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【JUNK VOLUME】筋トレ効果が最大になるのは各部位何セットまで?科学的証拠アリ!

【JUNK VOLUME】筋トレ効果が最大になるのは各部位何セットまで?科学的証拠アリ!


まだ日本では広まっていないトレーニングセットについての考え方として、ジャンクボリュームという言葉があります。JUNKというのは日本語に訳すとゴミやガラクタなど粗末なものを指します。

簡単にいうとJUNKボリュームというのは質の悪い粗末なボリュームを意味し、科学やボディビルダーの定義としては多くの時間やエネルギーを使うにもかかわらずあまり筋肉の成長にとって効果的ではないセットやレップのことです。

実際にジャンクボリュームというのは科学的なデータによって確認されています。このジャンクボリュームについての正しい知識があるかないかで、同じ筋トレ1時間、20setでも筋肉の成長にとって大きな差があることは間違いありません。

この動画ではそのジャンクボリュームについてと筋トレメニューでの応用法、1回の筋トレではどれくらいのセットにとどめておくべきかについて紹介します。

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ジャンクボリュームとは

筋トレではVOLが重要

まずはジャンクボリュームの考え方について簡単に解説して視聴者の皆さんにジャンクボリュームについてのイメージを持ってもらおうと思います。

例えばダンベルを使ったバイセップスカールをすると上腕二頭筋は活性化されています。限界まで追い込む必要は科学的なデータを見るとほとんどないので1~3回程度余力を残してある程度のラインまで筋肉を疲労させて終わらせます。

1set目で10kgのダンベルで10回カールができたとします。

現代の科学はボリュームが非常に重要であり、パンプや筋繊維の損傷などは筋肉の成長にとってほとんど役に立たないことを示しています。そのため、パンプがどれだけあるかなどの感覚的なものは筋肥大には反映されず、筋肉の成長にとってはどれくらいのウエイトが何回上がってそれを何セットやったかのほうがはるかに重要になります。

そのため、可動域を制限したりせず、肘をしっかり伸ばしてから限界まで肘を曲げていればこのトレーニング種目でも上腕二頭筋は成長するレベルまで間違いなく活性化されます。

それでは1set目に10回出来たこの上腕二頭筋のカールをそのあと9set行って、合計10setカールをした場合筋肉の成長は1setのみの場合と比べて10倍になるでしょうか。

実際やってみるとセット数を10倍にしても筋肉の成長効果は10倍にはなりません。

筋トレの質はどんどん悪くなる

なぜなら筋肉は疲労するからです。ある程度限界に近いラインで追い込んでいるなら10kg10repの1set辺り合計100kgのボリュームを10set目まで維持することはできません。ほとんどの人は10回上がってたのが2set目には9回しか上がらなかったり5set目には5回しか上がらなかったり、セットを重ねるごとに回数が落ちていきます。

1set目に10回だったのが10set目には1repしか上がらなかった場合、同じキツさでも1set目と10set目の筋肥大効果は等しいといえるでしょうか。

つまり、1set辺りで稼げるボリュームは徐々に減っていくため、ボリュームが非常に重要だと考えている現代の科学的なデータを参照にするとたくさんのセットをやればやるほど筋トレの質はどんどん下がっていくことになります。

ジェームスクリガー博士のボリュームバイブルによると筋肉の合成反応は1回のトレーニングセッション当たり約8setまでが有効的なボリューム上限である可能性を示しています。

さらに、博士は筋肉の成長と1セッション当たり、各筋肉群ごとの筋肥大効果についての研究を9件分析しました。その結果、1セッション当たり平均6~8setを超えると筋肥大効果は停滞し、場合によっては低下する可能性すらあることを示しています。

6set目までは筋肉の成長率のグラフが増加していることが分かりますが、6set以降はかなり停滞しており、やや下降さえしていることが見て取れます。

そのため、1回の筋トレでは各筋肉6~8set以内にとどめておくべきであることが考えられます。胸の日や背中の日、肩の日など1セッションで同じ部位を10~20set近くの大量のセットを使って鍛えている場合はこなしているボリュームの大半がジャンクボリュームになってる場合があるため筋肉の成長率は半減しています。

ジャンクボリュームは体に強い疲労感をもたらす

加えてジャンクボリュームは強い倦怠感を引き起こします。10kg10repのカールトレーニングの話に戻ると1set目の10repのセットと10set目の1repのセットでは10set目は手を抜いているから1repしか上がらなかったのでしょうか。

ほとんどの人は1set目も10set目も同じくらい頑張ってウエイトを持ち上げようとしているはずです。そのため、身体的にかかる疲労感はほとんど同じ、いやむしろ10set目のほうが辛く、セットが終わった後の疲労感も強いはずです。

ジャンクボリュームは質が悪く筋肥大にはあまり貢献してくれないにもかかわらず強い疲労感を体に植え付け、回復に問題を引き起こします。疲労感はパフォーマンスを低下させたりモチベーションを下げる可能性が高いため回復の観点からもあまり良くありません。

2022年の1月に公開された研究では筋トレ経験のある被験者を週1回と週2回の筋トレ頻度で分けました。その結果、筋肉痛などのオーバートレーニングの数値では週1回一回のセッションで大量のセットをこなすトレーニンググループのほうが有意に高いことがわかりました。つまり、週1回グループのほうがオーバートレーニングの数値が高く、回復プロセスに問題がありました。

研究者たちはトレーニングを分割することによって回復プロセスにメリットがあるが、逆に一日でたくさんのセットをこなすと回復に問題が起こる可能性があることを示しています。

ジャンクボリュームというのは簡単に言うと時間や労力は同じだけ必要とするのに筋肥大にはほとんど貢献してくれない。さらには、回復の観点からもデメリットが多いセットのことです。

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ジャンクボリュームの筋トレへの応用法

ジャンクボリュームというものがどんなものかについてわかってもらったところでみなさんの筋トレへの活かし方について紹介します。

同じ日に同じ部位に対して大量のセットを行わない

ジャンクボリュームの観点から同じ日にベンチプレスやダンベルプレス、プッシュアップやフライを行うなど大量に同じ部位を鍛えるべきではありません。低頻度トレーニングをしている人ほど1回の筋トレで大量のセットをこなしているセットの数が非常に多いため、結果的にジャンクボリュームが占める割合も多くなります。

完全に無駄なセットというのはない

とはいってもジャンクボリュームが完全に無駄なセットであるかについては僕はそうは思いません。例えば胸の日などを作る各筋肉週1回のBro-Splitトレーニングで大胸筋トレーニングを20set一日でこなすとしても20set目は完全に意味のないセットではないと思います。

何度も話した通り現代の科学はボリューム至上主義であるため20set目が1repしかできなくても筋肉の成長にとって1rep分の効果があります。

2022年の1月に公開された研究では週に1回のBro-Splitトレーニングでもボリュームが一致する限り問題なく機能することを示しており、頻度と筋肉の成長についての研究をまとめたレビューペーパーでもボリュームが等しければ週7回だろうが週1回だろうが筋肉の成長に違いがないことを示しています。

そのため、大胸筋トレーニングを月曜日に30set,40setやっても無駄なセットは一つもないとは思います。

VOLが同じなら同じ効果だが高頻度のほうがVOLが高い

しかし、ほとんどの人にとってほぼ間違いなく筋トレはセットをこなしていけばいくほど疲れて回数や重量が落ちるためわざわざ1回の筋トレセッションで大量にセット数を行う意味がないのも確かです。

1set目が10rep出来て10set目が1repしかできないのなら10set目だけ別の日にやれば10rep近い回数が出来るためこの時点で1日で10setやったときの10set目よりもボリュームが10倍になって筋肥大効果もそれに比例します。

つまり、完全に無駄なセットというのはありませんが質の悪いという意味でのジャンクボリュームは存在しています。最後の方のセットほど疲労によって持ち上げられる回数が低下しているため1set辺りの質は悪いと考えることができます。

フィットネスの科学者であるエリックヘルムズ博士はインタビューで低頻度トレーニングは単純にボリュームを制限しているだけだと話しています。

そのため、理想的な筋肥大効果を得るためにはset数を分割して高頻度でトレーニングしましょう。月曜日に大胸筋トレーニングを20setと集中的にやっていた人は3日で6~7setや5日で4setずつに分割して行ったほうがはるかにボリュームが高く、筋肉が成長しやすくなります。

先ほど紹介した頻度のレビューペーパーではボリュームが同じなら筋肥大効果は同じ出ることに追加して高頻度のほうが、ボリュームが高い傾向にあるためトレーニングは各筋肉高頻度でやる方が効果的であることを示しています。

週に1回でもボリュームが同じなら筋肥大効果は同じですが、例えば週6回大胸筋を鍛えている人よりも間違いなく多くの時間と労力を必要とします。

つまり、分かりやすく説明するとあなたが目的地まで行くとして、全身トレーニングなどの各筋肉高頻度でトレーニングする人は目的地まで車やバイクで行きますが、Bro-Splitや週に2回の低頻度で各筋肉トレーニングをしている人は走ってその目的地まで向かっているようなものです。

目的地にたどり着くことは同じですがはるかに長い時間や労力がかかるため、低頻度トレーニングを俺はやるんだ!という人がいても全く問題ありませんがあえて効率の悪い選択をしているということは理解するべきです。

ほとんどの人にとってはジムに行くたびに各筋肉を鍛えたほうが成長する可能性がかなり高くなります。これは多くの調査によって裏付けられています。

6~8set以内にしなければいけないと考える必要はありませんが、出来るだけ筋トレは各部位細かく分散させるべきです。とはいっても週に5回以上で各筋肉を鍛えてる人なら意識しなくても6~8set以内にはなっていると思います。

パーカーフィットネスは科学的なデータからトレーニングでは全身トレーニングを推奨しています。現代の科学は分割法よりも全身トレーニングを支持する研究が圧倒的に多いため、Bro-SplitやPushPullLegなどどんな分割の仕方に関係なく筋肉を効率的に成長させたい人はジムに行くたびに各筋肉をちょっとずつ鍛える全身トレーニングをやるべきです。

Parker Fitness

今までの失敗,そして成功から科学的な文献を基にすると筋肉の付き方が全く違うことに気づきました。 それを皆さんにも経験してほしくYoutubeなどで科学的なアプローチで効果的な筋トレ法を紹介しています。