最強の腕立て伏せをすれば腕立て伏せだけで大胸筋をデカくすることは可能です。
腕立て伏せは世界で一番有名なトレーニングのひとつであり、最もメジャーなトレーニングのひとつでもあります。しかし、ある研究チームが行った筋電図分析では腕立て伏せが大胸筋の活性化が最も低いことが示されたように、実はほとんどの人が知らない腕立て伏せの潜在的な落とし穴があり、これを理解して正しくやらないと腕立て伏せは全く効果の出ないトレーニングにもなります。
ただ、逆に大胸筋と腕立て伏せについて理解を深めてあることをするとベンチプレスを超える、大胸筋をより成長させる腕立て伏せをすることが可能であることを複数のデータは裏付けています。
この動画では科学的な根拠、専門家のインタビューを基にベンチプレスを超える最強の腕立て伏せに必要な5つの超重要なポイントについて紹介します。これを見れば腕立て伏せの効果を劇的に増やすことができ、大胸筋の成長を大幅に増やすことができます。
腕立て伏せで使用される筋肉は主に4つです。
ひとつは大胸筋。これは肩関節に関わる筋肉であり、腕を閉じる水平内転や腕を上にあげる屈曲,下におろす内転で主に使用されます。特に大胸筋にとっては水平内転という運動が非常に重要な運動です。
ふたつ目は上腕三頭筋、この筋肉は肩関節の伸展と肘関節の伸展によって刺激されます。上腕三頭筋と内側頭と外側頭、長頭がありますが長頭のみ肩関節の伸展に関係しており腕立て伏せでは肩関節の伸展がないので腕立て伏せでは長頭よりも外側頭や内側頭が成長しやすい可能性が高いです。
三つめは三角筋の前部、この筋肉は肩関節にまたがり大胸筋に関わる運動のほぼすべてで使用されます。
ラストは腹筋、、研究データによると腕立て伏せはベンチプレスと比較して腹筋の活動が51%多いことを示しています。これは腕立て伏せのほうがプランクのような体勢になることから腹筋がより活動的になることが原因です。
腕立て伏せはプッシュマッスルである大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部、そして腹筋を強く活性化する種目です。
腕立て伏せは冒頭でも紹介したように世界で最も有名なエクササイズのひとつです。
このトレーニングで本当に筋肉はつくのでしょうか。ワンパンマンのサイタマは腕立て伏せを行うことで圧倒的な力を付けましたが、皆さんにとってはどうでしょうか。
腕立て伏せだけで筋肉をつけることは可能なのでしょうか。腕立て伏せで筋肉をつけることについて、インターネット上にはいくつかの否定的な意見もあるので抑えておきましょう。
まず、筋肉を構築するためには、一般的には自重トレーニングは軽すぎて筋肉を鍛えるのに不十分と考えられていますが、この高重量至上主義は明らかに時代遅れです。
最も信頼性の高いシステマティックレビューによると筋肉の成長効果は1RMの30~80%まではボリュームが同じなら筋肥大効果もほとんど変わらないことを示しています。これは大体の数字で言うと限界までトレーニングしたとき8~50repまでは筋肥大効果が変わらないことが考えられます。
筋肉の成長には機械的な緊張が最も重要です。これに適応することで筋肉は視聴しますが、この緊張が自重によって生み出されたものかフリーウエイトか、マシンかなど機械的緊張の生まれ方は成長にとって重要ではありません。
ただし、軽すぎる負荷は筋肉の成長にとって好ましくありません。一般的に初心者の人が腕立て伏せをすると2~3か月までは順調に筋肉をつけることができますが、ある時急に腕立て伏せの効果が無くなってしまう傾向にあります。これは腕立て伏せが簡単になり過ぎてしまうことです。
ある調査によるとトレーニングレベルが普通と評価される男性は平均して15〜20回腕立て伏せを出来ることがわかっています。そのため、トレーニング初心者の人にとっては自重の腕立て伏せは十分なトレーニングになります。しかし、先ほど紹介した8~50repの範囲を超えてしまうとトレーニング効果が大きく落ちてしまいます。
自重トレーニングですぐに停滞してしまう人は90%このパターン、レベルが上がっているのにそのレベルに合わせた負荷になっていないからある時点を境に成長しなくなります。
2018年の研究では上腕二頭筋カールとレッグプレス被験者は持ち上がらなくなるまでウエイトトレーニングを行いましたが、60rep近い回数ができた20%のグループだけ半分程度しか筋肉を成長させることができませんでした。
その場合は負荷を上げましょう。限界まで挑戦して8~50repの範囲にあれば筋肉の成長に適したトレーニングができています。
そしてもうひとつは腕立て伏せだけで筋肉を鍛えるとマンネリになって成長しなくなると考えられています。
どんな人でも一度は「筋肉の慣れ」について聞いたことがあり、ずっと同じメニューだと筋肉が負荷に慣れてきて停滞してしまうというものです。そのため、フライやダンベルのプレス、マシンのプレスなどいろんな種目を取り入れて筋肉に新しい刺激を入れることが筋肥大には重要だと信じている人もいます。
しかし、この腕立て伏せに限らず少ない種目で筋肉を鍛えることに否定的な主張には科学的根拠はありません。というのもマンネリというのは考え次第では適応と考えることもでき、この適応は筋肉の成長において非常に重要です。
2022年の4月1日のレビュー研究では、筋トレの種目数と筋肥大,筋力アップの関係性を調査した複数の研究をまとめて分析しました。
この研究によるとその種類が多すぎると効果を大きく落とすことが示されています。これは特異性の原則が原因です。筋肉の成長にとっては「変化」よりも「一貫性」が重要であると考えられています。つまり、たくさんの種目でトレーニングするほど適応できなくなり筋肉が成長しづらくなるということです。
つまり、腕立て伏せじゃ軽すぎる。一種目だけじゃ成長しないということはありません。
2017年の研究では最低1年の筋トレ経験を持つ18人の若い男性がベンチプレスグループと腕立て伏せグループに割り当てられ、週に2回8週間トレーニングを行いました。ベンチプレスと腕立て伏せは1RMの40%になるように負荷を調節し、潰れるまでトレーニングを行いました。
研究結果としてベンチプレス、腕立て伏せで最も活動する大胸筋と上腕三頭筋のサイズの増加は同様であることを示しています。
このように多くの研究では腕立て伏せとベンチプレスでは筋肉の成長効果はほとんど同じであり、腕立て伏せはほとんどトレーニング器具が必要ありませんがジムでのベンチプレスと同じくらい筋肉を成長させる素晴らしい種目であることは間違いありません。
最新の科学的データでは筋肉の成長にとって重要な3つの要素というのが明らかになりました。腕立て伏せに限らず筋肉を成長させたい人は必ず抑えましょう。
新しい科学的なデータによってわかっている筋肉の成長を最大化させる3つの要素について大規模な調査を行った結果。以下のことがわかりました。
ひとつ目はテンポ。筋肉の成長において最適なテンポは1repあたり2~8秒の範囲であるコト。
腕立て伏せのテクニックではよく素早くやったり、ゆっくり行うテクニックがありますが、実はこれは何のメリットもありません。ただこれは筋肉の成長を減らしているテクニックです。科学的なデータに基づくと1repあたり2~8秒であること。そしていくつかのデータを基にするとボトムポジション、つまり体を最大まで下げたときに一時停止して、体を下げる動作が持ち上げる動作よりも遅いと筋肉の成長が促進される可能性も示されています。
wolf博士が指摘していたように体を下げるときに完全に力を抜くなど回数がたくさんできるからといってその分筋肉が成長するわけではありません。
そしてふたつ目はストレッチポジション。近年の科学的データではトレーニングで筋肉が最大まで伸びる可動域を採用すると筋肥大が促進されることがわかっています。例えばよくある腕立て伏せのミスが体を下げておらず、ヒジが90度になる位置で止めること。そしてボトムポジションで大胸筋が地面に完全についてしまうこと。
体が地面に到達すると負荷が無くなってしまいます。筋肉はただ伸ばせばいいわけではなくそこで負荷が無ければ何の意味もありません。腕立て伏せをするときは胸が地面と軽く触れるか触れる寸前まで下げましょう。
最後はターゲットとなる筋肉に負荷を集中させること。腕立て伏せをするとき一番鍛えたい筋肉はどこですか。と聞かれるとほとんどのひとは大胸筋と答えます。それなら大胸筋の解剖学的な働きを理解して最適なトレーニングをする必要があります。
重要なポイントは筋肉の活動は感覚と一致するわけではないということです。よくあるアドバイスは「こっちのほうが効くから」というもの。実は効いてるという感覚は必ずしも筋肉が働いている証拠ではないことを科学は明らかにしています。
効くという感覚はほとんどの場合収縮感であるため「効く」にこだわるとほとんどの場合ストレッチポジションを無くしたり、ここで負荷のかからない種目を選んでしまいます。ここで紹介する効くは「皆さんに効く感覚がある」ではなく「筋肉が働いて機械的な緊張がかかる」ことを意味します。
それではこの筋肥大理論を基にしたベンチプレスを超える腕立て伏せを紹介します。
大胸筋が爆発的に成長する腕立て伏せルーティンには重要なポイントが3つあります。科学的なデータにはベンチプレスも腕立て伏せも筋肥大効果は同じであることが示されていますが、実はいくつかの工夫をするだけでベンチプレスを超えられることが多くのデータによって示されています。
大胸筋を理想的に鍛える必須アイテムがあります。腕立て伏せをするときは必ずこれを用意しましょう。それはプッシュアップバーです。
一般的な腕立て伏せには致命的な欠点があります。大胸筋を最大まで伸ばせません。おそらくほとんどの人は体をもっと下まで下げられるはずです。これは大胸筋のストレッチを制限していることを意味します。
これはバーベルのベンチプレスと同じです。この種目もバーベルが体に当たってしまうと負荷が無くなってしまい、それ以上にウエイトを下げることはできないため、特殊なバーベルでもない限りストレッチが制限されています。
いくつかの科学的データを基にすると筋肉をより伸ばすフォームでのトレーニングは筋肥大を促進させることがわかっています。例えばある研究ではレッグエクステンションをのけぞった状態で行うだけで筋肉の成長が最大で2.7倍になりました。これはのけぞることで股関節が伸展して大腿直筋がより強く伸ばされるためです。
腕立て伏せをするときはプッシュアップバーを使用して、必ず限界まで体を沈めてください。たった10センチ程度深く体を沈められるだけですが、これだけでかなりの効果があります。
そして、レビューでも示されているように腕立て伏せでは大胸筋に負荷を集中させましょう。実はほとんどの人が行っている腕立て伏せは大胸筋ではなく肩を鍛えています。
大胸筋トレーニングで絶対にやってはいけないのは脇を閉じること。これをすると大胸筋にかかる負荷のすべてが肩に逃げます。
科学的なレビューによってわかっているように大胸筋を最も働かせる運動は肩関節の水平内転です。つまり腕を閉じる運動です。
このナローの腕立て伏せを見てください。先ほど見せたショルダープレスとほとんど同じ運動です。腕を閉じる運動がほとんどないことがわかると思います。これは脇を閉じるとヒジが肩よりも下に配置されます。この状態でプッシュを行っても腕を上にあげているのと同じで、大胸筋に機械的な緊張はかかりません。
腕立て伏せを毎日してるのに全然変わらないと悩んだことがある人は多いと思います。「腕立て伏せやってるのに胸が変わらない」と悩んでいる人のフォームをチェックしてみると、ヒジが肩よりも下にあってショルダープレスのように上に持ち上げているような運動になってしまっていることがほとんどです。
必ずヒジは肩の下ではなく横に配置しましょう。これは科学的にも証明されており、ギロチンベンチプレスのように脇を開いてバーベルが自分の鎖骨のあたりに落ちてくるようにすると大胸筋の活動の上昇を確認したデータがいくつもあります。
「いやいや、脇閉じたほうが大胸筋に効くんだけど」と思う人も多いでしょう。しかし、これは実際に効いているわけじゃなく脇閉じると大胸筋が収縮するため、代謝ストレス、つまりパンプ感を感じているだけです。
腕立て伏せで脇を開く方法は簡単です。ヒジを外に出しましょう。肩関節の運動は肩と肘を結んだ線がどうなってるかで決まります。これが横になっているほど腕を閉じる運動。つまり水平内転になり、縦になるほど腕を上げる屈曲になります。
プッシュアップバーを使用するときは必ず横においてヒジが外側に出るようにしましょう。これが腕立て伏せの負荷を大胸筋に集中させる方法です。
大胸筋をバランスよく成長させたい、負荷が最大にかかるフォームで鍛えたい人が絶対にやるべきことは脚を少し高い位置にすることです。
大胸筋を鍛えるときに最も重要なポイントは体の向きとウエイトを持ち上げる向きが垂直。またはやや上向きになることです。
腕立て伏せは体に対して若干下向きにプッシュを行いますが、実は大胸筋のバランスを崩壊させて見栄えの悪い胸を作る可能性があります。
というのも人間の大胸筋は上部よりも下部のほうがはるかに成長しやすいからです。トレーニング初心者の人にはわからないかもしれませんが、ほとんどのトレーニーは大胸筋の上部が中部や下部よりも遅れる傾向にあり、大胸筋のバランスというのは上部にかかっているといってもいいです。
しかし、下向きのプッシュは大胸筋の下部を強調します。例えば研究者のmenno henselmans博士は高い位置から引っ張るケーブルクロスオーバーは「すでに発達している下部を鍛えて、上部の遅れを加速させる」と指摘しています。そして、最新データはじめ多くの研究にわかっているように下部を狙うトレーニングは上部の働きを大きく下げることがわかっています。
つまり一般的な腕立て伏せは大胸筋の上部がほとんど働いていません。これで鍛えられているのは大胸筋の下半分です。
その結果どんどん上部が遅れていってしまいます。これを改善するために段差を使いましょう。腕立て伏せで最も重要なのは体を持ち上げてからヒジが90°になるまでなのでここで水平、もしくは若干体が下向きに傾いているのがベストです。
大胸筋全体を狙いたい人は5~10cmほど脚を上げましょう。
最新の科学的データに基づいた腕立て伏せをおさらいしましょう。
まず、プッシュアップバーを用意しこれを横向きに置きます。このプッシュアップバーの幅は肩幅よりもわずかに広いくらいがいいと思います。一般的に腕立て伏せはじめ大胸筋トレーニングではワイドは大胸筋、ナローは上腕三頭筋と言われていましたが、科学的データによると手幅によって筋肉の活動に大きな違いはないことがわかっています。
そして、脚の高さを上げましょう。あげすぎると逆に上部や肩に負荷が集中して大胸筋全体の負荷が大きく逃げてしまうことになるので5~10cm程度の高さで大丈夫です。道具がない人はお尻を上げて上半身を平行に近づけるのがいいでしょう。
そして体を沈めますが、最低でも1秒かけて力を入れながら降ろしましょう。前半で解説した通り1repで2~8秒、そして持ち上げるスピードよりもゆっくりである必要があるので1秒は最低でも必要です。
体を下げて胸が地面と軽く触れるか触れる寸前で一時停止しましょう。この停止は何秒もする必要はなく本当に一瞬で大丈夫です。
ここから体を持ち上げます。持ち上げるスピードは下げるスピードよりも速いほうが好ましいですが、とはいえ体がジャンプするほど爆発的に持ち上げなければいけないわけではありません。むしろ早すぎるのは逆効果になる可能性が高いので下げるスピードよりも早い。くらいの感覚で大丈夫です。
パーカーフィットネスのおすすめとしては2秒で下げて1秒で持ち上げるテンポです。これを繰り返しましょう。
軽くなり過ぎたら負荷を上げましょう。おおよその目安ですが30rep以上できるようになったら負荷を上げる時です。負荷の上げ方はウエイトを背負うか。荷物を入れたバックを背負いましょう。片腕で行う方法もありますがこれは不安定で筋力というよりはバランス感のほうが重要になり、ウエイトトレーニングとは少しずれています。
最新の科学的データに基づくと筋肥大のためには1週間で11~18setがおすすめです。ただし、それ以上やっても逆効果になるというわけではないので最も大胸筋を成長させたいという人は40set近く行っても効果があります。
そして腕立て伏せは1日で10set、20setやるわけではなく毎日3set行うほうが効果的です。最新のメタ分析でも筋肉は高頻度であるほど成長効果が高いことを示しており、1日のトレーニング量ではある一定のラインを超えるとほとんど効果が無くなることがわかっています。
テレビや動画を見ていてCMになったら腕立て伏せをするというのも非常におすすめです。
ベンチプレスを超える最強の腕立て伏せをしたい人は今日紹介したポイントを絶対に守って下さい。そうすれば大胸筋のサイズが劇的に変わります。最後にこの動画がいいと思っていただけたら是非高評価をお願いします。