2021年に公開された研究ではステロイドなどの薬物を使用していないナチュラルの被験者のテストステロンと体組成について膨大なデータを分析し、研究対象者は20~59歳までの男性。その数は4000人近くにもなりました。
分析した結果、テストステロンと体組成には関係性が見つかり、テストステロンレベルが高い被験者は筋肉量が多く、同時に体脂肪量が少ない傾向にあることがわかりました。
テストステロンが低い場合、ジムでのトレーニングは無駄になり、体型がどんどん崩れていく可能性があります。しかし、この状況にある人は実はとても多く、30 歳以上の男性の約 4 人に 1 人はテストステロンが低下しているというデータもあり、そしてほとんどの人は自分が低テストステロン状態にあるコトにまったく気づいていません。
逆にテストステロンを上げると筋トレでより筋肉が成長しやすくなり、同時に脂肪が燃えやすくつきづらい体を手に入れることができます。
この動画ではテストステロンを上げるために絶対にやって欲しいことを9個紹介します。紹介するすべては科学的信頼性の頂点にある2021年公開のレビューペーパーによって証明されているものですので非常に強い説得力があるので安心して取り入れてください。
テストステロンを上げるためにまずやっておかなければいけないことは睡眠です。調査によるとテストステロンを上げるためのサプリメント市場は2024年までにアメリカだけで14億ドルに達するようですが、睡眠も忘れてはいけません。
2014年の研究によると毎日5.5時間以下の睡眠をとる習慣を8日続けた結果、被験者は平均してテストステロンの生産量が10~15%低下していたことを示しています。
加えてjounal of the american medical associationに掲載された研究では10人の平均24才の若い男性は10時間の睡眠を3日して、5時間未満の睡眠を1週間続けました。その結果テストステロンレベルを10~15%減少させました。
このように睡眠時間が短い状況が1週間続くだけでテストステロンレベルは大きく減少します。もちろん睡眠の質にもよりますが多くの人にとっては7時間以上の睡眠が推奨されています。
亜鉛は免疫系が正常に機能し細胞分裂を行うために必要な栄養素です。この亜鉛の欠乏はテストステロンの低下につながる可能性があり、テストステロンが低い人は亜鉛サプリメント摂取によってテストステロンレベルが上昇することが分かっています。
2000年に行われた研究では、亜鉛とマグネシウムサプリメントを被験者に1日当たり30mg摂取した被験者は体内の遊離テストステロンレベルが上がっていました。
この栄養素はカキや肉類に多く含まれているため、もちろんこういったものをたくさん食べている人はサプリメントを買う必要はありませんが「足りないかも」と思った人は購入するのがおすすめです。亜鉛の1日当たりの摂取量は11ミリグラムであるため、自分の食生活で足りていない分を亜鉛サプリメントで補うといいでしょう。ただし、40ミリグラムを超えると亜鉛は有害である可能性があることに注意しなければなりません。調子が悪くなったり体の異変を感じたら摂取量を減らすのがいいでしょう。
マグネシウムはタンパク質の合成、筋肉と神経機能の最適化など様々なプロセスに関与していますが、最近の研究ではこの栄養素はテストステロンの量を増やすことが示されています。
2011年の研究ではマグネシウムサプリメントを摂取することでテストステロンレベルが4週間後に増加することがわかりました。
マグネシウムはアーモンドやホウレンソウなどの豆類や緑色の野菜に多く含まれているようです。
先ほどの研究では体重1kgあたり10mgのマグネシウムが与えられていましたが、RDAは男性では400mg程度、女性は310mgです。RDAは健康な人の97~98%の人にとって十分であると考えられている量です。マグネシウムは一回で350mgを超える量を摂取すると下痢などの症状を引き起こす可能性があるため1回で必要な分のマグネシウムを摂取するのは控えましょう。
タンパク質は筋肉を構築するのに役立ちますが、テストステロンの減少を防止する役割があります。2021年に行われた研究では、十分なたんぱく質を摂取することによってテストステロン値が維持され、脂肪の燃焼に役立つ可能性があることが示されています。
ただし、あまりにもたんぱく質を多くとることは逆効果になる可能性があります。
2022年に行われたメタ分析では高タンパク質摂取によってテストステロンレベルが低下したことを示しています。これによってタンパク質を摂りすぎるとテストステロンが下がる?という意見が多くなりましたが、このメタ分析で使用された研究は被験者が体重1kgあたり3.4g以上たんぱく質を摂取していた状況のみであったため一般的なトレーニーにはまず当てはまらないでしょう。
タンパク質は体重1kgあたり最低1.6g以上を維持すると筋肉の成長もテストステロンのレベルも高い状態を維持できます。
ビタミンDは多くのビタミンの中でも特にテストステロンの上昇に効果的です。この栄養素は日光に当たることでも生成されるため食事とは別に外出頻度などの要素も考慮する必要があります。2020年の研究ではサッカー選手を積極的に日光に当たるように指示したりビタミンDサプリメントの補給によってテストステロンレベルが大幅に上昇しました。
この栄養素を多く含んでいる食品はサーモンや鯖などの脂肪の多い魚です。
これらの食品をあまり食べない人や外出や屋内で仕事をするため日光に当たることが少ない人はサプリメントで摂取することを検討してみてください。
推奨されている量はおおよそ600IUです。亜鉛ほど過剰摂取によるリスクは高くなく、非常に高容量を長期間服用した場合にのみ問題が起こるようなので副作用については心配不要だと考えていいです。サプリメントで1日の推奨量と同じくらい摂取するのもいいかもしれません。
脂質はボディビルダーやフィジーカーにカットされがちな栄養素ですが、実はテストステロンに特に大きな役割を持ちます。2021年のメタ分析では6つの研究と206人の被験者を分析したところ低脂肪食は男性のテストステロンレベルを低下させることが示されました。
テストステロンについてのレビューを行った研究者は最低でも摂取カロリーの25%を脂質で埋めるようにすることを推奨しています。脂質を多く含むタンパク質源は肉や卵などです。
コレステロールと聞くと「太る」、「健康に良くない」と考える人が多いかもしれません。しかし、実際はテストステロンを上昇させ、筋肉のサイズに大きな関係があります。2007年の研究では49人の高齢男性を対象に12週間の筋力トレーニングプログラムを指示しました。
被験者の栄養ログを分析したところ、コレステロール摂取量と除脂肪体重の増加に強い関係性を示しました。体重1kgあたり7.2~10.2mgのコレステロールを摂取していた被験者は2.2~3.5mgと比較してはるかに筋肉量が高いことがわかりました。
一般的なガイドラインとしてコレステロールの摂取量としては健康的な人は1日当たり300mgを超えないことを推奨されていましたが、最近の研究で食事でのコレステロール摂取はほとんどの人に有害にならないと示す多くの証拠によって2015年にこのガイドラインは変更され、今はコレステロールに関しては特別な制限はありません。
コレステロールがたくさん含まれている食品は卵や赤身肉、これらの食品はコレステロールが高いにも関わらず心臓病のリスクになる飽和脂肪酸がとても低いです。卵に関しては昔のボディビルダーの中には白身のみを食べる人もいましたが、近年の研究では黄身も含めた全卵で食べたほうが多くのメリットがあるコトを示しています。
卵は高たんぱくで健康的な脂肪分を持つ、最強のテストステロン、そして筋肥大フードです。
19人のアマチュアレスリング選手を対象にした研究では競技シーズン中のカロリー制限と激しい運動によって大幅な体脂肪の減少が確認されましたがテストステロン値も異常に低いこともわかりました。
1か月で何キロも痩せる大幅なカットはテストステロンを低下させ筋肉を破壊します。
2022年のメタ分析によると500kcal以下のカットは筋肉の量を維持できる可能性が高いことが示されているようにコンテストに出場する人やダイエット中の人はあまり過度なカットは避けて少しのカットを長期間維持して痩せるのがおすすめです。
これはとんでもなく多くの人が勘違いしています。例えば筋トレ初心者のひと、特に瘦せ型の人からこんな相談を受けることがあります。僕はどちらかというと痩せている方に分類されるんですが筋トレをしてる知り合いに筋肉をつけるためには太らないといけない、一回太ってから筋トレしたほうが筋肉がつきやすいと言われたのですが一度たくさん食べて太ってから筋トレしたほうがいいのでしょうかというものです。これについて聞かれると僕は相談者の方に絶対にやめてください。といいます。
2007年の研究では体脂肪率が高い人ほど脂肪が増えやすく、低い人ほど筋肉が増えやすい傾向にあることがわかりました。
研究によるとテストステロンと成長ホルモンは太っている人ほど低い傾向にあり、体脂肪率が大体10%近づくとかなり高くなるようです。この研究によると体脂肪率28%のひとではテストステロンは440ngなのに対して体脂肪率10%の人は620ngであり約1.5倍の差があります。
鏡を見てデカくなったなと思えるのは脂肪を付けたほうがはるかに簡単であるため、増量という理由で大量のカロリーを摂取する人もいますがそれは筋肉ではなく脂肪の増量です。筋肉にとってはメリットはなくむしろテストステロンの低下によって逆効果になります。大体の目安としては体脂肪率10~15%程をキープするようにするとテストステロンが最も高い状態になります。
以上9つがテストステロンを上げて筋肉を成長させるための方法です。全ては大量の研究を分析して答えを出す科学的信頼性の高いレビュー研究で示されているためこの動画にとって都合のいい研究だけを切り取っているワケではありません。
テストステロンを上げると筋肉が増えやすく脂肪が落ちやすくなり、理想のボディメイクにぐっと近くなります。