広背筋は背中にある筋肉で背中の広がりを作るために必要不可欠な筋肉です。しかし、鍛え方が間違っている人は非常に多いです。今回はその正しい鍛え方を紹介します。
広背筋の主な運動は2つです。
ひとつは肩関節の伸展、ふたつ目は肩関節の内転。伸展はシーテッドロウやダンベルロウ。肩関節の内転はラットプルダウンや懸垂でおもに使われています。
Dr.mike氏の記事では背中のトレーニングは広背筋を強調するプル系の種目、そして僧帽筋を強調するプル系の種目で分け、それぞれ同じくらいのボリュームを行うことが背中の厚みと広がりを兼ね備えた背中を作り上げると紹介されています。
しかしながら、この種目は僧帽筋、この種目は広背筋と、この二つを完全に分断する必要はありません。この筋電図分析からも分かる通り、シーテッドロウでもラットプルダウンに匹敵する広背筋の筋活動が示されています。
そのためプル系の種目だけでなくロウ系の種目でもしっかりと広背筋を意識し、鍛えることが最も効率的なトレーニングになります。
ブラッドシェーンフェルド博士の記事では広背筋の発達にはラットプルダウンと懸垂の両方を用いることが最も効果的であると話しています。
そのため、基本的には広背筋の発達にはプル系の種目はラットプルダウンと懸垂で十分でしょう。
広背筋を筋肥大させるためには正しいテクニックが必要です。広背筋の発達のために懸垂やラットプルダウンを行うときバーはまっすぐ降ろすのではなく肩関節の伸展も加えることができ、広背筋の活動をより強くする可能性があります。
この研究ではまっすぐおろすビハインドネックよりも体の前面におろすラットプルダウンのほうが広背筋の活動が強いことがわかっています。ビハインドネックはまっすぐおろし肘もかなり開いているため肩関節の伸展がありません。
さらにはビハインドネックにすることで肩関節が危険な場所に配置されます。これはショルダープレスでも同じことが言えます。
広背筋を活性化させるためには肘を開かず、やや内側に絞りましょう。脇が開くと広背筋の緊張がなくなり僧帽筋や三角筋後部に負荷が逃げます。
普通の懸垂と背中を鍛える懸垂は違うことに注意してください。単純に体を上に持ち上げるよりも一度背中を下制させて肘を内側に絞ります。
正しくやるとバーが体の斜め上にある状態になります。脇が開いた状態でのプルは広背筋をうまく使えなくなります。
これはラットプルダウンでも同じです。曲線を描くようにウエイトを持ち上げるためにラットプルダウンでは体を傾けましょう。
そして、メイン種目を作ることです。メイン種目は毎回重量を記録し、伸ばしていく種目、筋力アップの種目です。Progressive Overloadという原則があるように筋力アップと筋肥大には密接な関係があります。
そのため高重量で行い、筋肥大というよりは筋力を伸ばす種目が必要です。おすすめは懸垂、代表的なものにデッドリフトもありますがハムストリングスや大殿筋など非常に強力な筋肉も関与するため、純粋に引っ張る力、背中の力の向上とは言えません。
広背筋を成長させるためには懸垂の力を伸ばすことが非常に重要になります。広背筋の成長で悩んでる人、まずはそこからがスタートです。
Dr.mike氏は背中のトレーニングで重要なのは広い可動域と話しています。注意しなければいけないのはスタートとフィニッシュ、よくある間違いはしっかり引っ張っていない場合としっかり広背筋を伸ばしていないことです。ラットプルダウンでは必ずバーが自分の大胸筋上部につくくらいしっかりと引っ張りきる必要があります。懸垂ではあごが手よりも上に来ることが必須です。ロウではしっかりと引ききり、ベントオーバーロウではバーが腹部まで引っ張るようにしましょう。
そして広背筋のストレッチ、これはロウ系の種目でよく見落とされますプル系はしっかりとラットプルや懸垂で筋肉の負荷を抜いて広背筋を伸ばすことこれにより可動域が広がることで筋肉が伸び縮みする量が増えるため筋肉の活性化が起こります。
Dr.mike氏のベントオーバーローを見てみましょう。彼は広い可動域をとるために脚にプレートを置いています。そしてスタートではデッドリフトのようにバーベルを地面においてからスタートさせています
ダンベルやバーベルを地面に置くくらい下に下げてできるだけ筋肉を伸ばすようにしています。みなさんもラットプルだけでなく、ロウでも筋肉の緊張が完全に抜けるくらい広背筋を伸ばしましょう。
彼の記事では関節可動域についてこのように書かれています。
背中の筋肉を発達させるためにはフルレンジで広い可動域をとることが重要であるだけでなく勢いを使ってチート行為を防ぐことも重要です。
Dr.mike氏の記事ではこのように書かれています。
「地球上で行われたロウのうちおそらく5%だけが優れたテクニックで行われています。」つまり正しくロウを行っている人はそれくらい少ないってことですね。
「残りはある程度そして許容できないほどのスイングを使っています。それから得るものは背中の発達ではなく脚の筋肉の関与であるということです。脚と背中のトレーニングであるデッドリフトをしているわけでない限り背中のみをターゲットにしている場合は胴体を動かしてはいけません。
ミッドレンジでプルアップやロウを行ってもやりがいは出るかもしれませんが背中の組織に摂っては非生産的な運動になります。」
広背筋だけでなく背中のトレーニングは1週間に14~22セットが最もよく反応するようです。これはロウ系の種目とプル系の種目を合わせた数です。20セット超えるくらいがオーバーワークぎりぎりの範囲なようです。
頻度としては1週間に2~4回の頻度、週に5~6回鍛えている人は高ボリュームの背中トレーニング2回でいいでしょう。背中は高頻度の全身トレーニングでもおそらく適応できます。
回数は6~20repが推奨されています、加重懸垂は高重量、ラットプルダウンは高回数という風に背中全ての種目を10repの1点にするのではなく広い値に分布させるといいです。
これらを意識することが広背筋の成長に非常に重要です。特にストレッチさせるくらい広背筋を伸ばすことは出来てない人も多いですし見落とされがちです。