今回はおすすめの肩の鍛え方。筋トレメニューについて紹介します。
筋トレメニューの説明の前にまずはこちらの動画を見てください。肩の鍛え方について基礎的なことを詰め込んだ動画です。科学的な肩の鍛え方の動画で説明したことはこの動画では省略しますのでまずはこっちの動画から見ることを強くおすすめします。
科学的鍛え方シリーズを見た人に向けてざっくりおさらいすると、肩はケガしやすい筋肉であるためチートやフォームをまずは優先させて軽い重量で強い負荷がかかるようにする。僕は8repとか低回数を否定してると思ってる人がめっちゃいましたけどそうじゃありませんからね。
次は肩の前部グループと中部後部グループで分けるのがおすすめです。michael gundill氏によるとボディビルダーはトレーニングをしていない人の平均して5倍大きな三角筋前部があると話しています。しかし、三角筋中部は3倍であり、三角筋後部についてはわずか10~15%多い程度です。
そのため中部は高ボリュームが必要であり後部は背中で刺激されているといえど同じく大量のボリュームが必要になるということです。
そして三角筋のそれぞれの部位の大きさの不均衡によりケガのリスクが増えます。2001年の科学的な研究でも三角筋の中部や後部を優先させることは肩の外見が良くなり、肩関節の可動域やケガのリスクを減らすのに望ましいことであることが示されています。
まずは肩の解剖学的なところから、肩トレーニングには棘上筋はじめ、4つの回旋腱板にある筋肉が作用しています。これらはスタビライザー的に機能し肩のサイズにはあまり影響しません。
次に筋線維について肩の筋肉は速筋繊維と遅筋繊維の割合が50:50であることが広く知られています。
このチャンネルのファンの方、ほとんどの人にとって肩のトレーニングは大胸筋や背中の後だったりジムに来ていきなり肩から始める人は少ないんじゃないでしょうか。
そのため肩のウォームアップは大胸筋や背中のトレーニングを始める前の動的ストレッチなどで十分であるため肩トレーニングの前にウォームアップをする必要はないと考えます。
まずは三角筋前部の鍛え方から紹介します。三角筋前部で最も重要な動きは肩関節の屈曲であるということです。
研究でも示されている通りベンチ台の傾斜がつくにしたがって肩関節の屈曲が強くなり、三角筋前部の活動が大きくなることが示されています。
大体三角筋前部といわれて想像するのがショルダープレスとフロントレイズです。ただ、僕はフロントレイズはやる価値が無いと思っています。
筋電図分析によるとフロントレイズの筋電図の活動はベンチプレスと同じレベルであり最も筋活動の強かったミリタリープレスと41%も差があることを示しています。さらには一番右のダンベルサイドレイズにも負けるレベルです。
次に2014年の研究ではダンベルショルダープレスよりも非常に低い三角筋前部の筋活動を示しています。
アメリカの筋力トレーニングコーチであるマークグリフィスによるとスポーツに最も役立つ上半身エクササイズはプレスであるようです。99%の人にとって最善の三角筋前部トレーニングはプレスです。
さらに立った状態で行うことでより強い三角筋の活動が示されています。2013年の研究では立った状態で行うことで不安定になり三角筋前部だけでなく中部や後部の活性化も強くなりました。前部は8%、中部は15%、後部は24%多い活動を示しています。不安定になることは三角筋前部には大きな効果はありませんが肩の他の筋肉には非常に有効です。
バーベル、ダンベルどちらでもほとんど変わりませんがマシンのショルダープレスはオススメしません。
可動域の問題もありますが立った状態で不安定になることが肩の活性化を強めることを示しているためマシンはもちろんスミスマシンのショルダープレスも安定させて肩の活動を殺してしまう可能性があるのでおすすめしません。ベンチプレスの研究ではありますがスミスマシンにすることで三角筋前部と後部は変わりませんが大幅に三角筋中部の活動が弱くなることを示しています。
さらにショルダープレスをアーノルドプレスに切り替えることで広い可動域をとり、肩の活動を増やせる可能性があります。筋電図分析によるとアーノルドプレスは一般的なショルダープレスより三角筋前部と中部の刺激が強いことが示されています。
バーベルとダンベルについては明確にこっちとは言えませんが個人的にはケガのリスクなどを考えるとダンベルのほうがおすすめです。まぁどっちかといえばレベルですので好きな方でいいと考えます。
次は中部、中部は肩関節の外転です。2013年の筋電図分析によると三角筋中部を強く刺激する種目はダンベルサイドレイズ、ケーブルサイドレイズ、リバースペックデックです。
リバースペックデックは後部のときに解説しますので後回しにするとして三角筋中部に重要なのはサイドレイズのような代表的な種目です。
サイドレイズのポイントを紹介します。2014年の研究では親指を上に上げるフルカンエクササイズと小指を上に上げるエンプティカンエクササイズを行い筋電図分析を行いました。
その結果、エンプティカンと比べてフルカンエクササイズでは三角筋中部の活動が大幅に弱くなることが示されています。サイドレイズでは小指を上げてください。しかしながらこの動作は肩のインピンジメントのリスクを増加させます。僕は小指を上げることで痛みはあまり感じたことがありませんが人によっては痛む可能性があります。
その場合は過度に小指を上げる必要はありませんが、少なくとも親指よりも小指が下に来る運動は避けるべきです。
科学的研究によるとサイドレイズの最初の部分では最初に紹介した回旋腱板の筋肉である棘上筋が三角筋中部よりもアクティブであることが示されています。そのためマイクイズラテル博士も推奨する通りサイドレイズでは肩と同じ高さまでは最低でも持ち上げる必要があります。
次におすすめの種目としてアップライトロウも三角筋中部と僧帽筋の上部を刺激する優れた種目です。僕はアップライトロウやるとインピンジメントの違和感がかなり感じるのでほとんどやりませんが違和感が感じない人にとってはおすすめの種目です。
科学的には肩幅よりも広いグリップをとり、挙上範囲を肩と同じ高さに抑えることで三角筋中部の活動を増やし、ケガのリスクを下げられることが示されています。肘が肩と同じ高さでストップするようにしましょう。
ラストは三角筋後部、三角筋後部の運動は水平外転です。リバースペックデックは三角筋中部にも強い刺激が入ると紹介されていましたが筋電図分析では後部にもダントツで強い刺激を入れることができます。
リアレイズのような水平外転の種目で、より三角筋後部に刺激を入れるポイントはグリップです。2013年のジャーナルオブストレングスに掲載された研究によると回内グリップよりもニュートラルグリップのほうが三角筋後部や中部に強い刺激を入れることが示されています。
理由として三角筋には肩を外側に回転する動作にも関わっています。ニュートラルグリップにすることでこの回転動作が追加されて三角筋後部と中部の活動が強くなったことが考えられています。
次におすすめの種目はケーブルフェイスプルです。水平外転についてはリバースペックデックのほうが大きく関与しますが、フェイスプルは肩の外転を主に使用します。
ケーブルを握り引っ張ります。low to high のほうが肩の外転を利用できるためおすすめです。この種目は結構テクニックが必要であると感じてます。個人的な肩に効かせるポイントとしてはロープの一番端を持つこと、おすすめはストッパーの部分を握るように持ちます。この種目はどうしてもロープが顔に当たる部分で可動域が終わってしまうので端を持つことで可動域を最大限にとれます。ケーブルのスタートを大胸筋下部くらいの位置に設定して次に高い位置まで引っ張ります。
高い位置まで引っ張るほど肩を外側に回転させるムーブになるため肩に効かせやすくなります。
肩についてはトレーニング頻度とかその日どの部位にもよって大きく変わるため、自由度がかなり高いです。おすすめの種目はこんな感じです。
三角筋前部 1~2/週 | ダンベルアーノルドプレス |
バーベルショルダープレス | |
三角筋中部 3~6/週 | ダンベルサイドレイズ |
ケーブルサイドレイズ | |
アップライトロウ | |
三角筋後部 3~6/週 | リバースペックデック |
ケーブルフェイスプル |