おなかの脂肪。多くの人が落ちてほしいと願っているものです。しかし、実はお腹の脂肪を落とすことは今日紹介する3つを守れば非常に単純で簡単ですが、科学者は日本でも有名なあるダイエット法について「科学的根拠のないマーケティング戦略」と強く批判しているように間違った情報のせいでなかなか脂肪が落ちずに悩んでいる人がかなり多いです。
この記事ではおなかの脂肪を落とすために絶対にやって欲しい3つのダイエット法について紹介します。
1996年の古い研究では興味深いデータが得られました。38人の断食した被験者は腹部の血流とおなかの体脂肪量に負の相関関係があり、腹部の血流が高い状態はおなかの脂肪を優先的に燃やす可能性があることを示しており、2013年の別の研究では血流と脂肪の燃焼には関係があるかもしれないことを発見しました。
したがってより多くの血流を腹部に向けることでおなかの脂肪が優先的に燃焼される可能性があるコトを意味します。腹筋トレーニングで腹部の血流の増加を促すことで効率的におなかの脂肪を落とすことができるかもしれません。
これらのデータによって「部分痩せって否定されてきたけど実はできるんじゃね?」という考えが最近増えてきました。
しかし、科学的データを見ると部分痩せは理論の域を超えないという結論であることが簡単にわかります。それは先ほど紹介したデータよりも100倍強力な最新データによって否定されているからです。2022年1月公開の最新の部分痩せについての研究では1158人を対象にしたメタ分析を行いました。メタ分析は先程のような単一の研究よりもはるかに強力であり信頼性の最も高い科学的データです。
この分析によると「局所的な筋力トレーニングはその部分の脂肪組織に影響を与えない」ことを明確に示しており、研究者は部分痩せを推奨するYoutuber等のインフルエンサーをこのように強く批判しています。
論文では「部分痩せに対する一般的な信念は、おそらく希望的観測と、人気の向上を求めるインフルエンサーや広告の増加に関心を持つの売り手などの便利なマーケティング戦略に由来している。」
簡単に言うと部分痩せに関する肯定的な意見は本人の「そうであってほしい」という考えや関心を集めて再生回数や自分のダイエットプログラムを売るための戦略であるということです。
このように部分痩せに関する肯定的な研究があっても実はその背景にはもっと強力な否定的な研究があることに注意しなければいけません。そもそも脂肪のつく順番はある程度の個人差があるにせよほとんど決まっており、腹部が一番最初であるため動かすことでその順番を入れ替えることはできません。
脂肪を落とす時に重要になるのはカロリーの数字です。脂肪が落ちやすい運動かどうかはほとんど消費カロリーによって決まりますが、クランチはじめ腹筋トレーニングのほとんどは消費エネルギー量が非常に少ないため脂肪燃焼にとって効果的ではありません。計算サイトで調べると、バーベルスクワットは腹筋トレーニングで燃焼されるエネルギーの3.5倍のカロリーを燃焼させることが示されています。
そのため、部分痩せを信じてカロリー燃焼の非常に低い腹筋トレーニングをすると脂肪はほとんど燃えず、結果的におなかの脂肪が落ちなくなります。腹筋トレーニングは腹筋を成長させたい人のみ行いましょう。もちろんこれは脚痩せ、腕痩せ共に同じです。脂肪を落としたい部位を動かしてもその部位の脂肪が優先的に落ちるわけではありません。
燃焼エネルギーが大きい運動は懸垂やベンチプレス、スクワットなど複数の筋肉を同時に働かせるトレーニングです。たくさんの筋肉を使用することで多くのエネルギーを使用するため、おなかの脂肪を落としたい場合はこういった種目を優先的に取り入れましょう。
パーソナルトレーニングを受けたことがある人なら必ず一度は「筋肉をつけて代謝を上げることで太りにくい体を作りましょう」といわれたことがあるはずです。これは完全に間違っているわけではありませんが、誇大広告です。栄養科学の博士号を持つレインノートン博士は、代謝が悪いから脂肪が落ちないというのは間違いであると主張しています。
確かに筋肉は持っているだけでエネルギーを消費します。しかしそれは、1kgの筋肉当たり毎日約12kcal。仮に10kg筋肉を増やしたところで120kcal程しか代謝は増えず20kg筋肉を増やしてやっとご飯の茶碗一杯分の代謝増加になります。
そのため、代謝による脂肪燃焼に過度な期待をするのはあまりにも遠回りです。
さらにほとんどのダイエットトレーナーは脂肪自体も代謝を上げるということに触れません。筋肉は持っているだけでカロリーを消費しますがそれは脂肪も同じです。脂肪は1kgあたり約8kcal維持するために使うため、筋肉ほどではありませんが脂肪を増やすことでも代謝は上がります。脂肪を1kg落として筋肉を1kg増やした場合増える代謝は4kcalしかないことを忘れてはいけません。
そのため、一般的なダイエットでは代謝はほとんど変わらずむしろ脂肪が大量に落ちているため代謝は減っている場合が圧倒的に多いです。ダイエットには体重が落ちづらくなる停滞期というのがありますが、ほとんどの場合停滞期は体重がかなり落ちたときに見られます。
これには飢餓モードになったから体重が落ちにくくなったなど様々な意見がありますが、実は体にある余分な水分が排出されたため落ちにくくなったのと体脂肪がかなり減ったため、脂肪が消費するカロリーも少なくなったため体重維持カロリーが落ちただけです。
人類の進化と肥満率についての調査では、現代人は過去数十年前よりもはるかに肥満率が高いことがわかっていますが、それと同じく平均摂取カロリーも右肩上がりに高くなっていることがわかっています。そのため、減量は99%が数字のゲームです。摂取カロリーに注目するだけでおなかの脂肪を落とすことができます。
フィットネス研究者のmenno henselmans博士は炭水化物と脂質どちらを制限しても同じ効果だが、炭水化物を制限したほうが食事制限や食欲の抑制効果から摂取カロリーが抑えられる傾向にあるためダイエットが成功しやすくなると話しています。実際タマゴなど健康的な脂肪分を持つ食品は満腹感が高い傾向にあり、普段の生活で摂取しているカロリーの多くは炭水化物です。特に日本人なら炭水化物については米や麺類などかなり多くの選択肢があります。(Sause1,Sause2)
そのため、コンテストに出ていて減量やダイエットになれている人は炭水化物を減らしても減らさなくても問題ないので別ですがダイエット経験が少ないひと、または成功したことがあまりない人は炭水化物をゼロとまではいいませんが減らすようにするだけで摂取カロリーが大幅に抑えられる可能性があります。
停滞期の場合は摂取カロリーをもう一段階制限するだけで停滞期は打破できます。
脂肪はアルコールを処理するのと同じ臓器である肝臓によって処理されます。アルコール摂取を行うと体は脂肪の燃焼を停止しアルコールの分解と排出を優先します。そのため、アルコールを摂取すると体が脂肪を分解することを妨げる可能性があります。
一応これは理にかなっていますが科学的な証拠は十分ではありません。実際、そういった反応は見られていますが反応だけではなく体脂肪の量について調査した研究では説得力のある証拠は見つかっていません。」2013年のシステマティックレビューではアルコール摂取自体が体脂肪の量、そして腹部の脂肪量に関係しているかどうか十分な証拠がなかったことを示しています。
そのため、アルコール自体が脂肪燃焼を抑制したりビール腹といわれるようにおなかに直接脂肪を追加するというのは考えにくいです。
しかし、アルコール摂取をすると太りやすくなる可能性が高いです。それはまず基本的なカロリーが高いこと。アルコールは1gごとに7kcalある独自の栄養素であり、その多くには大量の砂糖が加えられています。例えばワインやビールの多くはアルコールに加えて大量の糖質が入っています。
目安としてはワイン100mlで75kcalほどあります。
そしてアルコールはあなたの自制心を低下させて食欲を増幅させます。これが最も問題です。多くの研究でアルコールを摂取するとその日の食事量が増える可能性が高いことを示しています。これによってカロリー摂取量が増えて結果的にあなたのお腹に脂肪を追加します。
目標カロリー摂取量の範囲であれば飲酒をしながらお腹の脂肪を落とすことは間違いなく可能ですが、アルコール摂取は二次的にカロリーを増やす可能性があるため出来るだけ避ける。または飲む量を少なくするのがいいでしょう。
以上がおなかの脂肪を落とすために絶対にやって欲しいことです。特に部分痩せについてはかなり多くの人が信じています。腹筋をすれば腹部の脂肪燃焼効果が0.001%くらいは変わるかもしれませんが、それなら最もカロリー消費があるスクワットやベンチプレスをしたほうがはるかに効率的であると断言します。