トレーニング時間は何分ですか。筋トレしてから仕事に行く人もいれば仕事が終わってからジムに向かう人もいるでしょう。少なくとも多くのトレーニーは忙しいので2時間も3時間もジムにいてトレーニングすることはできないでしょう。
大胸筋や背中トレーニングでいつもより時間がかかってしまってあと10分しかない。10分で肩を終わらせないといけないという経験をしたことがある人もいると思います。この記事では科学的な証拠を基に筋トレ効果を損なわずに短時間でトレーニングを終わらせる筋トレメニューについて紹介します。
スーパーセットは2,3種目程度を連続で行うトレーニング法です。例えばショルダープレスをやった後にサイドレイズをやるというものです。このメニューはよく時短メニューとして紹介されていますが、スーパーセットにはやっていいものとやってはいけないスーパーセットがあることをご存知ですか。
やってはいけないスーパーセットは2017年の研究によると非常に強い筋肉の損傷を引き起こし、回復時間を大幅に延長させることが示されています。この研究では5日かかっても回復できないことを示しています。
筋肉を傷つければ傷つけるほど筋肥大するというのは完全な誤解です。筋肉の成長のためにはある程度筋肉を損傷させれば十分、逆に傷つけすぎると筋肥大効果は大したことないにもかかわらず回復時間が大幅に延長されます。
加えて2020年の研究でもやってはいけないスーパーセットは推奨されていません。
筋トレ効果が大きく落ちてしまうやってはいけないスーパーセットトレーニングは同じ筋肉群を連続して鍛えることです。例えば2019年のようにベンチプレスとインクラインプレスのスーパーセットトレーニングでは一般的なベンチプレスをしっかりやってからインクラインプレスをやる方法よりも15%少ない回数で大胸筋の活性化の大幅な低下を示しています。
やると効果的なのは拮抗筋同士のスーパーセットです。例えばバイセプスカールをやった後にダンベルキックバックをします。上腕二頭筋は肘を曲げる肘関節の屈曲に関わり、上腕三頭筋は肘を伸ばす肘関節の伸展に関わるためお互いの筋肉が真逆の働きをします。
2014年の研究では拮抗筋同士のスーパーセットであるレッグカールとレッグエクステンションを組み合わせると大腿四頭筋の活性化とボリュームの増加を確認しました。
肩で注意しなければならないのは多くの人が同一の筋肉をスーパーセットで鍛えてるということです。例えば肩の前部と中部,後部の種目を連続でやるというものです。ショルダープレスを行ってサイドレイズなどです。これはやってはいけません。科学的な研究からもショルダープレスでも強い三角筋中部の筋活動が示されているのに加えてサイドレイズでも三角筋前部はフロントレイズと同じくらい三角筋前部をアクティブにさせます。さらに筋トレ種目についての肩の筋電図分析を行った研究では三角筋後部のリバースペックマシンでも三角筋中部がサイドレイズにかなり近いレベルで活性化されていることがわかります。
そのためショルダープレスをやった後にサイドレイズをやってもショルダープレスの疲労によりサイドレイズのボリュームが大幅に落ちるためあまり効率的ではありません
肩のスーパーセットをやるときは三角筋前部と後部でできるだけ行いましょう。中部は避けるべきです。
肩のトレーニングでは多くの種目で三角筋全体がアクティブになるためやってはいけないスーパーセットになりがちになります。時間短縮のトレーニングメニューについてはスーパーセットよりもこの後に紹介する方法をやることを推奨します。
同一の筋肉のスーパーセットが効果的だと勘違いされやすいのはパンプ感はかなり強いためです。ショルダープレスやリアレイズをやった後にサイドレイズをやるとめちゃくちゃパンプ感、効いてる感を感じますが筋肥大にとっては悪影響です。
筋肥大にとって悪影響にならないスーパーセットは例えばショルダープレスを行った後に休憩なしてリアレイズを行います。リアレイズが終わったら2分間休憩してショルダープレス、そして休憩なしでリアレイズです。
ドロップセットは時短メニューの最も代表的なトレーニング方法だと思います。
例えばダンベルサイドレイズを10kgで10repします。限界に近いラインまでトレーニングを行って1set目を終わらせます。一般的なトレーニングはここで数分間のインターバルをとりますがドロップセットは休憩はほとんどとりません。10kgよりも軽い重量のダンベル、例えば8kgとかに切り替えてもう一度サイドレイズを行います。これが終わったら今度は6kgに切り替えてサイドレイズを行い、このプロセスを繰り返します。
2017年の研究ではバイセプスカールでドロップセットと従来のトレーニング方法を比較しました。従来のトレーニンググループは一方は3setで各セット間のインターバルが90秒でした。一方ドロップセットグループは5set行い、1set目から10%ずつ減らしていきセット間に休憩を入れません。
両方のグループ同じボリュームであり、同じだけの筋肥大と筋力の増加をもたらしましたがドロップセットグループは1/3未満の時間でトレーニングセッションを終了しました。
おすすめのドロップセットプログラムとしてダンベルサイドレイズで限界に近いラインまで行ったら2~3kgずつ減らしていくものがありますがこのプログラムをジムでやる場合はダンベルの占領に注意してください。
ダンベルを3つとか5つ占領してダンベルトレーニング行ってる人も少なくないので人が沢山いるときには迷惑です。この場合はケーブルマシンなどマシントレーニングでウエイトを減らしていってトレーニングするのが効果的です。
ドロップセットのおすすめとして10rep以上できる回数からスタートさせることを推奨します。低回数トレーニング、例えば8repとか5repなどの低回数トレーニングにはドロップセットはボリュームも少なくなるためあまり向いていません。
そして重量を下げても自分の1RMの30%を下回らないことが重要です。回数と筋肥大の研究ではおおよそ1RMの30%以下の重量では限界まで追い込んでも筋肥大効果が大きく落ちることが示されています。
つまり、ドロップセットの後半とか最後のセットで1Rmの30%以下の重量に設定してしまうとどれだけきつくても、パンプがあっても効果は半減します
おすすめのやり方としてはケーブルマシンを使って20repできる重量でトレーニングを行い、限界に近いラインまで来たらウエイトを一個落としてまたトレーニングを行います。ドロップセットはやりすぎに注意しましょう。
重量を落とせば10setでも20setでもできますがこれだと筋肉の損傷が激しく、関節の回復に時間がかかりすぎます。科学的な研究はドロップセットのこのリスクを懸念しているためやりすぎないでください。できれば3~5setにとどめるのがおすすめです。
最後はパーカーフィットネスが一番気に入っているトレーニング方法です。ドロップセットは重量をどんどん落としていきましたがレストポーズは重量は落としません。重量は落とさず回数がどんどん落ちていくドロップセットだと思ってください。重量を変えなくていいのでダンベルを占領しなくて良いところが個人的に気に入ってます。
2019年の研究ではベンチプレスやレッグプレス、バイセプスカールのレストポーズトレーニングで比較を行いました。従来のトレーニングは6rep 3setを実行します。つまり合計は18repとなります。レストポーズはこれと同じ重量で18repを目指します。
例えばバイセプスカールを行います。1set目は10repできてインターバルを20秒次は5repできました。そしてまた20秒休憩して3repできた場合、合計の回数は18repとなり、同じボリュームとなります。
先ほどの研究ではレストポーズグループは上半身は同じだけの筋肥大効果でしたが下半身は従来のトレーニンググループよりも大幅に改善されました。ただ、エフェクティブレップを考えるとこの研究はレストポーズグループがかなり有利に働きます。現実的にはこれほどの差が出ることはありませんが、レストポーズの効果は高いと考えます。
これも割と高回数がおすすめです。まずは15rep程度できる重量で1set目を行い、10~20秒休憩しましょう。休憩を挟みながら大体3~5repできなくなってきたら辞め時です。おすすめの方法としてはまずは15~20repできる重量を扱ってトレーニングを行います。限界に近いラインまで来たらウエイトを持ち上げるのをストップさせて20秒程度休憩します。
そしてもう一度トレーニングを行ってRPE9、あと一回分できるラインまで来たらストップさせて20秒休憩。これを繰り返してセットの中で5rep出来なくなったら終了です。