【胸トレ】大胸筋の上部の厚みをつける科学的3ステップ!おすすめの鍛え方と最強種目を徹底解説!

【胸トレ】大胸筋の上部の厚みをつける科学的3ステップ!おすすめの鍛え方と最強種目を徹底解説!


大胸筋上部、中部、下部の中で最も全体のバランスに重要で成長しにくいのは上部です。もちろんこれは個人差がありますが、これには科学的な根拠もあり、ほとんどの人にとって大胸筋は上部をもっと成長させたいと思うはずです。

しかし、大胸筋上部が欲しいと思う人は一向に減りません。それは大胸筋上部を鍛えても成長しないから。実は大胸筋上部の本当の役割を知らないと上部の成長はほとんどないにも関わらず上部の特性を真に理解している人は非常に少ないです。

大胸筋上部は肩関節の屈曲によってはたらく、下から上に引っ張るケーブルクロスオーバーで上部は成長すると思っている人がいたら要注意です。

この記事では科学的なデータ、そして専門家のアドバイスなどを基に大胸筋上部を効果的に成長させる3つのステップを紹介します。

スポンサーリンク

上部の厚みをつける3ステップ

上部種目をする

大胸筋上部は大胸筋の鎖骨頭という筋繊維に該当します。この筋肉は肩関節にまたがっている筋繊維で横にも伸びていますが、やや下から上にも伸びているため腕を閉じる運動と下から上にあげる運動によっても働きます。

横に閉じる運動を肩関節の水平内転。上に上げる運動を肩関節の屈曲というため大胸筋上部を狙うときは水平内転+屈曲を使うのが効果的です。科学的にもこれは証明されており、ベンチプレストレーニングでナローグリップや逆手で持つことで脇が閉じて屈曲が追加されたり、ベンチ台に角度をつけてインクラインプレスにすることで水平内転に加えて下から上に腕を上げる運動が追加されることで大胸筋の上部の活動が増えたことを示しています。

確かにこれは筋肉の解剖学的な観点からも理にかなっていますが注意が必要です。実は大胸筋上部の活動と屈曲角度は比例しません。つまりどういうことかというと屈曲が強いからといって大胸筋の上部の活動も強いというわけではないということです。意外とこれを知っている人は少ない、またはトレーニングに活かせていない人が多いです。

2019年の研究では肩関節にまたがる筋肉についてレビュー調査を行いました。肩の運動と筋肉について大量のデータを分析したところ肩関節の屈曲についてのデータは「肩関節の屈曲は主に三角筋前部によって処理される」

そして、トレーニングの科学的専門家であるmenno henselmans博士は肩についての解説で「The front delts are shoulder flexors, so they do this. and the upper pecs are basically the helpers of the front delts」と話しているように肩関節の屈曲は主に大胸筋上部ではなく三角筋前部の運動であるということです。

そのため、この上部についての特性を知らないと「大胸筋上部トレは下から上に上げればいいのね」という考えになりベンチ角度を急にしたり屈曲の強いフロントレイズのようなケーブルフライを行ってしまいます。しかし、これは大胸筋上部にとって逆効果です。ベンチ角度と大胸筋の活動について調べた筋電図分析では30度を超えた角度では上部の活動は大幅に下がっていることがわかっており、リバースグリップベンチプレスの研究でもワイドグリップのものよりも屈曲が強いはずのミドルグリップでは大胸筋上部の活動は大幅に落ちていて、一般的なベンチプレスとほとんど同じ筋活動になっています

このように屈曲が強すぎるトレーニングは大胸筋上部の活動を大幅に弱めてトレーニングの負荷を三角筋前部に逃がします。フロントレイズでは大胸筋上部が成長しないのと同じで屈曲の強いフライやプレスはほとんど三角筋前部を鍛えているといってもよく、大胸筋上部はあまり活動していません。

ブレットコントレラス博士の筋電図分析でもケーブルクロスオーバーの高さを調節して大胸筋の筋活動を行ったところ上部の活動が最も高かったのは横に引っ張る中間地点のケーブルクロスオーバーであり、低い位置から引っ張るタイプは上部の活動がそれよりも低いことが示されています。

このように肩関節の屈曲で大胸筋上部が活性化されるのは事実ですが、屈曲が強すぎると逆に上部の筋活動は大きく落ちることに注意しましょう。

低負荷マインドマッスルコネクション

先ほど紹介したブレットコントレラス博士が行った2010年の研究ではかなり大規模な筋電図分析を行いました。かなり多くの種類の種目と細かい重量で筋活動を行った結果、フラットベンチプレスで面白い結果が得られました。

ベンチプレスでは135ポンド、225ポンド、275ポンドで筋電図分析を行いましたが、大胸筋上部の活動が最も高かったのは225ポンドのベンチプレスでした。これを基に博士は「大胸筋上部を狙う場合は10~15rep出来る重量でマインドマッスルコネクションを使うと大胸筋上部を強調できる」と解説しています。

マインドマッスルコネクションというのは簡単に言うと効かせることです。大胸筋の中でも上部は効かせることが苦手な人が多いため、ウエイトを持ち上げているときに上部を意識すると上部の活動が大幅に増える可能性があります。

おすすめの方法として対象の筋肉を触りながら鍛えると筋肉の活動が向上するように大胸筋上部を触りながらやるとより大胸筋に効かせやすくなります。上部に効かせることが苦手な人は片腕でのダンベルプレスやマシンフライをして、大胸筋上部のトレーニングでは挑戦するような重量は避けて10rep以上できる重量で鍛えるのがおすすめです。

下部種目をやめる

大胸筋上部を成長させるのに最も効果的な方法は「インクラインプレスをたくさんやることではありません」。多くの人が勘違いしている傾向にありますが大胸筋上部の厚みをつけたい人がまずやることは下部を狙ったトレーニングをやめることです。

先程の筋電図分析でも示されているようにインクラインプレスやフライなどの上部用の種目が上部の活動を大幅に増やしてくれるわけではありません。基本的にはプラス5~10%ほどです。しかし、下部を狙った種目は大胸筋上部の活動が大幅に落ちる傾向にあります。ブレットコントレラス博士の筋電図分析を参照すると約20%上部の活動が低下しており、上部種目のメリットよりも下部種目のデメリットの方が大きい傾向にあります。

つまり、インクラインプレスをやってもそのあとに高い位置から引っ張るケーブルクロスオーバーをしたらインクラインプレスへの上部への効果は台無しになります。上部の成長にとって絶対にやらなければいけないものはインクラインプレスをやることではなく下部狙いのトレーニングをやめることです。

これが最も重要なのにもかかわらず知らない人がかなり多いです。400 300

スポンサーリンク

大胸筋上部おすすめの筋トレメニュー

大胸筋をトレーニングするときはフラットベンチのバーベルプレスや水平に閉じるフライなど大胸筋全体を強く活性化させる種目と上部を狙う種目でメニューを構築するのがおすすめです。

バーベルベンチプレス

おすすめの筋トレ種目、ひとつ目はフラットバーベルベンチプレス。この種目は大胸筋中部下部というイメージが強いと思いますが実は大胸筋上部にも高い効果があります。

2019年の研究ではトレーニング経験のある男女で8週間、週に2回、1RMの85%を5回4setのフラットバーベルベンチプレスを行わせました。研修者の肋骨の空間で大胸筋を上部と中部、下部の3つに分けてサイズを測定したところ、上部は+7.44%、中部は+10.06%、下部は+7.45%の成長が確認されました。

多少グリップ幅によって差は出る可能性はありますが肩幅以上の広さで極端にワイドにしすぎていなければ大胸筋全体を高いレベルで活性化させます。

インクラインダンベルプレス

上部を効果的に狙うための最も信頼性の高い方法はベンチ角度をつけてインクラインのプレスをすることです。インクラインベンチについての研究では多くのデータがベンチ角度15~30度にすることを推奨しています。ただ、30度にすると大胸筋中部と下部の活動が大幅に減るためおすすめとしては15度、ベンチ台の角度をフラットから1段階上げるくらいの角度でプレスを行うのがおすすめです。

注意点としては脇を閉じすぎないでください。脇を閉じるほど屈曲が強くなりますが、インクラインで脇を閉じると屈曲が強すぎて逆効果になります。上部を狙うためには水平内転にちょっと屈曲を加える程度がベストです。

ベンチ角度を15度にしてできるだけ脇を開いてまっすぐダンベルを持ち上げるようにしましょう。

ダンベルのプレスはバーベルよりも強いストレッチをかけることができるため筋肉の成長を大幅に増やす可能性があります。10~20kg程のダンベルでストレッチポジションを意識しながらトレーニングしましょう。

ケーブルクロスオーバー

大胸筋トレーニングではコンパウンドとアイソレーションを組み合わせてトレーニングするのが最も効果的です。上部を狙ったケーブルクロスオーバーでは大胸筋の筋繊維は水平からおおよそ15度ほど傾いているため大胸筋上部にしっかりと負荷を入れるためにはこの筋繊維と同じ向きにウエイトを引っ張ると最高の上部トレーニングができます。自分のヒジくらいの高さにケーブルマシンを設定して少しだけ下から引っ張るようにしましょう。

グリップをつけてフィニッシュで親指同士をくっつけるようにすると肩関節の内旋が加えられて大胸筋の活動がより高くなります。フライではヒジ同士をくっつけるイメージで可能な人は腕をクロスさせると大胸筋の活動が大幅に増えることを示しています。

大胸筋の成長のためには筋トレ歴半年以上の人なら最低でも20setを確保することを推奨しています。大胸筋上部を効果的に成長させるためにはバーベルベンチプレス、インクラインダンベルプレス、ケーブルクロスオーバーの3種目で20set確保するようにすると上部を優先させながら中部と下部も成長させることができます。

筋肉の成長にとっては高頻度であればあるほど効であることが証明されているため月曜日はベンチプレス、火曜日はインクラインプレス、水曜日はケーブルクロスオーバーというように1日1種目を3〜5setほどやるのが最もおすすめです。回数については基本的には皆さんの好みでやればOKですが、低回数と高回数を使い分けると筋肉の成長が促進されます。おすすめとしてはバーベルベンチプレスは8~10rep、インクラインダンベルプレスは12~15rep、ケーブルクロスオーバーは20rep以上です。

しっかり広い可動域でやればほとんどの人にとってプレスでも10~20kgくらいのダンベルで十分、フライに関してはケーブルだと片方5kg程度の重量で十分トレーニングになります。

そして最大重量を伸ばすことを忘れないでください。フラットバーベルベンチプレスがおすすめですが、この種目をできるだけ多くの回数、重い重量で行うように意識するだけで大胸筋の成長速度は倍増します。

この動画の最強種目と鍛え方の3つのポイントを忘れずトレーニングしていけば間違いなく大胸筋上部の成長は劇的に変わります。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。