免疫機能の低下を意味し、健康状態の悪化を引き起こします。ダイエットで体調を崩す人はこのパターンです。

そして、そもそも食事制限も運動もきつすぎて続きません。ダイエット初期を基準にして、停滞したからと断食したり、何時間も有酸素運動を追加したりすると、脂肪より先に筋肉を壊しやすくなります。ダイエットが失敗する人は、停滞=脂肪が燃えてないとここで無理をしすぎています。

2つ目は、体重は落ちているのに腹筋が変わらない、あるいは逆に割れ方が弱くなっていることです。腹筋の中央線や横の溝は、腹筋の上にある皮下脂肪が薄くなるほど深く見えるようになります。減量が正しく進んでいるなら、うっすらでも腹筋の溝は前より深くなります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK551649/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19779473/

それなのに体重だけ落ちて腹筋が全く変わらない、あるいは前より平らに見えるなら、減っているのは脂肪ではなく、水分、グリコーゲン、筋肉である可能性が高いです。特にカロリー制限が強すぎると、筋グリコーゲンと筋肉内の水分が減るため、腹筋はむしろ張りを失って見えます。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25911631/

つまり、体重は落ちているのに腹筋の見た目が良くならないなら、それは成功ではありません。数字だけ軽くなって、中身が悪くなっている状態です。

3つ目は、ウエストが変わらないことです。腹筋は主に皮下脂肪の変化を表しますが、ウエストは皮下脂肪と内臓脂肪の両方を反映します。だから、腹筋よりウエストのほうが、お腹全体の脂肪変化を広く捉えます。

腹部脂肪の研究では、減量初期は皮下脂肪よりも内臓脂肪のほうが、元の量に対する割合では速く減ることが確認されています。つまり、お腹の脂肪が減るときは、まず内臓脂肪が先に動きやすいということです。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18180786/

それなのに、同じ条件で測ったウエストが数週間まったく変わらないなら、かなり問題です。皮下脂肪どころか、先に減りやすい内臓脂肪の変化すら数字に出ていない状態だからです。体重が落ちているのにウエストが変わらないなら、その減少はお腹の脂肪ではなく、別のものが中心になっています。

結論、お腹の脂肪が落ちていないサインは3つです。1週間の平均体重が減らない、または初期の急減がいつまでも続いている。体重は落ちているのに腹筋の溝が深くならない、むしろ弱くなる。ウエストが数週間変わらない。この3つのどれかが起きているなら、今のダイエットは修正が必要です。

正しいダイエットは、最初だけ大きく落ちて、その後は地味に進みます。そしてその地味な期間に、腹筋の溝とウエストが少しずつ変わっていきます。そこが動いていないなら、お腹の脂肪はまだ落ちていません。

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CH4 お腹の見た目は最後に変わる

最後に、ここまでの内容を簡単にまとめます。筋肉を守りながら体脂肪1kgを落とすには、約2〜4週間。ウエストが1cm縮むまでにも、約2〜4週間が大まかな目安です。

体重は最初だけ水分によって大きく落ち、その後は少しずつしか減らなくなります。その地味な期間に、1週間の平均体重が下がる、腹筋の溝が深くなる、ウエストが縮む。この3つが起きていれば、お腹の脂肪は減っています。

何度も言いますがその日の体重で判断しないでください。大事なのは一週間の平均体重。

反対に、これが起こってないなら現状で出ているサインに合わせてダイエットを修正してください。

まず、1週間の平均体重が減っていない、あるいは増えている場合、そしてウエストが変わらない場合です。これは最も分かりやすいサインです。この場合そもそもお腹の脂肪を減らすだけのカロリー赤字を作れていません。

見直すのは摂取カロリーです。

自分の体重維持カロリーは2000kcalだと思っていても、実際には1800kcalしか消費していないことは珍しくありません。カロリー計算機で表示される数字はあくまで推定値です。体格、筋肉量、歩数、仕事、運動習慣によって、実際の消費量は変わります。

さらにダイエットが進むと、体重が軽くなり、無意識の活動量も減るため、以前と同じ食事でもカロリー赤字が小さくなります。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33762040/

まず1〜2週間、食事量と朝の体重を記録してください。それでも平均体重が減らないなら、現在の摂取量が体重維持カロリーです。そこから食事を1日100〜200kcal減らします。

平均体重が増えなくなり、少しずつ減り始めたら、その摂取量を新しい基準にしてください。いきなり500kcal、1000kcalと削る必要はありません。体重が動き始めた最小限の食事量調整を、そのまま続けます。

反対に、ダイエット開始から1週間以上たっても、毎日数百gずつ体重が落ち続けているなら、食事を減らしすぎています。筋肉を守りながら減量するなら、1日のカロリー赤字は500kcal以内が目安です。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34623696/

次に、体重は落ちているのに、腹筋の割れ方が変わらない場合です。

ダイエットを始めてまだ1週間程度なら、気にする必要はありません。

しかし、2〜4週間以上たって体重が落ちているのに、腹筋の溝が深くならない、あるいは以前より割れ方が弱くなっているなら、脂肪だけを落とせている状態ではありません。腹筋を覆う皮下脂肪が減っていないか、腹筋を含む筋肉が小さくなっています。

この場合、最初に見直すのは運動習慣です。おそらくこういった人は運動していません。減量中に筋肉へ負荷をかけなければ、体は使われていない筋肉を維持しません。食事制限だけで痩せると脂肪だけでなく除脂肪量も減りますが、筋トレを組み合わせることで筋肉の減少を大幅に抑えられます。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29596307/

運動習慣が全くない人は、毎日10分からで構いません。最も始めやすく、上半身へ効果的に負荷をかけられるのが腕立て伏せです。これを実践するようにしましょう。

結論、お腹の脂肪は小さな変化の積み重ねで変わります。ウエストは2週間で1cm 体重は1kgが目安です。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。