大胸筋の内側をターゲットにすると大胸筋の成長は全く見られない可能性があります。
筋トレの迷信は数えきれないくらいあります。例えばアミノ酸は吸収が速いとか空腹は筋肉が分解される、あとはワイドな腕立ては大胸筋に効く、筋トレ前のストレッチはケガ防止とかが代表的ですかね
その中でも一番デカいと言っても過言ではないのが大胸筋の内側です
大胸筋は鎖骨や胸骨からスタートして上腕骨まで伸びている繊維です。筋線維というのは伸びたり縮んだりするだけです。これ以外には何もしません。
残念ながらこの大胸筋の内側を直接鍛えることはできません。内側をターゲットにできるというのはこういうことです。
横方向に伸びているものを縦方向に分割する。普通に考えたらおかしいことですよね。
筋線維は収縮して引っ張りますが内側だけがゆるくて外側は張力が強くてピンと張ってるなんてことありますか?収縮した時に内側だけゆるいとかきついとかありません。
上腕二頭筋のカールの時スタートの部分では外側だけに刺激が入っていますか。フィニッシュの部分では内側が特に固くなっていますか?他の部位でもそうです。
同一の筋線維なら場所は関係なく緊張は同じです。内側だけ張力が強いとか弱いとか絶対そんなことないですよね。
例えばこの2014年の研究ではレッグエクステンションのストレッチの部分と収縮の部分で比較しました。
収縮が内側に効くという意見が正しいなら収縮部分のみをやったグループは大腿四頭筋の内側のみが発達しているはずです。しかしこの研究では研究結果としてストレッチをかけ他グループのほうが筋肥大していました。そして収縮グループは内側が特に発達していたなど一切言及されていません。
そしてみなさん、大胸筋の内側、いや筋肉全体の筋電図分析で内側と外側とで測った研究を見たことありますか?僕がもし研究者で大胸筋の内側と外側の鍛え分けができるならすぐ筋電図分析をして内側にとって最高の種目を紹介します。それくらい内側についての疑問はメジャーなものですから需要はかなりあります。
このチャンネルでは筋電図分析結構紹介してるので僕は筋電図分析研究を普通の人よりは見てると思いますが内側と外側については一切見たことありません。大胸筋だけじゃなくて他の部位すべてです。
収縮させると内側が強調して見えるだけです。これは内側が強く収縮しているわけではありません。内側「も」強く収縮しています。
内側狙いとか言ってる人がそう思う理由はホントにこれだけの理由なんですよね。
これはダンベルカールのフィニッシュの部分がスタートよりも大きく見えるんだって言ってるのと同じです。収縮してるから当たり前のことですよね。
スポーツ生理学の博士号をとっている本当の意味で筋トレ博士であるでDr.mike isratelの記事でも大胸筋は鎖骨の領域と胸骨の領域の二つで構成されていると話しています。彼の記事全体で大胸筋内側なんて言葉は一切出てきません。
そもそもPOF法だったり収縮やストレッチなど筋トレの刺激の種類自体怪しいところがあります。
2017年の科学的レビューでは代謝ストレス、パンプは筋肉の成長の直接的なメカニズムではない、そのため収縮部分を意識してケーブルクロスオーバーの最後の部分だけやったりプレートを頑張って押さえつけたりすることは非効率的です。
つまり、収縮が内側に入るという迷信を信じて可動域を制限して大胸筋を鍛えると筋肉の成長に十分ではないため、大胸筋の成長はほとんど、または全く見られなくなる可能性がります。
完全に逆効果ということですね。大胸筋の内側をつけるためには重要なのは2つです。
内側が欲しい場合、
この2つ以外の方法はありません。
収縮は大胸筋内側だって言ってる人のことを信じるとそもそも大胸筋全体を成長させるために非効率的なトレーニングになってしまうし、一番欲しい大胸筋内側が大胸筋内側を狙ったために手に入れられません。
運動生理学者ブラッドリー博士も大胸筋内側を狙うこと自体やめろと話しています。同一の筋線維の緊張は同じで外側も内側も等しく収縮します。この人も運動生理学の修士号もとってますのでちゃんとした博士です。
これもさっき言ったのと同じですね。内側を狙うために内側が発達しなくなります。
大胸筋の外側には小胸筋がありますし鏡を見たときに一番目立つ部位です。大胸筋の筋線維は上腕骨付近に密集している状態になってます。なので外側のほうが厚く見えるなんて当たり前ですし。逆に外側より内側がの方がデカい人見たことありますか?
あとは人によっても肩幅の広さなんかで変わります。ボディビルの大会でも個人の骨格によって大胸筋の厚み、内側が違います。
バスケットボール選手の脚がほそいのもこれが理由です。筋線維が広い範囲をカバーしないといけないからです。
大胸筋内側がつけたい人は大胸筋自体を大きくする。あとは体脂肪を落とす。これだけです。