40歳を超えると、もう筋肉は大きくならない。若い頃みたいに体は変わらない。そう思っている人はかなり多いと思います。
でも、最初にハッキリ言います。40歳からでも筋肉はデカくなります。年齢だけで筋肉の成長が止まるわけではありません。実際、若い人だけでなく高齢者でも筋トレによって筋肉量は同じように増えることが研究で確認されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11890579/
つまり、40歳を超えたからといって、筋肉を諦める必要はありません。ただし、40歳以降には、20代と同じ感覚でやると失敗するポイントがあります。
この動画では、40歳からでも筋肉がデカくなる科学的な理由と、40歳以降の人が絶対に間違えてはいけない鍛え方を解説します。年齢で諦める必要はありません。ただ、やり方だけは変える必要があります。
40歳からでも筋肉はデカくなる。これは気休めではなく、研究で確認されている事実です。
代表的なのが、20歳から30歳の若者と、65歳から75歳の高齢者を比較した研究です。この研究では、どちらのグループも6か月間、週3回の全身筋トレを行いました。その結果、若者だけでなく高齢者でも筋肉量は増加しました。しかも、筋肉量の増え方に年齢による有意な差はありませんでした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11890579/
ここで大事なのは、これは40代の話ではなく、65歳から75歳の話だということです。つまり、40歳を超えたから筋肉がつかない。50歳を超えたから体は変わらない。これは科学的には全く裏付けのない考え方です。65歳を超えても筋肉が増えるなら、40代や50代で諦める理由はありません。
もちろん、20代と40代で体が完全に同じという話ではありません。年齢とともに筋肉量や筋力は落ちやすくなります。実際、加齢によって骨格筋量は低下し、40歳から80歳の間に大きく減少することが報告されています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7814211/
しかし、これは「筋肉が増えない」「筋トレ効果が減る」という意味ではありません。何もしなければ筋肉は落ちる。でも、筋トレをすれば同じように筋肉は増える。この2つはまったく別の話です。
だから最初に覚えておいてください。40歳から筋肉がつかないのではありません。40歳からでも筋肉は普通に増えます。ただし、若い頃と同じ感覚で適当に鍛えると失敗します。
40歳を超えて体が変わらなくなると、多くの人は年齢のせいにします。昔より筋肉がつかない。昔より太りやすい。昔より代謝が落ちた。こう考えます。
しかし、40歳以降に体が変わらなくなる最大の原因は、年齢そのものではありません。筋肉が増える生活から離れていることです。実際、人間の総消費エネルギーや基礎代謝は、20歳から60歳の間で大きく低下しないことが示されています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8370708/
つまり、40歳になった瞬間に代謝が急激に落ちて、筋肉が増えなくなって、脂肪だけが増えるわけではありません。40歳以降で体が変わらなくなる人は、年齢で筋肉がつかなくなったのではなく、筋肉が増える条件を外しているだけです。
実際に研究者が筋肉が落ちていく原因を調査すると年齢によって生理学的に筋肉がつきづらくなる、落ちやすくなるのではなく、生活が変わることで筋肉が落ちていることがわかりました。
若い頃より歩かなくなる。仕事で座っている時間が長くなる。ジムに行かなくなる。忙しさを理由に運動しなくなる。こういう変化が積み重なると、体は変わらなくなります。
実際、加齢による筋肉量の低下は、年齢そのものではなく、身体活動の低下が主な原因であることがわかりました。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2804956/
40歳を超えたから筋肉がつかなくなる。これは迷信と断言していいです。、科学的な信頼性の最も高いメタ分析によって当時の年齢と筋肥大について利用可能な研究すべてが検討されたところ、筋トレによる筋肉の成長は60歳を過ぎると確かに減少することを結論付けていますが、それは最大でも約10%にすぎないことを示しており、年を取ることによる有意な影響が確認できなかったことを裏付けています。
重要なポイントはふたつ。まず60歳までは筋肉がつかない、つきづらいというマイナスの影響は確認されていない。そして60歳以降はつきづらくなる可能性があるが、それは最大でも10%、つまり少しの影響しかありません。
とはいえ、全く同じように鍛えるのはおすすめしません。なぜなら年齢によって体が変化するため、その体に合わせた方法でトレーニングする必要があるから。では、40歳以降は何を変えるべきなのか。最初に見るべきなのは、筋肉そのものではなく、筋肉を支える腱と関節です。
40歳からでも筋肉はデカくなります。ここまでは間違いありません。しかし、ここからが40歳以降の筋トレで一番重要なポイントです。
40歳以降で本当に怖いのは、筋肉がつかないことではありません。筋肉がつく前に、肩、肘、腰、膝、腱、関節を壊すことです。
筋肉は血流が多く、トレーニングに反応して大きくなりやすい組織です。しかし、腱や関節まわりの組織は筋肉ほど都合よく変わりません。加齢した腱では、腱の幹細胞や前駆細胞の数と機能が低下し、コラーゲン構造の乱れ、細胞外マトリックスの変化、修復能力の低下が起こると報告されています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10607611/
つまり、40歳以降でも筋肉はまだ成長できます。しかし、腱や関節は急激な負荷の増加についていけません。ここを無視して、若い頃と同じ感覚でいきなり高重量を扱う。反動を使って無理やり挙げる。肩や肘に違和感があるのに根性で続ける。これをやると、筋肉が増える前にトレーニングそのものが続かなくなります。
実際、1990年から2007年までのアメリカの救急外来データでは、ウエイトトレーニング関連の負傷は推定97万件以上ありました。この研究では、13歳から24歳の若者で負傷件数は多い一方、45歳以上では負傷率の増加が大きく、55歳以上では持ち上げ動作による負傷が多いと報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20139328/
ここで勘違いしてはいけないのは、40歳以降は高重量をやるなという話ではありません。強い刺激は必要です。ただし、雑な高重量、とにかく持ち上げるようなトレーニングはいりません。
40歳以降は、重さそのものよりも、狙った筋肉に安全に負荷を乗せることが重要です。関節に痛みが出る種目を続ける必要はありません。フォームが崩れる重量を使う必要もありません。昔できた重量に無理やり戻す必要もありません。
40歳から筋肉がつかないのではありません。筋肉はつきます。ただし、筋肉より先に腱と関節を壊した人から脱落します。だから40歳以降は、気合いで壊すのではなく、筋肉に効かせて、関節を守る。この考え方が必要です。
40歳以降の筋トレで次に変えるべきなのは、1回のトレーニングで筋肉を潰そうとする考え方です。
関節や腱などの結合組織も加齢とともに弱くなって行きますが、筋肉の回復能力も弱くなる可能性があります。
若い頃は、胸の日、背中の日、脚の日のように、1回でひとつの部位を限界まで追い込んでもなんとかなります。強い筋肉痛が出ても、勢いで続けられる人も多いです。
しかし40歳以降は、このやり方で失敗する人が増えます。理由は、筋肉がつかないからではありません。1回で疲労を作りすぎると、次のトレーニングの質が落ちるからです。
高齢者のレジスタンストレーニング後の筋損傷や回復について調べたスコーピングレビューでは、研究結果にはばらつきがあるものの、運動処方、安全性、継続性を考える上で回復を理解することが重要だとされています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37395837/
つまり、40歳以降は筋肉のダメージや痛みについてより敏感になる必要があります。
安全性の高いトレーニングはまず全身トレーニング。筋肉は一度に潰すよりも少しずつ鍛えたほうがダメージが少なく安全であることが科学的データによってわかっています。なので各部位のトレーニングは5set以内にとどめる。これだけでケガや損傷のリスクをかなり増やせます。
そしてもうひとつは重量。軽いトレーニング程安全性が高いことがわかっていますが注意点があります。
加齢が進んだ筋肉では、レジスタンス運動に対する筋タンパク合成反応が若年者より小さくなることが報告されています。Kumarらの研究では、若年男性と70歳前後の高齢男性に20〜90%1RMのレジスタンス運動を行わせたところ、高齢男性では若年男性より筋タンパク合成反応が小さく、20%や40%1RMのような低い負荷では反応が小さく、60%以上で大きな反応が見られています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2670034/
もちろん、これは70歳前後の研究なので、40代にそのまま当てはめる必要はありません。しかし、この研究から言える重要なことは、年齢を重ねるほど、低重量では筋肉への成長信号が弱くなるということです。
ここで勘違いしないでください。筋肉を増やすために、必ず高重量を使う必要はありません。低重量でも高重量でも、筋肥大は起こります。低重量と高重量の筋トレを比較したメタ分析では、最大筋力の伸びは高重量が有利でしたが、筋肥大は幅広い重量帯で同じように起こるとされています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28834797/
つまり、40歳以降は高重量にこだわる必要はありませんが、あまりにも軽すぎる重量だと筋肉の成長が妨げられる可能性があります。40歳以降のトレーニングのスイートスポットは1RMの70~50%です。調査によると1RMの70%から関節や腱への負担が大きくなりますが、50%未満になると筋肉の成長が妨げられる可能性があります。
おおよその目安として12回出来る重量から25回出来る重量。この範囲が妥当です。これなら安全にかつ効果的に筋肉を鍛えることができます。
ただ、ポイントとして低重量はしっかり追い込まなければいけません。追い込みと筋肥大についてのメタ分析にもある通り、低重量ほど追い込みが重要。20回出来る重量でかなり余力を残していたり、きつくなるレベルまで追い込めていなければ筋肉の成長効果はかなり低くなってしまいます。
低重量は筋肥大にとって全く問題ありません。ただ、しっかり追い込まないと成長しません。
ここまでの内容をまとめると、40歳以降の筋トレでやるべきことはシンプルです。
40歳から筋肉を増やす正解は、安全かつ十分な刺激を筋肉にいれること。
まず、各部位は週2回以上に分けて鍛えてください。1回で全部を潰すのではなく、同じ筋肉を週の中で複数回刺激します。頻度を分ける目的は、筋肥大を魔法のように増やすことではありません。1回あたりの疲労と関節負担を減らしながら、全体の強を高める方法です。
セット数は、最初から増やしすぎないでください。40歳以降は、まず各部位週6セットから10セット前後で十分です。そこから筋肉痛、関節の痛み、次回のパフォーマンスを見て、少しずつ増やしてください。最初から週20セット、30セットを狙う必要はありません。
回数は12回から25回を中心にしてください。重い重量で5回だけを狙い続ける必要はありません。筋肉を大きくする目的なら、軽めの重量でも十分に追い込めていれば筋肥大は起こります。
1セットの目安は、限界の1回から3回手前です。毎回潰れるまでやる必要はありません。ただし、楽なまま終わるのもダメです。終わった後にまだ何回もできるなら刺激が弱すぎます。安全なフォームで、最後の数回が明らかにキツいところまで行ってください。
痛みが出る種目は即変更してください。筋肉がキツいのは必要です。しかし、関節が痛いのは別です。肩が痛いベンチプレス、肘が痛いカール、腰が痛いスクワットを根性で続ける必要はありません。種目を変えても筋肉は鍛えられます。
実際他の人は平気でできるトレーニングも自分にとっては安全ではなく、これは普通にあることです。
40歳以降の筋トレは、弱くする必要はありません。必要なのは、雑にしないことです。関節には優しく、筋肉には厳しく。1回で壊すのではなく、週の中で分けて積む。年齢で筋肉を諦める必要はありません。正しいやり方をすれば、40歳からでも筋肉はデカくなります。