今回は懸垂について解説します。懸垂を伸ばす方法、懸垂がまだできない人が懸垂を上げ切るためのおすすめの方法について科学的に紹介します。確かに懸垂ってムズイです。ベンチプレスで言ったらいきなり体重と同じ重量上げるようなものですからね。初心者の人でいきなりできるって人のほうが少ないと思います。
ただこの懸垂ができるようになったら、何回かできるようになって筋トレメニューとして取り入れることができるようになったら広背筋の発達はかなり変わると思います。
ブラッドシェーンフェルド博士も広背筋トレーニングにはラットプルと懸垂の両方と取り入れるのが最適と話しています。懸垂ができるようになったら背中トレーニングの幅がめちゃくちゃ広がります。
まず一番大事なことと言っても過言ではないのが体重です。懸垂は自重トレーニングですので自分の体重が懸垂の難しさに直結します。例えば体重100kgの人と50kgの人だったら100kgの人のほうがはるかに懸垂を1rep出来るのに時間がかかります。なので体重はある程度のラインまでは落とした方がいいです。
大体、身長-100くらいの体重までは落とした方が懸垂出来るようになるまでスムーズだと思います。身長170cmの人だったら70kgくらいまでは落としたいですかね。体重が重い人は懸垂を上げるためにまずは体脂肪を落としてください。
次の懸垂を上げるポイントはCKCを使うことですCKCというのはクローズドキネティックチェーンエクササイズのことです。
懸垂はこのCKCです。どんなものかというと腕立て伏せとかディップス、自分の体が動くトレーニングですね。逆にベンチプレスとかそれこそラットプルダウンはOKC、オープンキネティックチェーンエクササイズになります。
懸垂を1rep達成させるためにはラットプルダウンで自分の体重と同じ重さの重量を持ちげに行くというよりは懸垂でアシストを使って最終的にはアシストなしであげにいったり、他のメニューでも自分のカラダを持ち上げるメニューのほうがおすすめです。
2018年のEMG研究によると懸垂で特に活性化されている筋肉はコアマッスル、上腕二頭筋、広背筋、僧帽筋の中部と下部です。上腕二頭筋と広背筋などについては普通に鍛えてくださいというくらいしかありませんが意識してほしいことはコアマッスルです。
2009年の研究ではラットプルダウンと懸垂の強度には相関関係がありますが、弱い傾向にあることが示されています。つまり、体重と同じ重量のラットプルダウンが上がったからといって体重と同じ重量の懸垂が出来るというわけではなかったりラットプルの重量が伸びたから懸垂の力が伸びたというわけではない可能性が高いようです。
ラットプルダウンは下半身が固定されているため安定性、コアマッスルの役割は小さいため相関関係が弱いという結論が出されています。
先ほど言ったクローズドエクササイズを使ったほうがおすすめといったのはこれが理由です。オープンエクササイズはコアの活動が強くない種目が多いです。
ただしCKCでも、アシスト懸垂も懸垂の力を伸ばすのにそこまで影響しないようです。これはアシストの部分が脚を支えるためラットプルダウンのように体制維持を助けて、コアマッスルの活動を低下させてしまうようです。
2018年の研究では着席した状態でのラットプルダウン、アシスト懸垂よりも膝立ちのラットプルダウンが大幅なコアマッスルの活性化を示しています。そして、筋電図分析でも懸垂と非常に近い筋活動を示しています。
ただ、膝立ちでラットプルダウンができる環境って日本だとあんまり多くないですよねたぶん。
なのでケーブルマシンを使ったりラットプルダウンマシンに膝立ちでやるのがいいと思います。周りの状況見ながら行ってください。
次はチューブを使ったアシスト懸垂です。設置面積が少なく、アシストマシンよりも不安定であるのでコアマッスルも活性化させます。そして一番いいのがチューブの強度を使いわけて筋力を伸ばすことが出来るところです。例えば最初は抵抗が10kgのチューブで懸垂を行って何回かできるようになったら5kg、次は2.5kg、そして最後は自重というようにどんどん段階を踏むことができます。
ラストはインバーテッドロウ、動作は懸垂に近くはないですしロウ系の種目ですが非常におすすめです。
体の背面の筋肉、特に僧帽筋を鍛えることができ、一番の利点は腕立て伏せのように体をまっすぐにさせるためにかなりのコアマッスルを使います。最初は体を垂直に近い角度からスタートさせて徐々に平行にしていきいます。
具体的な筋トレメニューについては下の動画を見てください