「毎日筋トレ鏡を見ても筋肉が増えていない。」「筋トレには限界があるのか。」そんな不安がある人もいるかもしれません。でも安心してください。実はちょっとしたコツで筋トレの効果を大幅に増やすことができます。
この記事では筋肉の成長を爆発的に上げる方法を10個まとめてご紹介します。
しかも意外と知らない人が多いのでやれば確実に差がつきます。この動画が参考になったら是非高評価をお願いします。
ウエイトを持ち上げることなく筋肉を成長させることは可能でしょうか。ハイ可能です。それを最新のデータが裏付けています。
ウエイトを持ち上げた後の休憩時間。何をしていますか。実はこのインターバル中の過ごし方で筋肉の成長を大幅に増やすことが可能です。
2024年に行われた新しい研究では81人を対象にある実験を行いました。研究者は被験者を三つのグループに分けます。ひとつはコントロールグループで研究期間に何も行わないグループ。もうひとつは週3回、腕立て伏せを12rep5set、1週間の合計15setで行うグループ。
そしてもうひとつは特殊な機械を使い大胸筋の静的ストレッチを1日15分、週4回、合計1時間行うグループ。静的ストレッチは柔軟体操のように筋肉を伸ばすストレッチです。
8週間後、被験者の大胸筋のサイズを測定したところ、静的ストレッチグループとウエイトトレーニンググループでは筋肉サイズの増加がほとんど同じであったことを示しており、筋肉を成長させるためにはウエイトを持ち上げることが唯一の方法ではなく、柔軟体操のように筋肉を伸ばせば成長する可能性があることがわかっています。
実はその他の研究でも柔軟体操のように筋肉をストレッチさせると筋トレしてるのと同じように筋肉が成長することを発見しています。
例えば2023年の4月に行われた最新の研究では筋トレ経験のある被験者69人がレッグプレスマシンを使ってふくらはぎを1時間柔軟体操のように伸ばしたところ、ふくらはぎのトレーニング15setの筋トレに匹敵する筋肥大効果を得たことを示しています。
最新のメタ分析によるとトレーニング経験がある程度ある人にとって筋肉は「鍛えれば鍛えるほど成長する」というのが明確になっています。そのため、ウエイトトレーニング10setに加えてインターバル中に静的ストレッチを行うことで20set、30setトレーニングしている人と同じような効果を受け取れる可能性があります。
ただし、いくつかのポイントがあるので注意してください。タイミングややり方によってはこの静的ストレッチは筋肉の成長を促進させないどころか筋肉の成長を妨げます。
絶対にやってはいけないことは同じ筋肉を伸ばすことです。例えばベンチプレスの休憩中に大胸筋を伸ばすというもの。これには2つの問題があります。まずこれをするとシンプルにパフォーマンスが下がります。
ある研究ではウォームアップで25秒間の静的ストレッチを行ったところレッグエクステンションのパフォーマンスが大きく落ちたことがわかりました。
これによって大胸筋を伸ばした後にベンチプレスをするとベンチプレスのパフォーマンスが大きく下がり、筋肉の成長を制限します。
そして筋肉を過度に傷つける可能性があります。ドロップセットのように休憩なしで同じ部位を鍛える方法は筋肉を損傷させやすいです。筋肉は傷つけるほど成長するというのは迷信で、筋肉の過度の損傷は筋肉の成長を妨げます。
そのため、絶対に同じ部位のストレッチはやめましょう。おすすめは拮抗筋です。拮抗筋というのは大胸筋なら背中、大腿四頭筋ならハムストリングスのような表と裏の関係にある筋肉群です。
ブラジルで行われた研究ではシーテッドロウの直前に胸をストレッチさせるとシーテッドロウのパフォーマンスが向上したことを示しています。これに加えて複数の研究でこれは実現されており、直前に拮抗筋を伸ばすと重量や回数が上がることを示しています。
例えばベンチプレス中に背中を伸ばすことで、まずはウエイトトレーニングによる筋肥大効果、そして静的ストレッチによる筋肥大効果、さらに拮抗筋を伸ばすことによってパフォーマンス増加による筋肥大効果。この3つが加わることで筋肉の成長が劇的に増えます。
筋肉を長期的に成長させ続けるために重要なのは自分の力を伸ばし続けることです。筋肥大と筋力アップは別の世界のように見えるかもしれませんが、実は非常に似ています。
2025年の7月に公開された最新の研究ではウエイトトレーニングのパフォーマンスと筋肉サイズについての調査を行いました。その結果、筋力と筋肥大には非常に強い相関がみられ、筋力が向上すると筋肉も成長していることを発見しました。
実は誰でも実践可能で自分の筋肉量を測る最も信頼性の高い方法があります。それは自分の最大筋力を測ることです。基本的にMRIのような高額な機械を使わない限り正確な筋肉量を測ることは不可能ですが、数多くのデータに証明されているように筋力が伸びると筋肉も成長している可能性が非常に高いです。
つまり、筋肉をつけるためには筋力を伸ばしましょう。トレーニング初心者の方に非常に多いミスはずっと同じ負荷でトレーニングをすることです。「体が負荷に慣れてきたらゆっくり増やしていきます」という方もいらっしゃいますが、こういった曖昧なラインを作るといつまでたっても同じ負荷でトレーニングしてしまいます。
パーカーフィットネスがおすすめするのは「この回数上がったら明日負荷を上げる」という明確な目標回数を作ってクリアしたらどんどん負荷を上げていくことです。この明確な設定を作るのとつくらないのとでは筋力の伸び方が全く違います。
どんどん自分の限界に挑戦して、力を伸ばしていってください。そうすれば筋肉を最短でつけることができます。
ほとんどの人は筋トレ中に気づかず脱水症状になっており、筋肉を成長させるのに必要な水の量も足りていません。
2015年のメタ分析では分析した28件の研究に基づき、体重の3~4%のわずかな水分の減少で筋力が2%、パワーが3%、筋持久力が10%低下することを示しています。
少しの脱水症状によってパフォーマンスが下がったり疲労感が強くなることは筋肉の成長にも大きな影響を与えます。近年の科学的データは筋肉の成長にはトレーニングVOLが最も重要であることを大量のデータによって裏付けているため、例えば10kg10回上がっていたのが8kgだったり9回しか上げられなくなったりすると筋トレ効果がその分間違いなく落ちます。
さらに筋肉中の水分量が減ることで筋肉が落ちて見えることがあります。多くのトレーニーにとってこれはコンテストなどの外見にかなり大きな影響を与えたり、体内の水分量が少ないとクレアチンサプリメントの効果が無くなる可能性もあるため水分補給は非常に重要です。
そして、パフォーマンスだけでなく筋肉の成長というプロセスにもこの水が重要になる可能性があります。
2022年の研究では大規模な調査が行われ23か国、生後8日から96歳までの5602人を対象に必要な水分量というのを調査しました。
この研究によると体内の水分量を維持するためにどれくらいの水を飲むべきであるのかを決定するためにいくつかの要因に除脂肪体重があることがわかりました。これに基づき筋肉の成長や維持のためにはたくさんの水が必要であることが考えられます。
最も有名なボディビルや筋肥大のための水分量ガイドでは1日にコップ8杯の水を飲むことが推奨されているため毎日ノルマとしてこの量を必ず飲む人もいます。
ただし調査によるとこのガイドラインについては数十年前の栄養士の何気ない発言であり、具体的な科学的根拠がないことがわかっているため1日8杯というのは正しい目安とは言えないでしょう。
研究では必要な水分量を計算するための非常に複雑な数式が提供されていますが、おおよその目安として1日当たり6~7Lの水が必要であるようです。ただ、誤解しないでいただきたいのは、これには食事での水分補給量も含まれます。
一般的に食事によって人間は3Lほど水分を摂取しているため、実際に飲まなければいけない水分量は3~4L程度です。
そして運動中にも当然水分が必要です。筋トレ中の水分補給での注意点は「のどの渇きは遅れてやってくる」ということです。基本的には「喉が渇いた」と感じたことには既に軽度の脱水症状になっていることが多く、体内の水分量が2%ほど減っており、集中力やパフォーマンスの低下が起きているため、筋トレ中に「喉が渇いた」と感じる瞬間があってはいけません。
そのため、トレーニング中は喉が渇く前に予防的に水分を補給する必要があります。
2016年のアラン・アラゴン博士の研究レビュー誌によるとトレーニング中の水分摂取について、トレーニング前に6~10oz、トレーニング中15~20分毎に7ozの水分を摂取する必要があることが記載されています。
つまり、トレーニング前にコップ1杯150~300mlの水を飲み、トレーニング15~20分毎に約200mlの水を飲む必要があるということですが、トレーニーの中には500ml程度のシェイカーに水を入れてトレーニングをしている人も少なくなく、ジムで水を補給しながら鍛えているわけではない限りそれでは明らかに水分補給としては不十分です。
1時間以上の筋トレをする人は最低でも1Lの水は間違いなく必要になります。特に夏や気温が高い環境でトレーニングする場合は多くの水が必要になり、手に収まるほどの水筒やボトルでトレーニング中の水分補給が完璧だとは言えません。
つまり、トレーニング中は1~1.5L、そして一日で3~4Lの水を飲むとパフォーマンス、筋肉の成長にとってベストな水分補給ができています。
タンパク質は筋肉の成長において最も重要な栄養素であると断言できます。
メタ分析によると680人の被験者を対象にした22件の研究を分析したところ1日体重1kg当たり約1.2gしかたんぱく質を摂取していなかった被験者が50gのプロテインサプリメントを摂取した結果筋肉のサイズと強さが大幅に増加したことを発見しました。
タンパク質は筋肉という名の家を作るときの材料です。これがなければいくらトレーニングをしても筋肉が成長する量はごくわずかです。
たんぱく質摂取量は2018年のレビューペーパーでは49件の研究と1863人の被験者を分析したところ毎日体重1kg当たり1.6gのたんぱく質摂取量までは除脂肪体重の増加が促進され、それを超える摂取量は停滞することがわかりました。
そのため、筋肥大効果が最大まで欲しい場合は、体重1kgあたり1.6g以上摂取するようにするのがおすすめです。ただし、タンパク質は少ないよりは多いほうが良いです。特に減量中は筋肉の構築や維持のために多くのたんぱく質が必要になる可能性があるので体重1kgあたり1.6gの摂取量を狙うよりも2.0gの摂取を意識するほうがおすすめです。
ポイントとしてこの体重1kgあたり1.6g以上というのはほとんどの人にとって毎日100g以上のたんぱく質に相当しますが、一般的な食事では良くても50g程度しか摂取しておらず100g達成することは相当難しいことに注意してください。そのため、タンパク質が豊富な食品やサプリメントを使うことは非常に重要です。
プロテインサプリメントには副作用があると誰しも一度は聞いたことがあると思います。特に腎臓や肝臓について、プロテインはこれらの消化器系の悪影響を与えると考えられています。しかし、この主張に強力な裏付けはありません。
確かにいくつかの証拠では高たんぱく食が腎臓病を悪化させる可能性があるコトを示しておりタンパク質を制限することでこの症状が回復したことが報告されています。
しかし、元々腎臓が健康的な人が高タンパク質摂取によって腎臓を損傷することを示す説得力のある証拠はありません。
74件のたんぱく質の腎臓への影響についての研究を分析したレビューでは、腎臓を保護するために健康な人がたんぱく質摂取を制限する理由はないと示されています。
そして肝臓についても同様に肝臓病を患っている人には高たんぱく食が病気の悪化を引き起こす可能性を示していますが、2004年の調査によると健康的な肝臓に悪影響をもたらす証拠はほとんどないことを示しています。
そのため、肝臓や腎臓などの影響については多くの人は心配しなくてもいいでしょう。
しかし、プロテインの中でも牛乳に由来するホエイプロテインは乳糖不耐症を持つ人にとっては一時的な下痢などの症状をもたらす可能性があります。これによって肝臓や腎臓が破壊されるという証拠はありませんが、サプリメントによってひどい下痢になったりと問題が起こる場合は他のタイプのたんぱく質やアイソレート商品をおすすめします。
タンパク質をたくさん摂るようにすれば筋トレによる筋肉の成長を最大化することができます。
筋肉の成長においてどんなサプリメントが必要ですかと聞かれたとき、パーカーフィットネスは間違いなく3つを紹介します。ひとつはプロテインサプリメント。もうひとつはクレアチンサプリメントです。
筋トレしてる人なら9割以上の人が効いたことがあるサプリメントですが、実はそのほぼ全員がこのサプリメントの効果を誤解しています。
2022年のメタ分析ではクレアチンがレジスタンストレーニングによる除脂肪体重の増加を促すことを示しています。35件の研究と1192人の被験者を調査した結果、クレアチン補給7~14週間によって、筋肉サイズが1~1.4kg増加することを示しており、その大きさはかなりのものです。
このようにクレアチンを摂取することで筋トレの効果が促進されたり筋肉の構築を助けることでより多くの除脂肪体重を獲得できることは多くの科学的データによって裏付けられておりこのクレアチンが最高のサプリメントのひとつであるということはもはや疑う余地がありません。
しかし、2023年の4月に公開された非常に最新のレビューではクレアチンの実際の筋肥大効果について注目しました。先程のメタ分析にも示されているように、ほとんどのクレアチンについてのデータでは除脂肪体重を測定しています。
除脂肪体重が多くのデータに使用されている測定法である理由は実際の筋肉量を測定するよりも非常に簡単であるためですが、除脂肪体重は脂肪量を除いた体重であり完全に筋肉量というわけではありません。特に体内の水分量に変化があるときはこの除脂肪体重はかなりあいまいな数値になります。
最新のレビューではクレアチンサプリメントの除脂肪体重ではなく実際の筋肉量に与える影響について調べたところ多くの発見が得られました。研究者はクレアチンの効果量というものを計算しました。効果量というのはサンプルサイズやデータの単位に依存しない指標であり、どれくらいの効果があるかを表します。
効果量の大体の目安として、
・0.2未満は極わずか
・0.2~0.5が小さく
・0.5~0.8が中くらい
・0.8以上が大きい
というものですがこのメタ分析で測定されたクレアチンの効果量は0.11であったため、クレアチンの補給は筋肉の成長をほんのわずかに促進させただけでした。実際、研究者はクレアチンが除脂肪体重を増加させた理由は筋肉内の水分量を大幅に増やしているからであるという結論に至りました。
先ほど紹介したように体内の水分量が少なくなるとクレアチンサプリメントが活きなくなります。これはクレアチンの主な役割は筋肉に水分を供給するというものであるからです。
筋肉をほとんど増やさないっていうことはクレアチンサプリメントって効果ない?意味ない?そうでもありません。実際に筋肉量を増やしていなくても筋肉細胞に水分を引き込むため筋肉をデカく見せることが可能です。これはコンテストなどでも外見を良く見せるためには大きなメリットになるはずです。
加えてクレアチン、特に水和物は非常にコストが安く、確かに本質的に筋肉をたくさん増やすものではありませんがほとんどの人にとって推奨できるサプリメントであることは間違いありません。
効果量0.11って少な過ぎでしょと思う人もいるかもしれませんが、基本的にメタ分析によって効果量が調査されているほどの信頼性の高いものやマーケットには効果はゼロものも少なくないので0.11、そしてメタ分析レベルで調査されているというのはサプリメント全体から見るとかなり優秀な方です。
筋トレ初心者の人など筋肉中のクレアチンレベルが低い人にとっては初期段階として多くのクレアチンを摂取する必要があります。クレアチンサプリメント10~20gを1週間摂取して体内のクレアチンレベルを最大にしましょう。
もうすでにクレアチンを摂取している人にとっては消費されるクレアチンだけを補えばいいので毎日3g摂取がおすすめです。
パーカーフィットネスのおすすめするサプリメントはプロテイン、クレアチン、そしてカフェインです。カフェインは中枢神経を刺激し、あなたを覚醒させることでトレーニングパフォーマンスを向上させます。
トレーニング量というのは高ければ高いほど筋肉に強い機械的な緊張がかかり、成長しやすくなるため、カフェインによって1rep追加されれば、その分筋肉が成長する可能性も高くなります。
2016年の分析研究によるとカフェイン摂取によって被験者は1setあたり平均して2~3rep多く実行できること。そしてトータルのトレーニングで持ち上げることのできた回数が約10~20%増加したことを示しており、2018年のメタ分析によるとカフェインは筋肉の強さとパワーに大きなエルゴジェニック効果をもたらすことが示されています。
カフェイン摂取によるパフォーマンス向上は1日で劇的な効果を与えるものではありませんが、クレアチン同様に数か月単位で長期的に見ると筋肉の量に非常に大きな違いを与えます。
ただし、注意点としてカフェインのパフォーマンス向上効果は精神的な面が大きいです。実はカフェインという成分は本質的な効果はごくわずかで「飲むことによって興奮する」という消費者のイメージに引っ張られて本人が勝手に覚醒作用を体感している可能性が非常に高いものです。
実際、プレワークアウトサプリメントにカフェインが入っていると被験者に伝えない場合、効果がなかったことを示すデータは数多くあり、逆に被験者に何も入っていないサプリメントを与えて、「これにはカフェインが含まれている」と伝えるとパフォーマンスに大きな向上効果があったことを示しています。
例えばプレワークアウトブレンドサプリメントもありますが、必要なのは精神的な影響です。そのため、コスト的、そして効果的にもカフェインのみで十分です。プレワークアウトサプリメントのほとんどの成分は科学的に効果が保証されていないものです。トレーニング前にはカフェインサプリメントやコーヒーがおすすめです。
注意点としてはこのサプリメントには覚醒作用があるため寝る前に補給すると睡眠の質を悪化させる可能性があります。例えば夜仕事帰りにトレーニングする人はカフェインの摂取は控えた方がいいかもしれません。
そしてクレアチンと同時摂取によってお互いの効果を打ち消し合う可能性があり、2021年の最近の研究では調査した5件のうち4件でカフェインとクレアチンの同時補給をした被験者はパフォーマンス向上のメリットを受けなかったことを示しています。
そのためクレアチンとカフェイン摂取のタイミングは出来るだけ空けるのがいいでしょう。カフェインの摂取量については目安として200mg、コーヒーなら400~500mlほどがおすすめです。
ボディビルダーやアスリートがトレーニング後に氷風呂に飛び込むシーンを見たことがある人は多いと思います。これはアイスバスと呼ばれトレーニングで使用され、熱を持った筋肉を冷やすことで回復能力を促進させたり筋肉痛を和らげる効果があると考えられています。
実際トレーニング後ジムで冷水シャワーを浴びることで疲労感や筋肉痛が和らいだと感じる人もいると思いますが、その科学的証拠は多くありません。
確かに、2017年の研究では10人の男性にハムストリングストレーニングを行わせ、その後3分間のアイスバスを行わせたところ被験者の筋肉痛が和らいだことを示していますが、実際これはほとんどが知覚された痛み、つまり感覚に注目したデータであり、生理学的な回復能力が向上することを直接的に示したデータではありません。
2023年の6月に公開された最新のアイスバスと筋肥大について調べたメタ分析をチェックします。この研究では感覚的な筋肉の痛みや回復ではなく、生理学的な回復能力についてデータベースにあるアイスバスについての研究を複数分析し、これが筋肉の成長や回復能力にどういった影響を与えるか調査をしました。
結論として筋トレ後のアイスバスは大きくないながらも筋肉の成長を妨げることがわかり、これによって筋肉のアナボリックシグナル、そして筋タンパク合成を低下させ、トレーニングの回復にもあまり良くないことがわかりました。
この原因は血管の収縮です。毛細血管は酸素などの栄養素、そしてホルモンを筋線維に届ける小さな血管であり、当然このパイプが太くなれば筋細胞に多くのホルモンや栄養を供給できます。
ストロングバイサイエンスのグレッグ博士によると細胞内がエネルギー不足になると筋肉の成長が停止するようです。そのため、血管を縮めると筋肉の成長が少なくなる可能性が高いです。
逆に筋トレ後に温浴やサウナに入ると血管が拡張されて筋線維にたくさんの栄養を供給できます。2025年の1月に公開された最新の科学的データでは受動的な熱処理を繰り返すと、筋肉組織の毛細管現象は増加することを示しています。14人の被験者が研究期間8週間の中で週3回、60度の遠赤外線サウナ45分間を行ったところ、筋肉組織の毛細血管密度が上昇していたことを発見しました。
筋トレ後、30度以上のお風呂やシャワーを浴びる習慣をつけると血管が拡張して筋トレ効果を増やすことができます。。
10年ほど前の常識では筋トレは10rep以下の高重量でトレーニングしたほうが効果が高いというものがありました。しかし、十分な科学的な証拠によってこれは迷信と断言してもいいでしょう。
一般的にほとんどの人は10rep前後でトレーニングすると思いますが、30rep近く行うセットも作りましょう。というのもトレーニングVOLが同じ場合、おおよそ限界まで到達するのに必要な回数8~50repの範囲であるとき、筋肉の成長効果はほとんど変わりません。
しかし、実は高重量と低重量のセットでは後者の方がVOLが高い傾向にあります。
2014年のブラッドシェーンフェルド博士の研究では筋トレ経験の豊富な被験者に10rep 3setの高回数トレーニングと3rep 7setの高重量トレーニングで比較しました。ボリュームを同じにしたところ筋肥大効果は同じであり筋力アップ効果は3rep 7setグループのほうが優位に高いことがわかりました。
これを見ると高重量トレーニングの方が良いように見えるかもしれません。しかし、3repの高重量トレーニングは高回数グループの4倍の時間がかかりました。
1RM計算サイトを参照すると大体1RMの50%では30repできるため、100kgを1rep上げるよりも50kgを30repしたほうが15倍のVOLを確保できます。ここまでではなくとも1RMの75%でおおよそ10repできるトレーニングと30repできる1RMの50%ではVOLが2倍違うことがわかります。つまり、筋トレ時間1時間で出来るだけたくさんのボリュームを稼ぐようにすると、ほとんどの場合高回数トレーニングをしている人のほうがVOLが高い、ということは筋肉の成長効果も高い傾向にあります。
2016年の調査ではこのことが示されており、筋トレ経験のある被験者が25~35回の高回数トレーニングと8~12回の低回数トレーニングで8週間筋トレを指示したところ。低重量高回数グループの合計ボリュームはベースラインから+31305kgの値を確認しましたが高重量低回数グループは+10714kgだけであったように高回数トレーニンググループのほうが研究期間でより多くのトレーニングボリュームを確保できたことを示しています。
もちろん高重量のトレーニングをしてはいけないというわけではありません。ただ、30rep近い回数ができる低負荷でやるセットも取り入れてください。例えば最初のセットは高重量でやって、最後のセットは低負荷で30repで限界まで追い込むというメニューも非常におすすめです。
加えて高回数のトレーニングは先ほど紹介した毛細血管の拡張に非常に効果的であるため、筋肉の成長をかなり助ける役割を持ちます。
筋肉は鍛えれば鍛えるほど成長します。しかし、実はオフを作ると筋肉の成長が促進される可能性が高いです。
毎週5日、6日、もしくは毎日トレーニングすることは非常に素晴らしいことですが、ときどき休んでいますか?
オフというと週1回トレーニングしない日というのを思い浮かべる人が多いと思いますが、この場合のオフは1週間から3週間の長期的なものです。
2023/6に公開されたデータではオフについて筋肉量と筋力の増加を直接測定したデータが得られました。平均3.5年のトレーニング経験を持つ被験者39人が休憩グループと通常グループに割り当てられます。両方のグループは月曜と木曜に上半身、火曜と金曜に脚を鍛える上下分割を週4回実行しました。
通常グループは9週間トレーニングを継続的に行い、休憩グループは4週間連続で鍛えて、1週間休んで4週間トレーニングしました。結果として両グループはほぼ同様に筋肉が成長していることを発見しました。
これを見るとオフを作っても作らなくても意味がないと思う人もいると思います。実はそうでもありません。
長期的なオフ、ディロードについての研究ではほぼ筋トレ効果は同じでした。ただし休憩グループは筋トレを1週間休んでいたため通常グループと違ってこの部分に空白が空いていました。トレーニングボリュームが休憩期間でごっそり抜けており、全体的には11%もトレーニング量が低いことがわかりました。つまりトレーニングのオフを作ると少ないトレーニング量で筋肉がより成長する可能性があります。
2012年の研究でも3週間の休憩をはさむグループのトレーニングセットは25%少ないことがわかっていますが、筋肉の成長効果は両グループで同様でした。
それではなぜこういった現象が起こるのでしょうか。大きな原因の一つに筋トレ効果の停滞です。
2012年の研究のグラフをもう一度見てみると、24週間ずっと鍛え続けるグループは筋トレ効果が徐々に低くなっていることがわかります。逆に3週間のオフを入れた被験者はその後爆発的に筋肉が成長しており、25%トレーニングボリュームが少なくても同様に筋肉が成長することを示しています。
なぜ筋トレ効果は停滞するのか。一番の原因はパフォーマンスの低下だと考えられます。最初の研究では休憩をはさむグループは11%トレーニングボリュームが少ないことがわかりましたが、トレーニングのセット数としては20%も少ないことを示しています。
なぜセット数とトータルボリュームが等しくならなかったのか。それはパフォーマンスです。休憩をはさんだグループはトレーニングを継続させ続ける被験者よりもパフォーマンスが高く、1セット当たりのVOLが高いことがわかります。
実はトレーニングを休みなく継続させていくとパフォーマンスが停滞したり、トレーニング効果がどんどん落ちていく可能性があります。これはトレーニングによる疲労が蓄積していき、関節や筋肉が消耗することが原因ですが、1週間以上の休憩をはさむことでこの疲労を抜くことができます。
パフォーマンスの停滞は筋肉の成長にかなり深い関係があります。先ほど紹介したように筋肉を成長させ続けるためにはプログレッシブオーバーロードのように最大重量または最大回数を増やす必要がありますが、それが停滞してる場合は一度トレーニングを1週間程度休むのがいいでしょう。
そうすればパフォーマンスをリセットでき、効果の高いトレーニングを始められます。
本格的なボディビルコンテストが始まって100年近くがたとうとしていますが、今までの常識として筋肉の成長には全可動域、または収縮可動域を行うことが最適だと考えられてきました。しかし、ここ数年の間でこれを揺るがす「ロングレングスパーシャル」について多くのデータが発表されています。
ロングレングスパーシャルというのはストレッチ可動域のみを行う部分可動域です。プリチャーカールで言うとココです。
2024年の5月24日に公開された新しい研究では23人の男性被験者がステップに脚を乗せた片脚スミスマシンカーフレイズを行いました。全ての被験者は最大可動域を行い、足首が最も屈曲した状態から最も伸展する状態までを10~20rep行い、これを限界まで行います。限界というのは最大限の努力をしたにもかかわらず、実行できないレベルまで達することを意味し、分かりやすく言うと潰れるまでです。
そして、FullROMでのカーフレイズで限界に到達したあとロングレングスパーシャルに切り替えさせました。具体的に言うと足首が曲がった状態から水平になるまでです。被験者はフルレンジモーションで限界まで到達した後に休憩なしでこのストレッチ可動域のみを行います。
結果としてこのスーパーセットを実行した被験者は最大可動域のみのトレーニングで終了した被験者の43.3%もふくらはぎの筋肉を成長させていることがわかりました。
基本的に今の科学的な証拠に基づくと部位によってロングレングスパーシャルがわずかに筋肉の成長を促進させる可能性はありますが、フルレンジモーションとロングレングスパーシャルの筋肥大効果はほとんど同じです。
ただし、このフルレンジモーションでまずは挑戦して、限界に到達したらロングレングスパーシャルに切り替えるとより効果的な追い込みによって筋肉を動員することが可能であることを示すいくつかのデータがあります。注意点としてロングレングスパーシャルは収縮可動域ではなく絶対にストレッチ可動域ですので間違えないようにしてください。
このテクニックによって筋肉の成長が大きく促進される可能性があります。
いかがだったでしょうか。最近の筋トレはどんどん新しい研究によって多くの発見が得られています。今日紹介した内容は、科学的にも効果が判明している筋トレ効果を大幅に増やす絶対やって欲しいテクニックです。
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