腕立て伏せで胸はデカくなる。最強のやり方はこれ

腕立て伏せって、胸に効いてるつもりでやってる人がかなり多いと思います。でも実際は、多くの人が胸ではなく腕や肩で押しています。だから毎日やっても胸は変わらないし、回数だけ増えて見た目はほとんど変わりません。

ただ、これは腕立て伏せが悪いわけではなく、やり方の問題です。正しく行えば腕立て伏せは大胸筋をしっかり成長させることができて、条件を揃えればベンチプレスに匹敵するレベルまで引き上げることもできます。

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なぜ胸がデカくならないのか

腕立て伏せで胸が成長しない理由はシンプルで、そもそも胸に効いていないからです。ただここで勘違いしてほしくないのが、「効いている感覚=筋肉に刺激が入っている」ではないということです。多くの人は胸がパンプしているとか、なんとなく効いている感じがあることで「ちゃんとできている」と思っていますが、実際にはそれと筋肉の成長はほとんど関係ありません。

筋電図のデータを見ても、腕立て伏せは大胸筋だけでなく上腕三頭筋や三角筋の前部の活動も高く、フォームによっては胸よりもそちらに負荷が逃げているケースが多いことがわかっています。つまり、多くの人の腕立て伏せは胸のトレーニングではなく、腕や肩で押すトレーニングになっています。

そして腕立て伏せで胸に効かない原因は、この3つに集約されます。三頭筋や肩に負荷が逃げていること、可動域が浅く大胸筋をしっかり伸ばせていないこと、そして負荷が軽すぎることです。

まず三頭筋や肩に逃げているパターン。これは肘の位置や軌道が悪く、水平内転ではなく“押し上げる動き”になっている状態です。このフォームでは大胸筋に十分な機械的張力はかかりません。

次に可動域が浅いパターン。体をほとんど下ろさずに腕立て伏せをしている人はかなり多いですが、この状態では大胸筋がほとんど伸びません。筋肉は伸ばされた状態で強い刺激を受けたときに最も成長するため、ここが欠けると効果は大きく落ちます。

そして負荷が軽すぎるパターン。腕立て伏せは慣れると20回、30回と簡単にできるようになりますが、この状態は筋肥大にとっては軽すぎる負荷です。回数だけ増えている状態では、筋肉を成長させるための刺激としては不十分になります。

つまり腕立て伏せで胸が成長しない原因は、感覚ではなく実際の刺激が胸に入っていないことと、そもそも負荷が足りていないこと。この2つに集約されます。

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腕立て伏せで筋肉はつけられるのか

ここまで聞くと腕立て伏せはあまりいいトレーニングではないように見えるかもしれません。でも実際、解剖学的な運動を理解すればしっかり効かせることができます。

腕立て伏せの動きを分解していくと主に3つの運動に分解されます。

まずは最もわかりやすいのはヒジの伸展。腕立て伏せではヒジが曲がった状態から伸びることで体を持ち上げます。これは解剖学的にはヒジ関節の伸展といい、上腕三頭筋の全体が働きます。

もうひとつは肩関節の運動。少しわかりづらいですが、肩を軸にヒジの位置が動いています。ヒジが外に出た状態から内側に向かっています。これが肩関節の水平内転といい、大胸筋が最も働く動きです。そしてこの運動は大胸筋だけではなく肩にある三角筋前部も働きます。

ラストは腹筋、、研究データによると腕立て伏せはベンチプレスと比較して腹筋の活動が51%多いことを示しています。これは腕立て伏せのほうがプランクのような体勢になることから腹筋がより活動的になることが原因です。

とはいえ、これは先ほど紹介した運動とは違い、動かすのではなく姿勢を維持するというものです。筋活動よりも信頼性の高い筋肉の成長を直接比較した最新データではプランク中心のトレーニングは腹筋をほとんど成長させられないことを示しているのでこの筋肥大効果はあまり期待できません。

腕立て伏せは大胸筋のトレーニングであるのか。これはYesでもありNoでもあります。2017年の研究ではトレーニング経験のない被験者が週に2回、3setの腕立て伏せを行ったところ大胸筋の厚みが18.3%増加し、3mm厚みがついたことを示しています。

これらデータを見ると腕立て伏せは大胸筋トレーニングであるといえます。しかし、一方で、アメリカ運動評議会(ACE)の調査では、腕立て伏せは“胸に効く種目”として最下位でした。つまり大胸筋を働かせることができなかったということです。

なぜこのような差があるのか。これは腕立て伏せのやり方の差です。腕立て伏せは「初心者向けの簡単なトレーニング」と思われがちですが、ジョエル・シードマン博士が言うように、実際にはかなりテクニックや知識が必要な種目です。

なので初心者向けだし誰でもできると思って独学で腕立てをしたり、インターネットにある根拠の薄いやり方や感覚を重視したトレーナーの意見を鵜呑みにしてしまうとなかなか効果を感じられなくなってしまいます。

次のチャプターでは大胸筋に効く腕立て伏せはどんなやり方なのかを解説します。

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胸に効く条件

では、どうすれば腕立て伏せで胸にしっかり効かせて成長させることができるのか。結論から言うと、必要なのはこの3つだけです。大胸筋に正しくかかる機械的張力、十分な可動域、そして進行性の過負荷です。

まず機械的張力。筋肉は機械的な張力を基に筋タンパク合成を促します。つまり筋肉を成長させる最も重要な要素ですが、ここで大事なのは“どこにかかっているか”です。どれだけ強い張力をかけても、それが三頭筋や肩に逃げていたら意味がありません。大胸筋にしっかり負荷が集中して初めて、筋肉は成長します。

次に可動域。筋肉は伸ばされた状態で強い刺激を受けたときに最も成長します。つまり腕立て伏せでも、体を深く沈めて大胸筋をしっかりストレッチさせることが重要です。浅い可動域ではこの刺激がほとんど得られません。

そして最も重要なのが進行性の過負荷です。腕立て伏せで停滞する人のほとんどはここができていません。2018年の研究では、被験者をベンチプレスと腕立て伏せのグループに分け、腕立て伏せは難易度の異なるバリエーションを段階的に進めていきます。その結果、4週間後には両グループとも同程度に筋力が向上しました。つまり腕立て伏せでも、負荷を段階的に上げ続ければベンチプレスと同等の効果を得ることができます。

逆に言えば、負荷を上げていない腕立て伏せはそこで止まります。カナダ運動生理学会の基準でも、平均的な男性は15〜20回の腕立て伏せができるとされています。そして筋肥大はおおよそ5〜40回の範囲で起こるため、トレーニングを始めて少し慣れた時点で、多くの人はすぐにこの範囲を超えてしまいます。

つまり加重や難易度調整によって負荷を上げ続けることは、胸を成長させるための必須条件です。この3つ、張力・可動域・負荷が揃って初めて、腕立て伏せは大胸筋を成長させるトレーニングになります。

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胸にヤバいほど効く腕立て伏せ

ではここから胸にヤバいほど効く腕立て伏せのやり方を紹介します。ヤバいほど効くということはたくさんの機械的な緊張が大胸筋にかかるということ。これは筋肥大に直結します。

大胸筋に機械的な緊張を入れるために絶対にやらなければいけないコト。それは大胸筋がどんな運動で働くかを理解すること。信頼性の高い科学的レビューに示されているように胸は水平内転によって最も働きます。

なので腕立て伏せにもこの動きを取り入れる必要があるんです。

そのためにやることはヒジを肩の横に置くこと。大胸筋は肩関節にまたがっている筋肉です。なので動きは肩とヒジの角度に依存します。横向きであれば横の動き。縦向きであれば縦の動きです。

水平内転は横なので大胸筋に効かせるためには絶対に横向きにしなければなりません。腕立て伏せでは必ず、T時のようにヒジが肩の真横に出るのが理想形です。肘が肩の下にあると上向きに力がかかるようになり、肩に負荷が逃げます。

次に可動域。筋肥大において重要なのは、筋線維が伸ばされた状態での張力です。体をしっかり沈めて、大胸筋を最大まで伸ばす必要があります。プッシュアップバーを使うと可動域が拡張され、ストレッチ刺激が大きくなります。これは単なる感覚ではなく、長い筋長でのトレーニングが筋肥大を有利にするというメタ分析とも一致します。

実際レッグエクステンションで背中を倒すことで大腿直筋の成長が2倍以上になったことを示す研究があります。つまり、プッシュアップバーを使って筋肉を伸ばすほど成長が促進される可能性があります。

そして角度。通常の腕立て伏せは体に対してやや下向きにプッシュするため、大胸筋下部に負荷が偏ります。腕立て伏せをひっくり返すとデクラインプレスに非常に似てることがわかると思います。

実は大胸筋下部に負荷が集中すると上部はほとんど働かなくなります。多くの人が上部の発達が遅れるのはこの影響です。脚を少し高くすることで押す方向が変わり、大胸筋全体、特に上部への刺激が改善されます。ただし高くしすぎると三角筋前部の関与が増えるため、5〜10cm程度で十分です。

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胸を成長させ続ける方法

ここまででフォームと条件は揃いましたが、それでも負荷を上げなければ筋肉は成長しません。進行性の過負荷、つまり少しずつ負荷を上げ続けることが筋肥大にとって最も重要な条件です。

筋力と筋肥大は別物のように思われがちですが、実際はかなり強く結びついています。2022年に74人のパワーリフティング選手を対象にした研究では、非常に強い関係が確認されています。。別の研究でも、ベンチプレスの最大重量が伸びる過程とともに大胸筋の厚みが増加していくことが示されています。

ここから言えるのはシンプルで、筋肉を大きくしたければ負荷を上げ続ける必要があるということです。これは腕立て伏せでも同じです。回数だけ増えても意味はなく、負荷が上がっていなければ筋肉はそれ以上成長しません。

ではどうやって負荷を上げるか。まずテンポを遅くする方法ですが、これは基本的に意味がありません。確かにゆっくりやれば回数は減りますが、筋肥大に重要なのはあくまで張力であって、テンポそのものではありません。むしろスイートスポットは1repあたり2〜8秒であることがわかっています。極端にゆっくりやったり素早く持ち上げると適切なテンポから外れると筋肥大を制限する可能性すらあります。

次に片腕腕立て。これは負荷自体は上がりますが、バランスを取る要素が強くなりすぎてしまい、大胸筋、体を持ち上げることに集中できなくなります。腕立て伏せの目的は筋肉に負荷をかけることであって、バランス能力を鍛えることではありません。この時点で優先順位がズレています。

結論として最も効果的なのはシンプルに加重することです。リュックに重りを入れて背負う、もしくはプレートを乗せる。これだけで可動域も軌道も崩さずに負荷だけを純粋に上げることができます。デメリットはほぼありません。

腕立て伏せで胸を成長させたいなら、負荷を上げるしかありません。ここをやらない限り、どれだけフォームを整えても筋肉は頭打ちになります。つまり腕立て伏せの限界は種目ではなく、負荷を上げていないことにあります。

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ベンチプレスを超える腕立て伏せ

ここまでの条件をすべて満たした腕立て伏せは、もはや一般的にイメージされている腕立て伏せとは別のトレーニングです。この状態まで作ることができれば、腕立て伏せはベンチプレスと同等レベル、もしくは条件次第ではそれ以上の効果を持つ種目になります。

実際に研究でも、負荷を調整した腕立て伏せとベンチプレスでは筋肉の成長に大きな差がないことが示されています。つまり重要なのは種目ではなく、どれだけ適切な負荷と刺激を与えられているかです。

さらに今日紹介した腕立て伏せにはベンチプレスにはない強みもあります。それがストレッチ可動域です。プッシュアップバーを使うことで体をより深く沈めることができ、大胸筋をより強く伸ばした状態で負荷をかけることができます。筋肉は伸ばされた状態で強い張力を受けたときに最も成長しやすいため、この点においてはベンチプレスより有利になる可能性すらあります。

加えてベンチプレスではブリッジを作ることで自然とデクラインになってしまうので足を上げる腕立て伏せはベンチプレスよりも大胸筋全体に効かせられます。

腕立て伏せは優先度が低い種目で、ベンチプレスができない人が仕方なくやる種目ではありません。使い方次第でいくらでも強いトレーニングになります。ただしそのためには、ここまで解説してきた条件をすべて満たす必要があります。

腕立て伏せで胸が成長しない理由はシンプルで、胸に効いていないからです。効かせるためにはヒジを肩の真横に置くこと。肩に痛みが出る人は少し脇を閉じてもいいです。そして体を十分下げることが大事です。プッシュアップバーを使うと特にデクラインになってしまうので足は必ず上げるようにしてください。

大体の目安ですが30回できるようになったら負荷を上げましょう。効いてる感覚は不要です。感覚が無くてもこの腕立て伏せなら絶対に胸に効いてます。

腕立て伏せで筋肉を効率よく成長させたい人は腕立ての日を1時間作るのではなく、10分の腕立て伏せを出来るだけ毎日行うこと。こっちのほうが成長することは科学的にも認められています。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。