肩を鍛えるときにダンベルサイドレイズをしてはいけません。
三角筋中部を鍛えると肩が劇的に変わります。mike israetel博士が話すように肩の広がりは肩の外見のほとんどを決め、肩のサイズが大きくなると肩幅が広がることで前から見た姿や後ろから見た姿が大きく変わります。しかし、一生懸命トレーニングしているのに肩がデカくならない人もいれば数か月で肩のサイズが見違えて増える人もいます。
この差は肩の鍛え方によっておこる差です。三角筋という筋肉の性質を理解していないと一生懸命トレーニングしても筋肉はなかなか成長しませんが、逆に正しく鍛えれば三角筋は短期間でかなりデカくなります。この動画では科学的な根拠、そして専門家のインタビューなどを基に肩の広がりを作る3つのステップについて紹介します。
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肩を巨大化させるためには肩を鍛える必要があります。その中でも三角筋と呼ばれる上半身の中で最も巨大な筋肉である三角筋は一番外見に影響を与えます。肩には三角筋以外にローテーターカフと呼ばれる4つの筋肉があり、腕を動かす運動のほとんどでこの4つのうちどれかは必ず働いているといってもいいです。
しかし、ローテーターカフであるこの4つの筋肉は非常に小さく鍛えても肩のサイズにはあまり影響しない可能性が高いためこの部位を頑張って鍛えてもあまり外見的に変化は起こらないためほとんどの人は三角筋を鍛えて肩のサイズを増やします。
三角筋には前部と中部、後部の3つが存在していますが肩を広げるのは三角筋の中部です。この筋肉を成長させることで肩の広がりが出るようになります。
前部と後部は三角筋の丸みをつけて横から見た外見を大きく変えますが、広がりにはあまり貢献してくれません。加えてほとんどの専門家は外見的な印象においては中部が最も重要であることに同意しています。
三角筋の中で最も重要なのは中部です。というのも肩の印象を決めるのはこの広がりや肩と腕の境界線の影です。そして、マイケルガンディル博士の調査ではボディビルダーの肩は前部が成長しすぎておりバランスのためにも中部や後部を意識してトレーニングしたほうが丸みのある肩になることがわかっています。
肩の筋肉は腕を上げたり下げたり、肩関節を使う運動のすべてで使用されますが、その中でも三角筋中部は肩関節の外転によって強く刺激されます。肩関節の外転は腕を真横にあげる運動です。そのため、三角筋中部を鍛えるためにサイドレイズを行うことは非常に理にかなっています。
この種目は肩関節の外転に負荷をかけることで三角筋中部に機械的な緊張を与えます。
筋肉は機械的な緊張に適応することで成長するため、中部が一番働く運動にダンベルを持ったりウエイトを引っ張ったり負荷をかけることが最も効果的な方法です。
三角筋中部を鍛えるためには正しい鍛え方が必要不可欠です。当たり前のように聞こえる人も多いと思いますが、実は適切なやり方でトレーニングできている人は非常に少なく、最近の科学的データで常識ともなっている鍛え方が次々否定されています。
それでは適切なトレーニングというのはどういったものか。科学的なデータを基に3ステップで紹介していきます。
最初のステップは最高のトレーニングメニューを作ることです。実はほとんどの人が行っている肩のトレーニングメニューは最適なものではありません。筋肉の成長に最適なトレーニングメニューで重要なのはプログレッシブオーバーロードとボリュームです。
まず、プログレッシブオーバーロード。トレーニングしている皆さんに2つ質問があります。一番最近持ち上げたベンチプレスの重量と回数を覚えていますか?おそらくほとんどの人が最低でも1週間以内にベンチプレスをしておりその重量と回数を記憶していると思います。
それでは、2つ目の質問です。一番最近持ち上げたサイドレイズの重量と回数を覚えていますか。おそらくベンチプレスよりは記憶してる人は少ないのではないでしょうか。しかし、自分の筋力を伸ばしていく意識をすると筋肉の成長は促進されることを大量の科学的データは示しています。
2011年の研究では83人の上腕二頭筋トレーニングを12週間観察しました。その結果、進行性の過負荷、つまり徐々にウエイトと回数を増やすことが男女の両方で上腕二頭筋の強さと筋肉の成長を高めるのに効果的であることを発見しました。
スマホのメモアプリでも、紙のノートでもいいので自分の持ち上げた重量や回数を記録してサイドレイズをする前にそれを見るのがおすすめです。ただし、重量や回数にこだわりすぎてフォームが崩れないように注意してください。あくまでも正しいフォームがあってこそのプログレッシブオーバーロードです。特にサイドレイズはフォームが崩れやすく、ケガしやすい部位でもあるため過度にプログレッシブオーバーロードを意識してケガや他の部位に負荷が逃げるということは避けましょう。
しかし、正しいプログレッシブオーバーロードなら筋肉の成長が大幅に上がります。肩のトレーニングではあまりプログレッシブオーバーロードを意識しない人が多いですが、サイドレイズトレーニングでこの意識をするだけで三角筋中部の発達は見違えて変わります。
そして次はトレーニングボリューム。トレーニングボリュームというのはセット数と重量、回数をかけたものでどれだけ筋トレしたかを表す数値です。実際100件以上の研究を分析した最近のメタ分析でもこの数値が筋肉の成長に最も影響を与えることがわかっています。
筋肉が成長するメカニズムは、ウエイトを持ち上げることで発生する機械的な緊張に筋肉が適応することで起こります。つまりこの機械的な緊張を表しているVOLが高ければ高いほど成長効果も高くなるということです。
VOLを上げるためには3つのことに注目しましょう。まずはセット数。肩のトレーニング、三角筋中部の筋トレは一週間で10set程度、週に2回くらいのトレーニングをしてるのが一般的ですが、それでは三角筋中部の発達にとって十分ではない可能性があります。mike israetel博士は肩のトレーニングのうち70~90%程を中部に充てることを推奨しています。博士の推奨としては三角筋の中部は1週間で20setです。
これは週に2回中部を鍛えるなら1回10set、5回で鍛えるなら1回4setと考えると「結構多いな」と感じる人も少なくないと思います。しかし、肩、特に三角筋中部は大胸筋や背中のトレーニングで活性化されることがありません。これは肩関節の外転運動がサイドレイズやアップライトロウなどの中部狙い種目以外で使用されることがほとんどないことからも予想できます。
三角筋中部を成長させたい場合は1週間で10set程度ではなかなか成長しません。他の種目で活性化されづらく成長しにくい筋肉であるため、大胸筋や背中などと同じトレーニングボリュームを確保する必要があります。まずはサイドレイズのプログレッシブオーバーロードを意識すること。そして20setを目標にしてトレーニングすると三角筋中部の成長が大幅に促進されます。
そして次は頻度です。肩を鍛えるときに肩の日を作るのは時代遅れです。
最近行われたメタ分析では大量の科学的なデータを分析し、2058人の頻度と筋肉の成長について調査を行ったところ大きな差ではありませんでしたがトレーニング頻度は高いほど筋肉が成長することを示しました。
これは疲労の分散が原因です。当たり前ですが1set目よりも2set目のほうが持ち上げられる重量や回数は落ちるはずです。これは1set目の疲労が2set目に引き継がれるためであるように、同じ筋肉を同じ日に集中的に鍛えれば鍛えるほどどんどん疲労によって持ち上げられる回数は落ちていきます。
つまり1setで稼げるトレーニングボリュームというのが減っていくことがわかります。筋肉を効率的に成長させたい場合は一度に集中的に鍛えるのではなく、分散させて少しずつを高頻度で行いましょう。このやり方のほうが間違いなくトレーニングボリュームが高くなります。
そして、最後は回数です。一般的なトレーニングである10回3setは筋肉の成長において効率的ではない可能性が高いです。というのも10回が限界の重量は科学的には高重量と定義されます。実は高重量のトレーニングは獲得できるVOLが低い傾向が強く、このグラフにもある通り負荷が軽いほどVOLが高くなっていくことがわかります。
例えばサイドレイズが10kg1回が限界でも5kgにすれば30回できるためこの時点でVOLは15倍になります。もちろん高重量が必ずしも悪いというわけではありませんが低負荷のトレーニングを多く取り入れたほうがおすすめです。特に肩はケガしやすく、高重量だとリスクが高い傾向にあります。
おすすめとしては最初の1setは10repほどの高重量を持ち上げて、プログレッシブオーバーロードのためにそれを記録します。次の2set 3setは重量を減らして20~30repでトレーニングを行います。この3setを毎日やりましょう。これなら高いボリュームとプログレッシブオーバーロードを満たせるため筋肉が最も成長するトレーニングメニューになります。
実はほとんどの人が行っているサイドレイズは肩の広がりを作る三角筋中部ではなく、三角筋の前部を鍛えています。
次のステップはトレーニングで発生する機械的な緊張を中部に集中させることです。いくらメニューが最高でもトレーニングで中部に負荷がなければ意味がありません。
「そんなの当たり前でしょ」と思う人は多いと思いますが、実は気づかず他の筋肉に負荷を逃がしている人は多く、適切なフォームでトレーニングしている人のほうが少ないといっても大げさではありません。
三角筋中部に負荷を集中させるために意識するべきポイントは、ウエイトの位置と肩の回転です。
まずは肩の回転です。視聴者の人の中にはサイドレイズをするときは小指を上げたほうが中部に負荷が集中するというトレーニングアドバイスを聞いたことがあると思います。例えばある研究では被験者に小指を上げるエンプティカンエクササイズと親指を上に上げるフルカンエクササイズで比較したところエンプティカン運動のほうが三角筋中部の活動が高いことを示しています。
というのもフルカン運動のように親指が上になると肩が外に回転することで前部が上を向くようになり、ダンベルを持ち上げる運動が前部によって処理されるようになります。つまりウエイトを持ち上げていても肩がどういった状態になっているかでどこに効くかが全く違います。肩が外に回転して前部が上を向いていれば前部に負荷が集中し、中部が上を向いていれば中部に負荷が集中します。
サイドレイズでは小指を上げる意識は必要ありませんが中部を上に向かせるために手のひらを下向き水平にしましょう。
そして最も多いミスがウエイトの位置です。
ボディビルダーのサイドレイズではヒジを曲げていたり、腕をやや前に出していたり、体を前傾させますが、この3つのうちどれかひとつでもやると三角筋中部の成長効果はとても低くなります。
menno henselmans博士は肩を痛めている場合を除き腕を曲げて前に出すのは間違いで、これをすることで三角筋中部ではなく前部を鍛えていると指摘しています。
まず腕を前に出すと三角筋前部が活動的になります。言うまでもありませんがサイドレイズとフロントレイズではフロントレイズのほうが三角筋前部の活動が高くなります。解剖学的にもこれは当然です。三角筋前部は大胸筋と同じく体の前面にあるため腕を前に出す運動によって活動的になるため、サイドレイズでも腕を前に出すと前部が活動的になります。
2020年の比較的最近の研究ではサイドレイズ中に腕を前に出すことで三角筋前部に負荷が大きく逃げたことを示しています。
腕を前に出したりお辞儀をするように体を前傾させるとフロントレイズに近くなることから三角筋前部に負荷が大きく逃げることになります。三角筋中部を鍛えるサイドレイズをしたい人はダンベルを横ではなく真横、100%横にあげる必要があります。
加えてヒジを過度に曲げるのも避けたほうがいいでしょう。そもそも三角筋中部はヒジ関節にはまたがらないため、ヒジを曲げる意味はそもそもありませんが、ヒジを曲げるとダンベルが前に出ることで前部が働くようになります。
ヒジの角度と三角筋中部の活動について調べた調査ではヒジの屈曲が150度、つまり30度を超えてヒジを曲げると三角筋中部の活動が下がっていき、90度曲げるとほぼ半分であることを示しています。
先程紹介したデータでもヒジを曲げたサイドレイズによって中部の筋活動が大幅に減ったことを示しています。
ボディビルダーのサイドレイズのフォームを見ると90度近くヒジを曲げていたり腕をかなり前に出しているものも少なくありません。理由は非常に簡単です。重いダンベルを扱えるから。例えば10kgのダンベルサイドレイズでヒジを曲げれば肩とダンベルの距離が近くなり物理的な負荷が半減するためかなり楽に持ち上げることができ、腕を前に出せば前部の力を大きく借りてダンベルを持ち上げることができます。
ただし、実際客観的なデータを見るとこれをするメリットはありません。筋肉に負荷がかからないことはもちろんですが、あなたが筋肉の成長よりもSNSでアピールしたい場合は別として、筋肉の成長に集中したい場合はウエイトが半分になってもいいので適切なフォームで鍛えましょう。
おおよその目安としてダンベルのサイドレイズで10kg以上のウエイトを扱っている人はヒジを曲げていたり、腕を前に出していたりすることが非常に多いので注意してください。三角筋中部を鍛えるサイドレイズは体をほぼ直立させてヒジを伸ばして腕を真横に上げます。
適切なフォームを維持している場合、10kgのダンベルがどれほど重いか、持ち上げることが難しいかがわかるはずです。ほとんどの人の場合正しいフォームならダンベルは3~5kg前後で十分トレーニングになります。
最後のステップは中部の成長効果をもっと高めましょう。
筋肉の成長を最大化する方法について、レビューでは非標的筋の関与に加えて「筋肉が完全に伸びる可動域を採用する」ということが示されています。
肩の広がりを作る最強の種目を聞くと90%近い割合でダンベルサイドレイズという答えが返ってくると思いますが、近年の科学的データではこの種目は筋肉の成長にとって効果的ではないということが示されています。
ダンベルサイドレイズは三角筋中部にとって代表的な種目ですが大きな欠点があります。それは筋肉が伸びている位置で負荷がないこと。例えば最近行われた研究ではインクラインカールよりもプリチャーカールのほうが腕の筋肉が有意に成長していることを発見しました。
これはインクラインカールでは腕が伸びたときに負荷がないため筋肉の成長効果が低いことを裏付けています。
効率的な筋肉の成長には筋肉が伸びている位置でウエイトの負荷がなければいけません。これはレビューという科学的信頼性の最も高いデータでも示されている現実です。
肩関節の外転は真っすぐ上にあげているように見えますが、実は肩関節を軸にした円運動です。つまりストレッチポジションでは横向きの力が必要ですが一般的なフリーウエイトのダンベルサイドレイズ、そしてアップライトロウでは全ての可動域で垂直にしか力がかからないためストレッチポジションで負荷がなく、強度曲線としてはインクラインカールとほとんど同じです。
非常に最近行われた研究では被験者にダンベルのサイドレイズとケーブルのサイドレイズを行わせて成長効果を計測しました。この研究ではそもそもトレーニング量が非常に少なかったため筋肉がわずかにしか増えず、結論として両グループ同じと報告されましたが、ケーブルのサイドレイズは40%以上ダンベルのサイドレイズよりも肩の筋肉を成長させたことを示しています。
そのため、サイドレイズでは必ず筋肉が伸びる位置で負荷がかかる種目を行いましょう。
三角筋中部を成長させるためにはたった3つのステップでOKです。
この筋肉はサイドレイズなどの中部種目を行わないと成長しません。非常に成長しにくい筋肉であるため毎週20setを目標に確保しましょう。おすすめは3setを毎日行うことです。2025年4月3日に公開された新しいメタ分析でも分割法のように同じ日に集中的に筋肉を鍛えるルーティンは筋肉の成長効果を低下させていくことがわかりました。
そして、中部を鍛えるときは筋肉が伸びた位置で負荷がかかる種目をヒジを伸ばして真横に持ち上げましょう。おすすめの方法として体の後ろでウエイトを引っ張ると肩が中立的な位置になるため中部に負荷が集中します。腕を前に出すと肩が内側に回転するため後部が横を向くようになってしまいます。
おすすめのトレーニングルーティンですが、まず最初にスマホで前回持ち上げた重量と回数をチェックします。例えば5kgが10回の場合、6kg10回を目指します。なぜ最初に高重量が良いかというと筋力の向上においては高重量のほうが適しているからです。
そして1set目が終わったら重量と回数を記録します。ここから筋肥大フェーズです。筋力伸ばすために3set前部高重量でよくないと思う人もいるかもしれませんが、最新のメタ分析に示されているように筋力の向上は毎週5setで頭打ちになるため毎日1setやれば十分です。
2set目、3set目は20~30repの低負荷高回数がおすすめです。重量の決め方としては1set目に持ち上げた重要の6~7割程度がいいでしょう。これによって高いボリュームが確保できます。1set目以降は記録しておく必要はないのでいちいち記録する必要はありません。