筋トレ中に必須なアイテムとしてダンベルなどのトレーニング器具はもちろんですが最も重要なのは水の入ったボトルです。1974年に発表されたフレデリック.J博士とマーガレットマクウィリアムズ博士は平均的な成人の1日あたりの水分摂取量を1日あたり6~8杯のグラスであると紹介しています。
トレーニング中に多くの人が飲んでる水ですが飲み方を間違えるとパフォーマンスが大きく低下したり、筋肥大効果が減ってしまうことをご存知ですか。この記事では水分補給の効果や筋トレ中にどれくらいの水をとればいいのか。アミノ酸や電解質、炭水化物などの筋トレによく使用されるサプリメントの真実について科学的な文献を基に紹介します。
水分補給について正しい情報を知りたい。必要なサプリメントだけ購入したいという人はこの動画を見ることでそれらを受け取ることができます。
トレーニング中に水を飲むことは大きなメリットがあります。まず、脱水症状は筋トレのパフォーマンスを大きく低下させます。専門家によると体内の水分量をわずか2%減らすと脳が収縮し、集中力と神経筋のパフォーマンスが低下することを指摘しています。
2015年のメタ分析では、分析した28件の研究全てで平均してパフォーマンスが5%低下したことを示しています。体重の3~4%というわずかな脱水症状によって筋力とパワー、筋持久力をそれぞれ2,3,10%低下させると結論付けています。
そのためわずかな脱水症状でもパフォーマンス低下が確認されています。
最も多い水分補給の間違った方法としては「のどが渇いてから水分を補給する」ことです。オーバートレーニングなどについては痛みが出たり体に何かしらの問題が起きてから休めばいいですが、水分補給については違います。のどが渇いてから水を飲むのは既にデメリットが出ている可能性が高く、予防になっていないからです。
どうやらのどが渇くというのは既に軽い脱水症状になっている可能性が高く、脱水症状を予防する方法としてはのどが渇く前に水分補給をするというのが良さそうです。そのためトレーニング中に水を飲むことで脱水症状を防ぐことができるためパフォーマンスを高いレベルで維持できます。
加えて水を飲むことで体脂肪を減らすことができます。水を飲むことで代謝が上がったり、脂肪の分解をサポートする可能性があります。しかし、これらの研究の多くは問題があります。そのため、水を飲むことにより代謝率の増加はトレーニングしている人やそこまで太っていない人に当てはまるかについては議論の余地があるでしょう。
水を飲むことによる脂肪燃焼の最も大きな利点はジュースなどの高カロリーの飲料水が、水に置き換わることだったり満腹感にによって余分なカロリーを摂取しなくなることだと思います。エネルギー代謝が増えるかは不明ですが水を飲むことによるダイエット効果のメリットは信頼性が高く間違いなく効果があります。
僕の考えとしては1日の水の摂取量を決めるのは個人差や考慮すべき要素がありすぎてあまり意味が無いと思います。厚生労働省によると成人が一日に摂取するべき水分量は2.5Lだと示されていますがトレーニングする人はもっと必要です。
ただし筋トレに近いタイミングでの水分補給については科学的な推奨があります。
栄養学の研究者であるアランアラゴン博士のリサーチレビューによるとアスリートはトレーニングの20分前に6~10オンスの水分を補給し、筋トレ中には15~20分ごとに7オンスの水を飲む必要があることを示しています。
つまり筋トレの20分前には177~280mlの水分を補給し、筋トレ中は15~20分毎に200mlの水を飲む意識をします。そのため、筋トレが1時間だとすると600~800mlの水を消費することになります。
目で分かる摂取量としてはリラマクドナルド博士によると1日を通してあなたの尿が透明かわずかに黄色でなけらばならないことを示しています。加えてトイレの頻度が1日を通して5回もしくは筋トレ後に2回行くのであれば問題はないと報告しています。
筋トレ前にはカフェインを飲む人が多いと思います。カフェインには利尿作用があるためコーヒーなどカウントするべきかについては迷う人も多いと思いますが2007年の研究ではカフェインは水分補給の指標に悪影響を与えないと示されています。加えてアルコールも利尿作用がありますがこの文献では摂取してから3時間程度は利尿作用があるが6~12時間後は体内の水分が増えることを示しています。なのでアルコールの水分量も一日の水分摂取量から除外するほど深刻なものではありません。
筋トレ中の水分補給についてはのどが乾かないようにするのがまず一番重要なポイントです。おすすめとしては1set終わるごとに1口水を飲みます。
筋トレ中はシェイカーにドリンクを入れて持っていく場合が多いと思います。ウォータークーラーがあってジムで補充できる場合は別ですが、一般的なシェイカーでは多くの人にとっては水分が足りていないと思います。筋トレ1時間以上やる人は1リットル以上入る水筒を持ち歩くべきです。
一日の摂取量は2.5lを超える量を摂取し、尿が透明化それにかなり近い色である場合1日を通した水分摂取量は十分だと思います。
筋トレ中のサプリメントとして電解質やアミノ酸、糖質、炭水化物などが推奨され販売されています。
しかし、科学的な文献を見るとその多くは筋トレ中に摂る必要はほとんどなく、不要であることがわかります。
アミノ酸については筋トレ中に摂取する必要はほとんどありません。空腹状態で筋トレすると筋肉が分解されると話す人もいますが2016年のレビューで示されている通り、空腹状態で運動しても体組成にはほとんど悪影響が無いことが示されているためこの主張は科学が否定しています。
そして筋トレ中にBCAA補給が推奨されることがあります。理由は筋肉の合成を促進させたり分解を抑制したりするためです。しかしこれは2021年の3月にブラッドシェーンフェルド博士などによって行われた最新のレビュー研究で「十分なたんぱく質が摂取されている場合、筋肉の強度やサイズにメリットがない」と示されています。
そもそもたんぱく質やアミノ酸は摂取量が王様でありタイミングや吸収速度の影響ははほとんどありません。アミノ酸サプリメントは高額であるため、ほとんどの人にとってはプロテインでアミノ酸摂取は十分です。
炭水化物や電解質についてはかなり多く誤解があります。サプリメントを購入するときの注意点としては宣伝側が概要欄にあるアフィリエイトリンクに誘導するために間違った情報や情報を捻じ曲げる可能性があるということです。
炭水化物や電解質、スポーツドリンクの科学的な文献を見るときに一番多い情報の間違いが筋トレ出の効果なのかと持久力トレーニングの効果なのかを混同して紹介しています。筋トレと持久力トレーニングは同じトレーニングですが全くの別物です。持久力トレーニングでメリットが確認されたサプリメントは筋トレでも同様の効果をもたらすわけではありません。
そのため、科学的な証拠がある効果的なサプリメントですと紹介されていたりそれが事実だとしても実は持久力トレーニングには非常に信頼性が高いが筋トレのような短時間の高強度運動ではほとんど信頼性が無い場合が数多くあります。
電解質は研究で示されている通り筋肉の収縮に重要な役割を持つ物質であり、炭水化物や糖質は活動するためのエネルギー源となるため非常に重要な栄養素であることは事実です。
しかし、これは筋トレ中に摂取しなければならない理由にはなりません。考えてみてください。車を動かすために燃料は必要です。だからといってドライブ中にあなたの車のトランクに予備のガソリンを詰めておく必要があるわけではありません。
例えば炭水化物や糖質サプリメントで「グリコーゲンの枯渇を防ぐ」ということで販売されます。しかし最新のレビュー研究でグリコーゲンの枯渇は何時間も行うような極端な筋トレや持久力トレーニングにしか起こらないことを示しています。加えてアランアラゴン博士とブラッドシェーンフェルド博士が行ったレビュー研究では各筋肉群あたり6~9セットの全身高強度トレーニングでも36~39%しかグリコーゲンストアは枯渇しないことを示しています。
そして2016年のレビュー研究では大量の炭水化物摂取はパフォーマンスにほとんど影響がないことが示されています。menno hensemans博士は炭水化物は筋トレしてる人にとっては食事で十分足りていると話すように非常に厳しい糖質制限をしていない限り、トレーニング中に炭水化物や糖質は摂取する必要はありません。
電解質についても同様です。これを調査した研究はサイクリストやマラソンランナーが対象であり、筋トレについての示されているデータは筋肉の痙攣EAMCが発症していた人が改善されたというものに限られ証拠は非常に乏しいです。
そのため、スポーツドリンクについて。これは炭水化物と電解質の混合物です。これは信頼性が高いレベルで保障されています。しかし、それは持久力トレーニングやスポーツでの信頼性であり筋トレではスポーツドリンクのメリットについての強い証拠はほとんどありません。
栄養学の専門家であるグラントティンズリー博士は水や炭水化物、電解質を主成分とするスポーツドリンクについて長時間の運動をするアスリートにとっては科学は効果を裏付けているが、ウエイトトレーニングをする人にとってはジムに1時間以上いたとしてもスポーツドリンクを摂取する必要が無いと話しています。
そのため、データを見ると筋トレ後に長時間の有酸素運動をする人や筋トレを3時間以上行う人にとっては炭水化物、電解質、スポーツドリンクはメリットがあるかもしれませんがそれ以外の人にはメリットはほとんどないと思います。
糖質などトレーニング中に摂取すると余分なカロリー摂取となるため体脂肪の蓄積を加速させる可能性があります。炭水化物や電解質は食事で十分でありそっちの方が満腹感も高められるため余分なエネルギーをとる必要が無いためデメリットがありません。
科学的な証拠を見ると筋トレ中に摂取するべき栄養素は水で十分です。科学的に筋トレは人間の運動の中でも持久力トレーニングなどと比べると比較的ハードではないものでは無いと考えられているため多くのエネルギーを必要としません。
トレーニング前には600mlの水分をとり、筋トレには1l以上入る大きめの水筒をもっていくことをおすすめします。脱水症状にならないためには1set終わったら一口水を飲みましょう。よりたくさん水分を摂るおすすめの方法として味をつけると飲みやすくなりメリットがあります。そのため、人工甘味料を購入して水筒に混ぜると美味しく感じてトータルの水分量を増やせる可能性があります。
水は基本的には気持ち悪くなるくらい飲まなければデメリットはないため意識してたくさん摂るのがおすすめです。