ベンチプレス100kg行かない人、これやってます【科学】

ベンチプレス100kg。筋トレをしている人なら、一度は目標にしたことがある数字だと思います。実際、100kgを挙げられる人はジムではかなり強い部類です。しかしその一方で、何年やっても100kgに届かない人が大量にいます。

そして多くの人はその理由を「才能や根性不足」だと思っています。ですが最新の研究を見ると、実際にはもっと別のところで止まっている人がかなり多いことがわかってきました。

むしろ問題なのは、頑張っていることそのものだったりします。胸の日に全部詰め込む。毎回限界までやる。とにかくセット数を増やす。こういった“昔の常識”が、逆に100kgを遠ざけている可能性があります。

今回は、最新科学を基に「なぜベンチ100kgに行けないのか」「ベンチプレス100kg行くためのルーティン」を解説します。昔の常識のままトレーニングしていると、かなり遠回りしているかもしれません。

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ベンチ100kgは“筋肉量”の証明

ベンチプレス100kgを達成すると何が起こるのか。これはただの数字の話ではありません。ベンチプレスの重量と大胸筋の厚みには、はっきりした相関があります。

まずベンチプレスは、大胸筋の成長にとって非常に優れた種目です。2013年の研究では、バーベルベンチプレスを10回×3セット、週3回、24週間行った結果、大胸筋の厚みが上部で約36%、中部で37%、下部では40%増加しました。つまり、ベンチプレスは単純な筋力種目ではなく、胸を厚くする種目としても非常に優秀です。

そして重要なのは、筋力と筋肥大はかなり強い関係があるということ。2022年、74人のパワーリフティングアスリートを対象にした研究では、最大重量と除脂肪体重の相関係数が0.95。

別の研究でも、ベンチプレスのMAXが伸びる過程と同時に、大胸筋の厚みも増加していく傾向が確認されています。最大重量が伸びるたびに、胸の厚みも一緒に成長していました。

つまり、ベンチプレス100kgというのは、単なる数字ではありません。100kgを持ち上げられるということは、それだけの筋肉量を持っている可能性が高いということです。

そしてここで重要なのが、「100kgは普通ではない」ということです。YouTubeやSNSでは100kgを挙げている人が大量に出てくるので、感覚が麻痺します。しかし実際には、かなり高いレベルです。

日本の正確な統計は見つかりませんでしたが、フィットネス先進国のアメリカでは、2019年時点で成人の約21%がジムに通っています。そして、その中でベンチプレス225ポンド、つまり約100kgを持ち上げられる男性は、およそ10%程度とされています。

これを人口全体で見ると、アメリカ人全体の約2%前後。さらに世界人口全体で考えると、ベンチプレス100kgを持ち上げられる人は、おおよそ1000人に1人程度になります。

つまり、SNSで100kgが当たり前に見えるのは完全に錯覚です。SNSの性質上、強い人ばかり表示されているだけです。統計的に見れば、100kgは“普通”ではなく、明確に上級者レベルです。

だからこそ、多くの人が簡単に到達できないのは当然です。そして逆に言えば、100kgに行けない原因を理解せず、ただ気合いだけで続けても伸びにくいということです。ベンチプレス100kgは、単なる根性ではなく、「筋肥大」「神経適応」「疲労管理」「フォーム」が噛み合って初めて到達できる数字です。

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ベンチプレスにかかる時間

ベンチプレス100kgはトレーニングレベルが一段階上がった、大胸筋がついた証拠でもありますが、ではここに到達するまでにどれくらいの時間がかかるのでしょうか。

Redditで行われた大規模な調査では、20代の男性トレーニーがベンチプレス100kg、つまり約220ポンドを持ち上げられるようになるまでに、トレーニング開始からおよそ2年かかるという結果が示されています。これはインターネット上のアンケート調査であるため多少の誇張が含まれている可能性はありますが、平均的な目安としては妥当な数字だと考えてください。

このデータを見ると「2年で100kgに行けなかったから才能がないのでは」と感じる人もいるかもしれませんが、その必要は一切ありません。多くの場合、原因は才能ではなくトレーニング設計の問題です。

実際に、パーカーフィットネスのクライアントの中にも1年以上ベンチプレスが停滞していた人や、5年以上のトレーニング経験がありながら伸び悩んでいた人が、数か月で停滞を打破し100kgを達成したケースは少なくありません。

一方で、科学的な事実を知らず感覚や根性だけで100kgを目指すと、何年も停滞したり、ずっと到達できなくなることもあります。このように、ほとんどの人は100kgに到達する過程で一度は停滞期にぶつかります。問題は停滞そのものではなく、そのときに正しく対応できるかどうかです。ここからは、ベンチプレス100kgを目指す上で多くの人が勘違いしているポイントについて紹介していきます。

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胸の日はベンチ100kgを遠ざける

ベンチプレス100kgに行けない人が最もやりがちなのが、「胸の日に全部詰め込む」というやり方です。

例えば、ベンチプレスを何セットもやった後に、インクライン、ダンベルプレス、ディップス、ペックフライ、ケーブルクロス。気づけば15セット、20セット。しかも毎回限界近くまで追い込む。これを“頑張っているトレーニング”だと思っている人はかなり多いです。

ですが実際には、このやり方はベンチ100kgから遠ざかる原因になりやすいです。

まず筋力を伸ばすために重要なのはたくさんベンチプレスをやることではありません。最新のメタ分析でもわかってるように週に5setで筋力向上はほぼ最大になることがわかっており、週1setでも十分な効果があることがわかります。

なので毎日何時間もジムに入れないから100kg達成できない。こういったことはまずありえません。むしろたくさんベンチプレスをするほど100kgから遠ざかる可能性があります。つまり大事なのはベンチプレスの質。

その日にベンチプレスを詰め込むほど質が落ちます。つまり、疲労でフォームが崩れた状態を何セットも繰り返しても、効率は悪くなります。後半になるほどバーの速度は低下し、フォームは乱れ、集中力も落ちていきます。実際、筋力トレーニングでは疲労の蓄積によってパフォーマンスが低下し、神経系の出力も落ちることがわかっています。

特に問題なのが、「胸の日しかベンチをやらない人」です。

週1回、大量セットで潰れるまでやる。このやり方だと、後半の質が低いです。実際大量の研究を分析したメタ分析でも筋力はトレーニング量よりも強度に最も反応することがわかっています。簡単に言うと80kgを10setやって追い込み切るよりも100kgを一回だけやったほうが効果が高いんです。

しかも、後半の疲労した状態では動作の精度も落ちます。つまり、「雑なフォーム」を大量に反復している可能性があります。これは筋力向上にとってかなり非効率です。

さらに、筋肥大の面でも問題があります。

筋肥大はセット数が多いほど伸び続けるわけではありません。もちろんある程度のボリュームは重要ですが、後半になるほど刺激効率は落ちやすくなります。いわゆるジャンクボリュームです。

特にベンチ100kgを目指す場合は、“ただ胸を疲れさせる”ことよりも、「高い出力で良いトレーニングを積み重ねる」ことのほうが重要です。

だから最近では、胸の日に全部詰め込むよりも、高頻度でボリュームを分散する考え方がかなり合理的とされています。

例えば、週1回で20セットやるより、週3回に分けて質の高いセットを行う。こうすることで、疲労を抑えながら高出力の反復を増やしやすくなります。

つまり、「胸の日に全部やる」という昔の常識そのものが、低品質なベンチプレスを増やしベンチ100kgを遠ざけている可能性があるということです。

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毎回限界までやる人ほど伸びない

ベンチ100kgを目指している人にかなり多いのが、「毎回限界までやる」というパターンです。

毎回MAX挑戦。毎回潰れる。補助ありでギリギリ。とにかく限界まで追い込めば強くなると思っている。これは筋トレではかなり広く信じられている考え方です。

確かに、限界付近の高強度トレーニング自体は重要です。ですが問題は、“毎回”やっていることです。

まずベンチプレスは、神経系の影響が非常に大きい種目です。特に高重量では、「筋肉があるか」だけではなく、「その筋肉をどれだけ効率よく動員できるか」が重要になります。

そして神経系は、疲労にかなり弱いです。

ベンチプレスが停滞してしまう人に非常によくあるのが、頑張って高重量のベンチプレスをたくさんやろうとすることです。しかし、これは多くの場合逆効果になります。

停滞期に入っている人の多くは、筋力が足りないのではなく、精神的・肉体的な疲労が蓄積しており、その疲労によってパフォーマンスが落ちている状態です。つまり、問題は努力不足ではなく、疲労です。

筋力アップについての研究を分析したレビューペーパーでも、過度の追い込みは強い倦怠感を引き起こし、筋力の向上に悪影響を及ぼすことが示されています。

毎回MAX付近を繰り返すと、中枢疲労が強くなりやすく、パフォーマンスが不安定になります。今日は挙がるけど次は挙がらない。重量が停滞する。フォームが毎回変わる。こういう状態になりやすいです。

さらに問題なのが、毎回限界までやると“成功体験”より“失敗動作”の反復が増えやすいことです。

例えば、100kgに挑戦して毎回潰れる。バーが途中で止まる。肩が前に出る。軌道がブレる。これを何度も繰り返すと、その崩れた動作自体を学習してしまい、そのやり方が固定されてしまう可能性があります。

ベンチプレスは、「成功するフォーム」を積み重ねることがかなり重要です。だから本来は、“ギリギリ失敗する重量”を何度もやるより、「安定して成功できる重量」で良い反復を積み重ねたほうが伸びやすいケースがかなりあります。

だから実際、強い人ほど毎回MAX挑戦はしません。むしろ普段は余力を残しながら、質の高いベンチをしてます。

ベンチ100kgは、気合いで1回だけ奇跡的に押す競技ではありません。安定して高出力を出せる身体と神経系を作った人が到達する数字です。

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ベンチプレス100kgは“質”を理解すると一気に近づく

ベンチプレス100kgは、気合いと根性で到達するものだと思われがちです。ですが実際には逆です。100kgに近づく人ほど、“質”を重視しています。

特に重要なのが、「疲労管理」と「最大出力」です。

ベンチプレスは、ただ筋肉を疲れさせれば伸びる種目ではありません。レビューにもある通り100kg行くためには高重量を扱う。そしてたくさんやる必要はない。

つまり、たった1setに全力を出すほうが重要です。

ですが、多くの人は逆をやっています。

毎回潰れるまでやる。補助ありで無理やり回数を伸ばす。フォームが崩れても続ける。胸の日に動けなくなるまで追い込む。こういった“頑張った感”のあるトレーニングをしてしまいます。

しかし、これは逆効果。たくさんやっても筋力は伸びず、その分疲労が積み重なることでどんどんパフォーマンスが停滞していきます。

次のチャプターでは実際の100kg行くためのベンチプレスルーティンを紹介しますが、実践する前に準備が必要です。

ベンチプレスやり過ぎてたかなとこの動画を観て思った方はまずはディロードをして疲労を抜くことをおすすめします。ディロードは簡単に言うとトレーニングを休むこと。やり方は様々ですがパーカーフィットネスがおすすめするのは1週間筋トレを完全に休むこと。

これによって肉体的な疲労と精神的な疲労の両方を抜くことができます。精神的な疲労は大した問題じゃないように思う人もいるかもしれませんが、科学的データにもわかってるように実はかなり大きいです。

例えばトレーニング量を少なくすれば肉体的な疲労は抜くことができますが、精神的な疲れはなかなか抜けません。筋トレを完全に休むことでリフレッシュできます。1週間では筋肉も筋力も落ちることはないことはわかってるため心配する必要はありません。

1週間で10set以上高重量のベンチプレスに挑戦していた人は必ずディロードしてください。

ベンチ100kgは“量”ではなく、“質が大事”これを理解した瞬間に一気に近づきます。

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ベンチ100kgを最短で達成する方法

では実際に、ベンチプレス100kgを達成するためにはどうすればいいのか。ここまで話してきた内容を踏まえると、重要なのは「根性」ではありません。疲労を管理しながら、高品質なベンチを積み重ねることです。

かなりおすすめなのが「毎回1セットだけ高重量をやる」という方法です。先ほど紹介したようにベンチプレス100kg行くために重要なのはたくさんやることではありません。ジムに行くたびに高重量のベンチプレスを1setだけ行います。

ここで重要なのは、毎回潰れないこと。限界ギリギリまで行ってもいいですが、潰れる必要はありません。むしろ、毎回潰れるやり方は疲労が強く、事故リスクも高くなります。

特にベンチプレスは、事故が起きるとかなり危険です。必ず安全バーをセッティングしてください。

そして重量設定ですが、おすすめは3〜5回できる重量です。高重量ほど多くのモーターユニットが同意金できるので筋力は伸びやすいですが1回ギリギリのMAX挑戦はリスクが高く、フォームも崩れやすいです。

そしてもうひとつ重要なのが、ウォームアップをやりすぎないこと。これもかなり重要です。

多くの人は、20kg、40kg、60kg、80kg…とピラミッド型で何セットもウォームアップを行います。しかし実際には、こういった過剰なウォームアップはパフォーマンスをほとんど改善しないことが報告されています。むしろ、高重量のウォームアップを何度も行うことで、本番前に疲れてしまう可能性があります。

おすすめはかなりシンプルです。ヒジと肩の動的ストレッチを1分ずつ行う。そして、その日に扱う重量よりかなり軽いベンチプレスを軽く行う。それだけで十分です。

そして、高重量セットでは“1セットに集中して全力を出す”ことが重要です。これで5回できたら次はもう少し重い重量。これを繰り返します。

さらに、ベンチプレスでかなり重要なのが「バーパス」です。

ベンチプレスで高重量を持ち上げるときに最も重要なのは、“力の強い筋肉を使って持ち上げること”です。

トーマス・マクマフリン博士が多くのベンチプレスリフターを分析したところ、停滞するリフターと伸び続けるエリートリフターでは、バーベルの軌道に明確な違いがありました。

停滞するリフターは、まず真っすぐ上に押してから、バーを顔側へ移動させます。

一方、伸び続けるリフターは、最初に顔方向へ斜めに移動させ、その後まっすぐ上へ押しています。

この違いで何が変わるのか。肩への負担です。

最初に真っすぐ押すと、最もきついボトムポジションで、肩から遠い位置にバーが存在することになります。これは肩への負担が非常に大きいです。

逆に、最初に顔方向へ斜めに動かすと、肩とバーの距離が近くなります。つまり、肩ではなく、力の強い大胸筋と上腕三頭筋を使いやすくなります。

実際、この軌道を意識するだけで、ベンチプレスの最初の部分がかなり軽く感じる人は多いです。それは、負荷が弱い肩から、強い胸へ移動しているからです。

ベンチプレスでは、肩の負担を最小限にし、大胸筋と上腕三頭筋を使って持ち上げることが安全と100kg達成のために重要です。

そのために、バーパスを必ず意識してください。横から動画を撮って確認するだけでも、ベンチプレスはかなり変わります。

ベンチプレス100kgは、SNSでは当たり前のように見えるかもしれません。ですが実際には、かなり高いレベルです。世界全体で見れば、1000人に1人レベルとも言われています。

そして重要なのは、100kgは単なる数字ではないということです。ベンチプレスの重量と大胸筋の厚みには強い相関があり、100kgを達成するということは、それだけの筋肉量と出力を持っている可能性が高いということでもあります。

ただし、多くの人は「頑張り方」を間違えています。胸の日に全部詰め込む。毎回潰れるまでやる。ウォームアップをやりすぎる。こういった疲労重視のトレーニングは、むしろ100kgを遠ざける可能性があります。

大事なのは、ベンチプレスは質。本気を出すのは1setだけ。そして毎回少しずつ強くなること。そして、肩ではなく胸と三頭筋を使えるフォームを作ることです。

ベンチ100kgは簡単ではありません。数か月で到達する人はかなり少数派です。ですが逆に言えば、正しい方向で積み重ねれば、1年以内でも多くの人に十分現実的な数字でもあります。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。