【筋トレ】超高回数トレーニングをすると体が劇的に変わる理由!

【筋トレ】超高回数トレーニングをすると体が劇的に変わる理由!


皆さん一度は疑問に思ったことがあると思います。ウエイトはどれくらい持ち上げる必要があるのか。

トレーニングについて一般的な考えとして「高回数のトレーニングは減量向き」「筋肉の成長のためには高重量低回数」「ナチュラルでデカい人は全員高重量でトレーニングしている」といわれます。

しかし、これらのほとんどは時代遅れの偏見です。

実は低重量高回数でトレーニングすると体が劇的に変わることを多くのデータは示しています。

この記事では高回数トレーニングのメリットとその科学的な裏付け、最後に実際のトレーニング法や注意点を紹介します。

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回数の新常識

まず高回数トレーニングはどういったものかを定義します。ウエイトを持ち上げる回数をレップとも言います。例えばベンチプレスでバーベルを10回持ち上げたら10repともいいます。

高回数というのが明確に「この回数」というのは定義されていませんがほとんどの人にとっては20rep以上が高回数と考えられています。

多くの人が耳にしてきた情報としては筋トレはおおよそ8~12repほどが最適であるというものです。これは低回数過ぎると筋力アップ効果は高いけど筋肥大には向かない。高回数過ぎると筋持久力アップ効果は高いけど筋肥大には向かない。その間の回数が丁度いいという理由からですが、科学的な裏付けはこの情報にあるのでしょうか。

実はありません。

2012年に行われた研究では30〜40repと高回数と10〜12repの高重量グループに分けて、週に3回10週間男性のグループに足をトレーニングさせました。結果、両脚に追加された筋肉の量はほぼ同じでした。

これ以外の大量の文献にも示されているように高回数も低回数も筋肥大効果は同じです。実際、脂肪燃焼効果についても高回数でやれば脂肪が落ちやすいなど、特に脂肪が落ちやすい回数というのはありません。

これは筋肉の特性や筋肥大のメカニズムを考えると非常に理にかなっています。筋肉は機械的な緊張を筋線維に受けることで成長します。つまり、その機械的な緊張が高い回数によって生まれたものか。低い回数によって生まれたかは筋肉にとってはハッキリ言ってどうでもいいことです。

一部のトレーナーやYoutuberは筋肉には速筋繊維や遅筋線維があるから成長しやすい回数とそうでない回数があると考えており、よくある例がマラソンランナーと短距離選手の体つきは違います。これによって速筋繊維は高強度の運動で成長しやすく、遅筋繊維は低強度の運動で成長しやすいとされていますが、これは誤解でそもそもウエイトトレーニングという運動すら理解していません。

というのもウエイトトレーニング自体が高強度の運動であるからです。つまり、20rep、30repで鍛えたとしてもそれは運動全体で言えば超高強度運動であり、速筋繊維を鍛えるためには最適であるということです。例えばマラソン選手は確かに細いです。しかし、マラソンという競技は何時間も時間がかかり、脚にかかる負荷も何万回とあります。

ウエイトトレーニングの30rep、40repがこれに該当するわけがありません。

新しい回数と筋肥大効果についてのレビューペーパーでも同様のことが示されており、1RMの30%から80%の範囲の回数は筋肉の成長効果は同じであることが発見されました。

これはおおよそ8~40repの間で同じであることを意味します。

ブラッドシェーンフェルド博士も自身のSNSで軽い負荷で筋肉を構築できるという証拠は今や議論の余地がなく、増加は重い負荷の場合と同様であると答えています。

そのため、高回数も高重量も筋肉の成長効果は同じであると考えてOKです。

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高回数トレーニングのメリット

ここまでを見ると低重量高回数でトレーニングしても高重量低回数でトレーニングしても効果は同じように見えます。しかし、実は違います。現実的には高回数でトレーニングしたほうがメリットが多いことがわかっています。

ここからは高回数トレーニングのメリットを紹介します。

筋肥大

高回数トレーニングの一番の効果は筋肥大効果が高いことです。先ほど紹介した研究を見るとどちらも変わらないように見えますが、高回数トレーニングのほうが筋肉が成長しやすいいくつかの要素があります。

ひとつ目はVOLが高いことです。先程解説したように筋肉にとっては機械的な緊張さえあれば十分で、それが低負荷によって生み出されたものか高負荷によって生み出されたものかは重要ではありません。

しかし、機械的な緊張が違う場合は別です。当然ですが機械的な緊張が多いほうが筋肉は成長します。この機械的な緊張はトレーニングVOLといって重量、レップ数、セット数をかけた数字によってあらわされます。

これは200件以上の研究を調べた新しいレビューによって示されているように筋肉の成長にとって最も重要な数値であることを示しています。

2014年のブラッドシェーンフェルド博士の研究では筋トレ経験の豊富な被験者に10rep 3setの高回数トレーニングと3rep 7setの低回数トレーニングで比較したところ高回数トレーニングは1/4の時間で同じだけのVOLが確保できたことを示しています。

これは実際、1RM計算をしてみるとわかります。負荷とVOLについてこのグラフにある通り1RMが下がる、つまり低負荷になっていくほどVOLが上がっていくことがわかります。例えば100kgのベンチプレスが限界の人は50kgが30回できるように、この時点でトレーニングVOLは15倍になります。

2016年の調査ではこのことが示されており、被験者が25~35回の高回数トレーニンググループは研究期間で+31305kgのトレーニングVOLを稼ぐことができましたが、8~12回の高重量低回数グループは+10714kgだけでした。

これは完璧な数字ではなく個人差による影響も少なくないですが、最低でもいえることは低負荷高回数で鍛えたほうがVOLが高くなる傾向が圧倒的に強いです。これによって筋肉が大幅に増える可能性が高くなります。

さらに他にも高回数トレーニングは筋肥大にいくつかのメリットがあります。2022年にカナダで行われた研究では筋肉の毛細血管密度について調査を行いました。その結果、毛細血管密度と筋肉の成長には相関がみられ、毛細血管密度が高い被験者の脚はスクワットによる筋肥大効果が高かったことを示しています。

実は高回数トレーニングは毛細血管密度の増加に効果的で、血管を拡張することは筋肉の成長にとってメリットがあります。例えば最近の研究では筋トレ後のアイスバスは筋タンパク合成を低下させることを示していますが温浴にすることで血管が緩んで拡張することで一時的に筋タンパク合成が高まることを示しています。

注意点としてこれはパンプや代謝ストレスとは違いますが、高回数でトレーニングすることでVOLが高まり筋肉が成長することに加えて毛細血管密度が拡張され筋肉が成長しやすい体になります。

脂肪燃焼

トレーニングVOLは簡単に言うとどれだけ筋トレしたかを表し、この数字が大きいほどたくさん運動をしたことを意味します。つまり、これはわかりやすく言うと筋肉が成長しやすいこと。そしてたくさんのカロリーが消費され、脂肪が多く燃えることになります。

2011年の研究ではベンチプレスで高回数トレーニングと低回数トレーニングで比較したところ、高回数グループのほうがより多くのエネルギーを消費し、体脂肪を減らす可能性があることを示しています。グラフにある通り、低負荷でたくさんの回数ができるエクササイズほど消費エネルギーが高いことがわかります。

つまり、高回数でトレーニングすることは筋肉を成長させながら脂肪を燃やす非常に効果的なトレーニングであることがわかります。

安全性

ウエイトトレーニングのケガについて2010年の調査では1990年から2007年の17年間でアメリカだけで97万件もの事故が報告されています。ケガの件数が最も多かったのは13~24歳までの若者でしたがケガの発生率が最も高いのは45歳以上でした。その中でも55歳以上は特にケガのリスクが高いことが報告されています。

トレーニングは長く続けていくことが重要です。たとえ1日で100setやっても1日で終わってしまったら意味がありませんし毎日10setずつやれば2週間もかからずそれを抜くことができます。

トレーニングを長期的に続けられない原因としてはひとつにモチベーション、そしてケガによってトレーニングができなくなることです。トレーニングで怪我をしないためには出来るだけ軽い重量で強い負荷を筋肉に与えることです。

そのためにまずやるべきことは広い可動域、ストレッチポジションで強い負荷がかかるトレーニングをすること。同じウエイトでも長い距離だったり、機械的な緊張が一番かかるストレッチポジションで強い負荷をかけた筋トレのほうがはるかに大変であるため、関節にかかる負荷を最小限にしながら安全に鍛えられます。

そして、高回数トレーニングを筋トレメニューに含めることでも安全性が向上します。扱う重量が軽くなれば関節にかかる負担も小さくなり、フォームが崩壊してケガをするリスクも低くなります。例えば高重量のダンベルサイドレイズをすると肩が痛くなるという人でも軽い重量でやれば違和感なくトレーニングが出来たりするように関節を守ることができます。

さらには体にかかる倦怠感も和らげてくれる可能性があります。先ほどのブラッドシェーンフェルド博士の研究ではセットをこなしていくにしたがって疲労の蓄積が大きくなり、7setこなせるまえにドロップアウトしてしまう被験者が急増したように高重量トレーニングは低重量のものより体に大きな疲労をもたらし、その後のトレーニングのボリュームを低下させる可能性があります。

つまり、高回数トレーニングは安全性が高く疲労感も感じにくくなります。そのためトレーニングを中止しなければいけないケガや倦怠感などリスクを減らすことができます。

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高回数トレーニング

高回数トレーニングをすると筋肉が成長し、そして成長しやすい体になります。そして筋肥大以外にも脂肪が多く燃焼するようになり、安全にトレーニングを継続させることが可能です。

パーカーフィットネスの高回数トレーニングの推奨としては30~40repです。科学的なデータによると1RMの30%以下の負荷はVOLが高くても筋肥大効果が半減してしまう可能性があります。これはおそらくこのくらいの低強度になると高強度運動の範囲から出てしまうためだと思います。

ただし、この30~40repには注意が必要です。実はここから先の注意点を知らないと最高の高回数トレーニングができず、筋肉が成長せず、脂肪も燃えないトレーニングになりかねません。

最初に知っておくべきは高回数トレーニング、唯一のデメリットです。200件以上の研究を調査したレビューでは筋肥大と筋力の向上において次のように示されています。

「筋肥大にはVOLが重要で筋力アップには強度が重要である」

低負荷高回数トレーニングの唯一のデメリットは筋力アップ効果が少ないことです。トレーニングで自分の力を伸ばしていくことは非常に重要で筋力が伸びなくなると筋肥大効果が停滞する原因にもなります。

そのため、理想的な筋肥大、最短で筋肉をつけるためには高重量のトレーニングが必要ないというわけではありません。最低でも各筋肉週に1度は8rep以下の高重量低回数のトレーニングが必要です。

そして、低負荷高回数トレーニングは追い込み不足が起こりやすいことに注意してください。低負荷になるほど自分の最大回数が曖昧になっていきます。人間は自分の最大回数や最大重量を過小評価しがちで、これは低負荷高回数トレーニングになるほど顕著です。つまり、10rep持ち上げられた負荷が実は12rep出来る負荷であったとしても大して問題ありませんが、自分が40repが限界だと思ってもそれは50rep、60rep出来る負荷かもしれません。

基本的に40repを超えた回数が出来る負荷は筋肉の成長に適していないため40rep丁度を狙うのはおすすめしません。科学的な1RM30~80%というのは限界まで行った回数です。そのため、40repを狙うよりも20rep、30rep出来ると予想できる負荷で持ち上げられなくなるまでトレーニングをするのがベストです。

これをすれば1RMの30%以下ということはないため筋肉の成長が殺されることもありません。

これを自分が持ち上げられなくなるまで行いましょう。おおよそ30rep前後で潰れるのが理想的です。

筋トレといえば高重量というイメージを持っている人は少なくありませんが、高回数トレーニングのほうがメリットは多く、正しく行えば筋肉の成長効果が何倍にもなり、脂肪も多く燃えるようになり、ボディメイクにとって最適です。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。