今回は非常に安全、かつ筋肥大効果を最大化させる筋トレする方法について紹介します。トレーニングプログラム、bfr、血流制限,加圧トレーニングとも言います。このトレーニングの科学的な根拠や正しいトレーニングへの取り入れ方を紹介します。
bfr blood flow restrictionは意外と長い歴史があり1966年の日本で生まれたトレーニング方法です。当時高校生だった佐藤義明はあるときにこのアイデアを思いついたようです。行事に出席して正座した後に彼は足がしびれていることに気づきました。
これは血流の低下によるものであり、これを彼は筋肉の順応を誘発する能力があると考えました。その後加圧トレーニングという名前でこの鍛え方は学会で発表されました。
このトレーニングでは血流制限バンドを腕、または脚につけます。この状態でトレーニングをすることで血流が制限されてとんでもないパンプ、代謝ストレスが手に入ります。このトレーニング法は今に至るまで多くの研究がされており、その効果が確認、証明されています。
bfrトレーニングは関節や筋肉に大きな損傷を与えることなく、あなたの筋肉を刺激することができます。
このトレーニングでは脚や腕に血流制限バンドをまいて1rmの20~30%の非常に軽い重量でのトレーニングが推奨されています。
科学的な証拠として軽い重量も重い重量も筋肥大効果にはほとんど差が無いと言ってもいいです。しかし、どんだけ軽い重量、そしてどんだけ重い重量でも同じというわけではありません。重量で言うとおおよそ1RMの30%以下の重量の場合は限界まで追い込んでも、多くのボリュームをこなしても筋肥大効果が薄くなることが多くの研究で示されています。
この原因として研究者たちは軽すぎる重量では筋肉の活性化が十分に起こらないと示しています。つまり、いつも10kgのダンベルでカールをしている人は1,2kgのダンベルではトレーニングしても筋肥大効果がかなり落ちてしまうことになります。
しかし、BFRトレーニングでは20~30%、科学的には筋肥大効果が大きく落ちる重量でも筋肥大効果が高いことを示しています。
2015年の研究では被験者26人をBFRトレーニングと一般的な高負荷の筋力トレーニングで比較しました。
その結果、BFRトレーニンググループと一般的なトレーニングループとでは筋肥大効果は同じでした。
2018年の沢山の研究を分析して結論を出すレビュー研究ではBFRトレーニングが高負荷のトレーニングとほとんど同じだけの筋肥大効果をもたらすことを示しています。
そのため、家に1~2kgのダンベルしかない人は普通にトレーニングしても軽すぎてトレーニングにならないでしょう。しかし、bfrをすれば軽すぎる重量でも10kgのダンベルをカールしているかのようにトレーニングすることができます。
そして次のメリットは安全で疲労も小さいということです。2014年のブラッドシェーンフェルド博士の重量と回数についての研究が最もわかりやすいと思います。筋トレ経験者に高回数グループとして10rep3setと高重量グループとして3rep7setグループで比較しました。
ボリュームは同じに設計されていたので筋肥大効果は同じでしたが高重量グループに割り当てられた被験者は高回数グループと比較して3repを7setこなせられずにドロップアウトしてしまう割合がかなり高いことがわかりました。
高重量のトレーニングは筋肉の発達に非常に重要なのはもちろんですが関節や筋肉の損傷も大きく、疲労感も強いためボリュームの低下も起こりやすい可能性を示しています。
bfrトレーニングでは非常に軽い重量を扱っているため筋肉や関節の痛みも非常にちいさく、体への負担を最小限にしながら一般的なトレーニングと同様の効果をもたらすことができます。そのためこのトレーニングプログラムはケガしたアスリートやリハビリに使われることが多いです。
一見安全で筋肥大効果もかなり高いトレーニングに見えますがデメリットも少なからずあります。デメリットというか注意するべきポイントですね。bfrトレーニングは全てにおいてパーフェクトなわけではありません。
トレーニング効果があることは間違いありません。しかし、問題は普通の筋トレと比べて効果があるのか。これについては専門家の間でもかなり議論されています。
先ほど話したようにbfrトレーニングは関節や体の負担が最小限であるためケガしたアスリートやリハビリに主に使われています。しかし、この記事を見てる人のほとんどは健康でより良い鍛え方を知りたいと思ってるはずです。つまり、ケガしたアスリートのように高重量を扱えない状態ではないということです。
ほとんどの人にはbfrトレーニングをやるという選択氏だけではなく高重量のトレーニングを扱うという選択肢があります。重要なのはbfrトレーニングは普通のトレーニングを超えるものではないことに注意しなければいけません。
bfrトレーニングの過大評価は禁物です。
そしてこのbfrトレーニングのメカニズムは未だにはっきりしていません。パンプが最も有力な要素ですがbfrトレーニングより信頼性の高い研究でパンプとも言われる代謝ストレスは筋肉の成長にそこまで大きなメカニズムではないことが示されています。
そのため、一般的なトレーニングと同じくらいの効果が出る原因は不明です。
そして、最も重要なのは筋力アップについては普通のトレーニングのほうが効果が高いということです。レビュー研究も最大筋力についてはbfrよりも一般的なトレーニングの方が最適化される可能性が高いことを示しています。
2017年の研究ではフットボール選手を対象にバックスクワットや垂直飛びのパフォーマンスを行わせた結果、bfrトレーニングのプラスの影響が見られませんでした。
そのため、多くの研究者たちは筋力アップ効果についてはbfrトレーニングの効果を疑問視しています。
bfrトレーニングのおすすめの筋トレメニューへの取り入れ方について紹介します。
このプログラムの最も大きなメリットはケガのリスクを最小限にしながら高いトレーニング効果を発揮できることです。そのため、最近関節が痛い人やトレーニングの疲労について困っている人にとって最適です。
例えば先日紹介した高ボリューム集中トレーニング。腕を30set40setやることにした人は肘の痛みなどはかなり感じやすくなると思います。または大胸筋の高ボリューム集中トレーニングをやりたくてプレスをたくさんやってるんだけど上腕三頭筋も鍛えると肘が痛くなるという人にbfrトレーニングは最適です。