今回はお腹の皮下脂肪が落ちない人の共通点を紹介していきます。
「どうしてもお腹の脂肪が落ちない…」 「いったいどれくらいの期間でお腹の脂肪は落ち始めるのか」
「なぜ順調に痩せる人がいるのに自分だけうまくいかないのか」 このような不安を抱えながらダイエットしていませんか。
実はお腹の脂肪が落ちない人には決定的な共通点があります。お腹の脂肪は落とすのが特に難しい部位でもあるので正しい知識なしで痩せることはほぼ不可能です。
むしろ間違ったダイエット法を続けると頑張ってるのに日に日に体脂肪が増えていったり、体は痩せてきたけどお腹だけ出てて恥ずかしいといった最悪の事態に陥ります。
でも大丈夫。お腹の脂肪が落ちるまでの期間。ダイエットが順調だと判断できるペース。お腹の脂肪を落とすための食事。お腹の脂肪が落ちない本当の理由。お腹の脂肪を優先的に増やす最悪の食品。モチベーションを維持するための方法などお腹の脂肪を落とすためのすべてを解説します。
皆さんのお腹の脂肪が落ちないのは努力不足ではなく努力の方向が間違っているだけです。科学的な事実に基づいたダイエット法を教えてもらっていないだけです。
逆に今回のポイントをひとつでも見落としてしまうと一生ゴールのない迷路にはまってしまう可能性もありますので是非この動画で軌道修正してください。
よくあるループとしてはダイエットを頑張り始めて、1~2か月は順調に体重が落ちる、停滞し始める、結果が出ないからモチベーションが下がってダイエットをやめる。体型が元に戻る。そしてまたダイエットを頑張り始めます。
この記事ではお腹の脂肪を落とすのにかかる期間やお腹の脂肪が落ちない人の共通点を紹介していきます。もちろんNGだけではなく明日からお腹の脂肪を落とすために何をするべきかについても紹介していきます。
まず根本的な話からしましょう。なぜ体脂肪を落とさなければいけないのか。ほとんどの人がダイエットを始める動機としては「外見の向上」「かっこよくなるために」または「美しくなるため」だと思います。
確かにダイエットをするとより外見的な魅力が向上する可能性が高く、これは科学的にも認められています。
ある研究では男性の体型を6パターンに分類して女性にどの体型に魅力を感じるかを数値化したところbuiltが最も高く、別の研究では女性バージョンで体型の魅力度を男性に判断してもらったところお尻とウエストの比率が0.7が最も魅力的に感じたことがわかりました。
そして、男性の体型に特に顕著でしたが女性が魅力的と感じるポイントは筋肉量の多さではなく体脂肪率の低さのほうが影響を与えたことを示しているように体脂肪率というのは実は最も重要な要素であるといってもいいでしょう。
研究を見ても体脂肪率が高い人はウエストが大きい傾向にあり、ズボンからお腹が出ています。科学的な分析を見るとウエストサイズと体脂肪率には相関がみられ、ウエストサイズが1インチ、つまり2.5cm大きくなると体脂肪率が0.39%上昇することを示しています。
この外見に加えて健康にとっても高い体脂肪率は好ましくありません。ダイエットなんて外見だけでやらなくてもいいと考えてる人、それは大きな間違いです。
大量の科学的データでは太ることで免疫機能が低下し、多くの合併症や病気にかかりやすくなります。実際、WHOの調査でも毎年少なくとも280万人が肥満によって死亡しており、2019年に行われた調査でも肥満は事実上ほぼすべての主要な死亡原因と因果関係があることがわかっています。ほとんどの人が思っている以上に肥満のリスクは高いです。
健康、そして外見にとっても力を入れなくても腹筋のラインがうっすらと見えるラインで体脂肪率を保つことは非常に重要です。
研究者のmenno henselmans博士によると男性の場合2~5%は健康にとって必要最低限な体脂肪率であり、外見的には14~17%を推奨しています。そして女性の場合、10~13%の体脂肪率は必要最低限であり、外見的には21~24%の体脂肪率が好ましいようです。
注意点としてこれは研究期間に置いてあるような精密機械での体脂肪率であり、皆さんの家にある体重計の数値とは異なることに注意してください。家庭用の体重計で正確な体脂肪率を測ることは非常に難しいことを覚えておいてください。
例えばダイエット本やダイエット動画にある3か月で体脂肪率-10%、半年で体脂肪率-20%というのは正確な体脂肪率の減少ではない可能性が極めて高いです。
それでは、この体脂肪を落とすのにどれくらいの時間がかかるのか。
結論から言うと「脂肪はそう簡単には落ちない」。これを前提として知っておいてください。というのも無謀な高すぎる目標設定をするといつまでたってもゴールが見えず、途中で挫折しやすくなります。
シ-モア アルパート博士が発表した研究論文では様々な脂肪燃焼についての研究を基に1日減らせる体脂肪の上限というのを定量化しようとしました。彼が発見したのは体が体脂肪を燃焼させてエネルギーとして利用することができる量は1日当たり体脂肪1ポンド最大31kcalであるという内容でした。
例えばAさんが体重90kgで体脂肪率が20%だとすると彼の体脂肪は40ポンド、18kgと推定することができます。
先ほどの研究を基にすると40×31で1240kcalとなります。これが脂肪を燃やすために1日で作ることのできるカロリー赤字であるということです。体重維持カロリーが2500kcalであるなら1260kcalを最低でも摂取しなければいけません。
この数字を超えると筋肉など体脂肪以外、例えば筋肉などの主要な組織を破壊してしまいます。
つまり、体脂肪が落ちるスピードというのはその時の皆さんの体脂肪量に依存します。体脂肪率15%の人と30%の人とでは後者の方がはるかに脂肪が落ちるスピードは速いです。これはテレビなどでも体重100kg超えている人が簡単に10kg落とせることからもイメージできると思います。
そのため、体脂肪率が20%を超えている人にとって落とすことのできる体脂肪量は最大でも150~200gであるということです。ただし、毎日この数字を落とし切るのは現実的ではなく、先ほどのアルパート博士の研究論文にある通りこれは最大値で、毎日ギリギリを狙うのはかなりリスクが高いです。
お腹の脂肪に変化を感じるためには少なくとも体脂肪率5%、体脂肪量で言うと3~4kgの脂肪燃焼が必要です。ほとんどの人にとってリスクなく痩せるためには3か月は最低でもかかります。そして30%、40%の人が10%代、女性なら20%前半に行くためには半年近くはかかることを覚えておいてください。
それではさっそくお腹の脂肪が落ちない人の共通点を紹介していきます。ダイエット法を紹介する前にひとつ皆さんに知っていただきたいことは正しいダイエット、脂肪の落とし方というのは体脂肪を落とすことはもちろん、リバウンドの予防も同時に行う。このふたつを満たしたものだと考えています。
というのもダイエットに関心がある人の中で「一度も痩せたことがない、ダイエットに成功したことがない」という人よりも「10kgくらいは体重落としたことある」「でもすぐに元に戻っちゃう」という人のほうが多いと思います。
実際、ダイエットは一度体重を落とすことよりもその体型をキープすることのほうがはるかに難しいです。
2001年のメタ分析では29件の研究と合計508人のダイエット成功後、体重を落とした後の被験者の体重増加について調査を行ったところ20~25kgの体重減少を達成した後、平均的に5年以内にその落とした体重の80%が元に戻っていることがわかっています。
正直言うとこの日だけ痩せてればいい。一瞬だけ痩せてればいいという人の場合、ハッキリ言うと何も考えずに1日1食にして生活していけば勝手に痩せていきます。ただしこの方法だと1か月後にはほとんど元に戻っているでしょう。
これは本当の意味のダイエットではないと思います。パーカーフィットネスのこの動画では脂肪が落ちることはもちろんリバウンドのリスクも最小限にするダイエット法について紹介していきます。
まず最初にお腹の脂肪が落ちない人の共通点は体脂肪が落ちるペースを知らないことです。
体脂肪1kgは7700kcalのエネルギーを持ちます。この数字は体脂肪がどういうものかという考え方次第で変わりますが、代表的な7700kcalとしましょう。つまり体脂肪はエネルギーの貯金であるため、これを1kg落とすためには7700kcalを消費する必要があります。これを理論的に考えれば7700kcal分の運動をするか。7700kcalの食事制限をすれば体脂肪を1kg落とすことができます。
男性は日常生活で平均2000kcal程を消費するため、簡単に考えれば4日間断食すれば体脂肪は1kg落ちることになります。ただしこれは現実的ではありません。仮に皆さんが4日間断食しても体脂肪が1kg落ちることはないでしょう。
先ほど紹介したように体脂肪が落ちるペースというのは上限があり、その時の体重にもよります。体重が男性の場合90kg以上、女性の場合70kg以上であれば1か月で2~3kgは落とすことができます。ただ、これは皆さんの体重が落ちていけば落ちていくほどこのペースも落ちていきます。
例えば糖質制限や断食などは1週間で10kg近く落ちることもありますがその理由は脂肪の燃焼ではなく体内の水分量や胃の内容物が空っぽになっていることが原因です。こういったダイエット法は食べたらすぐに体重が元に戻るので上がったり下がったりを繰り返して結局は何も変わっていないことがほとんどです。
より信頼性の高いデータによると毎日のカロリー赤字を500kcal以内にするとほとんどリスクがゼロにできることがわかっています。これを1か月続けると15000kcalとなるので体脂肪2kgに相当します。つまり毎月2kgの体重減少が起こっている場合、その体重のほとんどが脂肪といってもいいでしょう。
逆に一週間で2kg落ちていたり、一ヶ月で5kg近く体重が落ちている場合はその半分近くが筋肉量です。
実は痩せられない人の多くは食べ過ぎていることが多いです。これは初歩的で「痩せたいのに食べ過ぎるなんて論外でしょ」と思う人がほとんどだと思いますが、これは近年のダイエット業界の問題点といってもいいです。
食べ物を消化するときにもカロリーが消費されるため、食後に体温が上がることがあります。これを摂食の熱効果、TEFといいます。
これは実際に存在する現象であり、ほとんどの人にとっては食べながら痩せることは天国のような方法です。だからこそ多くの人がTEFに関心を持っていて、食べながら痩せるダイエット法は非常に人気のトピックですが、実はこれに注目する価値というのはほとんどありません。
例えば緑茶やトウガラシ、お酢などの脂肪燃焼フードとして知られている食品や飲み物もほとんど効果がないことを科学的なデータは裏付けています。具体的な数字で言うと1日当たり5kcal程度の話です。
そして朝食を食べると代謝が上がって痩せると考えている人もいますが、科学は真逆の結論を出しています。
朝食の体重と代謝について調査したメタ分析では1990年から2018年までに発表された10件以上の研究を分析したところ、朝食を抜くとわずかに体重減少が促進される傾向があることを発見しました。
なぜ朝食は追加するのではなく抜いたほうが痩せるのか。これは非常に簡単な理論です。確かに朝食によってTEFがわずかに上昇することを示すデータは存在します。しかし、その熱効果は朝食のカロリーを全く相殺できないのです。
例えば朝食にホットケーキ1枚食べることによって熱効果によって代謝がわずかに上昇したからといってホットケーキの261kcal相殺できるわけがないということです。「これを食べたら痩せる」「これを食べたら代謝が上がる」という人たちは朝食の数kcalの代謝増加に注目して朝食を食べることによる数百キロの摂取カロリーの増加を考えていません。
朝食をとることがダメというわけではありません。しかし、自分の代謝を高めるときTEFに注目するのはほとんど意味がなく、むしろ摂取カロリーの増加によって太る原因にもなります。基本的に代謝の増加、アフターバーン効果のようなものはあなたの予想の1/100程度の効果しかないことがほとんどです。
カロリー赤字を作り過ぎると筋肉という重要な組織も破壊されてしまいます。ダイエットで重要になるのはたったのふたつです。それは脂肪を落とすことと、筋肉を減らさないこと。
筋肉が減るコトは一見そんな大した問題ではないように見えるかもしれません。特に女性で「私、ムキムキ目指してないんで」という人の場合、筋肉は過小評価されがちです。しかし、実は筋肉こそダイエットが成功し、リバウンドしないためのカギとなります。
筋肉が落ちることのリスクは主に3つです。代謝が落ちて停滞しやすくなること。病気や疾患にかかるリスクが上がるコト。そしてリバウンドのリスクが上がるコト。
人間の代謝に関するこれまでで最大規模の研究のひとつとして2021年にある研究論文が発表されました。研究者は6000人以上の人間について生涯にわたる代謝のグラフを公開しました。その結果、同じ体重でも人によって代謝は大きく異なることがあることがわかりました。
例えば体重80kgの人の場合、平均的な人は1日に2600kcalを消費します。ただ、調査によると代謝能力が高い人で毎日3800kcal以上を消費することは珍しくないことがわかりました。同様に体重80kgでも1900kcal未満しか消費しない人もいました。
この代謝の違いは日常生活の運動と基礎代謝率が主な原因です。基礎代謝率、Basal Metabolic rate 略してBMR。臓器を動かしたり安静時に体が脂肪を燃焼させるエネルギーです。多くの人が知っている代謝機能の中でこれが最も広く知られていると思います。
2021年に行われた大規模な研究では生後8日から95歳までの男女を対象に代謝率を調査したところ20歳から徐々に代謝率が低下していくことがわかりました。しかしこの原因を調べてみると代謝率の低下は年齢のせいではなく年齢を重ねると運動しなくなること。それによって筋肉が落ちることが原因であり、運動している人は代謝が全く落ちていないことがわかりました。
ダイエットすると多くの人は「最初は調子よかったのに最近体重が全然落ちない」という停滞期になりやすいです。この原因はほとんどの場合運動せずに食事制限だけで痩せようとしたり、過度のカロリー赤字を作ることで筋肉が破壊されて代謝が落ちることです。
そして、筋肉の減少は病気や疾患にかかるリスクが高くなります。
2023年の5月6日に公開された最新のデータではカナダ国民の筋力低下による経済的負担は年間30億ドルであることが判明しました。これは筋力が低下することで多くの病気や疾患にかかるリスクが大幅に高くなることで医療費が増えるためです。
そして2022年に東北大学で行われた研究では18歳から98歳までの被験者3800人以上を数十年間追跡調査をした結果、筋肉量の減少によって被験者はガンをはじめとしたあらゆる早期死亡リスクが10~20%高くなることを発見しました。
つまり筋肉量や筋力の低下は病気やケガのリスクが大幅に上がるため、死亡率も上昇します。
最後に筋肉量の低下はリバウンドのリスクが増えます。
筋肉量が減ると先ほど紹介したように代謝が下がって太りやすくなる体質になります。そして、エリックトレクスラー博士がいうように筋肉量が減るとダイエット後に食欲が増えるようです。これによって摂取カロリーが大幅に増え、加えて代謝が落ちることからリバウンドのリスクが大幅に高くなります。
ダイエット中に筋肉量を減らさないことは脂肪を燃やし続けることに加えてリバウンドを予防するために重要なポイントです。運動せず食事だけで痩せようとしたり、極端なカロリー赤字によって筋肉を減らすとあなたのダイエットは停滞し、体重を落とせたとしてもリバウンドが確定します。
筋肉を落とさないために重要になるのは運動。特に筋トレはダイエットに最適なエクササイズであることが最近の科学的データによって判明しています。
2025年の6月に公開された新しいレビューでは筋肉の成長と脂肪燃焼において122件の研究を基に筋肥大が筋肉の成長と同時に脂肪の燃焼も引き起こすことを結論付けました。
これは3つの要因があります。まずひとつ目、筋肉の成長は基礎代謝を上げ長期的にみるとたくさんの脂肪を燃やします。レビューによると短期的には数パーセント程度の小さな影響ですが、長期的には最大で20%の代謝増加になるようです。
そして、栄養の分配が改善されます。レビューによると筋トレをしてない人がダイエットをすると落ちた体重のうち平均的に25%が筋肉であるようです。つまりウエイトトレーニングをすればこの25%が脂肪の分解に活用され100%の脂肪燃焼が見込めるということです。
そして最後は筋肥大、つまり筋肉が大きくなるには大量のエネルギーが必要です。簡単に言うと筋肉がデカくなるのにもたくさんのエネルギーが必要になるためこのプロセスのみでカロリーが消費されるということです。
ジョギングなどの有酸素運動では筋肉を維持することはできますが成長させることは出来ず、そしてこの効果は有酸素運動で使う下半身のみで有酸素運動のみだと上半身の筋肉量は減ってしまいます。
お腹の脂肪を落としたいなら絶対に筋トレをしてください。勘違いしている人も多いですが、これは筋肉をデカくしたいという目的がない人にとっても同様にウエイトトレーニングは必要です。
お腹の脂肪を落とすための筋トレと聞くと「腹筋トレーニング」を思い浮かべる人は少なくないと思います。たしかに2023年の研究では16人の太りすぎの男性をトレッドミルを45分行うグループと27分間のトレッドミルに加えて腹筋トレーニングを取り入れたグループで比較したところ、全体的な脂肪燃焼効果は同様でしたが、後者はお腹の脂肪が2.5倍減っていたことがわかりました。
しかし、これについて肯定的な研究は体脂肪率30%以上の太り過ぎの人が対象であったり腹筋のような消費カロリーの少ない運動よりもその数倍もカロリーを消費するスクワットのほうが全身の体脂肪、そしてお腹の脂肪燃焼にも効果的な可能性が高いです。
お腹の脂肪を落とす時に腹筋トレーニングに重点を置くのはおすすめしません。しかし、全身を鍛えるウエイトトレーニングの中で腹筋を鍛えるメニューを入れるとお腹の脂肪の燃焼を促進することができます。痩せたいなら絶対に筋トレをしてください。
体脂肪はエネルギーの貯金であるため、有酸素運動を頑張って消費カロリーを上げたり、食事制限をして摂取カロリーを減らせばいいと考える人がほとんどです。でも実は違います。特にお腹の脂肪についてはただカロリー赤字を作るだけでは不十分です。
一般的に体脂肪というのは皮下脂肪と内臓脂肪に分類されます。皮下脂肪はほとんどの人が知っている代表的なもので体全体についています。この皮下脂肪がつきすぎると太った肥満体型になり、これを落とせば痩せた外見になるため痩せたい人が真っ先に落とそうとする脂肪です。
この皮下脂肪はお腹をつまむことで触れることができます。
ほとんどの人は基本的には皮下脂肪だけ意識すれば大丈夫です。というもの専門家の推定では体脂肪の約90%は皮下脂肪であり、皮下脂肪を落とせば体全体の体脂肪が減るためスリムな体型を手に入れることができます。
しかし、唯一の例外としてお腹の脂肪は内臓脂肪が蓄積する場所です。これはお腹にあり、内臓を包んでいます。実際に皮下脂肪のようにつまんだりすることは出来ず、外見的には皮下脂肪なのか内臓脂肪なのかを判断することは難しいですが、心臓、肝臓、腸など内臓の周りにつくことから腹部の脂肪に大きな影響をもたらします。
例えば「全然太ってないのにお腹だけ出てる」という人は内臓脂肪が多い可能性が高いです。実は皮下脂肪と内臓脂肪には落とし方に違いがあるため、スリムな人でもたくさんの内臓脂肪がたくさんあるということは少なくありません。お腹は内臓脂肪と皮下脂肪の両方が蓄積されるため、腕や脚よりも太りやすいと感じやすいのです。
脂肪を落とすためにカロリー赤字を作ることは必要不可欠です。ただ内臓脂肪についてはただ運動すれば、食事を抑えれば大丈夫というわけではありません。
皮下脂肪に集中して内臓脂肪の落とし方について見落とすとお腹だけ出てるやせ型肥満になりやすいので注意してください。
基本的には脂肪燃焼には「量」が重要ですが、内臓脂肪の場合は「質」が重要です。全く同じカロリーを摂取してもその食品の質によって内臓脂肪の量が変わってしまいます。
内臓脂肪を増やす食品、ひとつ目はアルコールです。
2019年の研究では40~79歳までの998人の日本人男性を対象に皮下脂肪、腹部内臓脂肪、そしてアルコール摂取量を調査したところアルコール摂取量が多いと皮下脂肪、腹部内臓脂肪が多い傾向にあることがわかりましたが、注目するべきは摂取するエネルギーのうちアルコールが多いほど内臓脂肪の割合が高くなることがわかりました。
そしてふたつ目は加工食品です。
2021年の研究では1485人の被験者の超加工食品と内臓脂肪量についての調査を行ったところ、超加工食品の摂取量が多いほど内臓脂肪が多いことがわかりました。超加工食品というのはその名の通り加工している食品です。つまり、材料の元々の姿から遠いほど加工されているとイメージしてください。
食品は加工されるほどビタミンや栄養素が破壊され、砂糖や塩、脂肪分などの添加物が追加されている可能性が高くなります。いくつかのデータを見ると加工食品というのは未加工のものよりも代謝が悪く、太りやすい傾向にあるようです。
最後の3つ目は食物繊維の少ない食品です。ある調査では2008年から2010年の18か月間の被験者の体組成を調査したところ繊維質をより多く摂取する被験者はBMIが低い傾向にあることがわかりました。食物繊維の多い食品は内臓脂肪を減らします。
たとえカロリー赤字にしていてもそのカロリーの多くがお酒であったり、加工食品、食物繊維の少ない食品だと内臓脂肪が落ちず、体型的には痩せてもお腹だけ痩せない、お腹だけ出てるやせ型肥満にもなりやすいです。
内臓脂肪を落とす時は、お酒は出来るだけ避けて、加工のされていない、食物繊維の多いサラダやフルーツ、肉などがおすすめです。こういったものを積極的に食べましょう。
新しいダイエット法や脂肪の落とし方についてテレビや雑誌、Youtube、SNSなど数えきれないほどありとあらゆるメディアで取り上げられていますが、統計的には実践しても90%の割合で失敗します。
実際、2016年の研究ではダイエット成功者14人を6年間追跡したところダイエット後6年間体重が増えていなかった被験者は一人しかおらず、5人は完全に体重が元に戻り、2人はダイエット前よりも体重が増えていたことがわかりました。
なぜこれほどまでに痩せられない人が多いのか、ダイエットしてもすぐに元に戻ってしまう人が多いのか.。最大の原因は一貫性のなさです。
断言します。低い体脂肪率を10年間維持するためには10年間食事や運動などライフスタイルについて意識する必要があります。ある時を境に好きなものを好きなだけ食べられるようになったり、食事や運動について全く気にする必要が無くなるポイントはありません。
もちろん脂肪を落とすための食事と脂肪を増やさない食事では全く違い、筋肉量を増やせば代謝が上がってダイエット中よりはかなり楽になるのでお酒を一生飲んではいけない、スイーツは禁止というほど厳しくはありません。ただ、ダイエットが成功した途端にジムに行かなくなったり、食事に全く気を使わなくなればリバウンドはすぐに起こります。
そして、長続きするように適度なダイエット計画にすることも非常に重要です。
ダイエットをしようと決意したとき多くの人は「これからは毎日一食にしよう」「毎日10km走ろう」と考えますが、それは非常に難しくストレスもかなりたまるのでほとんどの人は厳しすぎて途中でやめてしまいます。その他にも体脂肪の減少量に期待しすぎている人は実際脂肪が落ちるのは少しずつなので体重計に変化がほとんど出なくてパニックになりより厳しいダイエットに変更してしまうことも良くあります。
実際、体脂肪率25%から15%まで落とした例を見てみても。体重は増えたり減ったりしていますが全体的なグラフを見ると減っていることがわかります。そのため、体重計に毎日乗るのは重要ですが、次の日増えていても気にする必要はほとんどありません。
ダイエットを成功させるためには超ハードなダイエットを1週間続けるのではなく、適度なレベルのダイエットを長期間続けることが最も重要です。そのためには無理のない計画を立てて、それを一貫して行いましょう。
そして意外と重要なのが睡眠。人間の体では脂肪の分解と筋肉の分解が同時に行われていますが、睡眠不足は筋肉の破壊を優位にします。最近行われた研究では18~59歳までの男女5151人を対象に調査をした結果睡眠時間と内臓脂肪に関係が見つかり、睡眠時間が短い人は内臓脂肪の量が多いことがわかりました。
内臓脂肪というのは腹部にある脂肪であり、健康への多くの悪影響がある非常に有害な体脂肪です。研究では睡眠不足である被験者は内臓脂肪が+11%増加しており、睡眠時間が十分である被験者は全くこの脂肪が増加していないことを示しています。
睡眠不足の最も大きな影響は体があなたの筋肉を破壊し、脂肪を多く追加する反応が起こることです。特にこれはダイエット中に深刻な影響を引き起こします。ダイエット中というのは摂取カロリーが不足しているため筋肉が分解される可能性も高くなります。
そしてこのホルモン変化に加えて、睡眠不足は過食につながり、たくさんのカロリーを摂取することにもつながります。
ほとんどの科学的データや専門家が推奨している睡眠時間は最低でも7時間以上です。ただ、睡眠時間が十分確保できない人は睡眠の「質にこだわる」のがおすすめです。
・寝る前の30分以内の電子機器の使用を避ける ・アルコール摂取を控える ・6時間以内のカフェイン摂取を避ける
これをすると6時間、それ以下でも7時間寝ている人と同じような効果を得られます。
なぜお腹周りの脂肪を落とすことが難しいのか。これはお腹の脂肪が他の脚や腕、顔とは異なる性質を持つ脂肪であることを理解していないことが原因です。
まず、内臓脂肪を落とすことを忘れていること。内臓脂肪はカロリー赤字を作ることに加えて食べ物の質を意識することが大事です。
もうひとつの原因は筋肉を落とさないことの意識が足りていません。筋肉がダイエット中に落ちるとダイエットの停滞、そしてリバウンドが確定します。いや、私ムキムキ目指してませんという人でも筋トレは必要不可欠です。もちろん目的にもよりますが週に2回程度のトレーニングで筋肉の減少を完全に防ぐことができます。
筋肉の減少を予防するために重要になるのは筋トレとカロリーを削り過ぎないこと。そしてタンパク質をたくさん摂ることです。
体重が落ちるペースとしては月2kgを目安にしましょう。そのためにも体重が落ちすぎる場合、摂取カロリーを上げる必要があります。体脂肪を毎月2kg落とせば3か月で体脂肪率10%近く落とすことが可能です。
今はTV、雑誌、書籍、インターネットでも体重の数字だけしか落ちないダイエット法や筋肉を破壊してリバウンドコース確定のダイエット法、代謝の上がる食品を食べ過ぎて結局カロリー赤字を作れず太るだけという表面的なダイエット情報が星の数ほどあり、皆さんにとって本当に必要なお腹の脂肪を落とすための本質的な情報が埋もれてしまっています。
そしてもうひとつ皆さんにお伝えしたいのは体重が今日落ちていないからといって慌てないで下さい。このダイエット成功者の体重の推移を見てもほとんど体重が落ちていなかったり、次の日増えているということがよくあるというのがわかるはずです。モチベーションを保つためには未来の自分に期待しながらも目先の数字や外見に惑わされないことが重要です。騙されたと思ってまずは1か月続けてみてください。
ストレスが溜まってダイエットが継続できない場合、チートミールを行うのも効果的です。一般的にはチートデイといわれていますが、1日中好きなものを食べるのはダイエットを無駄にする可能性が非常に高いです。基本的に2000kcal赤字を作っていたとしてもチートデイで2000kcal余分に摂取すればダイエットは完全に無駄になることだけ理解してください。
そのため、例えば1食だけ焼肉という風にしたりチートミールする日は焼肉以外何も食べないというようにするとダイエットを台無しにするリスクが減ります。頻度としては多くても2週間に1回、隔週より少なくしてください。
食事メニューとしては魚や低カロリー高たんぱくの鶏肉、卵をたんぱく源として積極的に取って、目安としてタンパク質100gを目指し、米や麺などの炭水化物は500kcalを目標に抑えましょう。実は炭水化物を減らせばかなりのカロリーカットができています。これに加えておやつやかさまし食材としてとしてサラダやフルーツを入れれば今までのダイエット指導経験を基にするとアンダーカロリー状態が作られています。
今日紹介した内容はすべて科学的なデータによってわかっているお腹の脂肪を落とすための最高のダイエット法です。